探蝶逍遥記

ギンイチモンジセセリ(4月30日)

 前日にミヤマチャバネを確認しているので、ほぼセットで登場するギンイチも出ているはず・・・との読みで、30日も多摩川へ。場所はいつもよりほんのちょっぴり上流側でこれまで訪問したことのないポイント。オギ群落の多そうな場所に適当に踏み入ってみると、早速飛び出しました。この日は曇り空ながら気温は比較的高め。先ずは♂の縦広角を撮影。                                                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-20、ISO=200、F13-1/125、-0.7EV、撮影時刻:8時57分

 ちょうど、♂の最盛期のようで、時間の経過と共に個体数は増加していきます。例によって♂は探♀飛翔で殆ど止まりません。飛翔中心の撮影をしているうちに、足元からよろよろと飛び立ったのは♀でした。♀は出始めのようです。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時15分

 そのうち、別のヨロヨロ個体を見っけ! こちらはピカピカの♂でした。飛んでもせいぜい50cmで着地する、ホンマもんの羽化直個体のようです。無傷の開翅撮影絶好のチャンスと睨み、陽射しが強くなるのを待ちます。暫くして全開翅してくれました!
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D7K-85VR、ISO=200、F10-1/200、-0.7EV、撮影時刻:10時39分

 目論見として「究極のギンイチ♂開翅画像」を狙ったのですが、まぁ、究極ではないにしても完全無傷の♂開翅はこれが初めてで、これまでのベストの仕上がりに満足です。
 さて、新鮮なギンイチにはとってもお洒落なポイントがあります。皆さん、何処にあるか、ご存じですか? 実は前翅前縁の基部側に橙色の縁取りがあるのです。裏面はご存じの通り、黄褐色で、表翅はほぼ漆黒に近い黒褐色。その境界線にある前翅前縁部は隠れたチャームポイントになっています。その前縁部を強調するようなアングルで撮影してみました。
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D7K-85VR、ISO=200、F8-1/320、-0.7EV、撮影時刻:10時54分

 チャコール色の地味なジャケットを着込んだ紳士のカッターシャツの襟元をふと見ると、ワンポイントアクセントでハッとさせられる・・・。決して派手ではないけれど、じっくり観察すると気品のある配色なのです。この橙色は飛び古すとすぐに色褪せていきます。今度はギンイチの頭上からパチリ。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時11分

 こうして見ると、アンテナの先端も橙色で、前翅前縁のチャームポイントと御揃いですね。それと、パルピ(下唇鬚)も二又でそれなりに長いこともわかります。このギンイチ君、撮影の合間におしっこ(体液の放出)をしておりました。羽化して間もない証でもあります。
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D7K-85VR、ISO=400、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時12分

 飛翔は合計800カット超撮影、没を免れたのは12カット程度。その中からのご紹介です。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時15分

 ギンイチを追跡していると、時々急旋回して行方を見失うことがあります。↑の絵は右手に急旋回する瞬間でしょう。ヨタヨタ飛ぶ割にフェイントをかますように急旋回するので結構骨が折れるセセリです。お次は連射で捉えた3カット。モデルは先にご紹介した羽化直♂です。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時31分
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時31分
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時31分

 最初はこの日のベストショット。やや前ピンでピン甘ですけど、カラスノエンドウの群落、オギの枯れ茎が背景に入り、第1化らしい仕上がりになりました。2枚目はジャスピンかつ、表翅は無傷。この絵のように草や枯れ茎を縫うように飛ぶので、仮にジャスピンで捉えても葉被り、茎被りで没画像になることが多いのがギンイチ飛翔の難しいところ(^^; 3枚目は曇り空背景になっていますが、青空なら申し分ないところでした。この後、正午頃に訪れるであろう、吸蜜シーンも撮影したかったのですが、所用で止む無く帰宅しました。この日、長時間付き合ってくれた羽化直♂君に感謝です。

<追記>
 本日、5/3は前夜からの土砂降りの影響で多摩川はプチ氾濫状態。今回観察したポイントも多少冠水した可能性がります。ちょっと心配。
by fanseab | 2012-05-03 21:07 | | Comments(16)
Commented by ごま at 2012-05-03 22:07 x
流石の写真でございます。
特に飛翔は格別に素晴らしい写真ばかりです。
800カット超という記載を見て、少し安心しました。
それくらい撮らないと、これほどのショットはでませんよね。
それと外部ストロボ!ですね。
大きなプリントで拝見したいものです。
今年は行かない予定でしたが、河川敷に行ってみたくなりました。
(先日のお話感動でした。ゆっくりお話したいです)
Commented by fanseab at 2012-05-03 22:27 x
ごまさん、先日のパーティはお疲れ様でした。
午前中、撮影会に参加されていたとは恐れ入りました。また、例の話、当方こそビックリしました。後日、じっくりと・・・。
ギンイチの飛翔は簡単そうに見えて意外と難しいと感じています。少なくともアサギマダラよりも難しいですよ。まぁ、800カットは下手の代名詞みたいなもので、恥ずかしいかぎりで、もっと確率を上げたいものです。
Commented by himeoo27 at 2012-05-04 08:12
ギンイチの正面写真は「眼から鱗」でした。大好きな蝶なので2化が出たらチャレンジしてみます。
ギンイチ飛翔、実は私も望遠ズームで狙ってみましたが全て没画像に終わりました。次は定番のパスト連写で試してみたいです。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2012-05-04 15:03
貴兄もギンイチでしたか。外部ストロボの飛翔写真は決まっていますね。外部ストロボ所持しておりません。(涙)
Commented by otto-N at 2012-05-04 16:07 x
新鮮なギンイチはすばらしく綺麗ですね。
昨年、撮り逃がしたので、河川敷を捜してみたくなりました。
(今日、港区の自然教育園で、ここでは絶滅したと思われてたギンイチを撮影しました。少しスレてはいましたが、ビックリです)
Commented by banyan10 at 2012-05-04 16:27
羽化直後綺麗ですね。ビロードのような柔らかい翅表見事です。
朝、この写真を見て出掛けて、僕も羽化直後を撮影してきましたが、見つけるのが遅かったので長時間は遊んでもらえませんでした。
前翅のオレンジは知りませんでした。新鮮な個体ならではなのですね。
Commented by fanseab at 2012-05-04 21:35 x
himeooさん、前翅のオレンジ色を強調しようと、いつもは狙わないアングルから撮ったら、面白いショットになりました。飛翔は頑張り過ぎると思わぬ怪我をします。パスト連射はその点で安心ですね。傑作を期待しております。
Commented by fanseab at 2012-05-04 21:41 x
ノゾピーさん、ギンイチは思い入れのあるセセリなので、いつも追いかけてしまいます。飛翔の意外とてこずるので、凝りずにチャレンジしています。外部ストロボ使用でも照射条件設定が微妙で苦労しています。
Commented by fanseab at 2012-05-04 21:50 x
ottoーNさん、ギンイチの新鮮な個体は意外と少ないですね。延々と飛び回っている個体は既に傷が多いですからね。都心のギンイチはかなり珍品だと思います。ススキやヨシ類が相当固まって生えてないと、個体群を維持できないからです。継続観察されると、素晴らしい成果になると思います。
Commented by fanseab at 2012-05-04 21:55 x
BANYANさん、運良くギンイチ羽化直を発見できましたので、オレンジ色の表現にチャレンジすることができました。おまけにドンヨリとした空模様も翅表をシットリと表現することに好都合でした。
Commented by Sippo5655 at 2012-05-04 22:15
ギンイチモンジセセリと、たっぷり遊ばれて♪
ピカピカの1年生、開帳も素晴らしいですね\(^ ^)/
やはり、生態を知って追わないと撮れないシーンばかり、、
私も、もっとお勉強しなくちゃ、です><
飛翔するところ、どうしてこんなに綺麗に撮れるのだろう。。?
チャームポイント、しっかり覚えました~☆
モフモフが二股になっているところも、可愛いです(≧∇≦)
Commented by konty33 at 2012-05-04 23:23
新鮮な1化のギンイチは良いですね。
どうしてこんなに飛翔が上手く撮れるのか?外部ストロボがある、ない、の問題ではないです。
枚数を撮るのも分かりますが、それだけ根気が続きません。
上手く撮れないとすぐに諦めてしまってはダメですね。
Commented by fanseab at 2012-05-06 22:57 x
Sippo5655さん、ギンイチは思い入れのあるセセリなんで、追っかけも真剣にしてしまいます。1化の新鮮な個体はなかなか見つからないもので、ご開帳シーンは銀塩時代から懸案の課題でした。何とか納得の行く結果が得られてホッとしております。飛翔も第2化以降は蒸し暑くて大変なので、必死に乱射してみました。セセリのモフモフ感は独特ですよね!
Commented by fanseab at 2012-05-06 23:05 x
kontyさん、飛翔撮影は没画像撮影との我慢比べですね。今シーズンから、歩留まりを上げる目的でレンズ系、ストロボ照射を含めて撮影条件を一新してチャレンジしています。ようやく新方式に慣れ、手応えが得られてきました。
Commented by otsuka at 2012-05-07 21:38 x
どのギンイチも新鮮でピカピカでいいですねぇ。
開翅個体の新鮮さとフエルト感がすばらしいなと思っていたら、前翅前縁部のオレンジという隠し技があったんですね。
これは知らなかったのですが、新鮮な個体に出る色なのでしょうか。
2化以降は暑くて大変そうなので、次の機会は一年後かな。
Commented by fanseab at 2012-05-07 23:02 x
otsukaさん、個体数は多いのですけど、傷がついたものも多く、ピカピカの個体を選んで撮影しております。
オレンジ色の部分は人間で言えば、肩の部分で、飛び古すと、擦れてきて、パッとしなくなります。やはり完全無欠な個体でないとチャームポイントにはなり得ないかな?と・・・。
そう、2化以降のギンイチは草いきれが酷くて、どうしても敬遠しますね。
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