探蝶逍遥記

2011年初撮り:ムラツ越冬集団観察(1月10日)

 今日10日は成人の日。長年「成人の日=1月15日」に親しんでいるので、ちょっとピンと来ませんがね。さて、ようやく今シーズンの初撮りです。昨年11月末に集団を観察した神奈川県のポイントに向かいました。この日は快晴ですが、とんでもない北風が終始吹きまくるムチャ寒い一日。現場に到着して確認すると、1号棟も2号棟も「もぬけの殻」でした。これは1号棟の状況。画面中央の葉が集団の住処でした。                                  ++横位置画像はクリックで拡大されます++                       
f0090680_22262310.jpg
D90-34、ISO=500、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時38分

 ブログ仲間の clossianaさん は、千葉の公園で本種越冬集団の消長について、地道な継続観察をされています。同氏のここ2シーズンの観察によれば、11月末に集団数のピークを迎えた後、急激に数を減らすとのこと。どうやら、管理人の観察ポイントでも同様な現象が起きたのでしょう。鳥に食われたのか?自然死したのか?あるいは集団で引っ越ししたのか?謎ですね。ただ、上記集団数のピークが減じた後、また数が増加する現象もあったり、とにかくclossianaさんのように、同じポイントであまり間隔を空けずに観察することが重要だと思います。

 寒さを忍んで折角来たのに、このまますごすご引き下がる訳には参りませんので、暫くウロチョロ探索。10時過ぎになって、これまで未探索のエリアでようやく4頭集団を発見しました。1号棟、2号棟と同じアオキの葉上でした。
f0090680_2227282.jpg
D90-34X1.4TC、ISO=500、F9-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時17分

 この集団を前回からのネーミングで3号棟としておきましょう。次に3号棟の西側5mほどの地点にあるアオキ葉上でも単独越冬個体を発見。
f0090680_2227414.jpg
D90-34X1.4TC、ISO=500、F9-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分 

 こちら4号棟はワンルームマンションでしょうか?もっとも、元々複数集団だった場所で仲間がいなくなり、結果的に単独越冬しているのかもしれませんね。このポイントは脚立を使っても良いアングルが取れないので、300mmに1.4倍テレコンをかまして接写してみました。そこそこの解像度が得られたので、夏場のゼフ開翅に応用してみたいと思います。それにしても、この日の強風には参りました。35mm換算630mmの長玉で覗いていると、画面からあっと言う間に蝶が消えてしまいます。ハイスピードシンクロで止めるのがやっとの有様でした(^^;

 300mmマクロで絵が撮れたので、お次は魚露目の出番。今回はストロボ照射にちょっと工夫をこらしました。これまで魚露目専用として、外部ストロボ1灯にディフューザーをかまして拡散光源として撮影してきましたが、どうしても照明ムラが生じて不自然な絵になっていました。そこで、外部ストロボを魚露目の脇に2灯配置し、内蔵ストロボを主光源に外部ストロボ2灯をスレーブ発光させる改善をしました。このアイデアは以前から温めていたのですが、外部ストロボを昼光スレーブさせるために、多少の改造を加えなくてならず、これまで躊躇しておりました。何とか改造が終わったので、今回、実地試験に及んだのでした。
先ずは、単独越冬個体(4号棟)の絵。
f0090680_2228086.jpg
D5K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=400、F25-1/60、-0.7EV、(内蔵ストロボ+外部ストロボ2灯スレーブ増灯)、撮影時刻:10時39分 

 まずまず目論見通りの仕上がりです。お次は3号棟。
f0090680_22281589.jpg
D5K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=400、F25-1/60、-0.7EV、(内蔵ストロボ+外部ストロボ2灯スレーブ増灯)、撮影時刻:11時01分 

 こちらは、集団が乗っている葉の両脇の葉がどうしても邪魔してなかなかいいアングルで撮れません。ストロボ照射の状況はほぼ狙い通り。4頭集団の上(葉柄側)に位置する2頭をメインに撮影するため、越冬している葉をつかんで撮影。
f0090680_22282858.jpg
D5K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=400、F25-1/60、-0.7EV、(内蔵ストロボ+外部ストロボ2灯スレーブ増灯)、撮影時刻:11時02分 

 画面左下に管理人の指先が写っています。普段、気温が高い状態だと、このように葉に触った途端、弾けるように集団が飛散してしまいますが、最高気温7℃(撮影中はもっと寒く感じました!)の条件下ではピクリともせず、助かりました。なお、一連の魚露目画像は脚立に乗った上に、腕を一杯に伸ばしてD5000のバリアングルモニターを活用してライブビューモードで画面を確認しながらの撮影でした。D5000のライブビューモードでのオートフォーカスは実用には程遠い状態のため、ここはマニュアルフォーカスで置きピンでの撮影に徹しました。それでもやはりバリアングルモニターの効果は絶大でした。

 最後に3,4号棟の全景をご紹介しておきましょう。
f0090680_22432577.jpg
D5K-1855VR@18mm、ISO=400、F3.8-1/200、-0.7EV、撮影時刻:11時07分

f0090680_2229190.jpg
D5K-1855VR@18mm、ISO=400、F4-1/200、-0.7EV、撮影時刻:11時08分

 共に黄色い円で囲った中心に越冬個体がいます。それにしても、寒い撮影行になりました。帰りしな、高速パーキングエリアで食したラーメンが本当に美味しく、体が温まりました!これから先、時々この集団の消長を確認しに行こうと思っております。
by fanseab | 2011-01-10 22:35 | | Comments(10)
Commented by yoda-1 at 2011-01-11 12:18
本当に10日は風の強い日でしたね。
熱心な観察姿勢に、身が引き締まる感じがします。
魚露目画像も楽しいです。
Commented by MatsuHimeji at 2011-01-11 17:15
厳しい寒さの中、執念の探索と撮影には只々圧倒される思いです。
魚露目だと、こんな感じまで寄れるんですね~(◎-◎;)!!
こんなチャンスにも機材にも恵まれませんが、もしも撮れたらガッツポーズがでそうです。(^^)
探索は、道から双眼鏡あるいはフィールドスコープで目星を付けてから脚立の出番になるのでしょうか?
Commented by fanseab at 2011-01-11 23:02 x
yoda-1さん、結構着込んで行ったのと、テクテク探索歩行している時は寒さを感じませんでしたが、集団を探し当てて、じっくり撮影中に次第次第に体が冷え切ってしまいました。防寒対策を馬鹿にしてはいけませんね。
Commented by fanseab at 2011-01-11 23:07 x
MatsuHimejiさん、そちら播磨も結構寒風が吹きますが、こちらも寒かったです。撮影中はただただ「ラーメンをすすりたい」と念じておりました(爆)魚露目で撮っていると、風でムラツとレンズがよくぶつかるんですが、この日はレンズと当たっても動く元気がないほど、蝶も寒さに堪えていたようです。
集団探索は基本は肉眼です。双眼鏡を使うような高所は最初から探索エリアから外しています。たとえ発見したとしても、満足いく画像が撮れませんから。それと意外と高さ2m位の場所で集中して見つかります。脚立はあると便利ですが、どういうわけか集団越冬しているポイントは脚立が不安定な場所が多くて悩みます。
Commented by ダンダラ at 2011-01-13 18:07 x
最後の2枚、環境が良くわかりますが、こんな中から越冬状態のムラツを捜し出すのは至難の業ですね。
ギョロメの写真、久しぶりに見ましたが、ほんとにこの組み合わせはシャープですね。
Commented by fanseab at 2011-01-13 22:52 x
ダンダラさん、こんばんは。このところ、集団探索はアオキ一種に絞って探しています。それと、Matsuhimejiさんに対するコメントでも書きましたが、高さ2m付近を集中して探すことにしています。今年は秋口のムラツ個体数が例年より多かったせいもあって、発見確率が比較的高いのかもしれませんね。
魚露目はどうも光軸が不安定で、まだまだ改良が必要です。シャープネスをかなりかけて誤魔化しているんで、マスターレンズとの相性はもう少し上手い組み合わせがあると睨んでいます。
Commented by himeoo27 at 2011-01-15 08:09
ムラサキシジミの場合常緑広葉樹に引っかかった枯れ葉にまぎれて越冬しているのでそのような場所を探して何とか見つけることが出来ましたが、この場所のムラサキツバメは常緑広葉樹に直接のって冬を越しているようで見つけにくそうですね!
Commented by fanseab at 2011-01-15 21:30 x
himeooさん、ご指摘の通り、沢山の常緑樹をウオッチングしていかねばならないので、結構大変です。ただ同じ常緑樹でもカシ類と異なり、アオキの葉で妙に枯れている葉は少ないので、見つけやすいかなと思っております。
Commented by clossiana at 2011-01-16 12:47
未だここ2〜3回の観察分につきましてはアップしていませんが千葉の方も、小さな2集団を残して殆どの集団は行方不明となってしまいました。やはり越冬するのは大変に厳しいことのようです。fanseabさんの観察地では殆ど全ての集団がアオキの葉上に見られることが特徴のようですね。その点、千葉では公園内にアオキが少ないからなのかアオキでは一度も集団を確認したことはありません。所変われば。。ですね。
Commented by fanseab at 2011-01-16 21:10 x
clossianaさん、うーん、千葉も減少しましたか?ここの所の寒さは人間でも厳しいですからね。アオキの件、アオキ以外はあまり真剣に観察していないこともありますが、確かに観察地は温暖で、傾斜地にアオキ、ヤツデが相当な密度で繁茂しているので、越冬場所としては好都合だと思います。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード