探蝶逍遥記

ミドリシジミの越冬卵探索他(1月8日)

 今年初めてのフィールド探索です。ブログ仲間の皆さんも今冬、ゼフの越冬卵撮影に頑張っておられます。管理人も刺激を受けてちょっと横浜まで出陣しました。主目的は新たに用意した改造レンズ(AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G EDの前玉外し品:以下1855改と略)の機能チェック。雑木林の林縁をチェックしていて最初に目に飛び込んで来たのは、枝に止まっていたゴマダラカミキリ。こちらは魚露目での撮影。
++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=200、F20-1/60、-1.0EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:8時36分

 どうも、枝につかまったまま力尽き、そのまま菌類が繁殖した姿でしょうか?寒空の下、何ともシュールな絵になりました。ハンノキ群落ではミドリシジミの越冬卵を探します。いつも母蝶が産み付ける株をチェックすると、今年も樹肌にきちんと産んでいました。
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D7K-1855改@55mm、ISO=500、F22-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:9時34分

 右下に張り付けたのが、卵の拡大画像。参考のため、4年前に作成した改造マクロレンズ(Tamron AF 28-80mm F3.5-5.6 Aspherical(277D)の前玉外し:SZMと略記)で撮影した画像も貼っておきます。
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D7K-SZM@80mm(トリミング)、ISO=500、F22-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:9時38分

 両レンズ共に望遠端での撮影拡大率はほぼ同等。解像度はやや従来品の方が勝っているようにも思えますが、従来品は色収差が強く、総合比較すると、まぁ、どちらも五十歩百歩の感じで、ゼフ越冬卵用としては、解像度がイマイチ。もう少しレンズ系構成を見直してみようと思います。ただ1855改での撮影画像は全般にHazyで、どうやらレンズ保護用に装着したUVフィルターの影響でフレアーを起こしている感じです。前玉外しの場合、後玉群レンズとレンズ筒先端の距離が長くなるため、フィルターの装着は慎重にすべきと思います。

 この後、この日一番撮影したかったウラゴの越冬卵を求めてイボタを15株ほど探索しますが、坊主。数年前、探索後わずか5分間で発見した「ご神木」は昨年だったか見事に伐採されていて、代わりのご神木を見つけることが課題でしたが、この日はクリアできずがっかりです。仕方なく、カラタチ群落でアゲハ類の越冬蛹調査。ほどなく見つけたのは蛹ではなく、「百舌鳥のはやにえ」。犠牲者はカナヘビでしょうか?
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GXR@5.1mm、ISO=100、F5.1-1/290、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時58分

 尾が長すぎて画面からはみ出てしまいました(^^; 丁度、同じ越冬蛹撮影目的で来られていた撮影者の方にお聞きすると、何でも11月頃からあるとのこと。カラタチの棘は鋭く、モズが獲物を突き刺すのには好都合ですが、喉元をブスリと突き刺れた姿は何とも哀れなものでした。さて、上記の撮影者よりご親切にも蛹の在処をご教示頂きましたので、撮影はとてもスムーズにいきました。最初はナガサキアゲハの蛹。
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=500、F22-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:12時23分
 
 ナガサキの蛹撮影はこれが初めてです。黒系アゲハの蛹同定は結構難しいですが、頭部の二股状突起の方向が平行、かつ短めに出ているのがナガサキ、Y字形に迫り出すのがクロ、Y字が著しく伸びるのがオナガ・・・とか、色々あって、もう少し経験を積まねばなりません。それにしても背面部の微妙な凹凸は何だか張子の人形を想起させる質感がありますね。お次はナミアゲハで体色が黒褐色のタイプ。
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=500、F22-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:12時28分
 
 背景の空に飛行機雲が入ってお気に入りの絵になりました(^^) 次は同じナミアゲハで緑色タイプ。
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D7K-85VR、ISO=640、F10-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時28分

 アゲハの蛹探索も奥が深そうです。この後、コナラやクヌギの細枝中心にオオミドリ、アカ、ミズイロオナガあたりの越冬卵を狙い目に探しましたが、管理人の実力では発見できませんでした。しかし、コナラの枝先で思わぬ宝物を発見できました。その宝物とはこちら。
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D7K-1855改@18mm、ISO=400、F22-1/60、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:13時34分

 コミミズク(Ledropsis discolor)の幼虫です。本種は昆虫ブログに冬場よく登場するので、以前から撮影したいと思っていた対象。やはり実物の化けっぷりは見事です。頭部付近を拡大してみました。
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D7K-1855改@55mm、ISO=400、F22-1/60、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:13時35分

 ズームマクロは見たい部分をさっとズームできるので便利ですね。コミミズクの体表面の地色はベージュで、赤褐色の微小斑点がビッシリと敷き詰められています。丁度イカの皮膚表面を思い出しました。イカは赤色色素を持つ斑点の数と密度を微妙に調整して、周囲の環境に溶け込ませる擬態の技を持っていますが、コミミズクも変化はできないものの、色調を上手く小枝とシンクロさせているのでしょう。最後に魚露目でコミミズクが付いていた環境を写し込みました。
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=400、F22-1/80、-1.0EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:13時49分

 魚露目の効果でコミミズクの大きさが誇張されていますが、体長はわずか10mm程度です。折角、コミミズクの幼虫を撮影できたので、次はミミズク(Ledra auditura)の幼虫も撮りたくなりました。こちらはカエルが潰されたような扁平な形で落葉の裏についているらしいです。ゴマダラの越冬幼虫探索のついであたりに探してみたいものです。
by fanseab | 2012-01-09 22:49 | | Comments(8)
Commented by yoda-1 at 2012-01-10 12:50
改造レンズの比較、大変参考になります。
YODAも今から2倍テレコンを使用するのではなく、まずは改造レンズ単独でいろいろ使いこなすべきだと反省した次第です。
魚露目レンズも魅力的な画像になりますね。
しかし探しても見つからないハヤニエを見つけるとは素晴らしいです。
Commented by fanseab at 2012-01-10 23:29 x
yoda-1さん、連続コメント恐れります。
前玉外しに限らず、テレコンは使用して効果が出る場合とそうでない場合に分かれますね。テレコン使用で画像倍率を上げると露出倍数も増加し手振れのリスクが増えます。未使用で元画像をトリミングした場合とどちらが解像度が高いか?ケースバイケースでテストするしかないでしょうね。
魚露目はいつでも使えるレンズでないですが、通常の広角レンズでは対象に接近できない状況では威力を発揮します。ナガサキの蛹では周囲のカラタチの棘が多くてデカいレンズでは接近できず、魚露目で何とか撮影できました。
Commented by naoggio at 2012-01-11 17:37 x
冬の野も歩けば色々なものにぶつかりますね。
1枚目はなんだかSFの世界のようですね。私だったら怖くて撮らなかったかも。
ナガサキアゲハの蛹の肌は本当に質の良い和紙のように見えます。
色も素敵です。
コミミズクは虫林さんのブログでも見ましたが本当に見事な擬態ですね。
Commented by banyan10 at 2012-01-11 18:42
ニコンの前玉外しはあまり例がないので参考になります。
大きく写せても細かい部分の描写や色味など、全てを満足できるものは簡単には見つからないのでしょうか。
僕は今シーズンは今ので撮影して、次のオフにでもまた検討しようかと思っています。
Commented by fanseab at 2012-01-11 21:22 x
naoggioさん、仰る通り、蝶影の無い冬のフィールドは探せば色々と細かいものが見えてきます。ゴマダラカミキリはかなり不気味な感じで、たまたま曇り空だっため、シュールな雰囲気を強く出すことができました。
アゲハ類の蛹も夏場はじっくり観察するチャンスがないので冬場は貴重ですね。カラスとかミヤマカラスの蛹も探索したくなりました。
コミミズクを発見した時はとても興奮しましたよ。
Commented by fanseab at 2012-01-11 21:26 x
BANYANさん、小生が改造したレンズは「前玉外しが簡単にできる」とのネット記事を参考にやってみました。前玉外しレンズはその用途で性能に満足すべきか否かが決まると思います。一般的な撮影対象に対して、等倍以上のズームマクロレンズとしては、今回の1855改は文句無い性能だと思います。ただゼフの越冬卵撮影目的には前玉外し系では限界があるかな?との思いが強く他のレンズ系を模索しております。
Commented by ponta_xx at 2012-01-13 12:04
ミドリシジミの卵は真珠のような輝きで美しく撮れてますね!コミミズク、知りませんでした。成虫もみつけにくそうです(~o~)
Commented by fanseab at 2012-01-13 23:36 x
ponta_xxさん、コメント有難うございます。
ゼフ越冬卵は撮影技術も難しいですが、それ以上に探すのが大変です。老眼が進むと余計苦しいものです(笑) 
コミミズクの成虫は恐らくいたとしても蝶に集中しているので、見逃してしまうと思います。この時期ならではの成果だと思います。
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