探蝶逍遥記

クサギの花に集うアキリデス(8月17日)

 毎年お盆休みの時期はゴマシジミの撮影に充てています。昨年は青森産にチャレンジし、偶然、青森で出会ったブログ仲間の虫林さんとご一緒して撮影したりしました。今年は既知ポイントでの撮影も面白くないので、新潟・長野両県で新規ポイント探索を行っておりました。結果は坊主。まぁ、キリシマミドリの探索と異なり難易度は遥かに上ですね。この顛末の詳細はまた別の機会に譲るとして、探索の途中で出会った蝶達を順次ご紹介していくことにします。

 新潟県のとある林道を車で流していると、道路脇に見事なクサギの群落がありました。長さ30mに渡ってベルト状に続き、まるで花壇の植え込みのような立派な群落です。車を止めると、狙い通り、アキリデス(カラスアゲハの仲間)が朝一番の吸蜜に訪れておりました。常時10頭以上が群れておりましたので、新鮮な個体を狙う余裕がありました。

 最初はカラスアゲハ♂。                                                                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
f0090680_2251172.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時27分

 カラスは♂♀共に、あまり鮮度が良い個体がなくて残念でした。お次はミヤマカラスの♂。
f0090680_2253092.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時30分
f0090680_2254271.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時35分

 飛翔並みにバシャバシャ連射しても、翅の開き具合がベストのショットは少ないのに苦労されられます。それにしても、カラスやミヤカラ♂の前翅表の性標はきりりと太く、まるで眉毛の濃い九州男児を思わせる凛々しさがあると思います。続いてミヤマカラスの♀。
f0090680_2255843.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時35分
f0090680_2261097.jpg
D7K-34、ISO=500、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時35分

 久しぶりに完品のミヤマカラス♀に出会ったような気がします。黄金色の幻光が出る前翅の輝きと後翅の渋い紫色の対比が絶品ですね。一通り、吸蜜シーンが撮れたので、広角で吸蜜途中の飛翔にチャレンジ。最初はミヤマカラス♀。
f0090680_2262311.jpg
D7K-24(ノートリ)、ISO=800、F5.6-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時43分
f0090680_2265621.jpg
D7K-24(トリミング)、ISO=800、F5.6-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時43分

 1枚目は今回飛翔のベストショットなので、少し大きめの画像でのご紹介(画面クリックで拡大して参照願います)。2枚目は置きピンがジャストフィットした感じで臨場感が良く出ました。最後はカラスの♂
f0090680_2271419.jpg
D7K-24(トリミング)、ISO=800、F2-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時43分

 飛翔に使用している24mmレンズの開放F値はF=1.8。このレンズの特性通り、背景の丸ボケが綺麗に出て浮遊感のある面白い絵に仕上がりました。

 これまでクサギの花に集う黒系アゲハの撮影は、デジタルに切り替えた2004年頃、トライした記憶があります。その頃は花の咲くタイミングと蝶の鮮度が上手く合致せず、大した絵が撮れませんでしたが、今回はクサギの花も新鮮、これに集うアゲハの鮮度も良好で、とても気分良く撮影できました。昨年から拘っているアゲハ達の撮影も少しずつですが、手応えを感じております。次回はお盆の時期に発生する別の定番、ベニヒカゲについてご紹介しましょう。
by fanseab | 2011-08-20 22:08 | | Comments(14)
Commented by naoggio at 2011-08-20 22:36 x
3.5.6枚目、美しいですねえ。
fanseabさんが撮ると日本の蝶ではないように見えるので不思議です。
クサギもどこかこの辺のクサギと違うような?
♂の性標、今まで邪魔だなとしか思っていませんでしたが記事拝読して心を入れ替えました。説得力がありました。
Commented by fanseab at 2011-08-20 22:52 x
naoggioさん、速攻でのコメント有難うございます。ミヤカラスは、やはり国産のチョウ類でも指折りの美しさだと思います。良く、螺鈿細工に例えられる本種ですが、今回撮影して極上の螺鈿であることを再認識した次第です。
♂の性標はまるで刷毛のような立体感があって、独特ですね。
Commented by otsuka at 2011-08-20 23:55 x
ミヤマカラスの美しさを引き出されているのはさすがです。写真を拝見していて、最初に西播磨でお会いした時の事を思い出しました。
クサギに集まるパピリオを狙ったこともありますが、暗い場所で、このように綺麗には撮れませんでした。外部ストロボが必要かなとも思いながら、まだ手を出していません。
Commented by himeoo27 at 2011-08-21 08:41
カラス、ミヤマカラスどちらも素晴らしく輝いてますね!
林道の吸水ポイントでの群舞でも素敵ですが、花の吸蜜は♂♀伴に集まるので最高です。
Commented by ダンダラ at 2011-08-21 16:05 x
カラス・ミヤマカラスの翅表の色をきれいに出すのに苦労させられますが、これらの写真を拝見すると、ストロボ使用が正解なのかなと思わさせられますね。
もう少しすると、黒系アゲハの撮影シーズンが来ますけれども少しストロボもしようしてみようかなと思います。
Commented by yoda-1 at 2011-08-21 17:08
ストロボで色鮮やかですね。
ストロボには同調速度があり、1/250より高速では無理と思っていたのですか、1/4000で切れるといことは、別の原理があるのですね。
ストロボを使い始める前に、よく勉強しないといけないと思いました。
Commented by konty33 at 2011-08-21 22:27
昔は毎年クサギに集まるアゲハ類をよく見ましたが、最近は数が少なく撮影機会がありません。
仮に機会があっても所有の機材ではFP発光で連写が出来ないようで、こんなに綺麗にはとても撮れ無いと思います。
24mm+ストロボは特に良い感じで雰囲気が表現され感動ものです。
やはりfanseabさんに一度ご指導いただかないといけませんね。
Commented by cactuss at 2011-08-21 22:38
アキリデスの美しさを余すところなく表現した写真ばかりですね。
クサギの花に来る黒系のアゲハの写真を毎年、撮影していますが、なかなかうまくいきません。
ストロボをうまく使わないと難しい様ですね。
Commented by fanseab at 2011-08-22 21:31 x
otsukaさん、小生も西播磨の渓谷でお会いしたことを思い出しました。あそこはアザミ吸蜜ポイントでしたね。クサギは一般的に暗い場所なんでストロボの補助が必要ですね。
Commented by fanseab at 2011-08-22 21:37 x
himeooさん、ご指摘の通り、吸水に来るのは♂だけですので、♀狙いだとどうしても吸蜜シーンを抑えねばなりません。今回はクサギが観察し易い場所で助かりました。
Commented by fanseab at 2011-08-22 21:47 x
ダンダラさん、アザミのような陽光タップリの場所と異なり、クサギの咲いている場所は日陰が多くて、ストロボの助けを借りないと必要なシャッター速度が稼げない事情があります。色の再現性の議論は別だと思います。ただ明るい場所でも黒系アゲハの裏面を表現するため、ストロボを多用することがありますね。
Commented by fanseab at 2011-08-22 22:16 x
yoda-1さん、デジタル一眼の内蔵ストロボはご指摘の通り、最高同調速度が1/250sec.程度です。これ以上の速度で同調させるにはハイスピードシンクロ可能な外部ストロボが必要です。貴殿がお使いのC社ですと430EXIIあたりが該当します。吸蜜シーンでのアゲハの羽ばたきを止めて写すには1/250では無理で1/500以上を切りたいので、この手のストロボが必須になります。
Commented by fanseab at 2011-08-22 22:23 x
kontyさん、クサギ吸蜜ポイントは位置が高くて狙い難い場所が多いですが、今回は低めの位置で写すことができて助かりました。24mmはたまたま置きピンの距離感がバッチリで、いい感じに仕上がったと思います。
Commented by fanseab at 2011-08-22 22:31 x
cactussさん、コメントありがとうございます。アキリデスの吸蜜シーンは、吸蜜時間が短くて苦労していましたが、今回は個体数が多くて助かりました。外部ストロボは他の方にコメントしたように、クサギのような暗い場所での撮影には有効と思います。是非トライして下さい。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード