探蝶逍遥記

台湾遠征記:(5)11月21日前半その4

 バナナセセリの幼虫をバナナの葉に戻した後、ミニ渓流を渡ると次第に遊歩道は登り勾配に。草陰からやや大型のジャノメが飛びました。クロコノマチョウ(Melenitis phedima polishana)でした。                                 ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時22分

 メスチャヒカゲ(Lethe chandica ratnacri)あたりを期待したのですが、がっかり。日本でもどこでも、この子は葉隠れ上手ですね。ほぼ同じ場所でゆっくりと舞っていたジャノメも撮影。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

 恐らくキレバヒトツメジャノメ(Mycalesis zonata)の♂でしょう。マルバヒトツメジャノメ(M.mineus)との差異は前翅端部の鋭角的な翅形ですけど、どうも該当部が微妙に丸い個体も混じっていて、正直ちょっと同定に自信がありません。以前ご紹介した♀同様、乾季型(冬季型)で眼状紋が縮退しております。

 さて、このジャノメを撮影した時点で、ようやく青空が拡がってきたようで、暫く遊歩道を進むと急に視界が開け、林縁にセンダングサの花園が開けた「美味しそうな」ポイントに着きました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/180、-0.7EV、撮影時刻:12時06分

 見上げると待望の青空も!と、思いが通じたのか、多くの蝶がこのセンダングサに訪れ始めました。最初はヒメイチモンジセセリ(Parnara bada)。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時33分

 腹部形状と翅&胴体の全体バランスから♀でしょうか?badaの撮影は管理人初体験です。
お次はコモンマダラ(Tirumula septentrionis)の♂。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/160、-0.7EV、撮影時刻:11時34分

 Tirumalaは同定がややこしいのが困ります(^^; そのうち矢のようなスピードで飛び回るアゲハが登場。コモンタイマイ(Graphium agamemnon)でした。しかし、こいつには手こずりました。とにかく俊敏で、吸蜜時間は長くて2秒程度。殆どは1秒以内で別の花弁に移動するので、フレーミングを合わせた頃には視界から消えてしまう始末・・・。トホホでした。それでも何とか撮れた3枚を張っておきましょう。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時37分
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時37分
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時44分

 3枚目を除き思いっきりピン甘(^^; 吸蜜時の羽ばたきも相当に敏速で、シャッター速度優先で1/1000sec.を切るべきでした。こうした事態に備えて日本国内で2シーズンに渡ってアゲハ吸蜜撮影に拘って練習してきたのでしたが、肝心の本番で露出設定を誤って反省しきりです。コモンタイマイは吸水や腐肉吸汁の場面ではノンビリと撮影できますが、花からの吸蜜撮影はこれが初体験。全く別次元の素早さには驚かされました。この後アオスジアゲハ(G.sarpedon connectens) も出現。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時52分

 コモンタイマイを撮影した後では、普段短いと感じるアオスジの吸蜜時間もとても長く感じられたのでした。今回の記事で11月21日の午前中がほぼ終了しますが、まだ正午までは10分程ありますので、午前中分を更に引っ張らせて頂きます(笑) ご期待下さい。 <次回へ続く>
by fanseab | 2012-01-28 20:13 | | Comments(8)
Commented by nomusan at 2012-01-28 22:16 x
お~っ!コモンタイマイだぁ~!
すごいなぁ~。
私、もう10年以上前ですが、与那国でこの蝶見ましたが・・・・・
とても撮れるなんて思えない俊敏さでした。
しかも”斜め45度”で(爆)。
こりゃええもん見させて頂きました~。

Commented by himeoo27 at 2012-01-29 10:32
コモンタイマイ良いな!!!吸蜜時そんなに俊敏なんですか?!
それにしてもシャープ&綺麗な写真に仕上がっているので、流石です。
私は、八重山諸島で、アオスジアゲハの吸蜜シーンでも手を焼き、当然結果も散々でした。
Commented by fanseab at 2012-01-30 00:26 x
nomusan、与那国島ですかぁ、珍だったんでしょうね。小生もシンガポールで出会った時、これはとても勝負にならないと思いました。次いでベトナムで海老トラップに来てくれた時は臭いのを我慢すれば余裕で撮れたのですが、吸蜜はまたとんでもなく速くて驚きました。
本当は、逆光で撮るとGraphiumは綺麗ですけど、とても光線に拘るほど余裕はなかったです。
Commented by fanseab at 2012-01-30 00:28 x
himeooさん、そうなんです。想像以上の俊敏さに手こずりました。感覚的には飛翔写真を撮影するようにバシャバシャ連射することで、「当たりコマ」を拾い上げた・・・のが実情です。
アオスジ含め、Graphiumの吸蜜は時間帯によっては、ややゆっくりした挙動をするようで、上手くその時間帯を把握することが大事かなと思います。
Commented by chochoensis at 2012-01-30 09:30 x
fanseabさん、=コモンタイマイ=・・・動きの素早いチョウなのに綺麗に撮影していますね・・・驚きました。素晴らしいです・・・南国にはもう行く事が出来ませんが、楽しく拝見しています・・・。ありがとうございます。
Commented by naoggio at 2012-01-30 14:52 x
推定キレバヒトツメの写真がなんだかとても好きです。
じっくり見ていると癒されます。
コモンタイマイは爽やかな色ですね。昔採集したことはあるのですがその時のことはすっかり忘れてしまいました。
どんな蝶でも、撮影したものはその時のことを忘れたことはないと思うのですが。
Commented by fanseab at 2012-01-30 22:05 x
chochoensisさん、台湾は赤道直下の国に比較すると国内の蝶の香りが残っているというか、親しみを持てる仲間が多いような気がします。本来は中国本土に行かねば見られない蝶が気軽に観察できるのが素晴らしい点かもしれません。ダラダラ更新で申し訳ありませんが、お楽しみ頂ければと思います。
Commented by fanseab at 2012-01-30 22:10 x
naoggioさん、今回の台湾遠征は天候不順の点もあって、普通種(出会うことができた種)をじっくり撮影することに注力しました。zonataもそんな種類で、香港できっちり撮影できなかった反省で撮影しました。
コモンタイマイは鮮やかな表面を表現するのは意外と難しく、地味な裏面がどうしても強調されがちですね。吸蜜では表翅と裏面が50%ずつ写るので爽やかな表翅が引き立つのかもしれません。
採集でも撮影でも何か特別な感慨を持つ経験があると、その時の情景を思い出しますね。
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