探蝶逍遥記

台湾遠征記:(3)11月21日前半その2

「知本國家森林遊楽區」のビジターセンターは立派な造りの建物です。                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++ 
f0090680_2224136.jpg
GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/160、-0.7EV、撮影時刻:9時54分

 建物内部には教育用の資料展示等、日本国内の同様な施設と変わりないレベルでした。ここのパンフレットによれば、ビジターセンター近くで稀にキシタアゲハ(Troides aeacus formosanus)が観察できるとのこと。しかし、この日の曇り空と気温では恐らくおったとしても飛びはしないだろうと諦めました。その代り、あまり期待していなかったツマベニチョウ(Hebomoia glaucippe formosana)が樹冠を飛び回り始め、暫く待機すると、花壇で吸蜜を始めました。嬉しいことに、完品の♀です。
f0090680_223958.jpg
D7K-34、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分
f0090680_2232420.jpg
D7K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分

 吸蜜源はサンタンカ(Ixora sp.)。昨年10月の奄美遠征では♀吸蜜シーンは撮影できていなかったので、じっくりと撮影させて頂きました。ただツマベニ以外の成果はなく、ビジターセンター横から通じている遊歩道の一つ、「森林浴歩道」と名付けられたコースを辿ることにしました。遊歩道の入口には野鳥観察用の解説看板が立てられております。
f0090680_2234428.jpg
GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/60、-0.7EV、撮影時刻:10時07分

 野鳥(特に台湾の野鳥)に関して素人の管理人とっては、何とも優しい掲示板であります。因みに公園内に蝶の案内看板はありませんでした(^^; また、遊歩道の至る所に樹木の説明パネルが幹に取り付けられていてこれも大変勉強になります。
f0090680_2241126.jpg
GXR@5.1mm、ISO=100、F2.5-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時09分

 因みにこの「水同木」はクワ科イチジク属でイヌビワと近縁。今回はご紹介しませんが、この属を食うイシガケチョウの個体数はまぁ、半端でありませんでしたね。ここから先は森林浴歩道と銘打つだけあって、全体に暗い林道でジャノメ類が期待できそうな印象。そのうち足元をすばしっこく飛んで止まったのは恐らくタイワンビロードセセリの♂(Hasora taminatus)。
f0090680_2252951.jpg
D7K-34、ISO=400、F9-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時36分

 オキナワビロード(H.chromus)との区別に必要な前翅端付近の尖り具合が枝で隠され、同様に後翅肛角部もバードビークのように欠損しているため、正確な同定はできませんでした。遊歩道の脇の葉にツユムシの幼生と思しき個体が。
f0090680_2255237.jpg
D7K-34、ISO=640、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時40分

 直翅目にはからきし疎い管理人ですが、こんな姿を見るとついパチリとやってしまいます。この遊歩道で最も目立ったのがキレバヒトツメジャノメ(Mycalesis zonata)。
f0090680_22654.jpg
D7K-34、ISO=400、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時46分

 本種は香港で出会って以来の撮影。眼状紋が縮退した乾季型の♀です。ストロボで何枚が撮影していると、突然飛び立ったので、翅表を撮ることができました。
f0090680_2262069.jpg
D7K-34、ISO=400、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時46分

 翅表の眼状紋は乾季型でもしっかりと残っており、単に裏面を枯葉に擬態させるため裏面の眼状紋を消してしまう戦略だと思われます。<次回に続く>
by fanseab | 2012-01-05 22:08 | | Comments(6)
Commented by naoggio at 2012-01-06 21:29 x
新鮮なツマベニのメス、素晴らしいですね。
なかなかこんなのいないですよね。
キレバヒトツメの独特な翅形も魅力的です。
前回の香港の雨期型を改めて見てみましたがずいぶん印象が違いますね。
ヒメジャノメとクロコノマチョウぐらいの差があります。
Commented by himeoo27 at 2012-01-06 21:38
タイワンビロードセセリの♂(Hasora taminatus)の目がとっても可愛いですね!今年の八重山諸島の年末・年始は天候が悪く大型のセセリには1頭も目撃できず、少し残念でした。
Commented by fanseab at 2012-01-07 22:29 x
naoggioさん、ツマベニは完品に出会うチャンスが意外に少なくて、これまで海外でもボロ品しか撮影機会がありませんでした。ですのでこの個体を撮影できて満足しております。
zonata乾季型は仰るように、初見では少しサイズの小さいクロコノマチョウのように見えます。
Commented by fanseab at 2012-01-07 22:31 x
himeooさん、Hosoraは迫力があって、いい仲間ですが、完品でないと同定が難しい場合があります。八重山も悪天候だったようですが、遠征時の台湾も雨は降らずとも曇り空が多くて苦労しましたよ。
Commented by yoda-1 at 2012-01-10 12:54
台湾にはこの赤いサンタンカは多いように感じましたが、なかなか撮影できないツマベニ雌の撮影成功、おめでとうございます。
やはり蝶の神様のご褒美が準備されているものですね。
Commented by fanseab at 2012-01-10 23:24 x
yoda-1さん、サンタンカは台湾のみならず、シンガポールやその他の熱帯アジアの植栽としては普通で蝶が好む花ですね。ツマベニの数はそこそこ居りましたが、吸蜜撮影のチャンスは少なく、運よく完品♀に巡り会えて撮影できました。台湾の山の神様に感謝ですね。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード