探蝶逍遥記

ちょっぴり寂しいスプリングエフェメラル(4月11日)

 昨年は3月下旬にミヤマセセリ飛翔を撮ろうと無理して転倒、左手を負傷し、ギフはお預けでした。今年は撮らなあかんな~と、おっとり刀で神奈川のポイントに出陣。と言っても有名ポイントではなく、その周辺で新規開拓です。しかも土日は所用で身動きが取れず、年休を取っての遠征です。 
 終日晴れの予報を期待して現地に到着するもドン曇り。時たま陽は差すものの、10分も続けば良い方。気分が萎えます。それでも涸れ沢に降りて歩くと、テングチョウが次々を飛び立ちます。次いで小さなコツバメも登場。コツバメを追いかけていると、やや飛翔の緩い、シジミを発見。スギタニルリシジミでした。岩の上での日光浴をパチリ。                                                  ++横位置画像はクリックで拡大されます++          
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D90-85VR、ISO=200、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:8時46分

 極めて敏感でとても苦労しました。吸水していると鈍感ですけど、単なる日光浴状態ではなかなか接近できませんね。それにコツバメと同等、もしくはそれ以下の小さい個体ばかりでビックリしました。この沢から程遠くないポイントではルリシジミ並みの大きさなのに、不思議です。食樹が違うんでしょうかね? コツバメもテリ張り日光浴する場所は低い岩の上で苦労しました。
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D90-85VR、ISO=200、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:8時49分

 スギタニもコツバメもスレ品が多く、縁毛逆光幻光撮影はパスしました。尾根筋を登ってギフがヒルトッピングして来そうな場所で待ちますが、日差しは弱く、暫くはミヤマセセリと遊びました。ミヤマはいずれも鮮度が良くて、満足できる個体でした。先ずは♀。
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D5K-34、ISO=200、F8-1/640、-0.3EV、撮影時刻:10時17分

 陽射しが弱いのが幸いして、長時間じっとしてくれて助かりました。続いて♂。
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D90-85VR、ISO=200、F11-1/200、-0.7EV、撮影時刻:10時36分

 ♂はそれなりに敏感でちょっぴり苦労しました。少し陽射しが強くなった時、尾根筋に跳ねるような独特な飛翔のギフが登場。しかし、あっという間に高所に飛び去ってジ・エンド。春の女神は気難しいもんです(^^; 結局、正午になって、諦めて下山。再び桜が満開状態の別の沢筋で待機します。コンクリート舗装の林道上をミヤマセセリ♂が低く飛んでいます。暫く追跡すると、路上で吸水を始めました。
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D40-24、ISO=200、F10-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:12時55分

 ミヤマの吸水画像はこれが初撮影。ここは以前、スギルリも吸水しており、恐らくコンクリートからアルカリやアルカリ土類金属イオンを吸収していたのだと思います。期待したギフは、13時過ぎに登場し、満開の桜を周回しますが、期待した吸蜜には至りません。結局、ここでも彼女に(時期的にはまだ彼にか?)振られました。丁度、アカタテハ♀がカラムシの新芽に産卵に訪れていました。
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D5K-34、ISO=400、F8-1/1000、-0.3EV、撮影時刻:13時01分

 ギフ撮影の時期、どの地域でもアカタテハの産卵場面に出会いますが、周囲の枯葉が邪魔したり、いい絵が撮れません。ここでも、カラムシの葉が邪魔して肝心の腹部を隠し、イマイチの画像になりました。♀の左下の葉上に既に産卵された2卵が確認できます。この株はとてもお気に入りのようで、後から勘定したら、合計8卵産み付けられていました。

 管理人の考えでは、この時期の春の妖精(スプリングエフェメラル)は、ギフ、コツバメ、ミヤマセセリ、スギタニルリシジミの4種です。この4種が競って早春を演出するような気がします。音楽に例えれば、弦楽四重奏(カルテット)でしょうか?演奏をリードするのは、もちろん第一バイオリン格のギフチョウ。縦横無尽に音階上を奏でるバイオリンに似て、雑木林を跳ねるように飛んでいきます。この日はダンダラ模様のバイオリン、ちと元気が良すぎて、管理人の視界からどこかに消え去ってしまいました。ヤレヤレ(^^; まぁ、しかし、残りの3種はきっちり撮影できたんで、良しとしておきましょうね。

 ギフを期待した林道の日陰にはキケマンがひっそりと咲いておりました。
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D90-85VR、ISO=200、F5.6-1/320、-0.7EV、撮影時刻:11時32分

 平地で出会う、背丈が伸びたキケマンは色気も無いですけど、崖地にこじんまりと咲いた花弁は、スプリングエフェメラルそのものでした。
by fanseab | 2011-04-13 00:52 | | Comments(10)
Commented by banyan10 at 2011-04-13 09:11
神奈川のギフ、周辺でも発生場所はあるそうですが、数が少ない上に採集者が入っているようです。
ミヤマセセリは雌雄ともに綺麗ですね。
吸水は何度か見かけていますが、最近は機会がないので広角で吸水を撮影したいです。
Commented by yoda-1 at 2011-04-13 12:55
4種の春のはかない蝶の内、3種がバッチリですね。
お怪我は完治されてのでしょうか。
YODAも歳なので、気をつけないと。
ミヤマセセリの吸水シーンが臨場感あって素晴らしいです。
Commented by himeoo27 at 2011-04-13 21:45
このアカタテハの♀は越冬個体と思われるのに綺麗ですね!
この蝶何故か春先にしか私は上手くとれないので、早めに写したいです。
Commented by naoggio at 2011-04-14 22:14 x
ギフチョウは残念でしたね。まあ新規開拓ではやむを得ませんが。でもさすがにその他の3種をしっかり撮っておられます。ことにミヤマセセリのメスは美しいです。
私も昨日ミヤマセセリ撮影しましたが、時期的に少し遅く擦れた個体が多かったです。
スギルリは食べ物で大きさが変わる可能性がありそうです。先日虫林さん、海野さんとスギルリ撮影した時、ここのスギルリは大きい、トチノキがないので多分キハダ、ミズキを食べているのだろうとおっしゃっていました。
大型の九州産亜種もキハダらしいので、キハダ > トチノキの公算が高いですが確証はありません。
Commented by kmkurobe at 2011-04-15 10:25
こちらもようやく上越付近でギフチョウが飛び始めました。なかなか地温が上がらないのとむ、残雪で北安曇の春はまだまだこれからのようです。
Commented by fanseab at 2011-04-15 21:33 x
BANYANさん、採集者に出会うのはある程度覚悟の上での出陣でした。結果、問題はパッとしない天候でしたね。この時期は仕方ないです。ミヤマセセリは開翅以外の生態画像を押さえるチャンスが少なくて、苦労します。次回、機会があれば、吸蜜シーンを狙いたいです。
Commented by fanseab at 2011-04-15 21:40 x
yoda-1さん、昨晩はお疲れ様でした。ご心配頂いた左手はもう全く問題ありません。ミヤマの吸水場面は正面から狙えたので、ストローがハッキリ撮れたのが勝因でした。どんな蝶でも、吸水し始めてから時間が経つと鈍感になって助かります。
Commented by fanseab at 2011-04-15 21:47 x
himeooさん、アカタテハはいつもジックリ狙うタテハではないですけど、敏感で苦労しますね。例の図鑑ブロジェクトでもまだ確か抜け画像があったと思います。♀は産卵中に色々撮っておくと、後から♂との翅形を区別できて便利だと思います。
Commented by fanseab at 2011-04-15 21:55 x
naoggioさん、いつもコメント頂き有難うございます。何とか3種を押さえることができました。スギタニのホスト植物は最近の研究で相当広範囲に拡がっているようです。ただ個体サイズとホストとの相関有無調査はこれからの課題ですね。スギタニ♀をきちんと写すのが個人的課題です。
Commented by fanseab at 2011-04-15 22:04 x
kmkurobeさん、ちょっとご無沙汰です。一日で2種撮りの記事拝見しました。大分季節の進行が遅いようですね。こちら何とか今シーズンはヒメギフを押えたいところです。
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