探蝶逍遥記

多摩川のセセリ探索(8月27日)

 夏型ギンイチとミヤマチャバネの観察目的に多摩川縁に繰り出しました。ギンイチは自宅近くのポイントが消滅したため、少し上流側に車で出動。前日の大雨で多摩川は異常に増水しておりました。増水を想定しての長靴持参。これが正解。ポイントまでは川沿いを歩くのですけど、かなりの距離が冠水していて、水深20cmの池をジャブジャブと渡渉を強いられます。やっとの思いでポイントに到達し、ススキの原に分け入ると、早速ミヤマチャバネセセリ♀がお出迎えです。                                                                                                   ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.6-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時35分

 羽化直に近い新鮮な個体。大きなお腹には卵が一杯詰まっているのでしょう。ギンイチ♂も目撃するも、深追い不可能なススキの原に消えました。そこで少し草丈の低い場所に移動。ここで粘ってみました。敏速に飛んでいたのは、ミヤマチャバネの♂。
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D90-85VR、ISO=320、F10-1/160、-0.7EV、撮影時刻:11時25分

 こちらは相当スレています。まぁ、夏型♂の撮影適期はお盆の頃ですから、仕方ありません。ミヤマチャバネ♂を追跡していると、新鮮なギンイチ♂が飛び立ちました。大雨の後、急に気温が下がったこの日、あまり活発でないので助かりました。先ずは閉翅。
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D90-85VR、ISO=500、F6.3-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時07分

 結構敏感です。背景がスッキリとしたシーンを撮るため、相当苦労しました。この絵を撮って30分後位から、延々と飛ぶ探♀モードに突入。同時に空が少し明るくなったためか、飛翔を止めると、直ぐに開翅をするシーンが多くなりました。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/125、-0.7EV、撮影時刻:11時56分

 ギンイチの翅表は傷が目立ちやすいのですけど、この個体はほぼ完品。これまで管理人が撮影した中では最良の仕上がりになりました。曇り空もシットリとした質感を出すには好都合でした。そのうち♀も発見。ただ意外と鮮度が悪くて、接近戦での撮影を諦め、ロングショットでのご紹介。
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D90-85VR、ISO=200、F6.3-1/320、-0.7EV、撮影時刻:11時41分

 水滴をアクセントに入れてみました。産卵シーンも目撃しましたが、こちらは撮影に失敗(^^; ギンイチの産卵時間は本当に短くて苦労します。一通りマクロで撮影できたので、♂飛翔にトライ。
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時15分
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F5-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時15分
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時15分

 1枚目はススキの「ジャングル」を縫って飛ぶ雰囲気が出て、この日一番のお気に入りショットです。2枚目は無傷の翅表が表現できました。3枚目はズバリ置きピン位置に来てくれたショット。視界の開ける草丈の低い場所での飛行。ギンイチの腹はまるでトンボの様に細いですね。「セセリチョウスリムボディコンテスト」をしたらダントツのチャンピオンになるでしょう。他のライバル達は揃ってメタボな腹ですから、殆ど無敵かも・・・。

 さて、ギンイチを追跡している途中、想定外の宝物に出会うことができました。ミヤマチャバネの交尾ペアです!
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D90-85VR、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

 右が♀。管理人は多摩川縁のミヤマチャバネをかれこれ20年以上は観察しておりますが、交尾ペアに出会ったのはこれが初めて。本当に嬉しい出会いでした。撮影中、不用意に接近したためか、思いの他、高速度で飛び去られてしまいました。流石セセリです。暫く探索しましたが行方を見失いました。その途中、今度はイチモンジセセリの交尾ペアに出会いました。こちらも右♀。
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、撮影時刻:12時38分

 まぁ、ついている時は交尾ペアに連続して出会えるものなのですね。イチモンジのペアもそうそうお目にかかることができませんから。ウロチョロしている内にようやく先ほどのミヤマチャバネのペアを再発見。今度は強制的に飛ばせて、交尾飛翔を撮影。
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F9.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時40分

 交尾飛翔形式が、既に報じられているように、←♀+♂であることを証明できました。露岩の上に舞い降りた所を今度は横広角でパチリ。臨場感を出すため少し大きめの画像でのご紹介です。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時46分

 ペアの向こう側、僅か10m先には水嵩を増した多摩川の急流があります。もう後1mも水嵩が増せば、このポイントも確実に水没することでしょう。さて、この広角画像を9枚目のマクロ画像と比較してみると、どうも♂の斑紋と鱗粉の剥離状況がちょっと違います。♀も微妙に違うので、別の交尾ペアなのかもしれません。もしも同一だとしたら、交尾時間は少なくとも1時間15分はあることになりますが・・・・。褐色のセセリばかりと思いきや、キマダラセセリも登場。♀でしょう。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/200、-0.7EV、撮影時刻:12時05分

 まずまずの鮮度です。ミヤマチャバネとイチモンジの交尾ペアを発見できたので、「二度あることは三度ある・・・」と勝手に妄想してギンイチもしくはキマダラのペアを探しましたが、そう簡単ではありません。こちらは見事に坊主でした。今にも雨が降り出しそうなこの日、体感湿度は100%。吹き出す汗に眼鏡もファインダーも曇りながらの悪戦苦闘でした。しかし、ミヤマチャバネ交尾ペアに出会えたので、帰り道の池渡渉も苦にならず、「・・・♪(チャップチャップ)ジャブジャブランランラン♪・・・」と意気揚々と帰宅したのでした。
by fanseab | 2011-08-31 20:19 | | Comments(14)
Commented by ダンダラ at 2011-08-31 21:47 x
ミヤマチャバネの交尾ですか、斑紋が大きいためか見応えがありますね。
ミヤマチャバネもイチモンジも昼頃の交尾なんですね。
これはちょっと意外でした。もう少し遅いものと思っていました。
自宅前のギンイチ、今年はちょっと危なそうなので、何だか羨ましいです。
Commented by yoda-1 at 2011-09-01 12:56
同じ日に、両種の交尾シーンは素晴らしいです。
しかも強制飛翔画像もバッチリで言葉がありません。
外部ストロボの件、教えてもらったので、来期はバンバンとらいして、少しでもfanseabさんの境地に近づきたいと思っています。
ギンイチの飛翔画像素晴らしいです。
Commented by banyan10 at 2011-09-01 17:39
ミヤマチャバネもイチモンジも交尾は観察できていません。
イチモンジはそのうち機会があると思っていますが、ミヤマチャバネは数も少ないので貴重ですね。
ギンイチの開翅も新鮮で綺麗ですね。
Commented by fanseab at 2011-09-01 22:44 x
ダンダラさん、ご指摘のように、裏面白紋が大きいとインパクトがありますね。H社の「原色日本蝶類生態図鑑Ⅳ」によれば、ミヤマチャバネの交尾は午前10時過ぎ~午後に及ぶ・・・とされています。概ね記述通りだったようです。
ギンイチは消滅する時はあっと言う間なので、継続観察が大事だと思います。
Commented by fanseab at 2011-09-01 22:47 x
yoda-1さん、運がいい時はツキまくるものです。交尾シーンは探して見つかるもんじゃないですからね。交尾飛翔は、単独時に比較して緩慢なので、何とかなりました。単独、特に♂の飛翔はパスト連射を使わないと厳しいですから。
外部ストロボ、結構重たいですが、表現の巾が拡がると思います。是非トライして良い作品をものにしてください。
Commented by fanseab at 2011-09-01 22:49 x
BANYANさん、そうですか?貴殿ならイチモンジの交尾あたりは既に観察済と思っておりました。ミヤマチャバネは♀の出始めの時期に上手く合致したのだと思います。ベニヒカゲを含め、この所ツキがあるようです。ギンイチは新鮮な個体に狙いをつけて何とかものにできました。
Commented by naoggio at 2011-09-02 15:41 x
ミヤマチャバネの新鮮個体、とてもきれいです。
交尾も初めて見ました。
そしてギンイチの全開翅、これは見事ですね。新しい蝶に出逢ったようなインパクトを感じました。なんだか不思議なものに見えます。
Commented by chochoensis at 2011-09-02 17:44 x
fanseabさん、ミヤマチャバネセセリの交尾・・・凄いですね、小生は未だ見たことが無いです。今年はセセリの何種かをまとめたいのですが、難しくなってきました。長靴持参で正解ですね。
ギンイチの翅表も素晴らしいです・・・。
Commented by himeoo27 at 2011-09-02 21:13
ギンイチの開翅のビロード状の風合い良い感じですね!
とっても綺麗です。
Commented by fanseab at 2011-09-02 22:33 x
naoggioさん、ミヤマチャバネは自宅近くに生息していることもあって、ギンイチ共々愛着のあるセセリです。なので、交尾ペアを発見した時は大変嬉しかったのです。めったに無いチャンスなので、丁寧に撮ることを心がけしました。夏型のギンイチ開翅をまともに撮ったのは今回が初めてですが、綺麗な個体に出会えてラッキーでした。
Commented by fanseab at 2011-09-02 22:35 x
chochoensisさん、コメント有難うございます。
セセリの交尾観察は小生もあまり例がなく、この時は興奮しました。川の増水で大変でしたが、増水対策で河川改修が過度に実施されると、彼らのポイントが消滅するので、悩ましい所です。
Commented by fanseab at 2011-09-02 22:37 x
himeooさん、クロツバメシジミやギンイチ翅表は傷の無い個体を探すのに苦労します。それと、夏型の場合、強烈な日差しでビロード状の翅表質感が吹っ飛ぶケースが多くて、これまでまともな絵が撮れていませんでした。この日は陽射しが弱く曇り空だったので、この手の撮影には最良の条件でした。
Commented by konty33 at 2011-09-03 12:42
イチモンジの交尾は以前見た事がありますが、ミヤマチャバネは大きくて迫力ありますから交尾は是非見てみたい種ですね。交尾の飛翔までキッチリ撮られており素晴らしいです。
ギンイチモンジも綺麗な個体で開翅も完璧で飛翔も見事ですね。
Commented by fanseab at 2011-09-03 20:50 x
kontyさん、仰る通り、ミヤマチャバネの♀はでかいので、交尾ペアも迫力があります。交尾飛翔は緩やかに飛びますが、意外と不規則な飛び方なのと、飛翔時間が短いので苦労します。ここは何とか画面端に収まってくれました。ギンイチは春型を撮ってなかったので、一通り、撮影できて、ヤレヤレでした。
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