探蝶逍遥記

北海道遠征記(10)コヒオドシと越冬タテハ達

 遠征した6月下旬はタテハチョウ亜科を観察するには全般に中途半端な時期でした。未だ新羽化成虫を見るには少し早く、越冬個体が中心になります。何度もご紹介する十勝の林道で俊敏に飛んでいるタテハが目に入りました。一瞬、ヒメアカかと思いましたが、タンポポに吸蜜した後、接近するとオンボロのコヒオドシと判明。                                                                             ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F11-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、10時42分

 管理人は本州・上高地で新羽化成虫しか観察したことがなく、越冬後個体の撮影はこれが初体験。いかにも厳冬の風雪に耐え忍んだ・・・個体ですね。この近くでは開翅日光浴する♀に遭遇。
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D7K-34、ISO=640、F9-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、11時07分

 比較的スレていない個体でした。この♀、実は産卵行動の途中でして、エゾイラクサ?にしきりに産卵姿勢を取っておりました。
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D7K-34(トリミング)、ISO=640、F8-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、11時09分

 ご存知の通り、コヒオドシは卵塊で産み付ける習性があります。産卵時間は相当時間を要するのだろう・・・と待機していましたが、意外とさっと飛び去ってしまいます。産み付けたと思われる葉裏を検すると、何と全く産卵しておりません。同様な産卵姿勢を何回も取った後、この♀はどこかに飛び去りました。恐らく気に入った葉がなかったのでしょう。産卵塊も撮影したくてウズウズしていた管理人の目論見は見事に外されました(^^;

 この林道に移動する前に、シロオビヒメヒカゲの撮影に興じておりました。シロオビ画像はまた別の記事でアップ予定ですけど、シロオビのポイントでmaedaさんが、コヒオドシの亜終齢幼虫を見つけてくれました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/200、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、8時54分

 止まっている葉はエゾイラクサではなくてイラクサでしょうか?そのイラクサ群落は南西向きの小斜面に蔓延っておりました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/125、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、8時56分

 また、コヒオドシやホソバヒョウモンを観察した林道脇にはヒョウモンと思しき終齢幼虫が多数観察できました。
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D90-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/2000、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、10時16分
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D90-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/1600、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、10時16分

 前胸部の棘状突起が著しく長いので、ミドリかメスグロの可能性があり、2本の背線が鮮明に見えるのでミドリヒョウモンだと思います。間違っていたらご指摘下さい。観察された幼虫は、いずれも食草のスミレ類ではなく、フキの葉上に静止(頭部を下に)して日光浴をしている感じでした。

 6月27日は、午前中、コマクサ平でのウスバキ観察を終えた後、下山して色々な探索をしておりました。林縁を彷徨っているとクジャクチョウやシータテハを多数観察することができました。先ずは路上で開翅するクジャクチョウ。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/200、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月27日、15時55分

 お次はフキの葉上でテリを張るシータテハ♂。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/320、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月27日、15時56分

 近くをクジャクやシーが通りかかると凄いバトルを繰り広げておりました。こうした低標高地にこれらのタテハを見ると、「北海道に来たなぁ~」と実感します。越冬個体ですのでスレ品は当然なのですが、厳しい北海道の厳冬を過ごしてきた彼らを見ると、つい「頑張っているね!」を声掛けしたのでした。<次回に続く>
by fanseab | 2012-02-03 22:13 | | Comments(6)
Commented by kenken at 2012-02-03 22:59 x
越冬個体の特徴が出ていて、いずれも泣かせてくれる印象深い絵ですね。
コヒオドシは当方さっぱり撮れません、本州のは難関に感じています。いつも、パッと通り過ぎる姿ばかりで・・・
やっぱり北海道にいかなあかんなぁ~
Commented by fanseab at 2012-02-04 23:15 x
kenkenさん、もしろん本州の高標高地でもクジャクやシー、コヒオドシの越冬個体が春先に見られます。厳冬期の厳しさは北海道も本州もさほど変わりないかもしれませんが、何と言うか、「北海道の方が厳しそう・・・」なる思い入れがあって、彼ら越冬個体から受ける印象も違いますね。
Commented by himeoo27 at 2012-02-05 10:51
越冬コヒオドシ♀の産卵した卵塊撮影残念でしたね!それにしてもこの♀越冬明けとは思えない美しさで素敵です。
コヒオドシは昨春「越冬個体」、夏「新鮮個体」のいずれも証拠画像しか残せなかったので今年こそは↑のようなしっかりした写真を撮影したいです。
Commented by fanseab at 2012-02-06 00:17 x
himeooさん、越冬タテハは全般に♀の方が破損が少ないケースが多いですね。♂はバトルに絡むから、破損が多いのでは?と勝手に思っています。小生も新羽化個体については未だ納得いく絵が撮れていないので、課題の一つですね。
Commented by naoggio at 2012-02-07 14:02 x
越冬したタテハ類が最後の輝きを放って生きている姿がとても印象的です。
北国のあの頃の季節感、陽射しや風までが感じられるようで素晴らしいです。最初拝見した時はあまり感じなかったのですが、今日あらためてじっくり見ていたら感動が湧き上がってきました。不思議なものですね。
Commented by fanseab at 2012-02-07 22:54 x
naoggioさん、越冬タテハを見ると、つくづく成虫越冬とは厳しいもんだな~と思います。人間のように暖房設備も何もない場所で厳しい冬を過ごすのですからね。「節電暖房は寒くてかなわん・・・」と贅沢を言う人間様は彼らに馬鹿にされているかもしれません。冬を何とか越した後、6月の北国を彩る緑を眺めることのできる個体は本当に少ないだろうと思うと、確かに感慨深いものがあります。
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