探蝶逍遥記

オレンジ初体験(5月27日)

 管理人には未撮影の国産種が沢山残っています。もとより全種制覇なんて気持ちがさらさら無いのと、好きな蝶を拘って写すため、そんな結果になっております。今回は未撮影種の中では魅力的でありながら、チャレンジを怠っていたクモマツマキチョウに挑戦して参りました。早朝2時30分起床。流石に眠たいです。高速を飛ばして長野のポイントに着いたのは7時15分過ぎ。最初に現れたのは蝶ではなくて、こんな哺乳類でした。                                                                          ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、撮影時刻:7時22分

 久しぶりに見たカモシカでした。人馴れしているのでしょうか?直ぐには逃げず、管理人と暫く睨めっこした後、悠々と茂みに消えていきました。この日はピーカンで無風、気温も高め。一般的に蝶の撮影にはあまり向いておりません。最初に活動を始めたのはヤマトスジグロシロチョウ♂でした。
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D7K-34、ISO=200、F8-1/800、-0.7EV、撮影時刻:7時54分

 春型はやはり小型ですけど、ツマキよりは遥かに大型。さらに飛び方もヒラヒラと曲線的で、まだ見ぬクモツキとは間違えようがありません。そのうち、順番にモンキチョウ、越冬明けクジャクチョウが飛び始めました。8時半過ぎにブログ仲間のkmkurobeさんが合流。暫くこのポイントでのオレンジについて簡単なレクチャーを受けました。♂が登場するのは、早くて9時過ぎではないか?とのご宣託。そのうち、9時少し前に「そっちに行きましたよ~!」との声に振り替えると、管理人の2m脇を待望のオレンジが通り過ぎていきました。カメラを向けることなく、暫しその姿を目に焼き付けました。「想像していたより大きいな~」と感想を述べると、「あの個体は大きい方ですよ」とkmkurobeさん。♂は我々が陣取るポイントを中心に、略半径400mほどの周回コースを探♀飛行しているようでした。その周期は結構長く、概ね15分に一回程度登場してくれる程度。どうやら飛んでいる個体は複数ではなく、1頭のみの様子。♂の吸蜜は結局4回観察できましたが、3回は300mmレンズの遥か射程外で、1回だけ、何とか射程に捉えることができました。管理人の記念すべき吸蜜ファーストショットです。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/5000、-1.0EV、撮影時刻:9時12分

 ファインダーから覗いたオレンジはやはり素晴らしい眺めでした。否、本当はそんな余裕もなく興奮してバシャバシャ連射していたんですけどね(^^; スミレの花被りは仕方ないし、何より葉被りよりはマシです。連射したので、花から飛び立つ瞬間も運よく捉えることに成功。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/5000、-1.0EV、撮影時刻:9時12分

 飛翔モードで高速シャッターに設定していたので、クモツキのディテールも上手く表現できました。この日は10時15分~30分位が吸蜜活動のピークで、その後、13時過ぎまで粘りましたが、吸蜜はおろか、♂の姿がパタッと消えました。気温が高すぎたため活動を休止したのか、あるいは別の谷筋にお嫁さん探しに出かけたのでしょうか? ♀も一度だけ吸蜜に訪れたのを確認しましたが、撮影チャンスはゼロ。なにせガレ場なので、ダッシュで吸蜜現場まで駆けていけないのが辛いですね。吸蜜前後の休憩シーンを撮影できたのは、同属のscolymus嬢の方でした。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F6.3-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時07分

 このツマキ♀は前翅端に損傷があるためか、ヒメシロのようにムチャクチャ緩やかに飛翔しておりました。クモツキ♂については時間と共に気温がグングン上昇し、止まる気配がないので、早めにマクロ撮影を諦め飛翔一本に絞って撮影に集中しました。ツマキ同様、一定高度を規則的かつ、直線的に飛ぶので、足場が悪いことを除けばミヤマセセリよりは遥かに楽な対象ですね。周回飛行中、足場が良好な場所を飛ぶチャンスを狙って飛翔を頑張ってみました。最初はノートリで収まった画像。
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D90-20、ISO=200、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時25分

 置きピン位置よりは僅か手前に侵入したため、ちょっとピンボケ(^^; ただ迫力は一番出たかもしれません。2枚目は渓谷のガレ場を急下降する場面。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時25分

 最もクモツキのスピード感が出た絵です。3枚目はジャスピン、かつ露出がベストの絵なので、少し大きめの画像でのご紹介です。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時32分

 クモツキの飛翔で難しいと感じたのは、露出です。特に前翅先端のオレンジから地色の白色に移行する部分は何とも言えないデリケートなレモンイエローを呈します。この部分の表現が一番難しく、すぐに白飛びしてしまう画像の連発になってしまいました。その意味で↑の絵はギリギリ、「レモンイエロー」が表現できたと思います。4枚目は逆光での表現。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/400、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時41分

 今回撮影してクモツキの魅力は前翅のオレンジのみならず、後翅の唐草模様にもあるとつくづく感じました。逆光だと唐草模様が抜群に映えますね! 管理人はどんな蝶でも必ず空バックの飛翔画像を狙います。今回はピーカンでしたので、太陽とのツーショットも狙いましたが、流石に失敗しました。空バックでのベスト画像をご紹介しましょう。
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D90-20(トリミング)、ISO=400、F10-1/4000、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時41分

 ややピン甘ですが、紺碧のブルーにオレンジは光輝きますね!

 今回初めてのオレンジ挑戦でしたが、初夏の渓谷を舞うスピード感溢れる姿に素直に感動いたしました。その昔、南国でツマベニチョウを初めて見た時の興奮状態と同じでしょうか。皆さんがオレンジに嵌る理由もよく理解できました。もう少し早く管理人もこのシロチョウにチャレンジすべきだったかもしれません。当然吸蜜画像については不満も残っておりまして、できれば今シーズン中に再チャレンジをしたいと思っております。なお、当日現場にはkmkurobeさん以外に、オレンジ撮影に造詣の深いネイチャーKENDAMARさんもお見えになり、けん玉や飛翔撮影技法等、色々と楽しいお話をさせて頂きました。お世話になりましたご両名に厚く御礼申し上げます。
by fanseab | 2012-06-03 23:11 | | Comments(18)
Commented by hemlenk at 2012-06-04 10:24
おめでとうございます。(^_^)ノ
初...だったのですね。以外でしたが、初挑戦でこれは凄いですね(@_@)
見事な飛翔!ほんとにスゴイ。
はじめての蝶で、興奮もあったと思いますが、一枚一枚に余裕まで感じられます(^^;)
この時期、このシチュエーションにこの蝶...うーん。こんなに綺麗にとってもらって幸せ者ですね。
Commented by naoggio at 2012-06-04 12:26 x
最後の1枚 ! 絶句です。
Commented by yoda-1 at 2012-06-04 18:28
初とはビックリで、吸蜜の画像からしてほとんど飛びまくっていたのですね。
そこを飛翔でしっかり撮影されていてさすがであります。
動体ぶれで急降下を表現するとは、普通の人に不可能です。最後も青い空の中を全開翅がお見事で、これを見るとYODAも会社を休んでいきたくなってきます。
Commented by kmkurobe at 2012-06-04 20:31 x
いや何度見ても素晴らしい。
ご一緒したときの余裕が画面に現れてますね。
最後の飛翔は拝見していましたが、まだまだ隠し球があったのですね。
素晴らしい。あの悪条件、初撮影でこれですからね・・・・・
素晴らしい恐れ入りました。
Commented by fanseab at 2012-06-04 21:48 x
hemlenさん、有難うございます。
何とか初挑戦で♂の姿を収めることができました。300mmでも飛翔を狙うつもりでおりましたが、流石にそこまでは余裕もありませんでした。
余裕は・・・とんでもない!もちろんなかったですよ。しかし、オレンジは本当に小さな宝石だと思いました。
Commented by fanseab at 2012-06-04 21:50 x
naoggioさん、最後の絵に一票有難うございます。通常、画面端だとジャスピンになる法則があるのですけど、この絵ではこの法則が外れて涙でしたよ(^^;
Commented by 6422j-nozomu2 at 2012-06-04 21:52
貴兄がクモツキ初撮影とは驚きでした。私もね、全種完全制覇なんて、これっぽっちもありませんが、未撮影種をゲットすると、アドレナリンマックスになりますね。♂はおとなしく静止画像が撮れなかったようですね。飛翔写真にチャレンジお疲れ様でした。私も、ラスト写真の青空バックに飛翔する本種が特にエエ出来栄えだと思いました。
Commented by fanseab at 2012-06-04 21:52 x
yoda-1さん、連続コメント恐れ入ります。
噂に聞いていた通り、好天で気温が高いと延々と飛び続けているかのようでした。少し雲が出ることを期待したのですが、雲が出ても太陽にかからず、こちらの目論見は見事に外れました。
青空バックの飛翔でこれほど見事に背景にマッチする蝶はないでしょうね。
Commented by fanseab at 2012-06-04 21:56 x
kmkurobeさん、当日は本当にお世話になりました。単なる登山なら最高の日和でしたが、オレンジ撮影には最悪でしたね。でも、クモツキの生態を初めて観察して、やはり高山帯に棲む蝶ならではの神経質な側面を見たような気がします。
飛翔は当日モニターをチェックする余裕もなかったので、帰宅してから意外といい絵が撮れていてニヤリとしました。
Commented by kenken at 2012-06-04 21:57 x
某ブログで貴兄の後姿を拝見して以来、これらの画像を待ちわびておりましたよ。(ちと、大袈裟かな(笑))
青空のもとでの飛翔にオレンジが映えますねぇ~
ジャスピンのどやっ!大画像、このオレンジはたまらなく綺麗でしびれます。晴天時ならではの色表現でしょう。
良いものを拝ませていただきました。
う~む、しかし、こんなものを拝見するとオレンジを生で見たくなって体に悪い・・・(笑)
Commented by fanseab at 2012-06-04 21:59 x
ノゾピーさん、小生の場合、亜高山帯~高山帯に棲む蝶で未撮影種が多く、クモツキもその仲間でした。ようやくのチャレンジですが、チャレンジのし甲斐のある蝶ですね。皆さん、苦労しながらついつい足を運んでしまうのも、難易度が高い故でしょう。次回は何とか青空バックで太陽のツーショットも狙いたいと思います。
Commented by fanseab at 2012-06-04 22:04 x
kenkenさん、某ブログで小生の後姿が出てから、記事をアップするのに結構プレッシャーがありましたよ(^^;
このシロチョウは本当に青空に映える蝶です。一方、青空が綺麗に拡がると上手く写せない矛盾も抱えておるのですね。何とも難儀な相手です。
貴殿が最近アップされた別の「オレンジ」、小生はその昔、一回チャレンジして玉砕しました(笑)
Commented by Sippo5655 at 2012-06-04 22:08
わ~、本当にこのオレンジ色、美しいですね!!
ラストの画像に見入っております♪
小さい上にすばしこい飛翔を、
ほんとお見事です!
後翅の模様も素敵♪
やはり逆光での撮影が良いようですね、
太陽、なくても、翅に太陽がしっかり映ってる♪
Commented by fanseab at 2012-06-04 22:24 x
Sippo5655さん、蝶の色彩は図鑑でみた印象とフィールドで観察する印象とはかなり異なりますが、クモマツマキチョウほど、フィールドで鮮烈な印象を残す蝶はいないかもしれません。
殺風景なガレ場でこそ、この鮮やかなオレンジが輝きます。
仰るように前翅のオレンジチップは太陽の化身かもしれませんね。
Commented by ダンダラ at 2012-06-05 09:24 x
クモマツマキチョウ、初撮影お目出とうございます。
ほんとにこの蝶のオレンジは見るものの心を激しく揺さぶりますね。
最後の飛翔写真は実に見事ですね。
来年以降の目標にさせていただきます。
Commented by fanseab at 2012-06-05 21:08 x
ダンダラさん、有難うございます。
お蔭様でオレンジに関して皆様の仲間入りを
果たすことができました。
確かにオレンジ色は飛翔中に目立ちます。ツマキでは黄色が目立たないのと対照的ですね。
青空バックはもう少し置きピン位置を短くした絵を撮りたいと思っております。こちらも目標ができました。
Commented by banyan10 at 2012-06-05 21:11
初撮影でこれだけ撮影してしまうのはすごいですね。
最後の飛翔は素晴らしいです。
飛翔狙いだと吸蜜のチャンスを逃しやすいですが、この蝶の場合は割り切って飛翔を狙いたくなりますね。
Commented by fanseab at 2012-06-05 21:58 x
BANYANさん、この時は高温でムチャ活発、殆ど止まることのない状況でしたので、仰る通り、飛翔に割り切りました。それでも飛来する間隔が長めで苦労しました。kmkurobeさん他と相互に監視役になって、飛来の合図等をして撮影効率を上げました。飛翔がすばしこくて、見失いやすいので、多人数で撮影する方が効率的な蝶かもしれませんね。
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