探蝶逍遥記

山梨のクロミドリシジミ探索(6月20日)

 首題シジミについては、 2008年に♀撮影に成功しそれ以来、継続的に観察しております。昨年、一昨年は当地でのオオミスジに拘って観察したこともありますが、2008年より個体数少な目でした。何とか♂を撮影したいものだ・・と早朝からの出撃です。できれば♂の卍飛行を観察する目的で午前2時過ぎ自宅発。現地3時50分着。ネットで調べてみると、「♂の活動は4時~4時30分頃の僅か30分」とありましたので、到着時間はギリギリセーフかな? クロミが好きな「御神木」のクヌギの前に佇み、ヘッドランプでクヌギの梢を見つめます。既にあたりは明るくなり始めています。しかし・・・飛びませんね。4時30分頃まで、結局、管理人の知っている5本の御神木を訪ねて、梢を見上げますが、坊主。ただ、最後に訪れた梢で、♂らしき影が3秒程度、それらしき活動をしたものの撮影チャンスは無し。うーん、難しいですね!♂の活動のトリガーになっているのが、体内時計によるものか、あるいは複眼経由でインプットする照度センサーのようなものなのか、管理人は不明です。ただ直感的に訪れるべき時間帯はもうちょっと早い時間、具体的には3時30分~4時頃だったのかな?と反省しております。この仮説が正しいかは、来シーズンの課題にしたいと思います。

 さて、飛翔は諦めて、上記した♂が飛んだと思われるご神木を長竿で叩き出してみました。やはりと言うか、それなりの♂が飛び出します。しかし、例によって、彼らはクヌギの梢の高い方、高い方に向かい、低い場所に誘導できません。それでも、何とか、クヌギの低い梢に紛れ込んだ個体の証拠画像を撮影できました。                                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++                       
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D7K-34(トリミング)、ISO=1000、F4-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:5時02分

 地色の濃さ、後翅裏面外縁部の白線状紋の薄さから♂と判定しましたが、如何でしょうか?ちょっと複眼が♂にしては小さいかな?♂とすれば、管理人の初撮影になって嬉しい限りなのですが・・・。引き続き叩き出しに精を出すと、ヨロヨロと飛び出す♀も混じっています。ただ独りだと見失うケースが多くて難儀します。ようやく1頭がクズの葉上に静止してくれました。
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D7K-34、ISO=1250、F11-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:5時59分

 この個体、手前のクズの葉の破れ目と、上に位置する蔓の隙間から覗く厳しいアングルに居座っています。脚立最上段に登り、精一杯の撮影になりました。この後、85mmマクロでも何とか撮りたい・・・思いで、慎重に接近する途中、クズの葉を揺らしたショックで、この個体に飛び去られてしまいました。もう少し辛抱して開翅を待つべきでしたが、堪え性が無いもんで困ります(^^; 

 昨年の同時期、ウラナミアカが沢山目撃できましたが、この日目立ったのはミズイロオナガシジミ。およそ10m間隔に一頭程度飛び出してきます。そのうちの1頭が開翅してくれました!
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D7K-34、ISO=1250、F11-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時00分

 実は管理人はミズイロオナガの開翅は初体験。緊張しての撮影になりました。この日は早朝から結構な蒸し暑さもあって、全開には至りません。そこで、少し引き気味のアングルから全景を狙いました。
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D7K-34(トリミング)、ISO=1250、F11-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時00分

 ご覧のように、後翅肛角~外縁付近の白班の出方はウスイロオナガ並みに綺麗に出ている個体でした。前翅には微妙に青く光る幻光も出現する美しい眺めを堪能です。一方、昨年個体数の多かったウラナミアカも少ないながら観察できました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/90、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:7時46分

 暑さを避けて葉影に隠れている構図です。雑木林に囲まれたウメ林では、管理人の大好きなオオミスジ♂が今年も元気に飛んでいました。本種について、例のフィールド図鑑用画像はもう完成されていて、そんな画像を撮る心配無用なので、ここでは探♀飛翔する飛翔画像に集中。
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D7K-1855@18mm(トリミング)、ISO=500、F9-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時59分
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D7K-1855@20mm(トリミング)、ISO=640、F9-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時21分

 ようやく、納得の行くオオミスジ飛翔が撮れたと思います。実はこの日からNIKONのD7000(ブログ上の撮影データでは、D7Kと略記)をメイン機種として本格稼働させました。導入の目的の一つに高感度特性が挙げられます。クロミの撮影では低照度下でISO=1000以上に上げても、そこそこの粒状性が得られて納得です。更に有効画素1690万のCMOSセンサーによる画質向上にも期待しておりました。この期に飛翔用機材の見直しを行い、長年活躍した飛翔専用機D40には退役してもらいました。ただ、外部ストロボが相当に重たいので、肉体的は結構負担がきついものの、画質が上がったので、そこは我慢です。オオミスジの2枚目に特徴が出ていて、背景の飛行機雲の雰囲気描写に納得です。これまでのD40(約600万画素)だと雲のディテールが潰れてしまうことが多く、飛翔で空を入れたがる(笑)管理人の作風には、雲のディテール表現がとても重要だからです。

 オオミスジを撮影している途中、林道に新鮮なヒオドシチョウが群れている場所がありました。発生木のエノキが近くにあって、羽化した個体が群れていたのでしょうか?道路上で開翅した個体を慎重に撮影。
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D7K-1855@55mm、ISO=400、F9-1/200、-0.7EV、撮影時刻:8時40分

 管理人は、ヒオドシ開翅を接近戦で撮影したことがなかったので、羽化直個体の美しさをじっくり堪能することができました。更に林道を歩いていると、いつもオオムラサキ♂がバトルを繰り広げるエノキの周辺で、計2頭のゴマダラチョウ♂がパトロール飛行をしておりました。エノキを見下ろす位置から300mmで撮影。
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D7K-34、ISO=640、F4-1/5000、-0.7EV、撮影時刻:9時04分

 かなり後ピンですが、木漏れ日を浴びて滑空するゴマダラの雰囲気は出せたと思います。複眼のオレンジ色がアクセントになっています。やはりジャスピンで撮りたいとこですね。

 暑かったこの日、自動販売機で冷えたジュースをグイッと飲み干していると、販売機を併設している建物の壁に黒いタテハがまとわりついています。ヒオドシにしては、小さいなと思ったらクジャクチョウでした。
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D90-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時31分

 例年、この時期、数は少ないながら、新鮮な第1化を観察することができます。恐らく越冬のため、標高の高い高原から低地に降りて来て、春に産卵し、第1化以降、次第に生息標高域を上げていくのでしょう。深夜2時起きがたたって、そろそろ体がしんどくなってきたので、午前10時は撤収しました。クロミドリ♂、今シーズンはもうチャンスが無いので、また来年リベンジすることにします。
by fanseab | 2011-06-21 22:05 | | Comments(12)
Commented by kenken at 2011-06-21 22:52 x
うん、ミズイロの翅表えぇですなぁ~ウスイロもそうですが、この後翅表の白斑を撮りたいですね。しかし、開翅した瞬間にすぐに撮らないと、前翅がだんだん下がってきて白斑を隠してしまうので、白斑の完全表現はとても難しいです。
クロミのテリ飛翔にハマると寝不足になるので、私は知らんふりをしています。(笑)
オオミスジの飛翔、これはもう、貴兄ならではの画像に拍手です。パチパチパチ!
Commented by banyan10 at 2011-06-22 09:01
クロミのテリは僕も観察したいのですが、時間が厳しいですね。
ミズイロの開翅はみなさんが撮影されていますが、今年も乗り遅れています。そろそろ平地では厳しくなってきました。
オオミスジ飛翔は素晴らしいの一言です。こちらはいろいろと撮影できたせいか、広角飛翔はトライしなかったのが悔やまれます。
Commented by kmkurobe at 2011-06-22 10:06
オオミスジの飛翔すばらしいですね。青い空と木々のミドリがモノトーンの蝶の背景にぴたりとはまっています。
これは壁紙にさせて頂きたいような写真ですね。
貴殿のストロボテクニック会ってこそですね。
かさねてすばらしい。おそれいりました。
Commented by fanseab at 2011-06-22 22:53 x
kenkenさん、ミズイロ開翅は開翅する瞬間を確認していないので、確かに撮影時には既に前翅が下がっている状態だったかもしれません。
クロミの卍飛翔、やはり寝不足感がつきまとって、苦戦しています。若くないので、チャレンジするのは、一年に一回でしょうね。
オオミスジ飛翔、お褒めのコメントサンキューです。ようやくアウトプットイメージ通りの絵が描けました。
Commented by fanseab at 2011-06-22 22:55 x
BANYANさん、クロミ♂の活動時間帯は空模様や気温で微妙に変化するものと思われます。その辺の読みが難しいですね。オオミスジは貴殿の場合、素晴らしい交尾場面をキャッチされているので、羨ましいです。飛翔はいつでも撮影できるけど、交尾や羽化は別物です。
Commented by fanseab at 2011-06-22 22:57 x
kmkurobeさん、少しご無沙汰しました。
オオミスジはお気に入りのタテハチョウなので、飛翔にはこだわっております。ようやく狙い目の絵が描けました。欲を言えば、もう少し接近戦で迫力を出したいところなのですが・・・。
Commented by naoggio at 2011-06-23 16:51 x
fanseabさん、こんにちは。
目の方は大丈夫ですか?
クロミ、私も昨日同じことをやってしまいました。返す返すもドジでした。
オオミスジの飛翔、きれいですね。蝶と背後の青い空がまぶしいです。自分で見上げているような気になります。
ゴマダラチョウの飛翔もすごいです。300ミリの使い方、いよいよ堂に入ってきましたね。
Commented by ダンダラ at 2011-06-24 09:56 x
皆さんおっしゃっているように、オオミスジの飛翔は素晴らしいですね。
撮影レンズを拝見すると18-55を使用されているようですが、ということはこれはかなり近いところを飛んでいるのですか。
それにこのレンズ距離目盛りがないように思うのですが、そのあたりはどのように処理されています(VRタイプだけかな)
Commented by fanseab at 2011-06-24 20:06 x
naoggioさん、ご心配有難うございます。お蔭様で夜中のクロミを追跡できるまで回復しました。クロミに限らず、クズの上に止まった蝶の取り扱いは難しいですね。オオミスジ飛翔に過分なコメント恐れ入ります。逆に300mmのゴマダラはイマイチの出来です。
Commented by fanseab at 2011-06-24 20:16 x
ダンダラさん、コメント有難うございます。置きピン位置は焦点距離18mm、20mm共にレンズ前面20cm位です。ご指摘のように距離環目盛がないですが、撮影の都度ピントを時々やって確認しています。暫くこのレンズを飛翔に利用していなかったのですが、貴殿の記事を拝見して見直しをして再使用してみました。
Commented by ヘムレン at 2011-06-27 21:22 x
クロミドリの早朝活動・・・見たことはないのでなんとも言えませんが、その時間が占有行動なのでしょうか。そう書かれている文献は多いですね。早朝に交尾が目撃されたとか・・・。
昔、日野春でオオムラサキを見ていた頃、夕刻暗くなってからクヌギの樹上を飛びまわる本種(と勝手に確信していました)らしきを眺めていたものでした。なので、長い間夕刻遅くに活動するものと思っていました(^^;)
ミズイロの開翅も、素晴らしいですね(^^)。。
Commented by fanseab at 2011-06-29 21:45 x
ヘムレンさん、コメント有難うございます。
クロミ♂の活動時間帯について、図鑑では、早朝となっておりますが、ご指摘の通り、夕刻暗い時期にも活動する可能性は大いにあり得ると思います。ただ、長竿でも届かない樹冠上での卍個体を採集して確認する努力を皆さんしていないので、詳細は不明と言ったところでしょうね。
ミズイロの開翅は嬉しかったです。
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