山梨のオオムラサキ(7月上旬)
この日は山梨でアイノ・ジョウザン・メスアカ等のゼフ狙いで出撃しましたが、敢え無く惨敗。最後に訪れた渓谷でオオムラサキに慰めてもらいました(笑)最初は地面からの吸水シーン。 ++横位置画像はクリックで拡大されます++
D7K-34、ISO=200、F6.3-1/1000、-0.7EV、撮影時刻: 11時50分
自然光下で青紫色の表現はまずまずです。しかし、フィールドで見たままの「記憶色」を再現するのは本当に難しいと思っています。実は↑の画像はRAWで撮影し、現像時に色加工をしております。参考までに未加工状態の画像もご紹介しましょう。
この状態では青紫がくすんだ感じで「記憶色」とはかけ離れており、色温度をdefaultの5043Kから青色側(4750K)にシフトさせ、さらにパープル系の彩度を高めて調整したのが、最初の画像なのです。読者の皆さんはどちらが自然な色調に感じられるでしょうか? このポイントでは、コンクリート製の石垣から滲み出るミネラルを求めて合計10頭ほどが吸水に訪れていました。その一コマがこちら。
D7K-34、ISO=200、F4-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 11時54分
日陰側ですので、ストロボを補助光に用いています。ストロボを使ってもオオムラサキの翅がレンズに向く角度によっては、本来の色とはかけ離れた表現になってしまいます。この作例でもくすんだ色調でパッとしませんね。なお、閉翅している2個体の裏面にご注目下さい。左側の個体は裏面が銀白色に近く、所謂「スギタニ型」を呈しています。山梨でも、時々こんな個体が混じっています。因みに普通は右側個体のように鮮やかな黄色が定番です。管理人はやはり見慣れた黄色裏面の方が恰好良いと思っております。お次はほぼ真正面から狙った開翅構図。
D7K-34、ISO=400、F9-1/250、-0.7EV、撮影時刻: 12時03分
緑色系ゼフなら一番輝くアングルですが、オオムラサキの紫色が輝くとは限りません。で、この日撮影した中で青紫色の表現が一番自然だと思われたのが次の作例。
D7K-34、ISO=400、F9-1/60、-0.7EV、撮影時刻: 12時54分
全体にピン甘ですが、このような半開翅で後ろから見込む時、あるいは側方から覗く時が一番「青く」輝いて「記憶色」に近い色合いが出ると思っています。
さて、この日は♂の最盛期で♀が出始めのタイミング。運よく求愛シーンにも出会いました。
D7K-34、ISO=500、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時33分
このペアはかれこれ5分近く「お見合い」状態を取っておりましたが、諦めて♂は飛び去っていきました。期待した交尾シーンは残念ながら撮影できず。やや薄暗い渓谷に生えているエノキをチェックしてみると、終齢幼虫、蛹、蛹殻を直ぐに見つけることができました。最初はエノキ上の蛹。
D7K-34、ISO=400、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時19分
5分ばかりの間にこの株から5頭ほどの蛹を発見。近くのネザサ類に随分大きなヒカゲチョウの蛹が付いているなぁ!と思ったら、これもオオムラサキの蛹でした。
GXR@5.1mm、ISO=200、F2.5-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻: 12時32分
また、ウラゴの蛹殻でも付いておらんかな?と思ってイボタを探ると、何とここにもオオムラサキの蛹が!
GXR@5.1mm、ISO=100、F2.9-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻: 12時43分
虫林さんやダンダラさんがブログでご紹介されていたように、本年、山梨のオオムラサキは豊作のようです。昨年は全国的にオオムラサキが豊産した年だとされましたが、どうやら2年連続で当たり年のようです。30分探索しただけで10頭近く蛹を発見できる年はそうそうないように思うからです。 おしまいは飛翔シーンで締めくくることにしましょう。最初は空バックで。
D90-20(ノートリ)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 11時59分
ややピン甘ですが、まずまずのショットになりました。お次はこの日、オオムラサキ達が集まってきた石垣を背景にした画像。
D90-20(ノートリ)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時08分
管理人めがけて突っ込んできた個体が慌ててバック転寸前の迫力あるシーンになりました。右後方には別の飛翔個体も写っております。最後は300mmで狙って奇跡的に合焦した絵。
D7K-34(ノートリ)、ISO=400、F4-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時57分
翅表狙いで石垣上から待ち受けしていたのですが、カメラに向かって突進してくる迫力は良く出ました。オオムラサキは意外と飛翔で翅表を撮るのが難しいものです。これはまた再チャレンジしなくてはなりません。
D7K-34、ISO=200、F6.3-1/1000、-0.7EV、撮影時刻: 11時50分
自然光下で青紫色の表現はまずまずです。しかし、フィールドで見たままの「記憶色」を再現するのは本当に難しいと思っています。実は↑の画像はRAWで撮影し、現像時に色加工をしております。参考までに未加工状態の画像もご紹介しましょう。
この状態では青紫がくすんだ感じで「記憶色」とはかけ離れており、色温度をdefaultの5043Kから青色側(4750K)にシフトさせ、さらにパープル系の彩度を高めて調整したのが、最初の画像なのです。読者の皆さんはどちらが自然な色調に感じられるでしょうか? このポイントでは、コンクリート製の石垣から滲み出るミネラルを求めて合計10頭ほどが吸水に訪れていました。その一コマがこちら。
D7K-34、ISO=200、F4-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 11時54分
日陰側ですので、ストロボを補助光に用いています。ストロボを使ってもオオムラサキの翅がレンズに向く角度によっては、本来の色とはかけ離れた表現になってしまいます。この作例でもくすんだ色調でパッとしませんね。なお、閉翅している2個体の裏面にご注目下さい。左側の個体は裏面が銀白色に近く、所謂「スギタニ型」を呈しています。山梨でも、時々こんな個体が混じっています。因みに普通は右側個体のように鮮やかな黄色が定番です。管理人はやはり見慣れた黄色裏面の方が恰好良いと思っております。お次はほぼ真正面から狙った開翅構図。
D7K-34、ISO=400、F9-1/250、-0.7EV、撮影時刻: 12時03分
緑色系ゼフなら一番輝くアングルですが、オオムラサキの紫色が輝くとは限りません。で、この日撮影した中で青紫色の表現が一番自然だと思われたのが次の作例。
D7K-34、ISO=400、F9-1/60、-0.7EV、撮影時刻: 12時54分
全体にピン甘ですが、このような半開翅で後ろから見込む時、あるいは側方から覗く時が一番「青く」輝いて「記憶色」に近い色合いが出ると思っています。
さて、この日は♂の最盛期で♀が出始めのタイミング。運よく求愛シーンにも出会いました。
D7K-34、ISO=500、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時33分
このペアはかれこれ5分近く「お見合い」状態を取っておりましたが、諦めて♂は飛び去っていきました。期待した交尾シーンは残念ながら撮影できず。やや薄暗い渓谷に生えているエノキをチェックしてみると、終齢幼虫、蛹、蛹殻を直ぐに見つけることができました。最初はエノキ上の蛹。
D7K-34、ISO=400、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時19分
5分ばかりの間にこの株から5頭ほどの蛹を発見。近くのネザサ類に随分大きなヒカゲチョウの蛹が付いているなぁ!と思ったら、これもオオムラサキの蛹でした。
GXR@5.1mm、ISO=200、F2.5-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻: 12時32分
また、ウラゴの蛹殻でも付いておらんかな?と思ってイボタを探ると、何とここにもオオムラサキの蛹が!
GXR@5.1mm、ISO=100、F2.9-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻: 12時43分
虫林さんやダンダラさんがブログでご紹介されていたように、本年、山梨のオオムラサキは豊作のようです。昨年は全国的にオオムラサキが豊産した年だとされましたが、どうやら2年連続で当たり年のようです。30分探索しただけで10頭近く蛹を発見できる年はそうそうないように思うからです。 おしまいは飛翔シーンで締めくくることにしましょう。最初は空バックで。
D90-20(ノートリ)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 11時59分
ややピン甘ですが、まずまずのショットになりました。お次はこの日、オオムラサキ達が集まってきた石垣を背景にした画像。
D90-20(ノートリ)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時08分
管理人めがけて突っ込んできた個体が慌ててバック転寸前の迫力あるシーンになりました。右後方には別の飛翔個体も写っております。最後は300mmで狙って奇跡的に合焦した絵。
D7K-34(ノートリ)、ISO=400、F4-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 12時57分
翅表狙いで石垣上から待ち受けしていたのですが、カメラに向かって突進してくる迫力は良く出ました。オオムラサキは意外と飛翔で翅表を撮るのが難しいものです。これはまた再チャレンジしなくてはなりません。
by fanseab
| 2012-07-12 20:57
| 蝶
|
Comments(8)
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Sippo5655 at 2012-07-13 22:52
今年もオオムラサキ当たり年のようですね!
肉眼で見た色を、写真でいかに伝えるか
この重要性は私もフィールドガイドから痛感しました。
お見合いシーン 私は観察舎の中で以前見たことがありますが、同じだ・・・♪
さなぎの色形も覚えなきゃっ
ラスト、凄いですね!
オオムラサキの印象が変わりました~可愛い^^
肉眼で見た色を、写真でいかに伝えるか
この重要性は私もフィールドガイドから痛感しました。
お見合いシーン 私は観察舎の中で以前見たことがありますが、同じだ・・・♪
さなぎの色形も覚えなきゃっ
ラスト、凄いですね!
オオムラサキの印象が変わりました~可愛い^^
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fanseab
at 2012-07-14 22:25
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Sippo5655さん、どうやら当たり年のようです。記憶色とは案外いい加減なものかもしれません。でも「こう見えたはずだ」とPC画面上で四苦八苦して肉眼で見た感じに補正していく作業も面白いものです。
お見合いシーンも個体数が多い年でないと見るチャンスも少ないですよね。できれば交尾も見たいものです。
お見合いシーンも個体数が多い年でないと見るチャンスも少ないですよね。できれば交尾も見たいものです。
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愛野緑
at 2012-07-16 23:12
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オオムラサキがエノキを離れて蛹化するとは、びくりしました。考えたこともなかったですね。
オスの青色に関しては、やはり2枚目の色の方が私は自然に感じて好きですね。こういう色もなかなか出ずに苦労します。
オスの青色に関しては、やはり2枚目の色の方が私は自然に感じて好きですね。こういう色もなかなか出ずに苦労します。
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grassmonblue
at 2012-07-17 00:06
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あらら。
多分、私と同じところで撮影されていますね。
飛翔はちょっと似た感じになりました。
♂はさらに数を増していますね。♀は1匹も見ませんでした。
ちょっとした時期の差でしょうか。
蛹の方は実力の差かと思います。
多分、私と同じところで撮影されていますね。
飛翔はちょっと似た感じになりました。
♂はさらに数を増していますね。♀は1匹も見ませんでした。
ちょっとした時期の差でしょうか。
蛹の方は実力の差かと思います。
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fanseab
at 2012-07-17 21:08
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愛野緑さん、多産地ではエノキから離れてブッシュや下草上で蛹化することがよくあります。ただ、やはり個体数が多い年でないとなかなか発見できませんね。個体数が多いと蛹化場所がエノキ上では不足競合し、樹を降りることを余儀なくされる場合と、ライバルと争う過程で誤ってエノキから落下し、そこで蛹化することも多いのではと推測します。
青色の表現は撮影者の好みが大きく影響しますね。確かに2枚目の方が御好きな方も多いと思います。
青色の表現は撮影者の好みが大きく影響しますね。確かに2枚目の方が御好きな方も多いと思います。
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fanseab
at 2012-07-17 21:10
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glassmonblueさん、さきほど貴ブログも拝見しました。まぁ、有名ポイントでもありますので、同じ撮影位置になるのも仕方ありませんね。
♀はもともと木蔭内とか目につきにくいので発生の有無を判断するのが大変難しいと思います。
♀はもともと木蔭内とか目につきにくいので発生の有無を判断するのが大変難しいと思います。
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fanseab
at 2012-07-17 21:14
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naoggioさん、この時の♂が大変執念深い個体だったのでしょう(笑)5分粘ろうが、その気のない♀には迷惑千万だったのでしょうね。
昨年・今年の個体数増加の原因は何なのでしょうね。寄生蜂とはウイルスの発生が抑制されたものかもしれません。そう言えば、寄生で真っ黒に変色した蛹は発見できませんでした。
昨年・今年の個体数増加の原因は何なのでしょうね。寄生蜂とはウイルスの発生が抑制されたものかもしれません。そう言えば、寄生で真っ黒に変色した蛹は発見できませんでした。