探蝶逍遥記

台湾遠征記:(9)11月21日後半その3

 榕蔭歩道を一旦降りて、森林浴歩道に戻り、ここを下っていきます。下る途中にもセンダングサ群落があって、ここでも蝶と戯れることができました。最初に登場したのはクロボシセセリ(Suastus gremius )。                                                                          ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F10-1/250、-0.7EV、撮影年月日・時刻: 2011年11月21日、14時20分

 この遊樂區では極普通に見られるセセリでした。お次はクモガタシロチョウの♀。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/200、-0.7EV、撮影時刻: 14時21分

 正午過ぎに撮影したボロ♂の後だけに綺麗な個体に出会えて、とても嬉しかったですね。それにしてもAppias属♀前翅の斑紋は種を問わず見事に収斂していくものです。特にカワカミシロチョウ(A.albina)♀とクモガタ♀は瓜二つですね。次に登場したのは褐色の大型セセリ、タイワンアオバセセリ(Badamia exclamationis)。
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D7K-34、ISO=400、F9-1/160、-0.7EV、撮影時刻: 14時24分

 管理人としては南ベトナム以来の出会いでしたが、和名に記載された土地(タイワン)で撮影できた貴重な種でもあります。タケ類が繁茂したやや薄暗い林道ではついついLethe属を期待してしまいます。その期待に応えてシロオビクロヒカゲ(Lethe verma cintamani)♂が出現。しかしムチャ敏感で、高い梢に逃げてしまい、証拠画像を撮るのがやっとでした。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/100、-0.7EV、撮影時刻: 14時24分

 本来、ストロボを使うべき暗い環境ですけど、このヒカゲ、ストロボに物凄く敏感に反応して逃げてしまうので、仕方なく自然光での撮影でした。足元に止まっているのを見逃し、知らずに通り過ぎてサッと飛び立たれ、逃がしてしまう失敗を繰り返してしまいました(^^; 難しいものです。更に遊歩道を下っていくと小さな人工池に出ました。この池の周囲にはゲットウの植栽が多数あって、そこに灰色のシジミがまとわりつくように飛んでおりました。チェックすると、シロウラナミシジミ(Jamides alecto dromicus)の♀。明らかに産卵挙動ですが、産卵シーン撮影は難しかったです。何とか撮れたコマをご紹介しておきましょう。
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D90-85VR、ISO=500、F11-1/100、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻: 15時13分

 このシーンは厳密には産卵中ではなく、この後、トボトボと花芽を下って直接卵を確認できないような位置に産みこんでいきます。幼虫の蜜を狙っているのでしょう、蟻とのツーショットにもなりました。母蝶が去った後、花芽を分解してみると卵より先に蛹がみつかりました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F4.1-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻: 15時00分

 本種の蛹を発見したのはこれが初体験です。続いて卵もみつかりました。
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GXR@5.1mm(トリミング)、ISO=100、F4.1-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻: 15時01分

 根気よく探索すれば幼虫も発見できたかもしれませんが、疲れも出てきたので止めました。この後、出口に掛る吊橋の袂に来ると、鳥の鳴き声がします。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F4-1/640、-0.7EV、撮影時刻: 15時21分

 遠いのでトリミングでのご紹介。ネットで調べると、カワビタキ(Rhyacornis fuliginosus)のようです。鈍い光沢を呈す藍色と尾翼の橙色の配色はシックですね。稀に日本にも飛来するようで、そんな時はバーダーの目が吊り上るのでしょう(笑)。地面スレスレを飛行し、川の畔で餌を探しておりました。この後、吊り橋を渡ると出口ゲートがありました。そこに掛っていた掲示です。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F2.5-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻: 15時39分

 よじ登って公園内に入る無賃入場者なんているのでしょうかね? さて、そのゲートをくぐって機材をリュックにしまい込み、ホテルに向かい始めた時、道路脇のセンダングサに大型の白いシジミが登場。慌てて300mmを出して撮影しました。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 15時45分

 完品のシロウラナミシジミ♂でした。普段適当に撮影してしまうシジミなので、少し真面目に撮りました。吸蜜シーン撮影はもしかしたら初めてだったかもしれません。             <次回に続く>
by fanseab | 2012-03-19 21:15 | | Comments(6)
Commented by yoda-1 at 2012-03-19 23:21
インドラシロチョウという種類があるですか。
初めて知りましたが、本当にカワカミにそっくりです。
カワビタキも未見でこんな野鳥がいるとは台湾も面白そうです。
外国で卵や蛹まで見つけるとは、これはもう神業であります。
Commented by himeoo27 at 2012-03-20 20:13
シロオビヒカゲ本当に鋭敏ですね!西表島で雌雄見つけて、♀の証拠写真だけに終わりました。
シロウラナミシジミも八重山諸島で雨の中1時間以上探してやっと♀1頭だけでした。
台湾本島の方が琉球列島より蝶の数多いのでしょうか?
Commented by fanseab at 2012-03-20 21:46 x
yoda-1さん、混乱させてすみません。前回記事で「クモガタ」の表記を使用しましたので、「インドラ」ではなく、クモガタで統一しときます。記事も修正しておきました。
今回は午後は曇りがちで殆ど蝶が飛ばないため、仕方なく幼虫等の探索をした・・・のが実情です。でもお蔭様で普段は観察できない幼生期の画像を沢山収集できました。
Commented by fanseab at 2012-03-20 21:50 x
himeooさん、シロオビクロヒカゲとシロオビヒカゲは同属ですが、全く別種のヒカゲチョウです。でも敏感な事に変わりはありません。
シロウラナミを含めJamides属の分布中心は南アジアでして、八重山群島は分布の北限にありますので、個体数は分布中心および台湾本島よりは少なくて当然です。つまり八重山では珍しくても端湾に行けば普通種の類が沢山あります。
Commented by naoggio at 2012-03-21 11:34 x
標本や標本写真しか見た事がなかったクモガタシロチョウやシロオビクロヒカゲ。生態写真で見ると存在感が違いますね。
シロオビクロヒカゲはとてもオシャレな蝶のように見えます。
本物をこの目で見てみたいものです。
Commented by fanseab at 2012-03-21 22:55 x
naoggioさん、国内遠征でも海外遠征でも未だ見ぬ蝶を図鑑で眺めながら、実際に飛んでいる雰囲気を想像するんですが、イメージ通りの蝶と全く想定外の雰囲気の蝶とに分かれますね。そこが生態観察・撮影の醍醐味だと思います。
シロオビクロとか前翅に白斜帯があるジャノメは沢山いますね。どれもホタルガのように飛び出すと大変目立つのですが、じっと静止している場面ではなかなか発見できないのです。
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