探蝶逍遥記

奄美大島遠征記(2)10月10日午前中

 さて、翌日、起床すると無情にも雨(^^; この日は昔で言えば「体育の日」。気象上の特異日とされていて、必ず晴れる日とされています。しかしそれは本州での話。移動性高気圧の中心が本州を横切るので、当然のことながら高気圧の南端に位置する奄美や沖縄は天気が芳しくありません。そんなことは百も承知で遠征したのですけど、やはり雨には萎えます。

 で、雨が止みそうもない午前中は探索モードで行動することにしました。先ずは宿泊先に近い小ピークに登り、見晴しのよさそうな場所にトラップを仕掛けました。このポイントを仮にAポイントと呼ぶことにします。このピークからやや南側に移動すると芝草型草原が開けていました。そこに移動する途中、歩道に両生類が。                                                                             ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.6-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時18分

 これまで見たこともない雰囲気です。アマミシリケンイモリ(Cynops ensicada ensicada)でいいんでしょうか?間違っていたらご指摘願います。そうだとすると奄美固有種。この島には他にもアマミイシカワガエル(Odorrana splendida)等、両生類も含め、固有種が沢山棲んでいますね。さて、芝草に入り込むと何やら小さなブルー系の物体が飛び出しました。慎重に確認すると、これが期待したヒメシルビアシジミでした。それにしても物凄く小さいです。まるでホリイコシジミ位。♂の閉翅画像です。雨傘を差しての撮影。
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D90-85VR、ISO=400、F8-1/500、-0.7EV、撮影時刻:8時29分

 ヒメシルビアは香港北タイ南ベトナムでも撮影しておりますが、ここまで小さくはありませんでした。ヒメシルビアではなく、「チビシルビア」がぴったり来る感じです。ただ♂は殆どスレ品でした。雨はそれなりに降ってますが、気温は25℃を超えていて、♂は8時30分過ぎから活発に探♀飛翔を始めました。芝草の上を飛ぶ姿は蝶ではなくて、まるで蠅が飛ぶイメージですね。で、飛翔画像もアップしておきましょう。
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F5.6-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時41分

 中央向こう側にももう1頭の飛翔個体が見えています。大きさの比較対象がないので、本土産シルビアとの差は表現できませんね(^^; 次に何とか♀を見つけ閉翅を撮影。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/250、-0.7EV、撮影時刻:9時15分

 ♂に比較して鮮度はまあまあです。ヒメシルビアは本土産に比較して裏面黒点は目立たないのですけど、この♀個体はやや「濃い」お顔でしょうかね。ヒメシルビアを撮影中、草地から褐色のタテハが飛び出しました。新鮮なアオタテハモドキの♂。
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D90-85VR、ISO=500、F7.1-1/400、-1.0EV、撮影時刻:8時48分

 地肌の赤土が大変印象的で、後翅のブルーを引き立てている感じです。実は管理人、東南アジア遠征を含めてこのタテハモドキ撮影はこれが初体験です。完璧なオープンランドのタテハでヒメシルビアとの共存もうなずけます。このポイントを後にしてまたまたゆっくりと車を動かしながら探索です。途中、民家の庭先にある立派なクワノハエノキを発見。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/20、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時41分

 根元の幹の直径が70cm位ある巨木で、この手のエノキは意外と少ないのです。晴れたらアカボシ♀が来るだろうなぁ~と思いながら、更に車を進めました。エノキの探索をするつもりが海岸にぶち当たり、またまた芝草草原を発見。綺麗なヒメシルビア♂でもおらんかいな~と踏み込むとヒメシルビアより大き目のブルー系シジミが飛んでおります。最初に確認したのは普通種のウラナミシジミ。しかし、これより小さ目のシジミがなかなか止まらず同定に苦労します。そのうちやっと止まってガバッと開翅。
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D90-85VR、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、撮影時刻:11時16分

 ムムッ、タイワンツバメにしては肛角部がちょっと違うし・・・、裏面を見て、ようやくオジロシジミと判定。このシジミも管理人初撮影。肝心の尾が半分切れているのとスレ品で表を見た瞬間の同定ができませんでした(^^;  お次はセンダングサからの吸蜜。
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/400、-1.0EV、撮影時刻:11時50分

 こちらの個体は尾状突起も揃っていて、「尾白」の和名由来がよく理解できる画像になりました。ビュンビュンと飛び続ける種だけにウラナミシジミ同様、完品♂の撮影は結構苦労しそうです。オジロの生息環境も縦広角でご紹介しておきましょう。
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GXR@6.4mm、ISO=200、F4.4-1/140、-0.7EV、撮影時刻:11時02分

 オジロは丈の高い草地と芝草との境界付近を活動領域にしている感じです。

 さて、このポイントは思ったほどヒメシルビアの数は少なく、ようやく新鮮な♂個体を発見。暫く追跡すると突然開翅してくれました!
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D90-85VR、ISO=400、F11-1/160、-1.0EV、撮影時刻:11時35分

 まだ多少小雨が残っていた天候で開翅撮影にはベストの条件。しかも完品個体だったので、これまで管理人が本土産シルビアでも撮れなかったシットリとした感じの絵に仕上げることができました。この後、更にクワノハエノキを求めて転戦です。<次回に続く>
by fanseab | 2011-10-15 23:45 | | Comments(10)
Commented by chochoensis at 2011-10-16 10:15 x
fanseabさん、=クロイワツクツク=や=イモリ=・・・南国の風情がそこはかとなく感じられて素晴らしいです。しかし、前線停滞ですか・・・少し残念・・・今日のニュースで=タイ国=の工業団地がやられたと聞いて真っ先に貴殿を想いだしました。ヒメシルビア・・・小さいのですね、でも綺麗です。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2011-10-16 15:56
この時期、沖縄は面白い感じですが、手前の奄美で撮影行とは渋いですね。多分貴兄のことですから、無事本場のアカボシをゲットされたことと思いますが。
Commented by fanseab at 2011-10-16 22:15 x
chochoensisさん、どこでも初めて訪問する場所はエキサイティングなもので、そこで見られる小動物も一風変わっていると、更に興味深いものです。タイの工業団地は直接小生と関係ありませんが、ブログ仲間も結構苦労されているようです。雨季のこの時期、モンスーン地域では当たり前の気候ですが、やはりきちんとした備えをしないと洪水等が起るものですね。
ヒメシルビアは愛おしさを感じる位、本当に小さいです。
Commented by fanseab at 2011-10-16 22:18 x
ノゾピーさん、沖縄は仰る通り、一般的には中途半端な位置で、同じフライト料金を払うなら皆さん八重山に行かれるのだと思います。小生にとっては逆に八重山は中途半端で、より南国を目指してしまいます。アカボシは、何となく次回の記事あたりで登場する予感がします(笑)
Commented by naoggio at 2011-10-17 20:51 x
イモリ、可愛いですねえ。
しかも固有種、いいもの見られましたね。羨ましいです。
ヒメシルビアはずいぶんシルビアと様子が違うなと思いましたが、オスの開翅を見ると、あ、シルビアだ、と納得です。
オジロシジミも可愛らしいです。奄美にもいるんですね。
アオタテハモドキはメチャクチャきれいな個体です。しびれました。
次回が楽しみですねえ。
Commented by himeoo27 at 2011-10-17 21:04
アオタテハモドキは晴天時なかなか近づけないような気がします。それにしても綺麗な開翅画像ですね!
次回の奄美アカボシ今からとっても楽しみです。
Commented by fanseab at 2011-10-17 22:13 x
himeooさん、仰る通り、タテハモドキは気温が高い日は、ある距離以上は絶対に接近できませんね。吸蜜は別ですが・・・。この日は雨模様で、全く活動を止めていたので、マクロでの接近撮影が可能でした。いずれの♂個体も羽化直に近い新鮮さで、丁度♂発生の初期に当たっていたようで、ラッキーでした。
Commented by fanseab at 2011-10-17 22:16 x
naoggioさん、イモリを可愛いと感じられる方とそうでない方もおられるので、アップするかどうか迷いましたが、小生にとっては「日記」の拙ブログですので、掲載いたしました。
ヒメシルビア、裏面はともかく、表はemelinaと全く同じ雰囲気ですね。オジロ始め、沖縄に分布しているかなりの種が奄美でも見ることができます。
Commented by yoda-1 at 2011-10-18 12:28
ヒメシルビアにオジロシジミがうらやましいですね。
奄美大島はいい場所で、アカボシ以外の副産物が多くていきたくなります。
アオタテハモドキが初めてとは意外でした。
Commented by fanseab at 2011-10-18 23:18 x
yoda-1さん、ヒメシルビアもオジロも雨が降っていたため、アカボシ以外の場所も探索したため見出した成果でした。特に開翅撮影には絶好の条件でしたね。またこの時期、本土のシルビアは降雨下では気温の関係で絶対に飛ばない状況だと思いますが、奄美は気温の関係で雨に関係なく、ビュンビュン飛ぶのにはビックリしました。
沖縄に行かずとも、相当な種が奄美でも観察できますね。この事実は意外と知られていないかもしれません。
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