探蝶逍遥記

多摩川のコムラサキ(9月19/24日)

 多摩川縁をお散歩観察しながら、いつもチェックするヤナギの木を見ると、コムラサキ♂を数頭確認できました。多摩川のコムラサキは、3年前の10月に久しぶりに♀を発見し、その後確実に生息していることがわかりました。河畔に生えるヤナギは土木工事で邪魔になって切り倒される運命にあり、そんな工事の関係もあって、どちらかと言えば東京都側(左岸)に多く、川崎市側は個体数が少ないのですが、ここは数少ないポイントになっています。都合の良いことに南側に土手があり、ヤナギの木を半ば見下ろすことのできるポジションがあります。ここから撮れば、飛翔中のコムラサキの紫色幻光を写し込めるのではないかと急に撮影意欲が湧いてきて、2日間に渡り頑張ってみました。

 ルリマダラ類(Euploea属)やコムラサキのように、幻光を放つタテハチョウの飛翔画像はその幻光を表現できなければ、絵としての魅力が半減します。ただ、ヤナギでも比較的高木を好むコムラサキの場合、以上の目的を達成可能なポイントは本当に少ないように思います。ここも樹冠を飛ばれると裏面しか撮影できないので、視線より下に飛び込んで来る時しかチャンスがありません。先ずは初日(19日)。この日は台風15号が関東に接近中で、日差しは強いものの強風が吹き荒れて静止画像を撮るのも容易ではありません。所用で夕方からの出陣。テリ位置も西側に移動するため、♂の活動を見込む角度が午前中より制限されます。先ずは静止画像から。                                                           ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F10-1/1000、-0.7EV、撮影日時・時刻:9月19日、16時05分

 西日を真正面に受けての紫色を何とか写しとめることができました。後翅の縁毛も綺麗な新鮮な個体です。さて、飛翔ですが、やはり想像していた以上に難しい!結局、この日は800カットほど撮影して、まともな画像は、裏面から見込んだこの1枚のみ。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F4-1/4000、-0.7EV、撮影日時・時刻:9月19日、16時17分

 ストロボ未使用かつ、RAW現像で無理やり調整しているため、画質の酷さはご容赦ください。やはり午前中が勝負だなと思い、台風一過の青空が広がった24日に再トライです。最初は2頭の絡み。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F7.1-1/1600、-0.7EV、撮影日時・時刻:9月24日、10時23分

 右側個体はどうも♂のようです。左側から迫る♂の右前翅と後翅の一部に何とか紫色幻光を写しとめることができました。しかし、これでは満足できません。お次は青空バックの絵。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F6.3-1/4000、-0.7EV、撮影日時・時刻:9月24日、10時34分

 まぁ、普段、コムラサキ♂を見る時はいつもこんな感じですから、その意味では一番コムラサキらしい絵かもしれません。次は♂2頭の水平追尾。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F5.6-1/4000、-0.7EV、撮影日時・時刻:9月24日、10時41分

 両者がジャスピンだともっと迫力が出たのになぁ~とパソコン上で溜息が出ました(^^; 次は翅を上に振り上げた瞬間で、スピード感が最も出た絵。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F5-1/4000、-0.7EV、撮影日時・時刻:9月24日、10時58分

 もちろん、この角度では裏面を拝むだけですが、結構お気に入りの画像になりました。最後は縦位置トリミングで。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F4.5-1/4000、-0.7EV、撮影日時・時刻:9月24日、11時00分

 滑空時の浮遊感が一番出た絵かもしれません。コムラサキがこの絵とは真逆方向、つまり、右上から左下に滑空する構図が当初描いていた理想的なアウトプットイメージでした。「風で揺れる柳の葉の間を紫色の幻光を放ちながら、すり抜けるコムラサキ・・・」目論見通りにはいかないもんですねぇ。24日は結局600コマほど撮影しました。19日と併せて合計約1400ショット。そのうち、ピンが来て見られる絵はせいぜい10コマ程度。目的の幻光が写し込めたのは、最初にご紹介した2頭の絡みの1コマのみ。惨憺たる結果でした。しかし、考えてみれば、コムラサキの幻光は静止画像でも結構苦労する対象です。まして飛翔中の絵でその幻光を捉えるのは難易度が高くて当然かもしれません。また、24日は思いの他、♂が探♀飛翔をしてくれませんでした。その原因がこちら。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F4-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影日時・時刻:9月24日、11時10分

 ヤナギから樹液が出ていて彼らの酒場になっておりました。「・・・女よりも酒だ~、酒!ウイッ~!」ってな感じで、ほろ酔い気分の探♀飛翔だったような(笑) 必死に撮影していた管理人としては、「もっと真面目に♀を探さんかい!朝から酒呑んでる場合やないでぇ~!」と心の中で叫んでおりました(爆)まぁ、これに懲りず、また来年の今頃でも素面の♂?を探して、「幻光飛翔画像」にチャレンジしてみようかなと思っています。
by fanseab | 2011-09-29 21:56 | | Comments(6)
Commented by naoggio at 2011-09-29 23:28 x
大変な課題に取り組まれておいでですね。さすがに高いハードル設定です。
コムラサキの紫に輝く飛翔・・・考えただけでうっとりします。
横浜や川崎でも増えて来たとは言えまだまだそうたくさん見られるという訳でもありません。それだけに身近な場所でそんな写真が撮れたらいっそう嬉しいでしょうね。
3枚目くらい紫が出ていて自由に飛翔しているように見える写真、楽しみにしています。
↓のレス中のハチドリの件ですがご存知とは思いますが多摩動物公園のインセクタリウムの中を飛び回っています。もし撮影された事がなかったら行ってみて下さい。良い練習台になると思います。
Commented by chochoensis at 2011-09-30 21:41
fanseabさん、コムラサキの=幻光=・・・随分と研究されていますね・・・さすがです。現地の苦労がわかるような気がします、頑張ってください!
Commented by fanseab at 2011-09-30 22:21 x
naoggioさん、個体数がもう少し多いと色々トライしやすいのですが、地元でのポイントでは苦労しています。コムラサキの幻光は独特で時々ピンク色に見えたり、深味がありますので、飛翔画像でそんな表現ができたら最高ですが・・・。
ハチドリの情報有難うございました。機会があればトライしてみます。
Commented by fanseab at 2011-09-30 22:23 x
chochoensisさん、気長に幻光が表現できる絵を撮っていきたいと思います。上高地あたりだと、蠅のように飛んでいますが、数が多いと逆に真剣に撮らなかったり、撮影意欲のコントロールって、意外と難しかったりしますね。
Commented by himeoo27 at 2011-10-01 18:08
コムラサキはあまり低い位置を飛ばないので「飛翔&紫の煌めき」はかなりハードル高そうですね!
目標の低い私なら一番上の画像で大満足しそうです。
Commented by fanseab at 2011-10-01 22:01 x
himeooさん、蝶の撮影を始めると、自らに課すハードルがどんどん高くなっていきますね。それをクリアーした時の喜びが大きいですから、性懲りもなくチャレンジしちゃいます。恐らく貴殿も徐々に高い位置を知らず知らずのうちに目指しているのではないでしょうか?
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