探蝶逍遥記

キリシマミドリ飛翔に再挑戦(8月13日)

 7/30の記事で300mmでの飛翔画像をご紹介しました。もう少し近距離で飛翔を撮りたいと思い、85mmマクロで撮れるポイントを更に開拓しようと、静岡県内をウロチョロしてみました。何とか新規ポイントを見出し、ここで85mmでの飛翔を狙ってみました。

 このポイントは道路沿いに高さ15m程度のアカガシ(早朝の叩き出しで1♂1♀を確認済)が生えていて、尾根筋からポッカリ空いた谷筋を望むポジションになっています。キリシマ♂のテリ位置はどうやら谷間の奥にあるらしく、間欠的に彼らが尾根筋までパトロールにやってくる周回地点になっています。巡回周期は短い時で5分、長い時は20分程度。85mmで狙える距離が限定される上に、「迎え撮り」で撮るため、置きピン位置を猛スピードで通過するキリシマを捕捉するのも難物。朝9時前から11時まで2時間粘ってやっと撮れた3枚をアップしましょう。当然のことながら、いずれの画像も強トリミングしております。                               ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時21分
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D7K-85VR、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時27分
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D7K-85VR、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時27分

 はっきり言って、前回を凌駕する絵の出来ではありません。遠目の位置から300mmで水平飛行する彼らを追尾する方がよほど楽なのです。ただ2枚目で面白いのは、キリシマの進行方向に飛んでいる虻?です。撮影中は当然この虻の存在には気づきませんでした。しかし、キリシマの複眼はしっかりこの「敵」を見つめているように思います。キリシマ♂がパトロール飛行中、突然進行方向を変える時がよくありますが、案外、こうした観察者からは認識できない飛行物体に敏感に反応しているのかもしれません。3枚目は今回撮影した中ではベストショット。真正面に飛んできた彼らをピンポイントで置きピン位置に捉えるのは厳しいですが、翅を目一杯振り下ろした姿に彼らの超高速飛翔の迫力を感じます。おしまいに残念賞(超ピンボケ画像)の1コマをご紹介します。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時21分

 画面中央やや右下にボケた個体が写っています。右翅はCrysoらしい金緑色、左翅はブルーに光る絶妙の位置でした。「ジャスピンだったらなぁ~」と暫くパソコンの前で溜息をつきました(^^;

 時期的にはこれで今シーズンのキリシマ♂飛翔シーンへの挑戦は終了です。また来年彼らと「決闘」をして更にいい絵を撮りたいものです。さて、このポイントでキリシマ♂を待機している間、新鮮なダイミョウセセリ♀が産卵挙動をしておりました。追跡してパチリ。
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D7K-85VR、ISO=1250、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:9時54分

 ダイミョウの産卵は翅を水平に開く姿勢とやや閉じた姿勢で産む場合とがあります。以前、翅を閉じ気味での産卵で、食草であるヤマノイモの葉に産み付けられた卵の表面に腹端の毛を擦り付けてカムフラージュする行動を観察したことがあります。今回は翅全開のパターンですので、腹端の様子が見えず、一見産卵シーンには見えないのが難点ですね。

 また、キリシマ撮影中、目の前にあるカラスザンショウの上をゴマダラチョウが周回飛行しておりました。ゴマダラにしてはややイチモンジチョウ的飛翔で少し変だな?と思って撮ったのが次の飛翔画像。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=1250、F5.6-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時55分

 撮影後、LCDモニターで見てビックリ!何とゴマダラではなく、アカボシゴマダラでした。某昆虫同好会誌上で、静岡県下でのこのタテハの採集(目撃?)報告を目にしておりましたが、実際にこの目で確認して愕然としました。「とうとう、箱根を超えて静岡県まで到達したのかと・・・」。このタテハの分布拡散スピードを考えるとどこまで西進するのか?末恐ろしいものがあります。これ以上、余計な放蝶は是非回避してほしいものです。

 炎天下のキリシマ撮影で流石にぐったりしたので、このポイントから程近い林道の木陰に移動しました。ここはカラスアゲハ♂の吸水が良く見られます。この日は林道表面がかなり乾燥しておりましたが、崖から染みだした水を求めて新鮮な♂個体が数頭吸水に来ておりました。
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D7K-34、ISO=500、F8-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時32分
f0090680_2250965.jpg
D7K-34、ISO=640、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時38分

 彼らの吸水を見て、管理人も涼しさを分けて頂いた気分でした。それにしても暑いですね。どこか信州の高原に行こうかな!
by fanseab | 2011-08-15 22:55 | | Comments(14)
Commented by cactuss at 2011-08-16 07:14
キリシマの飛翔の撮影は前回、お会いした辺りでのものでしょうか。
それにしても良くこれだけの飛翔写真が撮影出来ますね。感服致します。最後のピンボケ写真がジャスピンならばすばらしい写真になっていましたね。キリシマに比べればアカボシゴマダラの飛翔は楽だったのではないでしょうか。それにしても生息域の拡大はすさまじいものがありますね。
Commented by kmkurobe at 2011-08-16 11:40
うーんやはりキリシマの難易度は高いですね。
いつもながらの新地開拓、きっと来年は実を結ぶことでしょう。
しかしながらパトロール中の個体の待ち伏せとは・・・・・
とても気が短くて、注意散漫な小生にはできません。
いやいや恐れ入りました・・・・・
Commented by himeoo27 at 2011-08-16 17:05
昨日キリシマミドリに初チャレンジしてみました。
諸先輩に見つけて貰って、何十コマも撮影しましたが高い場所でテリ張り中の♂個体だったので証拠画像かな?という程度のものしか写せませんでした。かなり撮影の難易度高い蝶ですね!
Commented by ヘムレン at 2011-08-16 21:02 x
キリシマのあの素早い飛翔・・・すごいですね(^^;)。。
小生は、卍ですらあの程度なのに・・・お恥ずかしい次第です(笑)
パトロール・・・なんですね。
それを待ち伏せるとは・・・すごいです(^^)
Commented by fanseab at 2011-08-18 20:30 x
cactussさん、撮影地は貴殿とお会いしたポイントではなく、全く別の場所です。あそこは300mmで狙うには適していますが、近距離で狙うにはキリシマの出没が把握出来難いので、別ポイントを探索しました。どちらにせよ、♂のテリ張り撮影は困難な場所です。仰る通り、キリシマを撮った後のアカボシはまるでスローモーションを見ているような飛び方で撮影は楽でしたね。
Commented by fanseab at 2011-08-18 20:32 x
kmkurobeさん、近距離で狙えるポイントはなかなか探索も厳しいものがありますが、宝探しと思って楽しんでおります。キリシマの周回コースはかなり明確な一定の軌跡を描くので出現間隔を把握すれば、注意力をその瞬間に注げます。ただスピードが速すぎて捕捉が厳しいのです。
Commented by fanseab at 2011-08-18 20:35 x
himeooさん、貴殿のキリシマ♂も拝見しました。初挑戦であれだけ撮れれば御の字でしょう。まぁ、このシジミの場合は首が痛くなって、後でマッサージが必要になるので高くつきますね(笑)チャレンジのし甲斐があるシジミですので、来年も頑張ってみてください。
Commented by fanseab at 2011-08-18 20:37 x
ヘムレンさん、励ましのコメント有難うございます。まぁ、はっきり言って変わり映えしない画像ですみません。なにせ、飛んでいるのは撮影した1頭のみなので、厳しいです。ただ待ち伏せできちんと相手もやって来てくれるので助かりました。撮れるか撮れないかは別にして・・・(爆)
Commented by konty33 at 2011-08-19 12:36
キリシマの飛翔にチャレンジされる気持ち、たいへんよくわかります。
あの独特の翅表の美しさを是非画像に残して見たいものですが、あの速度ではkontyにはなんともできません。
キリシマらしい色を出したジャスピン写真を期待しますので、今後も頑張って下さい。
PS.「アカボシをスローモーションで楽・・・」と言ってみたいです。アサギマダラも上手く撮れないkontyの愚痴でした。
Commented by naoggio at 2011-08-19 16:41 x
新規開拓されてちゃんと見つける所がいつもながらすごいです。しかもこの暑い時期に。
私は以前撮影に行ったとき、とりあえず♂の証拠写真だけ撮ると、後は諦めてしまって飛翔する姿を指をくわえて眺めていました。
fanseabさんの写真を拝見していて、来年あたりまた挑戦してみようかなというファイトが湧いてきました。
ところでその後目の方はいかがですか?無理をしない程度にがんばって下さいね。
Commented by fanseab at 2011-08-19 23:15 x
kontyさん、キリシマの飛翔は静止画ではなくて、むしろ動画の方が適しているかもしれませんね。ただ、静止画像でどこまで迫れるか?今後もチャレンジしていくつもりです。応援よろしく!
Commented by fanseab at 2011-08-19 23:19 x
naoggioさん、お蔭様で目の方は順調に回復して日常生活や運動での制限はなくなりました。
真夏の炎天下での新規ポイント開拓は確かに体力的にきついです。でも、目印となるアカガシの大木や、キリシマの姿を発見すると、疲れも忘れてしまいます。鈴鹿に通っていた頃は、相当な個体数が飛んでいたので、現在の機材なら、もう少しまともな画像が撮れただろう・・・と歯ぎしりもしております。
Commented by chochoensis at 2011-08-20 18:46 x
fanseabさん、=キリシマ=の最後の写真・・・色彩が素晴らしく良く出ていて、惚れ惚れしました・・・チョット惜しいなァ・・・。
前の記事の=ダイミョウ卵・産卵写真=・・・もう、ジックリ拝見しました。凄いです・・・未だに脱出後の写真しか無くて、驚いて拝見しました・・・流石です!!!
Commented by fanseab at 2011-08-20 22:49 x
chochoensisさん、ピンボケ写真にコメント頂き、恐縮しております。来シーズンは何とか胸を張って出せる絵を撮りたいものです。
ダイミョウの産卵は他の蝶に興味が行き勝ちなのと、外見上産卵に見えないので見逃し易いですね。
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