探蝶逍遥記

奄美大島遠征記(6)10月11日後半戦

 物凄いスコールも短時間で止み、急に天候が回復、亜熱帯の陽射しが照りつけてきました。場所を移動して海岸線を移動中、植栽のペンタスで吸蜜中のツマベニチョウ♂を撮影。                                                      ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F8-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時05分

 今回は申し分ない撮影条件でツマベニの地色も表現できたと思います。もちろん、もうちょっと完品なら完璧な出来だったのですが・・・。ハイビスカスに比較して小さな花弁での吸蜜はツマベニの開翅角度も大きくて綺麗に表現できますね。この後、2日目に探索して見つけたクワノハエノキのポイントで粘っていると、100m程遠方の小川上空でゆったりと旋回するタテハを発見。大きさからアカボシ♀と確信し、待機していると目の前のキョウチクトウに止まりました!
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D7K-34、ISO=400、F8-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時12分

 表翅に細かな傷がありますが、翅の欠損も少なくようやく♀の全貌を捉えることができました。次いで真横からの閉翅と開翅画像を撮ろうとしたら、遠くの林に逃げていきました。どうやら産卵木を探す行動。ただ狙いをつけていたクワノハエノキには何故か立ち寄ろうともせず、ガックリです。更に場所を移動し、10日午前中の記事でご紹介した(6枚目の画像)クワノハエノキに立ち寄ると、梢の上に蝶影が。小さなタテハのようです。300mmでチェックするとテングチョウの♀でした。クワノハエノキの雄花から吸蜜している様子です。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 次いで飛翔。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時24分

 そして新芽に産卵です。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分

 相当遠いので全てトリミングでのご紹介です。♀は上記の通り、枝から枝へ飛びながら、吸蜜と産卵を繰り返しておりました。ご承知かもしれませんが、テングチョウの南西諸島亜種(ssp.amamiana)は確実に年2化(3化以上の可能性も?)発生とされています。通常春先にしか芽吹きがない本土産エノキとは異なり、台風等で葉落ちした後、新芽が芽吹きやすいクワノハエノキではテングも化数を稼ぐことができるようです。いずれにせよ、汗だくになって、ギラギラとした太陽を望みながら目撃したテングの産卵風景はちょっと違和感がありました。このポイントではフワフワと飛ぶカバマダラ♀もおりました。太陽バックに逆光飛翔撮影。
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D7K-24(トリミング)、ISO=400、F10-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時55分

 またしても、「ジャスピン画像画面端の法則」に従い、左前翅端が画面から外れてしまいました(^^; ♀の飛翔は香港に引き続き2回目です。このポイントではアカボシ♀がエノキに舞い戻ってきそうもないので、止む無くポイントCに移動し、ヒルトッピング個体を狙うことにしました。夕方には未だ早い時間帯でしたが、綺麗な♂がテリを張っておりました。
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D7K-34、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:14時32分

 強い日差しを受けたアカボシの姿をようやく撮影できました。なお、背景のブルーは青空ではなく、東シナ海です。広角で海とアカボシを同時に写し込めたら最高なんですけどね。何とか粘って、紺碧の青空を滑空する♂の飛翔画像も撮ることができました。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:15時14分

 ある程度撮影できたので、遠征前から目星をつけていた、もう一つのヒルトッピングポイント(ポイントDとします)に移動しました。ポイントDに到着して、テリ張りしそうな樹冠を探すものの♂は坊主。仕方なくムラサキツバメ♀を観察している途中、目的の♂が突然出現しました。ポイントCでは撮れなかった青空バックのテリ張りシーンを撮影。
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D7K-34、ISO=400、F9-1/1600、-0.7EV、撮影時刻:16時10分

 右後翅の破損が残念でした。暫く観察しておりましたが、ライバル♂はいないようで、殆ど♂に動きはありません。秘かに破損していない左後翅をこちら側に向けてくれないか~と粘っていた管理人をがっかりさせました。ここで嬉しかったのはイワカワと並んで撮りたかったクロボシセセリが飛んでいたこと。センダングサから吸蜜する♀です。
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D7K-34、ISO=500、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時39分

 クロボシはシンガポールで証拠画像を撮っただけでしたので、まともな絵が撮れて大変嬉しかったのでございます。このクロボシ、オリジナル画像を拡大すると腹端から水滴が確認できます。吸蜜ポンピングと言うべき行動でしょうか?クロボシも撮れたので、この日はここで撤収です。<更に続く>
by fanseab | 2011-10-24 22:34 | | Comments(14)
Commented by ダンダラ at 2011-10-25 12:49 x
東シナ海、青空バックのアカボシゴマダラの写真は素晴らしいです。
初めて後で、目標とする蝶を撮影するときの気分って最高ですよね。
手応えがあればなおさらです。
Commented by yoda-1 at 2011-10-25 12:54
ツマキチョウがハイビスカスでないのが、なんとも新鮮です。
やはり本場のアカボシは色合いも南国ピッタリに鮮やかですが、後翅赤斑部の黒点が中央よりに位置していて、外来種と違うな~と感じます。
D-7Kに2種類のレンズですが、その都度付け替えるのでしょうか?
Commented by naoggio at 2011-10-25 15:32 x
2枚目のメス、7枚目の海バック、8枚目の飛翔・・・
言葉もありません。
いい写真がたくさん撮れて、本当に良かったですね。
クロボシセセリは西表で1度だけ撮影したことがありますが傷んだ個体でした。
この写真を見るとなかなか魅力的な蝶であることが分かります。
テングチョウというのも意外性があって面白かったです。
Commented by banyan10 at 2011-10-25 20:04
アカボシたっぷり撮影されたようですね。奄美でこれだけ撮影した人は少ないのではないかと思います。
ツマベニも好きな蝶なので久々に会いたい気持ちが強くなって困ります。
Commented by himeoo27 at 2011-10-25 20:27
下から3番目の飛翔する奄美アカボシ良いですね~!!!
クロボシ♀も白い縁取りの黒い目がとってもカワユイです。
Commented by fanseab at 2011-10-25 22:35 x
ダンダラさん、コメント有難うございます。
仰るように遠征前に目標としていた蝶を仕留めた時の快感は何にもまして優るものがあります。特にアウトプットイメージ通りの作品に仕上がると嬉しいですね。
Commented by fanseab at 2011-10-25 22:38 x
yoda-1さん、ツマベニは赤系統の花を好むかもしれませんが、偶然通りかかった花弁が小さくて、とても吸蜜しやすそうに蜜を吸っていたのが印象的でした。
アカボシ後翅の赤班内の黒点はご指摘のようにくっきりとしていて、全体の印象が引き締るように思います。レンズはその都度付け替えています。300mmと広角飛翔は高感度優先でどうしてもD90よりも最新センサーのD7000を使用したいからです。
Commented by fanseab at 2011-10-25 22:40 x
naoggioさん、遠征前に描いていたアウトプットイメージはやはり奄美に相応しい陽射しを感じさせる絵作りでした。太陽が照ると、後翅の赤星が輝き、ほぼイメージ通りの作品に仕上がりました。テングは遠征前には全く想定していなかった対象で大変興味深い行動を取っておりました。
Commented by fanseab at 2011-10-25 22:43 x
BANYANさん、ブログ仲間による奄美アカボシの記事も無く、この時期どれだけの個体数に会えるのか?不安な状態で臨みましたが、何とか色々な状況を撮影できてホッとしております。4日間という余裕ある日程が効を奏したと思います。
ツマベニ吸蜜画像は奥が深く、更に研鑽が必要だと思いました。それだけ魅力ある被写体ですね。
Commented by fanseab at 2011-10-25 22:45 x
himeooさん、アカボシ飛翔は意外とてこずりました。やはり好天に恵まれないと難しいです。このショットは至近距離で何とか画面中央に収まってホッとしました。
クロボシはストロボ使用で複眼の真ん中に小さな偽瞳孔ができるので、面白い表情になったと思います。
Commented by clossiana at 2011-10-26 06:46
テングチョウは奄美では今頃、産卵するのですか。。本土とは大分、様相が違うのですね。知りませんでした。↓のハブの話も面白かったです。ハブのことをすっかり忘れて、ずっとアカボシ等の見事な写真にばかり目をとられていましたが考えてみると結構ヤバい場所だったのですよね。ご無事で何よりでした。
Commented by fanseab at 2011-10-26 23:18 x
clossianaさん、当地のテングは本土産同様に4月下旬頃に最初の産卵をするようです。今回撮影したシーンは第1化の個体が夏眠後に産んでいるのか、もしくは第2化の個体が第3世代の卵を産みつけているのかは不明です。テングはまだ謎の多い蝶ですね。ハブ対策はかなり神経質にやったので、何とか無事に撮影を終えることができました。
Commented by kenken at 2011-10-27 23:11 x
この飛翔写真は最高の仕上がりですね。なんとも滑空している感じが良く伝わってきますし、いつこながらの描写力に感服いたしました。
ハブのお話、よ~く分かりました。サツマイモ畑・・・なるほど、気をつけねばいけませんねぇ~厚めのロングスパッツ付けていても心配ですもんね。転ばぬ先の一脚というところでしょう。
Commented by fanseab at 2011-10-28 21:44 x
kenkenさん、アカボシの飛翔は広角で撮る状況になく、300mmで撮らざるを得なかったのです。とにかく奄美を想起させる紺碧の空バックに何とか撮りたい一念でバシャバシャやっておりました。曇り空ではどうしようもなく、チャンスはこの日だけでした。丁度翅に夕日が差し込んで陰影が出き、いい感じに仕上がりました。
ハブ対策、仰る通り、転ばぬ先の一脚でした。いつもなら杖替わりに使うところを今回はハブ探針棒として使用いたしました。
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