探蝶逍遥記

続:ミヤマチャバネセセリの越冬蛹探索(12月4日)

 この日、ムラツ探索で成果に乏しかったので、早めに帰宅し、昼過ぎから近所の多摩川縁で首題蛹探索をやりました。先ず拙ブログの記事でご報告した、個体識別#3および#11はその後も特段の異常はないことを確認しました。次に#11の東方10mに位置していた#10の再捜索を実施しました。ここは#11と同様な環境であり、蛹化状況も類似しているだろうと推定し、「枯草を綴ったような形跡」を捜索ポイントに、じっくりとオギの根際をチェックしていきました。すると探索後、僅か5分で蛹を発見できました。また同時に#10個体から僅か10cmしか離れていない場所に別の蛹(識別#13とします)を発見。発見時の全体状況を示します(撮影のため、10円玉の置いてある周辺の草のみ除去)。                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-1855@28mm、ISO=100、F11-1/13、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時間:12時17分

 推定通り、#10と同様、枯草とイネ科の草他を綴り、念入りに吐糸して台座を形成しているため、白く見えます。台座に下向きに付いている蛹は地表から4cmほどの高さにあり、直接地表に触れないようになっておりました。これらの状況は85mmマクロよりも魚露目の方が説明的に描写できると考え、魚露目でトライしてみました。順に#10、#13個体です。
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D7K-1855@55mm-gy8(トリミング)、ISO=200、F29-1/60、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボ2灯スレーブ増灯、撮影時間:12時40分
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D7K-1855@55mm-gy8(トリミング)、ISO=200、F29-1/60、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボ2灯スレーブ増灯、撮影時間:12時36分

 地表面がどこなのか?分かりにくいですが、周囲の枯草を利用して作られた台座の特徴はご理解頂けると思います。蛹の背面側の照明が結構難しくて、スレーブ発光させる外部ストロボを地面に直置きにする等、工夫をこらしましたが、あまり満足できる結果ではありませんね。魚露目のストロボ照射系は更に工夫が必要です。この2蛹共に、残念ながら正常な個体ではなく、いずれも変色しておりました。既に死蛹と想定されましたので、台座周辺の枯草を丁寧に鋏で切り取り、蛹の状況を85mmマクロで撮影してみました。順に#10、#13です。
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D7K-85VR、ISO=400、F13-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時間:13時01分
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D7K-85VR、ISO=200、F13-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時間:12時54分

 蛹の体長は#10が27mm、#13が29mmで(10円玉の直径は23mm)、#3、#11とほぼ同等です。ご覧のように#10は腹部が切れて体液が滲んだような跡が残り、既に体色は淡褐色に変化しております。管理人が前回探索の際、蛹の存在に気付かず、誤って傷を付けた可能性も残ります。一方、#13はまだ頭部の体色に緑色が残るものの、胴体中央部が黒ずんでおり、こちらは寄生の影響かもしれません。結局、2頭を新規発見したものの、これらについて、来春までの継続観察はできないことになりました。ただ、ミヤマチャバネの越冬蛹の造巣性についての傾向がつかめたのは収穫でした。
by fanseab | 2011-12-06 21:12 | | Comments(2)
Commented by himeoo27 at 2011-12-08 21:33
幼虫から蛹になるのも容易なことではないようですね!
良く見つけられるものと感心しながら拝見しました。
Commented by fanseab at 2011-12-08 22:09 x
himeooさん、寄生率も相当あるだろうし、強風で吹き飛んできた枯草の茎で蛹が致命的なダメージを受ける可能性も高いでしょう。地面近傍で越冬する蝶の宿命かもしれませんね。その点、クロシジミのように蟻に保護されて越冬する蝶は本当に上手な方法を見つけ出したものだと思います。
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