探蝶逍遥記

安曇野のカシワ林探索(7/15~16):その(2)ハヤシミドリシジミ他

 今回、カシワ林を再訪した目的の一つに黄昏時の彼らの行動観察がありました。早朝、寝込み状態のゼフを叩き起こしての撮影は本来自然なものではありません。彼らが活発になる夕刻、どんな活動を見せるのか?あわよくば撮影できれば・・・の願いでした。

 ところで初日、草むらから突如褐色のシジミが飛び出してビックリ。                                                         ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=640、F9-1/320、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月15日、5時43分

 ボロのクロシジミ♀でした。このポイントでは、ウラジロが盛期を迎える頃、彼らは終盤戦になるようですね。この草むらにはクロオオアリが沢山生息していて、撮影しているカメラやレンズに凄い数のアリが歩き回り閉口する位です。まぁ、クロシジミにとってはとても良好な生息環境なのでしょう。さて、ハヤシミドリもウラジロ同様、早朝のビーディングで落下はするものの、開翅はあまり期待できませんでした。そんな中、何とか♀開翅撮影に成功。
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D90-34、ISO=500、F8-1/1250、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月15日、6時31分

 運よく傷の無い個体でした。ただ殆どの♀は日光が当たるとほどなく飛び出し、カシワの葉上に止まると、葉裏に潜り込んだり、とても開翅する状況ではありませんでした。縦広角で実例を示します。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/80、-1.0EV、撮影月日・時刻:7月15日、7時39分

 お天気ピーカンの状況がご理解できると思います。この絵を撮ったあたりで、カシワ林で粘る価値なしと判断し、kontyさんとご一緒して、他のシジミ等の探索・撮影に転戦しました。途中当日帰宅されたkontyさんと別れ、管理人は16時過ぎにカシワ林に戻りました。カシワの樹冠を見上げますが、ゼフの活動はまだスタートしていない様子。そして16時半頃、ハヤシミドリ♂の占有飛翔が始まりました。西日が直接当たる高さ10m強のカシワの大木に狙いを定めて継続観察することにしました。概ね5-6頭の♂が常時バトルを繰り広げていて、占有空間は3m四方と言ったところ。時々卍になり、長い時は2分位延々と卍飛翔が続きます。管理人の足元に降りてこないか?期待したのですが、一向にその気配がありません。そこで仕方なく、300mmで飛翔を狙うことに。
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D90-34(トリミング)、ISO=640、F4-1/3200、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月15日、17時31分
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D90-34(トリミング)、ISO=640、F4-1/3200、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月15日、17時31分

 正直、像質には期待していませんでしたが、「西日を受けて黄金色に輝くカシワを背景に飛ぶハヤシミドリ」のアウトプットイメージに近い絵が得られて満足です。1枚目の絵で右下の♂が左側を飛ぶ♂に視線を向けている様子も読み取れます。その後、管理人の目前に卍飛翔が落ちてくるチャンスをひたすら待ちました。結局2回そのチャンスがあって、1回目は遠くに落ちたので駆けつけた時には既に卍が解けてジ・エンド。2回目に何とか撮影に成功。
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D7K-1855@18mm(トリミング)、ISO=200、F7.1-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、17時40分
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D7K-1855@18mm(トリミング)、ISO=200、F7.1-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:7月15日、17時40分

 撮影直後の手応えは十分だったのですが、カメラのLCDモニターで像確認するとガックリ。シャッター優先モードで撮影したはずなのに、何故か絞り優先になっておりました(^^; D7000のモード設定ダイヤルはどうも動きやすくて、大雪山でも一回同じ失敗をしておりました。再発防止対策を真面目に考えねばなりません。それはともかく、設定失敗の割には1枚目は卍の雰囲気が良く出たように思います。さらに怪我の功名で、翅がブレて躍動感も出ました。今回経験した卍飛行の最低高度は管理人の目線より高い位置だったため、♂の金緑色表現は難しいものがありますね。この卍飛翔撮影はまたリベンジの対象でしょう。ハヤシ君、来年待ってろよ!

 傾いた夕日が北アルプスの稜線上に沈んだ18時前。少し♂の活動も沈静化してきたように思います。すっかり日陰になったカシワの葉先でテリを張る♂のメタリックブルーが印象的でした。
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D90-34(トリミング)、ISO=640、F4-1/3200、-0.7EV、撮影月日・時刻:7月15日、17時55分

 さて、ハヤシミドリの活動と同時に注目していたのが、ウラジロ♂の行動。ところがハヤシとはかなり異なる挙動をしていたように思います。カシワの枝先で時々ハヤシに追撃される♂を見ておりますが、縦横無尽にカシワを飛び回るハヤシと異なり、どちらかと言えば、カシワの根際の草むらを低速探索飛行したり、カシワからカシワを飛び渡る飛翔をしていたように思います。ましてや卍飛翔は観察できませんでした。活動はハヤシ同様に16時30分前後から活発になったような気がしますが、上記した如く活動パターンが派手でないため、今回の僅か2時間の観察では彼らの行動を把握することは困難でした。初日(15日)の自宅起床は午前1時10分過ぎ。運転と探索・撮影の合計時間17時間超で流石に体力の限界に近く、18時過ぎに撤収しました。この日のようにピーカンに近い条件下で、ハヤシなら少なくとも18時半頃までは活動していると見ました。もう少し体力的に余裕を残して彼らの夕刻の活動を観察してみたいものです。

 なお、2日目の早朝、カシワ林の草原でウラミスジシジミにも出会いました。先ずはマクロ閉翅で・・・と接近中に逃げられてしまった(^^; どうもウラミスジとは相性が良くありません。管理人にとっては「裏三筋」ではなく、「恨めしじ?シジミ」でしょうね。また、2日目の夕刻にはこのポイントでは珍品のウスイロオナガシジミにも出会ったことを付記しておきましょう。次回は安曇野探索で出会った他の蝶のご紹介です。
by fanseab | 2011-07-20 20:30 | | Comments(12)
Commented by banyan10 at 2011-07-20 21:57
ハヤシもちゃんと飛んでいましたか。
僕が行った日は小さめの蝶しか飛んでいないように見えたので、ウラジロばかりだったのではと考えています。もっとも、ハヤシは兵庫や富士山麓で撮影していたのでウラジロの方を観察できて良かったとも思っています。
斜面のカシワでは二桁の乱舞が見れました。
Commented by konty33 at 2011-07-20 22:26
夕方にこの場所に行ったことがなかったですが、大変素晴らしい光景が目に浮かびます。
ストロボで飛翔を捉えた広角画像は、シャッター速度ミスでかえって脈動感がでて良かったように思います。
300mmも良いですが、やはり目の前に降りてきてくれるのかが分かれ目ですね。
素晴らしい成果を拝見し、来年は朝と晩に行ってみたいと思いました。
Commented at 2011-07-20 23:05
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fanseab at 2011-07-21 12:43 x
BANYANさん、貴殿の記事も拝見しました。
全く逆の観察パターンだったみたいですね。
恐らく、ウラジロの好む樹とハヤシの好む樹が異なっているのかもしれません。来年そのあたりを観察ポイントに付け加えることにします。
Commented by fanseab at 2011-07-21 12:46 x
kontyさん、一泊の日程だったので、夕方も観察してみました。暑くてしんどかったですが、それなりに観察できて報われました。卍がどれだけ降下するか、小生の乏しい体験だと、ミドリシジミは結構低くまで降りるような気がします。観察した木の樹高が高いことも影響したのか、チャンスが少なかったですね。
Commented by fanseab at 2011-07-21 12:49 x
鍵コメさん、電話まで頂戴したようですみません。お手数をおかけしました。記事の件了解です。別途私信します。
Commented by chochoensis at 2011-07-21 14:43 x
fanseabさん、高原の=ゼフ=・・・羨ましいな・・・最近は自宅周辺だけで満足しているのがもったいない・・・ハヤシもウラジロも凄いです・・・。
Commented by ダンダラ at 2011-07-21 19:08 x
確かに叩き出しでの写真は自然ではありませんね。
ある程度の写真が撮れたら本来の活動状態の写真をきちんと撮りたいと思います。
夕暮れのカシワの枝先で開翅するハヤシはその意味で素晴らしい写真ですね。
Commented by ヘムレン at 2011-07-21 20:33 x
カシワゼフの占有行動!お見事です。
夕刻のカシワ林も挑戦しないといけませんね(^^;)
ウラジロの行動・・・大変興味深く読ませていただきました!。。
Commented by fanseab at 2011-07-21 21:35 x
chochoensisさん、安曇野の高原は先ずもって空気感がいいですね。ただ、今回は梅雨明け後の猛烈な暑さが邪魔をして、早朝の観察には不適でした。一方、夕方の観察は光量もタップリで、卍の撮影には有利だったと思います。
Commented by fanseab at 2011-07-21 21:39 x
ダンダラさん、叩き出しが通用しないフジミドリは下草探しとか、自然な状態での撮影ができますね。夕方に活動時間帯を持つ多くのゼフは、日帰り遠征ではなかなかできません。今回も宿泊遠征でしたので、帰りの渋滞を気にせず観察できたのがよかったと思います。ただ黄昏時のテリ張りシーン撮影は暗く、遠くて苦労します。、
Commented by fanseab at 2011-07-21 21:43 x
ヘムレンさん、コメント有難うございます。キマルリとか特別の活動時間帯に観察が限られる種類を除いて、ことさら夕方の撮影はしませんよね。ただカシワ食いのゼフ卍撮影はどうしても夕刻にスポットを当てねばなりません。今回のチャレンジは色々と興味深いものがありました。貴殿も是非トライしてみてください。
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