探蝶逍遥記

長野県北部のヒメギフ探索(5月4日~5日):その1

 1泊2日で白馬村周辺のヒメギフチョウ探索に遠征しました。自宅4時発、連休中で渋滞を心配しましたが、順調に現地7時着。駐車場から見た八方尾根の眺めです。                                                            ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D5K-85VR、ISO=200、F4-1/4000、-1.0EV、撮影月日・時刻:5月4日、7時15分

 この時点の気温は5℃。流石に寒いです。「そう言えば、昔、兎平でコブ斜面を高速ウェーデルンで滑り降りたこともあったなぁ」と暫し感慨に浸っていると、今回のガイド役、「安曇野の蝶と自然」のkmkurobeさんが登場。ご一緒に最初のポイントに移動します。ご案内頂いた場所は、豪雪で根曲りしたブナの林床をびっしりとカタクリが覆い、所々にキクザキイチゲが咲く、夢のような世界が広がっていました。
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D90-10.5-X1.4TC、ISO=200、F10-1/400、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月4日、11時10分

 現地では、既にブログ仲間の kenkenさん、また 「蝶の生態写真」のSさん、更にご両人の蝶友のFさんが奮闘されています。Sさん、Fさんと名刺交換しながら、お聞きすると個体数はかなり少ないとのこと。現地で最初にカタクリの絨毯を見た瞬間、これはもう、カタクリ吸蜜シーンも撮れたのも同然・・・と、管理人も一瞬皮算用しましたが、皆さんのコメント通り、肝心のヒメギフが殆ど飛びません。やっとこさ現れた♂を追いかけますが、いつもの通り、探♀パトロールを高速で繰り返し、静止画像すらままならない状況が続きます。現地に到着して2時間以上経過して、ようやく静止した♂を撮影できました。
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D90-34、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月4日、10時43分

 丁度、強風が吹いて閉翅状態になっています。通常の静止はベタな全開モードになるので、閉翅が撮れて嬉しい限りです。しかし、この後が続かず、1頭の♂が出現してから次の個体が出るまで20分から30分は待たねばなりません。♂のパトロール範囲は相当に広大で、それなりの時間がかかるにしても、待ち疲れ状態に。仕方なく、一旦尾根を下がってみることにします。改めてカタクリの群落を覗いてみると、至る所に食草のウスバサイシン(画面左下)が混生しています。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F7.2-1/250、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月4日、11時50分

 丁度、kenkenさんが、1頭の個体をしつこく追跡しておりました。「これ♀ですね。産卵したがってますよ~」とのご宣託。皆で追跡すると、すぐに産卵を開始したので、全員で撮影大会です。先ずは300mmで。
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D90-34、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月4日、11時00分

 ブッシュの枝が邪魔してアングルが制限される中、管理人初の産卵シーンがゲットできて大喜びでした。皆さんが一通り撮影された後で、デジ一広角でも撮影させて頂きました。
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D90-10.5-X1.4TC、ISO=400、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月4日、11時03分

 ただ、少し♀を刺激したようで、この後すぐに♀は飛び立ちました。実はこの♀、後翅表の「赤上がり」が素晴らしい個体でした。管理人は撮影できませんでしたが、kenkenさんや、kmkurobeさんのブログにいずれアップされると思うのでご覧になると良いでしょう。

 未だカタクリ吸蜜シーン撮影を果たせない管理人は、♂の蝶道脇にひたすら待機しておりました。撮影をご一緒したFさんと協力して、「そっちに行ったよ~!」と数少ない個体の出現時に連絡し合って、何とかものにしようとお互い必死です。それでも全く止まりそうにないので、300mmで飛翔にトライ。一枚だけ何とかイメージに沿った絵が撮れました。
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F4.5-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月4日、11時21分

 蝶道が見えていても、やはり300mmで狙うのは厳しいものがあります。かと言って、広角飛翔を狙って駆けずり回る体力もありませんでした(^^; お昼過ぎに持参したおにぎりでそそくさとランチを済ませ、ウロチョロしますが、パッタリと蝶影が消えました。見かけるのは越冬後のシータテハ、それにルリシジミ♂のみ。おまけに少し雲が広がってきて、やばい雰囲気に。14時過ぎになって、また陽射しが戻るとボチボチ飛び始めるようになりました。そうして我慢すること40分余り、ようやく念願のカタクリ吸蜜シーンをゲットできました。
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D90-34、ISO=400、F10-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月4日、14時47分

 今回、改めてヒメギフの♂♀判定には悩みました。前翅の翅形と胴体&腹部の体毛の多少で見分けようとトライしても、一発判定能力が管理人にはありません。↑の絵は♂と判定しましたが、どんなもんでしょうか?何はともあれ、尾状突起が完全なヒメギフのカタクリ吸蜜シーンを撮影できて、ホッと胸をなで下ろしたのでした。

 さて、kenkenさん曰く、「結構16時頃にも吸蜜が期待できることが多い・・・」とのこと。このコメントを信じて、暫くFさんと二人で待機します。期待に応えて再度登場した♂(と思われる個体)は、カタクリに吸蜜せずに葉上で日光浴しましたので、コンデジ縦広角でパチリ。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F7.2-1/200、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月4日、15時19分

 15時30分過ぎ、風向きが北風に変わり、流石にあたりもヒンヤリとしてきたので撤収しました。現地で撮影をご一緒したkenkenさん、Sさん、Fさん、楽しい蝶談義も含め大変お世話になりました。また現地のご案内および生態情報について詳しくご教示頂いたkmkurobeさんには心から御礼申し上げます。なお、2日目については、次回ご紹介することにいたしましょう。<続く>
by fanseab | 2011-05-07 14:25 | | Comments(28)
Commented by himeoo27 at 2011-05-07 16:42
皆さん苦労している中ヒメギフのカタクリ吸蜜撮影おめでとうございます。粘った甲斐ありましたね!
Commented by 虫林 at 2011-05-07 17:17 x
素晴らしい写真の数々ですね。この日だけで、交尾以外のすべてのシーンを抑えられたようで御同慶の至りです。前日、同じ場所で撮影しましたが、なかなか思うようには行きませんでした。
オメデトウございます。
Commented by kmkurobe at 2011-05-07 19:33
いやいや拝見して今更ながら小生の未熟さがオハズカシイばかりです。どれも完璧にコントロールされてますね。こりゃ飛翔を発表されるのが待ち遠しい限りです。いやいや恐れ入りました。
Commented by fanseab at 2011-05-07 22:17 x
himeooさん、今回は個体数が少ないので、本当に苦労しました。一人で撮影していたら恐らく諦めていたかもしれません。蝶撮影仲間が頑張って粘られている姿に刺激されて、小生も粘った結果、望んでいる絵を撮れました。撮影に関する執念は大事ですね。
Commented by fanseab at 2011-05-07 22:20 x
虫林さん、スレ違いのようでしたね。個体数が少なくて苦労しましたが、撮影仲間に協力して頂いたお陰で、色々なシーンが撮影できました。小生も2日間通う体力が無くて、体力養成の必要性を感じましたが、また訪問したくなる魅惑的なフィールドでした。
Commented by fanseab at 2011-05-07 22:22 x
kmkurobeさん、今回は本当にお世話になりました。膝のケアに関するお話も大変参考になりました。待てば海路の日和あり・・・の諺通り、待ち草臥れても綺麗な個体を撮影できれば、苦労が報われました。本当に有難うございました。
Commented by kenken at 2011-05-07 22:24 x
私も毎年、「翅算用」していますが、納得のいく絵は、1日に撮れても数枚が良いほうで、NULLのことも・・・(汗)
しかし、無事に吸蜜ゲットされたようで何よりでした。
この日は、午後は意外と気温がすぐに下がってしまって、遅い時間帯での吸蜜はありませんでしたね。
産卵シーンの広角、泣かせるシーンです。椿の赤のアクセントが最高です。
Commented by 霧島緑 at 2011-05-07 22:41 x
ヒメギフのカタクリ吸蜜、そして産卵シーンと素晴らしい画を見せていただきました。濃い花色のカタクリがまた良いですね。レモンイエローとパープルのコラボレーションが目に焼きついてしまいます。
おめでとうございます。
Commented by fanseab at 2011-05-07 22:41 x
kenkenさん、今回もお世話になりました。
貴殿が♀を追跡している場面を拝見して、自然に殺気を消しておられるのに感心いたしました。余裕がないとダメですね。こちら焦ってばかりいるので、ヒメギフにそっぽ向かれていたようです。ヒメギフの生態に関する貴重なお話、大変参考になりました。産卵シーン広角は、皆さんに譲って頂き、感謝しております。
Commented by fanseab at 2011-05-07 22:44 x
霧島緑さん、お蔭様でようやく蝶屋の夢でもあるカタクリ吸蜜シーンがゲットできました。産卵シーンは撮影仲間のご尽力の賜物です。丁度、カタクリは見頃でしたが、個体数が少なくて苦労しました。それにしても、ヒメギフもギフも天候に物凄く敏感であることを今回痛感いたしました。
Commented by 愛野緑 at 2011-05-07 22:55 x
カタクリの吸蜜シーンの撮影御目出度うございます。花も蝶も綺麗な状態で最高ですね。
300での飛翔もお見事です。
Commented by ヘムレン at 2011-05-07 23:19 x
二日目はいろいろお世話になりました(^^)
斜面を克服して、語法日のような素晴らしい環境ですね(^^)
こんなところでしたら、一日没頭できますね。
産卵といい、素晴らしい成果・・・ナイスです!
お疲れ様でした。
Commented by thecla at 2011-05-08 00:08 x
素晴らしい画像が並んでいてうっとりします。
ここは素晴らしい場所なのですが一日違いでさっぱりでした。チャマとの順番を逆にすれば良かったかもしれません。
Commented by cactuss at 2011-05-08 05:54
すばらしい写真を撮影されて、あの急登を登ったかいがありましたね。
前日に同じ場所に行きましたが、ほとんど撮影できませんでした。
カタクリ吸蜜写真は完璧ですね。なかなかこの様には撮れません。
環境がすばらしいので、来年も行こうと思っています。
Commented by ma23 at 2011-05-08 07:27 x
望遠縦構図のカタクリにヒメギフ、まさに私の撮ってみたい写真そのものです。最高のゴールデンウィークとなってよかったですね!おめでとうございます。
Commented by fanseab at 2011-05-08 19:44 x
愛野緑さん、コメント有難うございます。新潟ギフに続いて、お蔭様で長野ヒメギフでもカタクリ吸蜜シーンの撮影ができました。運が良かったと思います。300mmは絶望的でしたが、何とか一枚奇跡的に見れるショットがありました。
Commented by fanseab at 2011-05-08 19:46 x
ヘムレンさん、こちらこそお世話になりました。
普通は日帰りで、粘れないのですが、午後それも夕方近くまで滞在した成果がありました。皆さんの追跡能力が高いので、産卵シーンも何とかものにできました。
Commented by fanseab at 2011-05-08 19:49 x
theclaさん、近くにおりながら、夜の情報交換会に顔も出さず、失礼しました。ヒメギフもギフ同様に本当に微妙な天候差で勝敗の分かれ目になりますね。午前中と午後の気温差も影響してくるようです。今回は撮影仲間の皆さんに本当に助けられての撮影でした。
Commented by fanseab at 2011-05-08 19:51 x
cactussさん、スレ違いだったようでお会いできずに残念でした。確かに凄く体力を使うポイントで2日目もトライする気力がありませんでした。小生もできれば、広角画像にトライしたいので、次回もチャレンジするかもしれません。
Commented by fanseab at 2011-05-08 19:53 x
ma23さん、カタクリ吸蜜画像は定番となってますが、小生は未だその点初心者で、昂奮してどうしても接近し過ぎるきらいがありました。来シーズンは、少し余裕を持って撮りたいもんです。でも、目的の画像が撮れてホッとしております。
Commented by ダンダラ at 2011-05-09 12:42 x
ギフの吸蜜写真に続いて、ヒメギフのカタクリ吸蜜、それに産卵もきちんと撮影されておめでとうございます。
ファインダーの中に、カタクリで吸蜜中の姿をきっちり確認できたときの喜びはほんとに感動的ですよね。
うらやましいかぎりです。
Commented by fanseab at 2011-05-09 20:25 x
ダンダラさん、前回のギフは単独でのポイント探索での成果でしたが、今回はご案内頂いたkmkurobeさん、そして撮影をご一緒した仲間のご尽力で得られた成果です。産卵まで撮れて本当にラッキーでした。コメントされている通り、さんざん待たされた末にファインダーの中に目的の構図を得た時は感動しました。
Commented by yoda-1 at 2011-05-10 12:33
ヒメギフがここまで開翅吸蜜してくれると気持ちいいのですね。
YODAも前翅の先端の尖り具合でたぶん♂の方だろうと思います。
腹部の毛深さは個体差・経時差があって意外と難しいように、初心者ながら感じています。
いずれにしても、ギフ系は産卵も交尾も未見のYODAとしては、綺麗な画像とともにただただ羨望しております。
Commented by naoggio at 2011-05-10 21:56 x
最後の1枚、ナイスショットです。
カタクリの見事な並び具合、壮観ですねえ。
海外の方が見たらさぞ羨ましがるのではないでしょうか?
Commented by fanseab at 2011-05-10 23:47 x
yoda-1さん、ヒメギフの行動は本当にデリケートですね。カタクリ吸蜜時に貴殿が撮られたように閉翅状態で吸う場合もあるなんて、初めて知りました。♂♀判定は本当に難しいです。唯一はっきりしているのは産卵した♀だけですね(笑)
Commented by fanseab at 2011-05-10 23:48 x
naoggioさん、いつもコメント有難うございます。最後の縦広角はカタクリのびっしり感が出て小生もお気に入りです。ヒメギフがお休み前の最後の活動を上手く捉えることができました。
Commented by tsukikumo at 2011-05-30 02:11 x
お久しぶりです。ヒメギフがカタクリに来る(ヤラセでない)本物画像は初めて見ました。稀には本当にくるんですねぇ(感慨深げ)
ギフはカタクリにチョコチョコ来てもヒメギフが来るのは相当珍しいと思います。私の友人などはカタクリには絶対に来ないと言い張る御仁もいますから。
両種ともカタクリの群落があってもその近くのスミレ類で吸蜜することが圧倒的ですからね・・・・
Commented by fanseab at 2011-06-11 17:00 x
tsukikumoさん、レスが遅れ、すみません。
ヒメギフへのカタクリ吸蜜はブログ仲間の記事を参照して頂ければご理解できるように、決して稀ではありません。ただ、難しいのはカタクリの鮮度とヒメギフ(ギフもそうですが)の鮮度がマッチしないことにあります。もちろんご指摘のようにカタクリを無視してスミレに浮気する個体もいるでしょうね。どちらにしても、尾状突起が折れて絵になりがたいスミレ吸蜜に比較して、カタクリ吸蜜は絵としての面白みもあるので、この構図に蝶屋カメラマンが憧れるのも無理はないですね。
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