探蝶逍遥記

越冬明けのコムラサキ幼虫(4月29日)

 「フィールドガイド日本のチョウ」出版記念パーティに出席した疲れもあって、29日は近場での探索です。3月3日の記事でご紹介した首題越冬幼虫は、ヤナギの芽吹きに丁度合わせたかのように、3月下旬~4月上旬にかけて幹の樹肌から徐々に姿を消していくことを確認済でした。多摩川の河川敷にある「ご神木」と睨んだヤナギ(タチヤナギ?)を含む群落に到着し、かれこれ2時間ばかり探索してみました。その結果、5個体を確認できました。ご神木と言っても、それは幹上にある程度固まって越冬していた頃の話で、各枝に分散した後のこの時期の探索は相当に大変でした。低い所の枝から確認していきますが、全く見つかりません。次に3m程の高さの枝を一脚で手繰り寄せながら、じっくりと探っていきます。最初に見出した個体は高さ2m程で、枝のほぼ先端の葉に付いておりました。                                                                          ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=400、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時02分

 こうして写真にすると大きく見えますが、体長はわずか15mmほど。アカボシゴマダラ幼虫とは異なり、背面突起も一対で、それも申し訳程度に付いている感じ。ですので、この幼虫の姿は完璧、葉に紛れて見つけ難いのです。広角で環境を写してみました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:15時15分

 この日の午後は風が強く、この広角画像1枚を撮るのに50カットほど費やしました(^^;
時より陽射しが強まるので、逆光でも撮影。
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D7K-85VR、ISO=400、F16-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時04分

 実は現場に行く前、↑の絵のように葉を太陽にかざし、幼虫の影を頼りに探索しよう・・・と作戦を練っていたのですが、強風で、かつ曇り空になったため、目論見通りには行かなかったのでした。暫く探索するうちに葉影に隠れている、もう1頭を発見。
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D7K-85VR、ISO=400、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時05分

 こちらは体長30mmほど。個体間の成長は結構バラつきがあるもんです。越冬時点での齢数も関係しているのでしょう。次に縦広角で環境描写です。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F6.5-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:15時55分

 以上ご紹介した2個体以外は既に死亡しておりました。これがその事例。
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D7K-85VR、ISO=400、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時07分

 寄生ではなく、サシガメ等の昆虫に体液を吸い取られて干からびたような外観です。
もう1頭の事例がこちら。
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D7K-85VR、ISO=100、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時21分

 こちらもまだ外形は保持されていますが、同じような外敵にやられたのでしょう。結局5個体中、3個体がここで図示したような死体でした。越冬後、成虫まで辿りつける幼虫は結構少ないのでしょう。今回見出した幼虫は何とか終齢幼虫・蛹化あたりまで継続観察できればと思っております。

 コムラサキの幼虫観察を終えて、自転車置き場まで戻る途中、多摩川の土手に怪しい影が・・・。やはりいました!いました! 今シーズン初見のミヤマチャバネセリの♂でした。
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D7K-85VR、ISO=100、F8-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時39分

 縁毛もバッチリでほぼ羽化直。夕方の休眠場所で休息しているのだろうとそろりと接近したら、猛スピードで逃げられました。ミヤマチャバネが出始めると、多摩川ももう初夏を迎えます。すぐにでもヒメウラナミジャノメも出てくることでしょう。
by fanseab | 2012-05-01 21:47 | | Comments(14)
Commented by cactuss at 2012-05-02 06:25
コムラサキの幼虫探し、さすがにちゃんと発見されていますね。
小生は根気が続かず、すぐあきらめてしまいます。
葉に登った後で、天敵にやられる個体も多いのですね。
ミヤマチャバネセセリはいい感じのショットですね。
Commented by chochoensis at 2012-05-02 13:18 x
暫くコムラサキ幼虫探しもやっていませんが、見事ですね。
ミヤマチャバネセセリ・・・綺麗な個体ですね・・・=ヘラオオバコ=の花に止まったシーン、しっかり撮影していますね、お見事。
Commented by clossiana at 2012-05-02 17:39
う〜む、3mですか。。シダレヤナギではなくてタチヤナギだと手が出そうも無いです。高さもさることながら、それ以上に根気が続かないです。でもこの時期にもう完全に色変わりしているのですね。その点がオオムラサキやゴマダラと違っていますね。栃木ですがオオムラサキなどは突起の先端が多少、緑になっていますが殆ど、越冬時と変わっていませんでした。ですので葉上でなくて幹と小枝の分岐にいました。
Commented by fanseab at 2012-05-02 20:11 x
cactussさん、枝に上がったコムラサキ幼虫探索は今回が初めての経験でした。一応、ご神木を目安にできたので、何とか探索できましたが、全く目星がなければ、仰るように根気が続かなかったでしょう。天敵被害は、これまでの経験から言って、アカボシよりは遥かに確率が高いのではないかと思います。
Commented by fanseab at 2012-05-02 20:13 x
chochoensisさん、初めて葉の上の幼虫探索をしてみました。運よく発見できてラッキーでした。しかし、かなり根気が要る作業ですね。この冬、ゼフの越冬卵探索をしたので、多少、気が長くなったことが幸いしたのかもしれません。
ミヤマチャバネはヘラオオバコが季節を象徴していい感じのショットになりました。
Commented by fanseab at 2012-05-02 20:16 x
clossianaさん、低い枝にもついている可能性がありますが、低い枝は折れやすいのか、意外と少ないのですね。仕方なく枝をしならせて手繰り寄せて探しました。アカボシはそろそろ蛹化する個体が出始める時期ですが、コムラサキはアカボシよりはちょっと遅れて羽化するだけのことはあります。越冬時の褐色から緑色にいつの時点で変化するのか?来春にチャンスがあれば、観察してみたいです。
Commented by banyan10 at 2012-05-02 20:44
コムラサキ幼虫は食痕のない葉にいることが多いので、見つけるのが難しいですね。
蛹も以前に教えてもらっても見つけるのに時間がかかりました。
ミヤチャも綺麗ですね。荒川でも複数見れました。
Commented by fanseab at 2012-05-02 21:41 x
BANYANさん、流石に探索経験のある方は違います。仰る通り、すぐ近くに食痕がないのです。つまり台座位置と食べる葉までの距離がアカボシやゴマダラとは異なり、相当に遠い位置にあるためと思います。それと、シャクガ?らしき鱗翅目の幼虫の食痕もあって、それに惑わされたりします。
ミヤマチャバネ発生は例年とほぼ同じ状況のようです。
Commented by Sippo5655 at 2012-05-02 21:48
コムラサキの幼虫、見つかって良かったですね!!
凄い執念ですね。
本当に・・無事成虫になれるのは、ごくわずかなのですね。
あらためて感じました。
それにしても、なんて鮮やかな緑色でしょう。
新緑の恵みを受けた宝石のようです♪
ミヤマチャバネセセリ、これまた美しいですね!
ヒメウラ、埼玉でうじゃうじゃいましたよ(^0^)/
Commented by fanseab at 2012-05-02 23:14 x
Sippo5655さん、お蔭様で何とか見つかりました。冬場にご神木を確認しており、「この木におるはずだ」との確信がないと執念も燃やせません。母蝶も成虫になれるまでの歩留りの悪さを計算済みで卵を沢山産んでいくのでしょうね。
そう、この幼虫の緑色はヤナギの葉と同じ鮮やかさで我々の目を誤魔化すのです。
Commented by himeoo27 at 2012-05-03 20:27
コムラサキは今年も有望ですね!
ミヤマチャバネセセリやはり可愛いです。
見沼田んぼでもやっと出てきてくれました。
Commented by fanseab at 2012-05-03 20:36 x
himeooさん、多摩川河川敷でのコムラサキもここ数年個体数が増加してきているので、幼虫探索も比較的楽になったのだと思います。
ミヤマはいつも春先に出会わないと落ち着かないもんです。見沼田んぼも自然豊かな撮影ポイントのようですね。
Commented by 愛野緑 at 2012-05-06 21:53 x
コムラサキのミドリになった幼虫を野外で見つけるのは難しいですね。幹に集まっている越冬個体と違い何千もあるハッパですからね。
Commented by fanseab at 2012-05-06 23:17 x
愛野緑さん、今回初めて越冬明けの幼虫を探索してみました。越冬個体が10頭以上いた御神木を見つけていたので何とかなりました。何も手掛かりが無ければ発見は不可能ですよね。
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