探蝶逍遥記

北海道遠征記(11)シロオビヒメヒカゲ

 今回の北海道遠征で、大雪でのウスバキやアサヒヒョウモン撮影の次に期待していたのが北海道固有種の一つ、シロオビヒメヒカゲ(Coenonympha hero latifasciata)でした。6月25日は、前日までの雨模様が解消され、ご案内頂いた maedaさん の待機するポイントへ向かう途中、三国峠から雄大なニペソツ山塊(標高2013m)を望むことができました。山頂付近まで雲高が上がってきており、好天の予感が・・・。                                                                             +横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/800、-1.0EV、撮影時刻: 8時12分

 maedaさんとお会いするのは、千葉のムラツ越冬集団観察とオフ会以来です。草地に踏み込むと既にピョンピョンと飛ぶシロオビの姿が目に入ってきました。時間の経過と共に飛び出した個体数は半端なものではありません。しかし、シャッター音に物凄く敏感で85mmマクロでは静止写真を撮らせてくれません。そのうち、maedaさんから「交尾ペアがいるよ~♪」との呼びかけが。駆けつけてみると新鮮なペアがおりました。閉翅画像を撮る前に、いきなり交尾場面に遭遇し、興奮状態で広角撮影。
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=200、F9-1/320、-0.7EV、撮影時刻: 8時45分

 右側が♀。裏面外縁部の銀色縁取りが朝日に輝いてそれは綺麗な眺め。バシャバシャと連射いたしました。次に基本の閉翅画像を撮るべく、300mmで少しワーキングディスタンスを離し、相対的にシャッター音を低くする作戦で何とか♂閉翅画像をものにできました。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 9時06分

 ご覧のようにこの時間帯は春先のモンキチョウやコツバメと同様、傾斜日光浴態勢を取っておりました。彼らが傾斜日光浴を取る場所は草地の結構低い場所なので、殆どのアングルで草被りを起こします。従って、敏感な上にアングルが制限されるため、単なる閉翅画像を撮るのにムチャクチャ苦労させられました。草原性のヒカゲチョウならではの撮影難易度ですね。お次はノーマルな姿勢で撮らせてくれた♀です。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 9時12分

 前翅裏面の眼状紋は通常、第5室のみですが、この個体は第2室にもその痕跡が認められます。♂も♀も羽化直に近い個体が多くて助かりました。吸蜜場面は意外と少なくて、タンポポに仲良く来ていた♂2個体画像のみ撮れました。
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D7K-34、ISO=400、F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻: 9時00分

 綺麗な個体を探して草原をウロチョロしていると、管理人も独自に交尾ペアを発見(左上が♀)。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F6.5-1/640、-0.7EV、撮影時刻: 9時22分

 ちょうど♀の出始めらしく、至る所で交尾ペアが成立していたのだと思います。この交尾ペアにちょっかいを出す♂画像も撮影。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/1250、-0.7EV、撮影時刻: 9時19分

 あまりしつこく絡まずこの♂は潔く?飛んで行ってしまいました。一通り、目論見の画像が撮れたので残りの時間は飛翔撮影に費やしました。殆ど地面スレスレに飛ぶこのヒカゲですので、運良く画面内に蝶が来ても殆どが草被りで没画像となります。カメラを構える姿勢も相当低くなりますので、腰痛が発生しそうで適当に休憩を入れて撮りました(^^; 最初は♀。
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D7K-10.5(トリミング)、ISO=800、F8-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 9時38分

 今回撮影した中では一番オーソドックスな絵ですね。お次は♀の背面飛び?
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D7K-10.5(トリミング)、ISO=800、F8-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 9時46分

 飛翔写真を撮影していると、時々こんな場面に遭遇します。急に方向転換する際、相当にアクロバティックな姿勢を取っていますね。3枚目は♂。
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D7K-10.5(トリミング)、ISO=800、F8-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 9時45分

 偶然撮れた「斜め45度逆光開翅」飛翔でございます(笑)。ただ、大半の画像はこのように葉被りになってしまします(^^; お次も♂。
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D7K-10.5(トリミング)、ISO=800、F8-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 9時47分

 草丈スレスレを飛ぶシロオビの特徴が一番出た飛翔画像になりました。最後は求愛飛翔場面。
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D7K-10.5(トリミング)、ISO=800、F8-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻: 9時37分

 画面左の♀を追尾する♂です。画面右上端に現地をご案内頂いたmaedaさんの勇姿が写っております。お蔭様でおよそ1時間強、シロオビヒメヒカゲをたっぷり楽しませて頂きました。数年前、東播磨のヒメヒカゲ(C.oedippus arothius)を撮影したポイントは結構傾斜が有り、ブッシュも生えていて撮影に神経を使いましたが、今回のヒロオビポイントは平坦地で、体力消耗は少なく翌日のコマクサ平往復の体力を温存できて助かりました。平坦地に飛ぶシロオビを眺めながら、16年前だったか、ヨーロッパ出張で英国ガトウィック空港周辺にトランジット宿泊した際、ホテル横で沢山のチャイロヒメヒカゲ(C.pamphilus)が飛んでいたことを思い出しました。生息環境は北海道のシロオビポイントと瓜二つでしたね。この時、実は蝶友から借用したお散歩ネットでpamphilusを採集した思い出があります。採集品はこの蝶友に展翅して頂き、今でも管理人の数少ない標本箱に収まっております。その標本については、また別の機会にでも語ることにいたしましょう。現地をご案内頂いたmaedaさんには、この場を借りまして改めて感謝したいと思います。<次回に続く>
by fanseab | 2012-02-17 21:05 | | Comments(4)
Commented by himeoo27 at 2012-02-18 21:17
タンポポに2頭吸蜜シーン綺麗に決まってますね!
とっても素敵です。
Commented by fanseab at 2012-02-19 07:30 x
himeooさん、吸蜜シーンは1頭よりは2頭の方が賑やかで、絵になりますね。ただこの後♂は探♀飛翔に忙しく、吸蜜のチャンスは訪れませんでした。
Commented by naoggio at 2012-02-21 15:02 x
シロオビヒメヒカゲは本当に北方系の香りの濃い蝶ですね。
それにしても、こんなにも美しい蝶でしたっけねえ・・・
ため息が出ます。
Commented by fanseab at 2012-02-21 22:39 x
naoggioさん、シロオビよりも普通のヒメヒカゲの方が好きだ・・・とされる愛好者の方もおられますね。シロオビの美しさの秘密の一つに後翅眼状紋が綺麗に一列に並ぶことがあると思っております。ジャノメの仲間で眼状紋の大きさが均等で、列の並びも揃っている種類は意外に少ないですよね。Coenonymphaの中でも一番エレガントなデザインかもしれません。
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