探蝶逍遥記

香港遠征日記(4)4月30日後半その2

 11時過ぎからのピーカン天気と想像以上にハードに歩いたため、途中からバテ気味の管理人です。先に行くJ・Yさんは軽快に歩いて、既に視界から消えました(^^; 何とか途中で追いついて、ハァハァ息をついて休んでいると、「ホラ、見てご覧!」と言って、J・Yさんが指さしたのは、トガリワモン(Dischophora sondaica tulliana)の2齢幼虫集団。

 毛虫画像がお嫌いな方はページを直ぐに飛ばしてくださいネ!

                                                                     ++横位置画像はクリックで拡大されます++                          
f0090680_104320.jpg
GX100@5.1mm、ISO=100、F4.1-1/160、-0.3EV、撮影時刻:10時41分

 トガリワモン成虫は北タイ ・ボルネオで観察しておりますが、幼虫は初めて。と言うか、生活史に通じていなければ、葉裏を捲って直ぐに発見出来る訳がありません。流石J・Yさんだと脱帽です。ワモン類はどうやら卵塊で産み付け、若齢時に群居する性質があるようです。この後、笹類の葉を捲っては、「これはXXセセリの幼虫・・・」と矢継ぎ早に説明されるので、メモを取る暇もありませんでした(^^; 

 暫く歩くと渓流沿いの美味しそうな雰囲気のポイントに差しかかりました。
f0090680_1044127.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80、F9.1-1/30、-0.7EV、撮影時刻:11時05分

 画面の人物がJ・Yさんです。「ここはゴマフフタオチョウ(Polyura nepenthes nepenthes)のポイントなんだよ!」と指さしてくれました。「おぉ!」急にアドレナリン全開になるも、持参したエビ&パイナップルトラップは既に使い果たしていて、渓流の岩場に置くことができず、歯ぎしりしました。暫くここで粘ったものの、フタオの姿は現れずガッカリでした。

 更に歩くと、「ここはロヒタキマダラルリツバメ[Spindasis(Cigaritis) lohita formosana]のポイントだよ」とのご宣託。何てことのない草原の真ん中なんですがねぇ・・・。
f0090680_1045917.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80、F9.1-1/200、-0.7EV、撮影時刻:11時39分

 しかし、予言は正しかったのです。ここで休憩がてら小一時間ほど粘っていると、「あ、来た来た!」と言われた指先に、小さな黒い影が青空を横切りました。そのうち、上の画像真ん中あたりのセンダングサの群落で吸蜜を開始しました!
f0090680_1051560.jpg
D5K-85VR、ISO=200、F9-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時36分

 この絵ではもう吸蜜を止めていますね。ブログ仲間の kenkenさん は常々、「キマルリは4本の尾状突起全てを表現し、かつ各々の突起先端にある白班を描写しなければ画竜点睛を欠く」とコメントされています。管理人もこれを意識して風にたなびく4本の尾状突起が上に揃うタイミングまでジッと待っての撮影でした。ただ、やや飛び古した個体のため、1本の先端の白斑が欠損しているようで、ちょっと残念でした。

 この後、管理人の体力は限界に近くなり、J・Yさんに断って大休止をしました。暫くして山裾から戻ってこられた同氏は「クロボシツバメ(別名マクラータタカネフタオシジミ:Tajuria maculata)がいたよ!」と羨ましいお話。しかし、ここは諦めるしかありません。この時ばかりは、自分の体力の無さを嘆いたのでした。

 さて、これまで来た道を戻りつつ渓流の小橋を渡る時、やや大き目のシロチョウが沼地を飛んでいるのを目撃。そのうち沼地に生えた大きな葉裏に止まりました。何と撮影したかった、タイリクトガリキチョウ(Dercas verhuelli verhuelli)でした! 沼地で300mmでもいい絵が撮れず悩んでいる管理人を見かねて、長靴を履いたJ・Yさんが「私が撮ってあげるよ!」と親切に沼地に入って撮影して頂きました。
f0090680_1054123.jpg
D5K-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時04分

 銀塩一眼時代からの豊富な撮影キャリアを誇る同氏だけあって、ツボを捉えた絵は流石です。トガリキチョウには前翅先端が黒くなるタイプと黄色の地色のままの2タイプあって、撮影した個体は普通に見られる黒化型。この絵のように葉裏に隠れた個体を逆光で観察すると風景に紛れてその気配を見事に隠しています。これも巧みな擬態かもしれません。

 トガリキチョウを撮って、少し元気になった管理人に対し、J・Yさんが次々に撮影種を発見して頂きました。センダングサに来たクヤニヤシジミ(Sinthusa chandrana grotei)♀を撮影。
f0090680_1055932.jpg
D5K-85VR、ISO=200、F9-1/800、-0.3EV、撮影時刻:13時08分

 ほぼ完品ですね。反対側に回り込み、順光でも撮影しようとしたら、逃げられました。まぁ、今回遠征で撮影した中では珍品の部類でしょう。シジミ画像にまた新たなコレクションができて大変嬉しかったのです。この種は春先に多く、♂の活動は早朝と夕方で、♀とは活動パターンが異なるとのこと。午後の部はまだまだ続きます。<次回に続く>
by fanseab | 2011-01-03 10:09 | | Comments(8)
Commented by himeoo27 at 2011-01-03 20:51
「ロヒタキマダラルリツバメ」とっても可愛いですね!
この寒い時期には、華やかな南方の蝶に癒されます。
Commented by fanseab at 2011-01-03 23:27 x
himeooさん、キマルリの複眼にある「偽瞳孔」はドスが効いた感じがあって、小生は可愛いという印象よりも、チョイ悪おじさん風の雰囲気があると思っています。このシジミを撮影している時は、確かに5月とは思えない、強烈な陽光でした。寒さとは別次元の世界でしたね。
Commented by kmkurobe at 2011-01-06 10:16
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
トガリキチョウの習性、ヤマキ、スジボソヤマキとそっくりなのでびっくりしました。
Commented by fanseab at 2011-01-07 00:08 x
kmkurobeさん、あけましておめでとうございます。こちらこそ、今年もよろしくお願いします。そうですか?ヤマキもそんな挙動を示すのですね。この夏、ヤマキ類をもう少し詳しく観察してみたいと思います。
Commented by yoda-1 at 2011-01-07 18:18
香港でもロヒタは目撃しただけで、この12月末の台湾でも全く観察きなかったので、4本の尾は眩しい感じです。
やはり現地の仲間との探蝶は高率がいいですね。
fanseabさんで体力負けするのであれば、YODAはもう序の口で待ってもらう感じでしょう。
Commented by kenken at 2011-01-07 20:55 x
亀レスにて失礼します。正月明け、この記事やふ○み○さんのHPを拝見して、私も正月明け2本目の記事にキマリンを書いてみたのでした。
クリックしてみると、「画竜点睛」記事に直リンクなんですね、有り難うございます!
ロヒタは顔の割には、黒帯がストレートで不思議な良さがあります。センダングサの画像、そう、風で尾突が流れるのは撮り易くて嬉しいのですが、なかなか4本が真っ直ぐに流れないし、撮影は苦心しますよね。次の機会には、是非、画竜点睛と叫べますように!
Commented by fanseab at 2011-01-08 21:14 x
yoda-1さん、ロヒタもシャマも香港では数は多くないけど、結構いろんな所に分布している感じがしますね。ご指摘の通り、香港、シンガポールの遠征では現地の蝶撮影仲間との行動で本当に助けられています。普段、国内では一日中、撮影に励むことはしないで、14時頃には撤収しますが、昼寝せずにぶっ通しで撮影しているので、バテることが多いのです。
Commented by fanseab at 2011-01-08 21:17 x
kenkenさん、お呼び立てしたみたいですみません。この絵の撮影では、結構粘っていたんですが、4本の方向が揃う前に飛ばれてしまいました。鮮度は↓の賀状で使用した個体(撮影ポイントは異なります)が優れていますので、4白はこちらが標準と思ってください。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード