探蝶逍遥記

北海道遠征記(4)アサヒヒョウモン:その1

 コマクサ平に到着してウスバキが登場すると、管理人も含めたカメラマンはウスバキの姿を追って右往左往しておりました。ただこの間、ハイマツ帯の間隙を縫って、地面スレスレに飛ぶ褐色の蝶がアサヒヒョウモンであることはすぐに理解できました。「飛び続けて撮影が難しい・・・」記述をネットで見ていたので、なるほどこのヒョウモンは難しそうだ。どのようにしてカメラで仕留めるのか?暫く答えが出ませんでした。それでも2日間コマクサ平に通ったお蔭で、少しは彼らの生態を理解できるようになりました。ご存知の通り、本種は極北のツンドラ地帯を主たる生息地としており、大雪山は異例とも言える低緯度(北緯43度)生息地なのです。ここコマクサ平はハイマツの間にヒース(矮性植物群)で覆われた平原が広がっており、このヒース上をセセリのようにウロチョロ飛ぶ様子は他のヒョウモンの挙動とは全く異なるものでした。遥か北欧のツンドラはこんな地形なのかな~?と思いを馳せながら、アサヒヒョウモンを追跡しておりました。このヒョウモンの後翅裏面は独特な斑紋なので、「是非とも閉翅を撮りたいもんだ」と翅算用をしておりましたが、なかなか撮らせてくれません。やっと、ゲットできたのが次のショット。♂だと思います。                                                                                  ++横位置画像はクリックで拡大されます++
f0090680_20384021.jpg
D5K-34(トリミング)、ISO=500、F10-1/1250、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月26日、12時34分

 日光浴は必ず開翅状態になるのがこのヒョウモン。吸水直後で翅を上下させている最中に連射してやっと撮れたのですが、閉翅としてはアングルが微妙(^^; もう少しカメラ目線を下げるべきなのだけれども、ガンコウランやクロマメノキのヒース植物に翅が隠されるので、真横からの撮影が大変難しいのです。今度は85mmマクロでの開翅。
f0090680_20385979.jpg
D90-85VR、ISO=640、F11-1/640、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月26日、12時36分

 殆どの個体がロープ規制された登山道内には来ないので、これは異例とも言える至近距離でのショットかもしれません。それにしても、このヒョウモン、縁毛が大変綺麗。縁毛フェチの管理人を唸らせる実力の持ち主ですね。朝方なら活動が鈍いので接近戦が可能かもしれない・・・と2日目はアサヒヒョウモンに狙いをつけて彼らを追跡しました。何とか狙っていた半開翅逆光シーンをゲット。
f0090680_20392770.jpg
D90-85VR、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月27日、7時41分

 好みのアングルで撮れたけど、縁毛が擦れていてイマイチでした。上手くいきませんねぇ~。でも早起きは三文の徳? 想定外の広角シーンも撮れました。
f0090680_20394321.jpg
GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/200、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月27日、8時32分
 
 かなり欠損のある♂ですが、雪渓バックの絵はそうそう撮れないので良しとしておきましょう。ウスバキと比較するとアサヒヒョウモンの活動は照度にはやや鈍感な気がしました。薄日でウスバキがパタッと飛翔を止める照度でもアサヒの♂は関係なく探♀活動を行っておりました。そうして、延々と探♀をやりながら時々休憩して吸蜜にやってきます。ここら辺は他のヒョウモンの生態とさほど変わりはないと思いました。吸蜜源の最初はミネズオウ(Loiseleuria procumbens)。
f0090680_2040888.jpg
D90-34(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:6月26日、13時37分

 結構、長時間吸蜜してくれて助かりました。この花、とても小さいですけど、蜜量は意外に多いのかもしれません。そのミネズオウをマクロでも撮りました。
f0090680_20401885.jpg
D90-85VR、ISO=200、F4-1/1000、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月26日、8時11分

 この花弁、本州の高山帯だと白色で、北海道だと紅色になるとか。こう見えてもツツジ科の植物だそうです。また某図鑑によれば、ミネズオウは、アサヒヒョウモンの産卵植物としては頻度が高いが食樹とはなり難く、孵化した幼虫は近くにあるキバナシャクナゲやその他の植物を食するとか。ヒョウモン類は母蝶が産卵する時、スミレに直接産まないで、近場の枯草に産んだりする習性が知られていますが、アサヒも似た習性なのでしょうか?ミネズオウのお次はウスバキもよく訪花するクロマメノキ。
f0090680_2041686.jpg
D7K-34(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:6月27日、10時58分

 ウスバキの記事でも述べたように、この花弁は垂れ下がり状態なので、アサヒヒョウモンもストローを花弁に対し、巻き込むように上から入れざるを得ないため、吸蜜態勢が下向きになります。よって、なかなか良い絵が撮れません。2日間粘っても至近距離での吸蜜シーン撮影は相当に難易度が高いことを知りました。次回は飛翔を中心にご紹介します。
by fanseab | 2011-07-06 20:45 | | Comments(4)
Commented by maeda at 2011-07-06 21:12 x
この蝶を撮るには柵のないポイントをあたるしかないと思っています。
この蝶が一番難しいかもしれません。
Commented by fanseab at 2011-07-07 20:14 x
maedaさん、確かに柵がないポイントが有利かもしれませんが、そうは言っても、活動時間帯はいい絵が撮らしてくれないような・・・。朝方結構早い時間帯に勝負すべきでしょうね。
Commented by ma23 at 2011-07-08 02:39 x
北海道、お疲れさまでした。これまでの撮影力をみごとに北海道で発揮されている写真ばかりですね。なかなか行くことのできない地ですので、たのしく拝見しています。
Commented by fanseab at 2011-07-08 22:41 x
ma23さん、コメント有難うございます。例年ならゼフ中心になるこの季節、ウスバキ他にチャレンジしてみました。休みが取れるタイミングでないと、なかなか北海道遠征は厳しいものがありますね。しかし、一度行くと嵌ってしまいそうですよ~(悪魔の囁き:笑)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード