探蝶逍遥記

多摩川の春の蝶(4月2日)

 震災の被害映像を見る度に心を痛めている方も多いことでしょう。直接被害に遭われた方はもちろん、今回の震災は日本全国に深刻な影響を及ぼしています。管理人の勤務する会社でも計画停電の情報に神経を尖らせながら、当面の電力負荷調整をどうやって凌ぐか?また、この夏の電力負荷をどのように削減していくか?連日シミュレーションをやっております。4月1日付けで入社する新人連中も急拠、東京近辺での実習を回避し、関西の拠点実習に変更になって、総務・労務系の人達も右往左往しております。そんなこんなで疲れが溜まり、週末はとても遠出する気力もありません。そこで、近場の多摩川を散歩してみることにしました。

 本日のターゲットは協会の図鑑プロジェクト用としてベニシジミ春型♂♀の閉翅画像。管理人はこれまで同種の♂♀夏型開翅・閉翅、および春型♂♀開翅を提供し、残りを撮影すれば完全制覇?になるので、それなりに張り切っての出陣です。ところが、空模様は薄曇りで、蝶影は薄く、ちょっと心配になりました。10時過ぎになって、ようやく陽が差すと、最初に登場したのは、ベニシジミではなくて、モンキチョウでした。彼らは探♀をスタートする前の栄養補給のため、タンポポで一生懸命吸蜜してくれ、良い被写体になってくれました。                                                           ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-85VR、ISO=200、F13-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時37分

 ようやく、納得の行くモンキ♂吸蜜シーンが撮れて満足でした。モンキ♂の個体数は結構多くて暫く彼らと遊びましたが、そのうち♀が登場。草地を低く飛ぶ♀を追跡すると、カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の新芽に産卵開始です。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時09分

 モンキ♀産卵シーンもこれまで撮影した中ではベストショットで、素直に嬉しかったですね。午前中は汗ばむほど、気温が上がっていましたが、日差しが翳ると、モンキはパタッと活動を止めて、下草に潜り込んで静止してしまいます。まるでParnassiusのような挙動は興味深いものがあります。
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D40-10.5-X1.4TC、ISO=200、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時27分

 ♂はライバルが出現すると、しきりと追尾飛行をしておりました。
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時32分

 昨年3月にルリシジミを撮影したポイントに出向きますが、全くの坊主。ポイントの環境は昨年と全く変化がないのにどうしたことでしょう。このポイントをウロチョロしていると、モンシロチョウ♂が登場。例によって、なかなか止まる気配を見せませんが、薄曇りの天候が幸いして何とか、枯葉上で日光浴。慎重に接近しての撮影です。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:11時50分

 図鑑プロジェクト幹事役のK氏より、「今年はラストチャンスなので、モンシロ春型撮影にご協力を!」の檄文が飛んでいたので、幹事補佐役の管理人も必死の撮影でした。♂の腹部形状も分かる満足すべき絵が撮れました。この日出会ったモンシロはこの1個体。マイフィールドでモンシロは珍品なので、仕方ありません。その後、この個体はハナニラで吸蜜してくれました。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時52分

 先日の観察ではキタテハが好んで吸蜜していたハナニラですが、モンキチョウは全く見向きもしませんでした。同じシロチョウでも嗜好の差が色々あって面白いです。ドン曇り状態が改善されないので昼前に一旦撤収。自宅に戻ってランチの後、午後1時過ぎから日差しが回復したので、再び出陣です。多摩川に出る前の民家の花壇に小ぶりのモンシロが訪問しておりました。何か飛び方が異様だなぁ~と思ってよく見ると、何とツマキチョウ♂でした!!当地でツマキはモンシロ以上に珍品ですので、昂奮しての撮影。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:14時27分

 ツマキに会えて本当にラッキーでした。少し気分が高揚して多摩川に出ると、ベニシジミの数が増していました。しかし、気温が高めで予想通り、数はいるけれど、全て止まると直ぐに開翅してしまい、肝心の閉翅画像が撮れません。それでも午前中、仕方なく土手で半開翅している♂個体を斜めから仰ぎ見るような恰好で、何とか「閉翅」らしく撮影。
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D90-85VR、ISO=200、F5-1/3200、-1.0EV、撮影時刻:10時43分

 ♀も登場しますが、やはり直ぐに開翅モードで閉翅撮影のチャンスは訪れません。そこで広角でちょっと遊んでみました。
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D40-10.5-X1.4TC、ISO=200、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時13分

 最後に♂開翅を逆光で撮影。
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D90-85VR、ISO=200、F4.5-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時45分

 何とかターゲットであるベニシジミ♂閉翅を撮影。それに副産物としてモンシロ♂開翅も撮ることができました。しかし、最大の成果はやはりツマキ♂吸蜜シーンをゲットできたことでした。
by fanseab | 2011-04-03 22:05 | | Comments(16)
Commented by 6422j-nozomu2 at 2011-04-03 22:36
ツマキチョウの写真がしびれます。やはりこの時期、関東は早いですね。
Commented by fanseab at 2011-04-04 07:25 x
ノゾピーさん、ツマキの出現にはビックリしました。発生地が民家で栽培いされているアブラナ類の可能性もあります。「関東が早い…」との表現、うーん、そうなんでしょうか?
Commented by yoda-1 at 2011-04-04 12:35
モンシロ♂の撮影、お見事です。
ごく普通種なのに、接近させてくれないことが多いですよね。
春型♂のなかで、黒班のしっかりしている個体でしょうか。
Commented by naoggio at 2011-04-04 13:10 x
1枚目はご自分で納得というだけあって、「ザ、モンキチョウ」といった感じです。
4枚目の飛翔はすごいですね。いいチャンスをものにしました。蝶と人間が2対2という所も面白いですし。
ツマキチョウ、早いですね。私も早く見たいなあ・・・
最後のベニシジミも姿勢が良くてかっこいいですね。
Commented by himeoo27 at 2011-04-04 21:44
ツマキチョウ♂の吸蜜綺麗な画像ですね、まだ証拠画像しかこのチョウ写していないので何時かこのように撮影したいものです。
Commented by ma23 at 2011-04-04 21:49 x
自分もなかなか遠出できずもっぱら大和川がメインフィールドになってます。ツマキチョウ撮影おめでとうございます!やっぱりいいですね〜。
Commented by fanseab at 2011-04-04 23:54 x
yoda-1さん、モンシロは期待していなかったけど、周回飛行気味にややゆっくりとした行動を取っていた♂が上手く撮らせてくれました。モンシロは難しい被写体だと思います。確かに黒班はややはっきりした個体かもしれません。それより基部の黒さが春型の特徴なんでしょうね。
Commented by fanseab at 2011-04-04 23:56 x
naoggioさん、モンキはこの時期でないときちんと撮らない被写体なので、少し拘ってみました。朝一番の吸蜜時間帯を上手く見つけることができたように思えます。飛翔ですが、土手の散歩コースで撮影しているので、自転車とかジョガーが背景に入りやすいです。ツマキにはビックリして慌てての撮影でした。
Commented by fanseab at 2011-04-04 23:59 x
himeooさん、ツマキはあまり相性が良くないシロチョウで、撮影チャンスがありません。飛び回ってばっかりで、なかなか吸蜜しませんからね。貴殿のマイフィールドで狙えば、大丈夫だと思います。傑作を期待しております。
Commented by fanseab at 2011-04-05 00:00 x
ma23さん、貴殿の大和川にはアゲハが出現したようですが、ここはミカン畑もないので、出るとしたらキアゲハでしょうか?ツマキはやはり絵になるシロチョウだと思いました。
Commented by ダンダラ at 2011-04-05 08:35 x
モンシロは見かけるたびに気にしてみていますが、なかなか図鑑用のポーズを取ってくれませんね。
春型の写真が揃っていないというのがうなずけました。
ベニシジミもすぐ開翅するので閉翅シーンも難しいですね。
でもfanseabさんがいるから安心かな。
Commented by fanseab at 2011-04-05 23:42 x
ダンダラさん、モンシロ春型図鑑用画像ですけど、閉翅は虫林さんが、開翅はtheclaさんがそれぞれ素晴らしい画像を紹介されているので、小生は補足で撮った感じです。なかなか全開翅のポーズは撮影できませんね。ベニの閉翅はもっと難しいです。風の強い日に閉翅を撮りやすいですが、この時は前翅を畳むので、図鑑編集長の好む画像ではないようです。
Commented by chochoensis at 2011-04-06 09:50 x
fanseabさん、春の雰囲気満開の素敵な写真に見入ってしまいました、どの写真も丁寧に撮影されていて流石だな・・・と感じています。小生もこういう風にシッカリした写真を撮影したいな・・・と反省しきりです・・・。
Commented by MatsuHimeji at 2011-04-06 17:55
目の前に止まってくれたチョウを撮るのだって上手くいかないことが多いのに、閉じた翅裏との条件をつけられたりしたら・・・頭抱えてしまいそうです。
難題をクリアされたのはさすがfanseabさんですね!
念力が通じたのでしょうか。(笑)
ツマキチョウが花の蜜を吸ってる図は、春の日差しが柔らかく感じられ、前翅と後翅とが少しずれて黄色が映えて、とても愛らしいですね~♪
念ずれば通じる!、そんな意を得た写真が撮れるようになりたいでっす。
Commented by fanseab at 2011-04-06 21:47 x
chochoensisさん、過分なコメント恐れ入ります。春先に飛び回る新成虫はどんな普通種でも撮影意欲が沸きますね。ただ普通種故にきちんと撮るには気合が必要です。特にモンシロチョウは難物です。
Commented by fanseab at 2011-04-06 21:57 x
MatsuHimejiさん、念ずれば通じる…レベルにはなかなか到達しませんね。ただ閉翅画像を必死に追跡していると、彼らがどんな時に翅を閉じるのか?注意深く観察するようになります。目的の絵が撮れなくても、勉強になります。ツマキは本当に綺麗な蝶です。苔が生えたような後翅の模様はお気に入りです。
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