探蝶逍遥記

山梨Favonius探索(6月24日) (2)クロミドリシジミ等

 当日、現地到着は5時35分。下車すると、ちょっと蒸し暑さを感じます。直感的にダメなパターン。独りで叩き出しをすると、クロミは♂2、♀5、合計7頭出るものの全てロスト(^^; 単独探査の悩みどころです。ガッカリして少し場所を移動すると、どこかでお見受けした顔が・・・。「お久しぶりです~!」と声掛けしてくれたのは、ブログ仲間のnaoggioさんでした。聞くと、既に同行されていたmidoriさんと数頭を確保している模様。有難や、有難や・・・。midoriさん曰く、♂らしき個体は撮影直後に飛び去って♀2頭のみ残っているとのこと。未だ♀開翅までは時間がありそうなので、midoriさんが長竿で叩き、管理人とnaoggioさんで行方を追う共同作業を開始。新たに♂1、♀3を下すことに成功。しかし、この♂も梢高い場所に止まり、敏感にもすぐに飛び去ってしまいました。予想通り、気温が高い時の敗戦パターンでした。で、気を取りなおして、♀の開翅を待つことにしました。その前に先ずは閉翅を撮影。管理人が注視していた個体です。                                               ++画像はクリックで拡大されます++
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時07分

 ストローを伸ばして下草の露を吸っている挙動をしております。暫くするとnaoggioさんより「こちらは開きましたよ~!」の連絡が入りました。慌てて急行し、クズ葉上の♀を撮影。
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D90-85VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時24分

 クズとカナムグラの葉が邪魔になって、結構厳しいアングルでの撮影になりました。兎に角、管理人♀開翅は初撮影。ヤレヤレでした。この個体を確保して頂いたご両名に感謝です。この個体撮影後、再度、管理人が確保した個体に戻り、開翅を待ちます。接近して観察すると、まるで猫が水飲みする時と同じように、頭を葉上に突っ込むような態勢を取っておりました。
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D90-85VR、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時43分

 しかし、この姿勢が不自然なので、よくよく見ると、どうやらこの♀個体のストローが異常に短いことが原因と推察されました。羽化時から短いのか、事故で切断されたのか不明ですが、とにかく吸水効率は正常個体に比較して悪いのでしょう。相当長時間吸水しておりました。そうして待つこと1時間、陽射しが強くなった頃、ようやく全開してくれました!
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D7K-85VR、ISO=400、F5-1/800、-0.7EV、撮影時刻:7時39分

 最初に撮影した♀個体に比較してスレが目立ちます。しかし、この個体が開いて直ぐに気が付いたのは前翅淡灰班の外縁側にうっすらと青鱗粉が載っていることでした。学研社の「日本産蝶類標準図鑑」、p114、図版42-7&9には同淡灰班の前縁側に青鱗粉が載った♀個体が紹介されています。いずれにせよ、通常のB型とは青班の出現位置が異なるようで、今後、クロミ♀開翅を撮る時の楽しみが増えたように思います。

 クロミと同時にミズイロオナガ、ウラナミアカも降りてきました。
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時14分
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時30分

 ミズイロオナガの鮮度はまあまあ、ウラナミアカは全般に少しスレ気味だったようです。少し気温が上がって、林縁でのオオミドリのバトルが激しくなる頃、タテハ類も登場しました。最初はヒオドシチョウ♂。
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D90-34、ISO=200、F13-1/250、-1.3EV、撮影時刻:8時17分

 羽化直に近い個体でしょう。外縁側のブルーがとても瑞々しく綺麗です。お次はちょっと飛び古したゴマダラチョウ♂。
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D90-34、ISO=200、F10-1/250、-1.3EV、撮影時刻:8時23分

 しきりに葉裏から吸水しておりました。もう1週間もすると、エノキ周辺を滑空する主役はオオムラサキに変わることでしょう。このポイントの後、少し渓谷沿いを探索しましたが、そこでは綺麗なサカハチチョウ春型♂に出会いました。
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D90-34、ISO=400、F11-1/1000、-1.3EV、撮影時刻:11時52分

 サカハチ春型は綺麗なのでついパチリと撮ってしまいます。この日、クロミ♂撮影の目的は達成できませんでしたが、♀開翅、オオミドリのテリ張りシーン等、色々と楽しめた一日でした。クロミ♂については、また来シーズンリベンジする予定です。
by fanseab | 2012-06-29 00:19 | | Comments(8)
Commented by naoggio at 2012-06-29 13:48 x
その節は本当にお世話になりました。
さすがにいい写真を揃えておいでですね。感心しきりです。
例の個体の口吻が短いのは私も気づいていました。一般的にシジミチョウ類の口吻は短いですがそれにしても確かにかなり短いですね。
昨年末年始にかけて飼育した3頭のクロマダラソテツシジミのうちの1♀に同様に短い口吻の個体がいて、あのクロミとそっくりでした。
飼育なので事故の可能性は低いと思われますがどうなのでしょう。
そういう個体が生まれる事があるのか、羽化時に起こり易い事故なのか?
グリーンバックのヒオドシ、きれいですねえ。
Commented by banyan10 at 2012-06-29 17:18
やはり3人くらいいるといいですね。
それにしても飛び出して見失っても雌雄をしっかり判別しているのはすごいですね。
ここ2年雄を撮影できたので、来年は雌とオオミドリのセットで行ってみたくなりました。(^^;
雌の青鱗も僕なら気付かなかったかもしれません。どの程度の確率で出現するかも興味ありますが、開翅を観察するのも簡単ではないですね。
Commented by himeoo27 at 2012-06-29 21:02
ヒオドシチョウの朱色目を引きますね!
鮮やかな美しさをジッと眺めました。

ビロード状に輝く
クロミドリの開翅はこれからの課題です。
Commented by fanseab at 2012-06-29 21:37 x
naoggioさん、オオミドリ含めお世話になりました。地上に下ろしたゼフが葉上で吸水する行動は一般的ですが、どうも妙な姿勢を取っているので気になって観察してみました。ゼフのストローは細くて華奢ですが、この個体のそれは明らかに異常でした。
Commented by fanseab at 2012-06-29 21:41 x
BANYANさん、撮影会としては3名は丁度良い数かもしれませんね。ここ3シーズン程、通っているので、枝先から飛び出した時の動きの素早さと大きさで雌雄を判断しています。♂は空中を漂って、降りてきそうでなかなか下りないパターンにイライラさせられますね(笑)
オオミドリの個体数は相当変動があります。この日は異常に数が多くて、普段は卍を観察できない程度です。♀の青鱗粉は今後の面白いテーマになりました。
Commented by fanseab at 2012-06-29 21:43 x
himeooさん、いつもクロミ狙いで行くと羽化直に近いヒオドシに出会えます。やはり越冬明け個体とは別物・・・の品格があります。
クロミ♂開翅いや閉翅も含め、小生にとっても来シーズン以降の課題です。
Commented by midori at 2012-06-30 22:59 x
楽しい1日になりました。ありがとうございます。
お陰様で、美蝶の初見・初撮りができました。効率のいい共同作業でしたね(*^_^*)。見つけてくださったメス個体は、やはり
B型に見えますね。この蝶のメスは、たしか多型ではなかったですよね...!?
Commented by fanseab at 2012-07-01 20:57 x
midoriさん、3名ほどの撮影会は慌ただしくなく、目的種の探索作業の効率化も含めて、いい感じで行えますね。こちらこそお世話になりました。クロミドリを含めたFavoniusの♀は時々青鱗粉が出現するタイプがいますが、多型ではなく、遇発的に出る・・・と言うべきでしょう。
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