探蝶逍遥記

北海道遠征記(8)ヒメウスバシロチョウ

 ウスバキと並んで北海道特産種のアゲハです。ユーラシア大陸産との比較において、♂交尾器に有意差があるとして別種扱いとされる向きもあるようです。そうなると、我が国固有種となり、むしろウスバキよりも貴重な存在なのかもしれません。

 さて、遠征の2日目となる6月24日。この日も天気は芳しくなく冷たい風が吹いて青空が期待できません。それでも正午過ぎになって、ようやく陽射しが出てきて道路の法面にフワフワと本種が飛び出しました。この辺の生態は本州のウスバシロと殆ど同じ様子でした。下草に降りて日光浴する♂2頭を先ずパチリ。                                                                    ++横位置画像はクリックで拡大されます++
f0090680_2232578.jpg
D90-85VR、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月24日、12時21分

 次はススキ?の葉上で開翅日光浴する単独個体。
f0090680_22331876.jpg
D5K-34、ISO=500、F10-1/1250、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月24日、12時15分

 ウスバシロと異なり襟巻部分の黄色がないため、地味に感じます。ただ朝方降った雨の名残が葉上にアクセントとして入り、水墨画のような雰囲気が出て結構お気に入りの絵になりました。この個体を逆サイドから85mmマクロでも狙ってみました。
f0090680_22333637.jpg
D90-85VR、ISO=500、F11-1/800、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月24日、12時23分

 この後、飛翔も狙ってみましたが、いい絵が得られずガッカリ。そして翌日、maedaさんにご案内頂いたカラフト/ホソバヒョウモンの混生地には♀が飛んでいました。タンポポ?からの吸蜜シーンです。
f0090680_22341236.jpg
D7K-34、ISO=640、F11-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:6月25日、12時11分

 ♀は襟巻・胴体に黄色の体毛があるため、少し華やかです。ウスバシロ♀との区別は難しいですが、ここは混生地でないので、同定は楽です(^^) ♀吸蜜シーンを別のアングルからも撮ってみました。
f0090680_22342934.jpg
D7K-34、ISO=640、F11-1/640、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月25日、12時16分

 ウスバシロ♀との区別点、「翅の付け根付近の胴体側面に黄色の体毛が生じない」特徴がよく理解できる絵になりました。その区別点画像も参考として示します。
f0090680_22344150.jpg


 なお↑でご紹介したヒメウスバ♀二画像は確か同一個体でしたが、交尾嚢(スフラギス)が無いので、未交尾個体でしょう。このポイントでも13時頃から雲が厚くなり始め、ホソバヒョウモン等の蝶は一斉に活動が鎮静化してしまいました。撮影地の様子も広角でご紹介しておきますね。
f0090680_22345790.jpg
GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/200、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月25日、13時26分

 雲量が増加した状態が確認できます。画面中央右はご案内頂いたmaedaさん。ご覧のような伐採地でチャマのポイントでもあるそうです。流石にチャマを見るには時期遅れでしたが、別のポイントではこの時点でまだ飛んでいた模様です。maedaさんによると、近年、エゾマツの木材加工法改良により、道内産エゾマツが見直され需要増から伐採地が増加しているとのこと。その結果、伐採地でチャマダラセセリも増加しているらしいのです。さて、曇りがちで蝶が飛ばない時、林道上に思わぬ役者が登場して管理人とmaedaさんを和ませてくれました。
f0090680_22352824.jpg
D7K-10.5-X1.4TC、ISO=320、F8-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:6月25日、12時21分

 切り株の上で威嚇ポーズを取るミヤマクワガタ♂。いつも暑い夏にミヤマクワガタを観察することが多いので、ヒンヤリとした風が吹き抜ける伐採地で印象に残る姿でありました。<次回に続く>
by fanseab | 2012-01-12 22:38 | | Comments(6)
Commented by dragonbutter at 2012-01-12 23:11
お恥ずかしいことに単純にヒメウスバシロは体毛が黄色くないことで区別可能と思っていましたが、そうでもないのですね。
しかし区別点画像を見ると何とか判別できそうです。
勉強になりました。
Commented by fanseab at 2012-01-13 23:38 x
dragonbutterさん、小生も遠征前は貴殿と同様な知見しかありませんでした。帰宅してから図鑑をよく眺めていて詳細な区別点に気が付きました。混生地では特にハイブリッドも生まれたりするので余計注意が必要でしょうね。
Commented by himeoo27 at 2012-01-14 18:49
関東地方では「ミヤマクワガタ」標高1000m以上の高地にしか生息していませんが、北海道では低地で結構数多くいるようですね!体を持ち上げて威嚇するポーズがとっても可愛いです。
Commented by fanseab at 2012-01-14 20:14 x
himeooさん、最近本州ではミヤマクワガタに出会っていないので、懐かしさも覚えました。体毛の黄金色はいつ見ても綺麗なものですね。
Commented by naoggio at 2012-01-15 20:45 x
どの写真もヒメウスバの魅力を存分に伝えるナイスショットですね。
殊に2枚目は蝶の写真という枠を超えた普遍的な美しさを感じました。
いい蝶ですね。35年会っていません。もう一度見に行ってみたいなあ。
ミヤマクワガタ、怒ってますねえ。
Commented by fanseab at 2012-01-15 21:01 x
naoggioさん、ヒメウスバはシロチョウと同様、
誤魔化しが効かない難しい対象です。シンプルな
色調とデザインだけに雑には撮れません。
35年前ですか・・・。その頃はまだカラフト
セセリも飛んでなく、かなり異なった雰囲気
だったんでしょうね。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード