探蝶逍遥記

香港遠征日記(8)5月1日前半その2

 カラスアゲハを撮影した後、薄日が時々差すものの、晴間が拡がる気配もありません。前回遠征でも、このポイントでは不安定な天気に悩まされたことを思い出しました。九龍半島における脊梁山脈の北麓に位置する嘉道理農場は、天候の変化が激しいのかもしれません。仕方がないので、野鳥を撮影。最初は頬が真紅で尖った冠を持つ野鳥。ネットで調べたらコウラウン(紅羅雲:Pycnonotus jocosus)と判明。鑑賞用の個体が籠抜け(放鳥?)して日本国内でも観察記録があるみたいです。空抜け画像で顔の表情がイマイチですが、凄くインパクトのある鳥ですね。                                                        ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/2000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時37分 

 次に植え込みの花弁をついばむ小鳥。丁度、日本のメジロのようにすばしこく茂みを細かく飛びながら吸蜜していきます。ネットで検索してキバラタイヨウチョウ(Cinnyris jugularis)の雌と同定しましたが、ブログ仲間のyoda-1さんがエンビタイヨウチョウ(Aethopyga christinae)の雌と同定して頂きました。yoda-1さん、有難うございます。
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時03分
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/320、外部ストロボ、撮影時刻:12時04分
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D90-34(トリミング)、ISO=640、F9-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時05分 

 花から吸蜜するために進化したのでしょう、鋭く尖った嘴は見事なものです。でも目の表情はとても愛くるしいですね。

 昼食用にコンビニで買ったパンを齧りながら一息入れていると、ようやく日が差し始め、徐々に蝶の姿が多くなりました。急坂を降りる途中、水路脇を飛ぶ小さな黒いセセリを発見。ムモンホソバセセリ(雨季型:Astictopterus jama chinensis)の♂でした。吸蜜シーンをパチリ。
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:12時15分 

 このセセリは海外遠征初体験で嬉しい限りです。飛翔中の雰囲気はシンガポールで撮影したホシゾラセセリ(Iambrix salsala)にそっくりだと思いました。吸蜜の後は開翅日光浴。
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:12時15分 

 ♀は前翅端付近に僅かな白斑がありますが、雨季型だと縮退し、♂では完全に消失するとされています。和名の通り、茶褐色一色で全く紋がありませんので、同定は楽かもしれません。

 暫く坂を下っていくと林道の脇にのっそりと飛ぶジャノメが見えました。草影から撮影。
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D5K-85VR、ISO=320、F9-1/500、-0.7EV、撮影時刻:12時25分 

 キレバヒトツメジャノメ(Mycalesis zonata)の雨季型♀でした。このジャノメは初回香港遠征で乾季型を撮影しており、雨季型は初撮影。

ジャノメを撮影した後に今度は橙色のセセリが登場。この手のセセリはすぐに同定不可能なので、先ずは撮影することが肝要です。
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D5K-85VR、ISO=320、F9-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時28分 

 帰国してから慎重に検討した結果、タケアカセセリ:もしくはオハラネッタイアカセセリ(Telicota ohara formosana)♀と判定(間違っているかもしれません)。香港に生息するTelicota属は、ancilla, besta、colon(八重山にもいるネッタイアカ)、ohara,の4種を数えますが、♂♀も含めた同定には相当の熟練を要すると思います。フィールドでの判定は管理人には先ずお手上げですね(^^;

 嘉道理農場の急坂をようやく降り切った頃、明るい草地に褐色のタテハが舞っておりました。クロタテハモドキ(Junonia iphita iphita)。タテハモドキの仲間では一番食指が動かない種類ですが、普通種をきちんと写すことを今回遠征のミッションにしておりましたので、丁寧に撮影。
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D90-34、ISO=400、F9-1/1250、-2.0EV、撮影時刻:12時31分

 ご覧のようにこの時間帯は凄い陽光が照りだして、このタテハ裏面のディテールを表現するにはちょっと不向きのようでした。直ぐに開翅したので、これも撮影。
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D90-34、ISO=200、F9-1/125、+0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時32分 

 開いたら左前翅端に相当な欠けが・・・(^^; 「丁寧に撮影する個体はスレ品」のジンクスが付きまといます。嘉道理農場入口でA・Lさんが香港鱗翅学会のメンバーと携帯で連絡し、駆けつけたメンバーの車に同乗して次の目的地に向かいました(12時45分発)。<続く>
by fanseab | 2011-01-23 13:02 | | Comments(4)
Commented by naoggio at 2011-01-24 14:09 x
キレバヒトツメジャノメ雨期型、なんだかいい蝶ですね。キレバというのは前翅端のことを言っているのでしょうが、ヒトツメというのは?
乾期型の後翅の黒点のことを言っているのでしょうか?
こんな蝶を見ると、日本のヒメジャノメをまたじっくり撮影してみようと思ったりします。
Commented by fanseab at 2011-01-25 00:06 x
naoggioさん、コメント有難うございます。
ヒトツメ(一つ目)とは開翅した時、「前翅表の眼状紋が一つ」の意味です。同じ言い回しをすれば、国産のヒメジャノメは「フタツメジャノメ」になります。
Commented by yoda-1 at 2011-01-25 08:05
キレバの雨季型しっかり拝見しました。
YODAもこの季節にいきたくなりますね。
太陽鳥をみられたとは素晴らしいです。これは、
Aethopyga christinae, Fork-tailed Sunbird, エンビタイヨウチョウ
の♀ですね。(香港にはキバラはまずいないようです)
T.oharaは、僭越ながらYODAもそのように思います。
Telicota属が4種も普通にいて、若輩の私の場合はフィールドで判別できないだけでなく、キマダラセセリ属(Potanthus)も同じに見えます。

Commented by fanseab at 2011-01-25 23:59
yoda-1さん、野鳥の同定有難うございました。早速、本文を訂正しておきました。今後も野鳥が出るかもしれませんので、その節はよろしく!
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