安曇野の蝶探索(7/15~16):オオヒカゲ他
カシワ林のゼフ探索をメインにした今回の遠征。「信州で避暑がてらの撮影・・・」の目論見は梅雨明け直後の猛暑で敢え無く外れです(^^; 初日、カシワ林を後にしてkontyさんとウロチョロ探索してみました。オオヒカゲ狙いで訪れた池畔では新鮮なオオウラギンスジヒョウモン♂をゲット。 ++横位置画像はクリックで拡大されます++
D90-34、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、11時54分
恐らく羽化直品でしょう。久しぶり、タテハの「斜め45度逆光開翅」も狙いました。
D90-34、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、11時54分
彼が止まっている葉がもう少しスッキリしていると絵が映えるんですけどねぇ・・・。♂より格好良い♀も撮りたいけど、もう少し発生は後なのでしょう。残念ながらここではオオヒカゲの生息環境ではないと判断し、別のポイントに転戦。これが正解でした。将にオオヒカゲの為にあるような生息地で、都合3頭程の新鮮なオオヒカゲが付き合ってくれました。このヒカゲ、京都でkenkenさんとクロヒカゲモドキ撮影をご一緒した際、撮影経験はありますが、じっくり撮るのは今回が初めて。聞きしに勝る撮り難いヒカゲでした。最初は下枝に止まる個体を逆光で。
D90-34、ISO=800、F8-1/160、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、13時40分
まぁ、何とも角度の無い隙間のようなアングルでしか狙えません。しかも地面には折れた枝があたり一面に落ちていて、ちょっと踏み込むとギシッと音がし、その度にオオヒカゲはピクッと翅を開閉します。恐る恐る接近しての撮影でした。同じ個体が飛び立って樹幹に止まりました。こちらが一番オーソドックスな静止位置かもしれません。何とか85mmマクロで頑張ってみました。
D7K-85VR、ISO=1250、F7.1-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、14時08分
ストロボを焚かなければどうしようもない暗さですし、焚いたら焚いたで、WBが狂いやすく、RAW現像も難物でした。この子はそれでもフレンドリーで、奇跡的に広角撮影まで許可してくれました!
GXR@5.1mm、ISO=200、F4.2-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、14時02分
画面向かって右奥側がカサスゲ類が繁茂している湿地帯になっております。この個体と奮闘されている kontyさん(蝶超天国)の勇姿も掲載しておきましょう。
GXR@5.1mm、ISO=200、F9.1-1/10、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月15日、13時59分
撮影条件を変えながら、じっとこの姿勢で撮影を終えると、体中が藪蚊の攻撃に晒されていたことに気が付き、猛烈な痒みに悩まされます。読者の皆さんもご経験あると思いますが、オオヒカゲの撮影は本当に難行苦行の類ですね。
この湿地にはトンボ類にとって、天国のような場所で、管理人初体験のハッチョウトンボも多数生息しておりました。水面の丸ボケを強調した作画を狙ってみました。
D7K-85VR、ISO=200、F4.5-1/1250、-1.0EV、撮影月日・時刻:7月15日、13時19分
ハッチョウトンボ♂のテリ張り行動も初めて観察しました。占有空間はおよそ80cm程度。ゼフ等に比較すれば箱庭みたいな空間で♂同士のバトルを繰り広げておりました。「おチビさん頑張れ、頑張れ~」って、つい声掛けしてしまいました。それにしても愛らしい蜻蛉ですね!
さて、16日はカシワ林でウラジロ♂の開翅撮影に成功した後、昨年ジョウザン♂のテリが活発に観察できた沢筋の林道を巡ってみました。目論見としては、ジョウザンの卍撮影だったのですが、個体数が少なく、半開翅シーンを撮るのがやっとでした。
D90-34(トリミング)、ISO=500、F14-1/1000、-1.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月16日、8時21分
どうも昨年とは様相が異なります。どうしたんでしょうか? 林道脇からはウラゴの♀が飛び出しました。
D90-34、ISO=200、F8-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月16日、8時31分
ウラゴは今シーズン初撮影。暑さで開翅の期待もできないので、この絵を撮ったら、直ぐにパスでした・・・・。暑さが堪えるのは黒系アゲハも同様なのでしょう。カラス、ミヤマカラスが水場で盛んに吸水しておりました。管理人未撮影のミヤカラ♂夏型の吸水シーンです。
D90-34、ISO=500、F4-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月16日、9時26分
これ、狙って撮ったポンピングの場面です。画像のExifデータから読み取ると、ポンピングの間隔は概ね10秒。撮影時、頭の中で「1、2、3,・・・」と勘定し、「8、9」のあたりで連射すると、結構な歩留りで撮影できました。腹端からのポンピングが液滴でなく、シャワー状に噴射されるシロスソビキアゲハ等に比較すると、撮影は楽な部類に属すると思います。
暑さに悩まされた安曇野遠征。ただ、ポイント移動の途中に垣間見る北アルプスの山岳美や木陰の清涼とした空気感は独特なもので、リピーターになってしまいます。本当に奥の深い自然が隠されていると思います。繰り返しになりますが、今回も現地の蝶相について詳しくご教示頂いたkmkurobeさん、撮影をご一緒したkontyさんには厚く御礼申し上げます。またどこかで撮影をご一緒いたしましょう!
D90-34、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、11時54分
恐らく羽化直品でしょう。久しぶり、タテハの「斜め45度逆光開翅」も狙いました。
D90-34、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、11時54分
彼が止まっている葉がもう少しスッキリしていると絵が映えるんですけどねぇ・・・。♂より格好良い♀も撮りたいけど、もう少し発生は後なのでしょう。残念ながらここではオオヒカゲの生息環境ではないと判断し、別のポイントに転戦。これが正解でした。将にオオヒカゲの為にあるような生息地で、都合3頭程の新鮮なオオヒカゲが付き合ってくれました。このヒカゲ、京都でkenkenさんとクロヒカゲモドキ撮影をご一緒した際、撮影経験はありますが、じっくり撮るのは今回が初めて。聞きしに勝る撮り難いヒカゲでした。最初は下枝に止まる個体を逆光で。
D90-34、ISO=800、F8-1/160、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、13時40分
まぁ、何とも角度の無い隙間のようなアングルでしか狙えません。しかも地面には折れた枝があたり一面に落ちていて、ちょっと踏み込むとギシッと音がし、その度にオオヒカゲはピクッと翅を開閉します。恐る恐る接近しての撮影でした。同じ個体が飛び立って樹幹に止まりました。こちらが一番オーソドックスな静止位置かもしれません。何とか85mmマクロで頑張ってみました。
D7K-85VR、ISO=1250、F7.1-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、14時08分
ストロボを焚かなければどうしようもない暗さですし、焚いたら焚いたで、WBが狂いやすく、RAW現像も難物でした。この子はそれでもフレンドリーで、奇跡的に広角撮影まで許可してくれました!
GXR@5.1mm、ISO=200、F4.2-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、14時02分
画面向かって右奥側がカサスゲ類が繁茂している湿地帯になっております。この個体と奮闘されている kontyさん(蝶超天国)の勇姿も掲載しておきましょう。
GXR@5.1mm、ISO=200、F9.1-1/10、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月15日、13時59分
撮影条件を変えながら、じっとこの姿勢で撮影を終えると、体中が藪蚊の攻撃に晒されていたことに気が付き、猛烈な痒みに悩まされます。読者の皆さんもご経験あると思いますが、オオヒカゲの撮影は本当に難行苦行の類ですね。
この湿地にはトンボ類にとって、天国のような場所で、管理人初体験のハッチョウトンボも多数生息しておりました。水面の丸ボケを強調した作画を狙ってみました。
D7K-85VR、ISO=200、F4.5-1/1250、-1.0EV、撮影月日・時刻:7月15日、13時19分
ハッチョウトンボ♂のテリ張り行動も初めて観察しました。占有空間はおよそ80cm程度。ゼフ等に比較すれば箱庭みたいな空間で♂同士のバトルを繰り広げておりました。「おチビさん頑張れ、頑張れ~」って、つい声掛けしてしまいました。それにしても愛らしい蜻蛉ですね!
さて、16日はカシワ林でウラジロ♂の開翅撮影に成功した後、昨年ジョウザン♂のテリが活発に観察できた沢筋の林道を巡ってみました。目論見としては、ジョウザンの卍撮影だったのですが、個体数が少なく、半開翅シーンを撮るのがやっとでした。
D90-34(トリミング)、ISO=500、F14-1/1000、-1.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月16日、8時21分
どうも昨年とは様相が異なります。どうしたんでしょうか? 林道脇からはウラゴの♀が飛び出しました。
D90-34、ISO=200、F8-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月16日、8時31分
ウラゴは今シーズン初撮影。暑さで開翅の期待もできないので、この絵を撮ったら、直ぐにパスでした・・・・。暑さが堪えるのは黒系アゲハも同様なのでしょう。カラス、ミヤマカラスが水場で盛んに吸水しておりました。管理人未撮影のミヤカラ♂夏型の吸水シーンです。
D90-34、ISO=500、F4-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月16日、9時26分
これ、狙って撮ったポンピングの場面です。画像のExifデータから読み取ると、ポンピングの間隔は概ね10秒。撮影時、頭の中で「1、2、3,・・・」と勘定し、「8、9」のあたりで連射すると、結構な歩留りで撮影できました。腹端からのポンピングが液滴でなく、シャワー状に噴射されるシロスソビキアゲハ等に比較すると、撮影は楽な部類に属すると思います。
暑さに悩まされた安曇野遠征。ただ、ポイント移動の途中に垣間見る北アルプスの山岳美や木陰の清涼とした空気感は独特なもので、リピーターになってしまいます。本当に奥の深い自然が隠されていると思います。繰り返しになりますが、今回も現地の蝶相について詳しくご教示頂いたkmkurobeさん、撮影をご一緒したkontyさんには厚く御礼申し上げます。またどこかで撮影をご一緒いたしましょう!
by fanseab
| 2011-07-21 22:44
| 蝶
|
Comments(12)
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yoda-1 at 2011-07-22 13:01
素晴らしい画像を堪能させていただきました。
撮影条件もよく描写されていて、大変参考になります。
YODAもいつかはfanseabさんとご一緒できる日を夢見ました。
撮影条件もよく描写されていて、大変参考になります。
YODAもいつかはfanseabさんとご一緒できる日を夢見ました。
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konty33 at 2011-07-22 21:55
たいへんお疲れ様でした。お陰様でオオヒカゲを堪能できました。
なかなか一人では大変な環境でしたのでご一緒できて助かりました。
へっぴり腰での撮影風景は自分では分かりませんでしたが、こうして見ると恥ずかしいですね。
なかなか一人では大変な環境でしたのでご一緒できて助かりました。
へっぴり腰での撮影風景は自分では分かりませんでしたが、こうして見ると恥ずかしいですね。
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himeoo27 at 2011-07-23 20:14
オオヒカゲは音に鋭敏で近づくのが難儀しますね!接写大好きなヒメオオは撮影に苦戦しています。
最後のミヤマカラスアゲハの吸水ポンピング写真は技ありという感じで素晴らしいです。
最後のミヤマカラスアゲハの吸水ポンピング写真は技ありという感じで素晴らしいです。
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fanseab
at 2011-07-25 23:10
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yoda-1さん、コメント有難うございます。
オオヒカゲは以前からきちんと撮りたかった対象だったので、満足しています。機材の進歩、特に高感度特性の改善で、このヒカゲも大分撮りやすくなったのではないかと思います。
そういえば、貴殿とご一緒したことありませんでしたか?オフ会等でよくお相手しているので、錯覚しておりました。次回は是非・・・。
オオヒカゲは以前からきちんと撮りたかった対象だったので、満足しています。機材の進歩、特に高感度特性の改善で、このヒカゲも大分撮りやすくなったのではないかと思います。
そういえば、貴殿とご一緒したことありませんでしたか?オフ会等でよくお相手しているので、錯覚しておりました。次回は是非・・・。
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fanseab
at 2011-07-25 23:12
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naoggioさん、オオヒカゲは確かにでかいです。ご指摘の通り、さほど遠くに飛ばないですけど、止まる位置がややこしい場所は多くて泣かされますね。ウラゴはまだまだ新鮮でした。
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fanseab
at 2011-07-25 23:14
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kontyさん、お疲れ様でした。色々と苦労した甲斐がありましたね。心が折れそうになる撮影時には、ご一緒するカメラマンがいるといないのでは大違いです。撮影風景は小生の「ブログ仲間撮影風景コレクション」の貴重なアイテムとなりました。有難うございました。
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fanseab
at 2011-07-25 23:16
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himeooさん、オオヒカゲは音に敏感で、逃げた後、どこに姿をくらますか?大変ですね。幸いにもkontyさんとご一緒だったので、追跡が楽でした。吸水ポンピング画像は、特に拘っているシーンなので、アゲハが吸水している場面に出会うと必ず狙うことにしております。
オオヒカゲ、きれいの表現できていますね。なるほど、ISO800にISO1250ですかっ!
先日、こちらの地元で撮影する機会に恵まれましたが、古いデジカメなので画像粒子の荒れを考えてISO400までで撮ったら、ほとんどが被写体ブレでパーでしわた。
むむっ、Kontyさん、今年もう2回遭遇しています。(笑)
先日、こちらの地元で撮影する機会に恵まれましたが、古いデジカメなので画像粒子の荒れを考えてISO400までで撮ったら、ほとんどが被写体ブレでパーでしわた。
むむっ、Kontyさん、今年もう2回遭遇しています。(笑)
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ヘムレン
at 2011-07-26 20:28
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この湿地のオオヒカゲ・・・恥ずかしながら、いまだに会えていません(^^;)。。もっと、林の中を丹念に探せばいいのですが、なかなか・・・(^^;)。。
ハッチョウトンボ・・今年は少なく思えました。
今年は、クマ注意看板が立っていましたね(^^;)。。
ハッチョウトンボ・・今年は少なく思えました。
今年は、クマ注意看板が立っていましたね(^^;)。。
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fanseab
at 2011-07-26 21:03
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kenkenさん、貴殿とクロモの撮影をご一緒してからもう6年が経過しております。この間、デジカメは確実な進歩を遂げて、オオヒカゲの撮影も大分楽になったように思います。ただ手振れ補正なしの300mmで狙うにはやはり厳しい対象には違いありません。D7000になってようやくISO=1250あたりが実用域に入って何とか凌いでいるのが現状でしょうか?
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fanseab
at 2011-07-26 21:06
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ヘムレンさん、この地に精通している貴殿でも会えていないとは意外です。ただ林の中でも、かなり限定した場所を好むように思いました。似たような環境が続いているの不思議です。ハッチョウ以外のトンボも撮影しましたが、種名が不明なので掲載しておりません(^^; いつかご教示ください。