探蝶逍遥記

岡山県のミカドアゲハ探索(5月14-15日)

 およそ一ケ月ぶりのブログ更新になります。実は5月17日に予定していた右目の手術を行いまして、その後、治療のため暫くパソコン・TVの視聴も最小限に留めておりました。また、視力の変わった右目に対応する新しい眼鏡の調製も済んでいないことから、撮影・車の運転もできず、ストレスの続く毎日です。そうは言っても梅雨時ですので、ネタにカビの生えない?うちに先月、手術直前に遠征した記事をご紹介しておきましょう。

 今シーズン、重点を置いているアゲハ狙いもLuehdorfiaPapilio属と来れば、お次はGraphiumですね。ミカドについては以前、三重県で撮影経験がありますが、あまりパッとしない出来でして、リベンジが必要と思っておりました。今回は新規開拓と言う意味で、あまりブログでも紹介されていない岡山市内を訪ねてみました。初日は現地午前11時過ぎに到着。先ず最初のポイント(Aポイント)をルッキングして回ります。オガタマノキや吸蜜源のトベラをチェックしていきますが、トベラは未だ開花しておりません。そんな訳でミカドはおろか、アオスジも飛んでいません。そのうち、デジ一をぶら下げたカメラマンに出会いました。「ミカドの撮影ですか?」といきなり管理人の目的を見抜かれたようです。この方は管理人と同じ神奈川県から来られているUさんでした。Uさんのお話によれば、「今朝ほど別のBポイントを巡ってきたが、1頭目撃した。Aポイントは恐らくまだ未発生だろう・・・」とのこと。そこで、Uさんの手配したタクシーに分乗し、Bポイントに向かいました。早速1頭が吸蜜に来たというコデマリの株に急行し、この周りで待機します。しかし、時たまアオスジが吸蜜に訪れるものの、ミカドは姿を現しません。待ち草臥れた頃やってきたのは、第1化のナガサキアゲハ♀でした。                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=400、F7.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、12時44分

 ナガサキ♀春型は初撮影なので、これはこれで嬉しかったのです。ナガサキ♀についてはその後、飛翔も撮影。
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D5K-85VR(トリミング)、ISO=400、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月14日、14時38分

 コデマリ前で待機するも、肝心のミカドは一瞬姿を現してくれましたが、吸蜜に訪れる気配もなく、また個体数も極めて少ない状況でしたので、少し場所を変えてウロチョロすることにしました。ミカドの吸蜜源としては全国的にトベラが有名ですので、このBポイントでも必死に探してみたのですけど、未だ開花していない状況。また三重県のポイントのように橘(ミカン)の花もなく、ミカドの吸蜜源となる白系の花弁はどこにあるのだろう・・・と探した結果、草地に生えているハルジョオン(ヒメジョオン?)に注目。ここで待機することに。すると、先ずはアオスジが数頭訪れてくれました。
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D90-34、ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月14日、13時26分

 撮影中に気が付きましたが、この個体、中室に過剰紋が発現する軽微なエサキ型でした。しかし、肝心のミカドは訪花せず、ガッカリして別ポイントへ。Uさんと、「まさか、ツツジには来ないようねぇ~」と話していたら、やはり来たのはモンキアゲハの♂。
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D90-34、ISO=400、F5-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、13時35分

 せめて、尾状突起は完全であって欲しかったのですが・・・(^^; 再度コデマリポイントに戻って待機するも徐々に風も強まって来ました。ここで暫くUさんと蝶談義。お話するうちに何とUさんはブログ仲間の kenkenさんの先輩に当たる方と判明。蝶屋の世界は意外な所で繋がるものですね。さて、当日所用で神奈川に帰宅されるUさんとは15時過ぎにお別れ。管理人はさらに粘るも結局、この日は坊主でした。

 そして翌日、朝からBポイントに直行です。前日の状況からどうもミカド♂は例年より発生が遅れていて♂個体数も多くて2-3頭であろう・・・と推測。多少個体数が増加することを期待したのですが、この日も全体の状況は前日と変化がないようでした。この時期、ミカドと粉らしいのが、ナミアゲハの♀。尾状突起が欠損していたりすると最悪ですね(笑)。
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D90-34、ISO=400、F10-1/800、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、13時35分

 因みにこのナミアゲハが止まっている樹木は、カラタネオガタマ(Michelia figo)。ミカドの食樹、オガタマノキ(M.compressa)と同属ですが、開花時期が少し遅く、管理人が訪れていた日は花の終わりにも関わらず、強烈な甘い芳香を漂わせていました。果たしてミカドがカラタネオガタマを食べているか?は確認できませんでした。

 さて、この日もウロチョロしながら、本命になりそうなオガタマノキ周辺で張り込みを続けていると、9時30分過ぎ、樹冠に待望の♂が登場しました。素早く探♀行動を取る♂を300mmでバシャバシャ飛翔撮影。何とか一コマゲット。
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F4.5-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、10時18分

 食樹の樹冠を飛び交う♂です。しかし途中であまりにも歩留りが悪いので85mmマクロでの飛翔に切り替えました。丁度、蝶道の軌道が低くなりつつあったので、何とか2コマゲットできました。
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D5K-85VR(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、10時36分
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D5K-85VR(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、10時36分

 ミカドはアオスジより緩慢に飛ぶ・・・ような記述が某図鑑にありましたが、どうしてどうして、Graphiumは全般に速いので苦労することに変わりはありません。飛翔撮影ポイントの脇の土手にはヒメジョオンやシロツメクサと言った白系花弁の花も多く、秘かに吸蜜を期待しておりましたが、彼らの興味は花より♀にあるようで、下に降りる気配はありません。そのうち、11時を過ぎて微妙に陽射しが変わった頃から。パタッと探♀飛翔を止めてしまいました。ランチを取った後の出直しで、前日同様、ヒメジョオンの吸蜜狙いで土手に待機。すると全く同じ時間帯にアオスジが登場。前日と異なりノーマルタイプですが、鮮度がまぁまぁなので、撮影。
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D90-34、ISO=400、F9-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月15日、13時03分

 アオスジの複眼って「萌え~」って感じですね。しかし、この日もミカドは来てくれませんでした(涙)。さらに場所を変えて夕刻でも日照が十分なポイントに移動します。ここでもミカドを見かけますが、吸蜜源がないので、厳しい状況に変わりありません。おまけにここにはエノキの大木もあって、時折探♀行動に出現するゴマダラチョウには悩まされました。ナミアゲハ同様、滑空飛翔がなければミカドと粉わらしいのです。
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月15日、16時04分

 エノキの実も写って、ゴマダラ滑空シーンとしてはお気に入りの画像になりました。結局、2日間粘ったのですが、至近距離でのミカド撮影は叶わず、証拠画像としての飛翔シーンを撮るのがやっとの有様でした。やはりUさんが指摘されていた通り、昨年より発生が遅れていて個体数が少なかったこと、および吸蜜源も不足していたことが原因のようです。訪問した1週間後の21日前後が恐らく♂発生のピークで撮影には好適だったものと思われます。まぁ、これに懲りず、機会があれば、また中国地方のミカドにもチャレンジしたいと思っております。なお、現地で色々とご教示頂いたUさん、本当にお世話になりました。またどこかで撮影をご一緒いたしましょう。
by fanseab | 2011-06-11 16:38 | | Comments(20)
Commented by nomusan at 2011-06-11 18:07 x
しばらく更新がないと思っていたら、そういう事情だったのですね。
あたりまえですが、目は大事ですものね、ご無理をなさらず、じっくりと療養なさってkぅださいませ。けど、こうして更新されたと言うことは順調に快復されておられるのでしょうね、安堵致しました。

ミカドアゲハの探索とは・・・最近あまりにも身近で見れるようになった私にとっては、結構刺激的なお話しでした~。探索、しなくっちゃぁ~。
Commented by himeoo27 at 2011-06-11 20:28
4月末~5月頭に「ミカドアゲハ」探しに私は八重山諸島に出かけてみました。飛翔する数個体を目撃しましたが、証拠画像も残せずガックリしました。何時の日か集団吸水するシーンを撮影してみたいです。
Commented by fanseab at 2011-06-11 20:44 x
nomusan、ハイ、暫く謹慎状態でありました。
で、貴殿が5/14に更新されたミカド画像を眺め
ながら、歯ぎしりをしていたのですよ(笑)
nomusanのご近所のミカドの食樹はオガタマノキでしょうか?法律で街路樹に植える木としてタイサンボクを規定したら、ミカドが増加して、それこそアオスジ並みに人気格下げになるかもしれませんね。
Commented by fanseab at 2011-06-11 20:47 x
himeooさん、ミカドの集団吸水シーン撮影は確かに憧れますよね。吸水時間帯とか、吸水に集まる条件を上手く見いだせれば楽勝かもしれません。素晴らしい画像を期待しています。全く止まる気配の無い蝶に対しては、マクロレンズで証拠画像を残す練習をされるのもいいかもしれませんね。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2011-06-11 20:50
長い間更新されていなかったので、少し心配しておりました。そうですか、目の手術をされたのですか。順調に回復されることをお祈りいたします。
Commented by 蝶山人 at 2011-06-12 05:55 x
大変ご無沙汰しています
ご自分の写真より
フィールド図鑑のノルマの方が
忙しかったと思います

ミカド飛翔の二枚目
スピード感あふれる
動きのあるアングルで
痺れました
証拠写真しか撮って無いので
いつか挑戦したいです
Commented by nomusan at 2011-06-12 08:21 x
こちらではタイサンボクもありますが、オガタマノキが主流ではないかなと思います。
これは聞いた話しですが、佐賀市では一時期オガタマノキを街路樹に植えた時期があって、それで数が増えたとか・・・。
Commented by banyan10 at 2011-06-12 18:38
目の手術、聞いただけで怖そうです。(^^;
良い季節なので撮影できるようになるといいですね。
ミカド見事です。今年は無理でしょうが、来年は何とかしたいです。
Commented by ヘムレン at 2011-06-12 20:28 x
眼・・大事にしてください。
ミカドアゲハ・・・ナイスショットです。これが撮れるということは全快ですね(^^)。。
いつかは撮りにいきたいです(^^;)。。
Commented by fanseab at 2011-06-12 21:23 x
ノゾピーさん、ご心配をおかけしたようです。お蔭様で順調に回復しており、近所での撮影は再開しております。クモツキの撮影おめでとうございます。ただ指を咥えて拝見しておりました。本当の意味で、目の保養になりました。
Commented by fanseab at 2011-06-12 21:27 x
蝶山人さん、こちらこそご無沙汰しております。北アルプスでのクモツキ撮影を堪能されたご様子で何よりです。フィールド図鑑用撮影も途中から中断しておりますが、ブログ仲間が頑張って撮影しているので、大丈夫でしょう。
ミカドはアオスジ同様、吸水や吸蜜に来るチャンスを逃すと飛翔しか撮影モードがないので大変ですね。ただ、蝶道が安定している時を狙えば置きピン位置が決めやすく、成功確率が増すように思います。是非その他の高速飛翔する蝶でもトライしてみてください。
Commented by fanseab at 2011-06-12 21:31 x
nomusan、ご丁寧な追加コメント恐れ入ります。なるほどオガタマノキを街路樹ですか?開花時期がもう少し遅いと、花の香りを市民の方も楽しめて普及するのでしょうね。恐らくクマソ幼虫が園芸栽培用ソテツの運搬に伴って拡散したように、ミカドも拡散できる可能性がありますね。
Commented by fanseab at 2011-06-12 21:36 x
BANYANさん、小生も手術前は緊張しておりましたが、麻酔のおかげで痛みをそれほど感じることなく終了いたしました。医者から無理するな・・・と言われても、この時期蝶屋が納得する訳もなく、近場のゼフを探したりしておりますが、いかんせん、眼鏡が無いので節穴(眼鏡をかけても節穴ですが・・・)状態で苦労しております。眼鏡を新調するまでの、もう少しの辛抱です。ミカドは撮影するだけなら、三重や愛知のポイントに行ったほうが確実ですが、探索心が頭をもたげまして、岡山まで様子を見に行きました。
Commented by fanseab at 2011-06-12 21:38 x
ヘムレンさん、ご心配をおかけしております。
今年は蝶の発生全般が遅めのようですが、ミカドも然りでした。ブログ仲間のkenkenさんが訪問された三重のポイントあたりは例年並みの発生だったようですが、岡山市内のポイントは明らかに昨年より1週間は遅れておりました。
Commented by 虫林 at 2011-06-13 13:59 x
fanseabさん、
目の手術をされたとのこと、これから順調に回復されることを祈念いたします。今までも素晴らしい目が、回復したらさらに見えるようになってすごいことになりますね。でも、見えすぎるのもそれはそれで困ることがあるかもしれませんね。
今回の記事を読むと、fanseabさんらしい粘り強い撮影だったみたいですね、85mmくらいは飛翔には使いやすそうに思えました。
お大事にしてください。
Commented by fanseab at 2011-06-13 22:10 x
虫林さん、暖かいコメント恐れ入ります。お蔭様で経過は順調で、もう一息で正常レベルに戻ると思います。まぁ、見え過ぎることはないでしょうね。元来の節穴はあくまで節穴ですから(笑)。。。今回はご案内頂いたUさんのご尽力で何とか証拠写真はゲットできました。今年は蝶の発生適期を読むのが難しいとつくづく思いました。飛翔撮影は元々、90mmマクロでスタートしたので、85mmにも慣れています。300mmで飛翔を撮影した直後に85mmを使うと、まるで、広角レンズのように思えますね。
Commented by naoggio at 2011-06-14 19:26 x
右目の手術、大変でしたね。心よりお見舞い申し上げます。無理をせずお大事にして下さい。更新がなかったので大遠征中かと思っておりましたが、そんなこととはまったく存じ上げませんでした。
ミカドアゲハの飛翔、素晴らしいです。こうして見るとアオスジアゲハとずいぶん雰囲気が違いますね。オナシアゲハに似て見えてしまいます。
Commented by fanseab at 2011-06-15 22:05 x
naoggioさん、コメント有難うございます。
大遠征・・・したいですけど、あとちょっとの我慢です。ミカドは見慣れないうちは本当にナミアゲハに似ています。東南アジアの名義タイプ亜種は本土産とは異なり、かなり青いですが、それでも、飛翔中は白っぽく見えます。やはり飛翔ではなく、吸蜜シーンを押えたいものです。
Commented by ダンダラ at 2011-06-17 10:12 x
目の手術ですか。それは大変でしたね。
以前から具合が悪かったのでしょうか。
精密な写真を撮影されていましたから、全くそんなことは感じませんでした。
ミカドとナミアゲハ、ゴマダラチョウ、確かに紛らわしいですね。
普段見慣れていないのでなおさらです。
Commented by fanseab at 2011-06-17 20:40 x
ダンダラさん、ご心配恐れ入ります。
以前からあまり完璧ではありませんでした。と言っても急を要する手術ではないので、本来はシーズンオフにやればよかったのですが、思い切って実施しました。カメラのピントは昔から左目で覗いているので、撮影には支障がないのです。
現地に行って、ミカドがいることを知らされずに観察すれば、間違いなく、これらの蝶のどれかと間違えると思います。
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