探蝶逍遥記

奄美大島遠征記(3)10月10日午後前半

 さて、午前中降り続いた小雨も正午には止み、探索効率が上がりました。ハイビスカスの真紅の花にツマベニチョウやモンキアゲハの吸蜜も始まりいい感じの空模様。芭蕉(島バナナ)やサツマイモが植えられている林縁をルッキングしていると、グライダー滑空するタテハの姿が目に飛び込みました。リュウキュウアサギマダラとは違う!アカボシと確信し、慌てて駆け寄ります。木立に静止したところを慎重に撮影。
++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F4-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時44分

 やっと探し求めていたターゲットが撮れました。かなり汚損した♀ですが。ヤレヤレこれで坊主は免れたと思うと同時にすぐに「もっと綺麗な個体だったら・・・」と贅沢な考えが浮かびます。この♀、少し飛んで芭蕉の葉の上に静止。
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D7K-34、ISO=200、F8-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時45分

 左前翅外縁部が殆ど欠落しております。この後、この♀は姿をくらましました。♀がおるなら、恐らく近くにクワノハエノキがあるやろうと思って探すと、なるほど、林縁にポツポツと比較的大きな株が並んでおります。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/320、-1.0EV、撮影時刻:12時59分

 この葉には食痕が見えますが、どうやらアカボシのそれとは異なります。幼虫も発見できず。この株を見上げていると、数頭の♂が飛び始めました。テリを張っていると言うよりは、探♀飛翔のようで、暫くすると結構遠方に飛び去ってしまいます。そして全く下に降りてくる気配がないので、仕方なく飛翔を撮影。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F8-1/8000、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時06分

 翌日またこのポイント(仮にポイントBとしておきます)を訪問することを前提に木陰にトラップを仕掛けておきました。上手く来てくれればいいのですが・・・。このポイントの林縁にはイシガケチョウ♀が産卵行動を取っていましたが、その場面は撮影できず。またチラチラ暗い林縁を飛ぶシジミを発見。アマミウラナミシジミでした。
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D7K-34、ISO=200、F9-1/640、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 本種を国内で撮るのはこれが初体験です。また種の和名に冠せられた土地で該当種を撮影するのもこれが初めて(わざわざ、ヤクシマルリシジミを「屋久島」で撮影するのも結構骨が折れそうですが・・・)。丁度逆光の状況でしたので、当然狙ったのは縁毛ブルー幻光。
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D7K-34、ISO=500、F9-1/640、-1.3EV、撮影時刻:12時59分

 見た感じそのままのいい雰囲気で撮影できたと思います。一旦、このポイントを離れ、農道を更に奥に進んでいきます。農道の両側がハイビスカスで囲まれた場所で、再度アカボシが登場。どうも♀のようで、産卵木を探してウロチョロしている様子。位置が悪いので、ここはトリミングでのご紹介です。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F6.3-1/1250、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 鮮やかなハイビスカスの花とのツーショットは奄美産アカボシらしい絵になりました。更に奥に進むと農道は林道の雰囲気に。ここで暫く探索。クチナシの実にイワカワシジミの幼虫はおらんかなぁ~等とじっくり調べてみましたが坊主。代わりに足元から飛び立ったのはリュウキュウヒメジャノメ♂でした。
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D7K-34、ISO=500、F10-1/1250、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時58分

 もちろん、このジャノメも初撮影。縦広角で生息環境をご紹介しておきましょう。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.6-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時05分

 本種はかなり暗い環境が好みのようで、和名に「ヒメジャノメ」が冠せられているものの、生態は本土の「コジャノメ」に近いと思いました。実はこのポイントで悔しい思いをしました。↑の広角画像の丁度右手にセンダングサの群落があって、ここに完品のイワカワシジミ♂が来ておりました。気配を消して接近したにも拘らず、逃げられました(^^; 今回の遠征で最も悔やまれる場面でしたね。気を取り直して一旦ポイントBに戻り、トラップを確認しましたが、坊主。仕方なく別ポイントの探索に出かけました。途中の国道は9月25日に奄美北部を襲った集中豪雨の影響で至る所が土砂崩れで寸断されておりました。
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GXR@7.8mm、ISO=100、F9.5-1/100、-0.7EV、撮影時刻:14時28分

 一方通行で何とか復旧工事と交通を平行処理している感じです。奄美は昨年の10月にも集中豪雨の被害に遭っており、2年連続となる災害の爪痕は相当に深いものでした。途中、お腹がすいたので刺身を売りにする食堂で遅いランチを取りました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F2.5-1/50、-0.7EV、撮影時刻:14時48分

 今回の遠征ではランチをノンビリ取る余裕もなく、菓子パンとスナックバーで凌いでおりましたが、この時だけはチョッピリ贅沢しました。1000円の定食で、刺身のメインはキハダマグロ。分厚いイカ刺しは歯応えもよく、とっても甘い優れもんでした。お味噌汁の具は島豆腐とカジキマグロ、サワラの揚げ物(レモンが添えられている)も生臭さを全く感じさせないお味。この定食、お値打ち物でしたよ。<次回に続く>
by fanseab | 2011-10-17 22:02 | | Comments(14)
Commented by clossiana at 2011-10-18 08:08
由緒の正しい本家のアカボシ。。撮影おめでとう御座居ます。
でもなかなか思うように撮らせてくれないあたりが血統の正しい証拠でしょうね。そんな中でも新鮮な♂の飛翔写真はピタッと決まっていて相変わらずの凄腕ぶりに目を見張らされました。
仕掛けたトラップに来てくれたのかどうか続きを楽しみにしています。
Commented by yoda-1 at 2011-10-18 12:23
在来アカボシの撮影、おめでとうございます。
後翅の赤斑部分の黒点が中央に位置していて、まさに政党派ですね。
縁毛も写し方に悩んでおりましたが、このように思い切りアンダーにするのですね。勉強になります。
Commented by nomusan at 2011-10-18 19:36 x
おおっ、待ってましたぁ~。
う~ん、やっぱりええなぁ~アカボシゴマダラ・・・。
飛翔画像も素晴らしいですね。
いや、これはええもん見させて頂きましたぁ~。

アマウラの縁毛画像も素晴らしいし、定食も美味しそうだぁ(笑)。
Commented by himeoo27 at 2011-10-18 20:23
在来アカボシ何となく気品を感じますね!
次回以降のトラップの成果がとっても気になります。
アマミウラナミシジミもとっても新鮮な個体で素敵です。
Commented by fanseab at 2011-10-18 23:00 x
clossianaさん、有難うございます。
お蔭様で何とか撮影できました。なかなか思うように撮らせてもらえないのは、初物全てに共通する課題でしょうね。この時期、ひょっとするとボロ個体ばかり・・・と危惧しておりましたが、思いの他、新鮮な個体もいて、飛翔画像も見栄えがするものが撮れ安心いたしました。
Commented by fanseab at 2011-10-18 23:05 x
yoda-1さん、コメント有難うございます。
後翅の鮮やかさは現地で実物を見ると、よく実感できます。高いチケット代を払った価値がありましたよ!
縁毛幻光撮影の基本は仰る通り、強アンダーにすることと、ピントを「縁毛」に合わせることです。この画像はブルーが最も光る条件、つまり、真横でなくて多少、横向きで撮影しております。この際、翅面にピントを合焦させると、縁毛がボケてしまいます。注意願います。
Commented by fanseab at 2011-10-18 23:08 x
nomusan、お待たせしました!ハイ、やっぱり、奄美産は独特の味がありましたよ。アマミウラナミは発見した時、ブルーの幻光が光っておりましたので、速攻で撮らせて頂きました。定食以外にも海鮮丼とか、それはそれは・・・、もう一度行きたくなりますね。
Commented by fanseab at 2011-10-18 23:10 x
himeooさん、そうなんです。奄美産独特の雰囲気があるのです。高いチケット代を払っているので、気品が高く見えて当然かもしれません(笑)
トラップの成果は次回あたり登場するかも・・・。アマミウラナミも思わぬ収穫でした。
Commented by yoda-1 at 2011-10-19 04:21
縁毛幻光撮影テクのご教示ありがとうございます。
真横でなくて、少し斜め後ろからでしたか。(驚)
次回実践してみます。他の人には内緒で御願いします(笑)
アカボシは2枚目の色合いがなんとも奄美の自然の色合いを感じていいですね。外来アカボシは紹介があっても何かしっくりとしないのですが、この正統派アカボシのフィールド画像を今回初めてみて、胸のつかえのようなものがぶっ飛びました。
Commented by naoggio at 2011-10-19 21:06 x
すごい !  水平に近いアングルからでも「モノ」の違いが歴然ですね。
飛翔もお見事。
さらにアマミウラナミやリュウキュウヒメジャノメまで・・・
なんと言う贅沢な。
そしてさらに次回があるんですね。ノワワ〜 !
Commented by ダンダラ at 2011-10-20 11:22 x
とうとう日本産のアカボシを撮影されたのですね。
おめでとうございます。
鮮度は少し残念ですが、後翅の赤紋がきちんと写っていて素晴らしいです。
図鑑用の写真が撮れたのかなと余計な心配をしてしまいますけど、トラップの効果もあったような感じなので次が楽しみです。
奄美のアカボシの様子がわからず、当座の撮影対象には入っていませんでしたが、イワカワ共々私も機会を見て撮影に行きたくなりました。
Commented by fanseab at 2011-10-20 21:23 x
yoda-1さん、縁毛幻光は対象種の縁毛の長さ、蝶・撮影者と太陽の相対的角度でベストな条件は変わります。アマミウラナミのこの撮影に限定した条件でのご回答をしたまでです。要はカメラで眺めて一番怪しく輝くアングルを探すことです。是非、傑作をものにしてください。
Commented by fanseab at 2011-10-20 21:25 x
naoggioさん、この♀個体はかなり破損しておりますが、何とか後翅の特徴ある赤班は表現できました。もう少し完全な個体は最新記事をご覧ください。
Commented by fanseab at 2011-10-20 21:28 x
ダンダラさん、コメント有難うございます。
色々苦労しましたが、何とか目的を達成しました。トラップの成果は最新記事をご覧ください。
お蔭様で図鑑用の絵も完全ではないが揃えることができたみたいです。
フライトチケットを比較すると奄美と八重山はさほど変わらないかもしれません。やはりアカボシをメインに据える気持ちがないと皆さん遠征に対して踏ん切りが付かないかもしれませんね。
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