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探蝶逍遥記

香港遠征日記(2)4月30日前半

 翌朝5時30分起床。ホテルの部屋のカーテンを開けると外はドン曇り。や~な感じです。
とりあえず外に出て腹ごしらえ。本日の朝食はお粥屋。熱いお粥でお腹を温めます。            ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GX100、撮影時刻:6時00分

 向かって右側がお粥(12 HK$=138円)。茶色の塊は豚の血をゼリー状に固めたもの(豚紅と表記します)。ちょっと気色悪いですが、それほど生臭い感じはしません。左側は管理人お気に入りの腸粉(8HK$=92円)。ワンタンの皮を細長く巻いて茹でたもの。丁度、腸のように細長いことが名前の由来でしょう。少し甘めの醤油ダレがかかっていて、これが旨いのです。

 さて、このあと、徒歩でKCR鉄道・旺角駅へ向かいます。7時10分乗車で目的の大埔墟駅には7時30分着。本日の撮影ポイントはこの駅からアクセスする鳳園です。鳳園は前回香港遠征で香港蝶類学会の会長さんに案内して頂いたポイントで、NPOと第三セクター的機関がコラボして蝶保全公園として市民に開放されている場所です。今回の遠征期間は実質2泊3日で期間が短いことから、遠征の主目的をキシタアゲハの撮影および普通種を丁寧に撮影することに置いたのです。その点で、あまり冒険ができないので、確実に撮影ができる当地を選んだのでした。大埔墟からはバスに乗り換えます。数系統のバスが走っていますが、この日は275系統に乗りました。
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GX100、撮影時刻:7時44分

 最寄りの停留所は「鳳園路」ですが、少し乗り過ごして「下坑」で下車。ここから徒歩1.5kmで鳳園に到着。ウロチョロ歩きながら、最初にエノキ上にアカボシゴマダラの終齢幼虫を発見。
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GX100@5.1mm、ISO=100、F5.1-1/100、-0.7EV、撮影時刻:8時40分

 国外で、と言うか、この幼虫を原産地で観察したのはこれが初めてでした。林縁ではホシシジミタテハ(Zemeros flegyas)が既に活発に活動を開始しています。そのうち、褐色のヒカゲがのっそりと登場。ピカピカのルリモンジャノメ(Elymnias hypermnestra hainana)♀でした。ルリモンは相当に敏感なジャノメですが、この子は比較的フレンドリーで、300mmの視野一杯に撮影させてくれました。
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D90-34、ISO=500、F8-1/500、-0.7EV、撮影時刻:9時00分

 管理人にとって♀は初撮影。喜びもひとしおでした。ついでに何とか、縦広角も撮影することができました。
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GX100@5.1mm、ISO=800、F5.1-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時08分

 9時を過ぎて徐々に登場する蝶も増加してきます。ミネウスコジャノメ(Mycalesis mineus mineus )♂の開翅を撮影。
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.7EV、撮影時刻:9時08分

 もう少し全開気味に開いてくれればよかったのですが・・・。この後、この公園で最も蝶見に優れたお花畑ポイントへ移動。フワフワと舞うリュウキュウアサギマダラ(Ideopsis similis similis)を丁寧に撮影しました。
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D90-34、ISO=400、F6.3-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時28分

 いつでも撮影できそうな本種ですけど、今回ほど拘って撮影したのはこれが初めてでした。アングルに拘って撮影すると意外と没画像ばっかりで、結構難しいものですね。難しいと言えば、シロスソビキアゲハ(Lamproptera curius walkeri)の吸蜜も難題です。ホウジャクみたいにホバリングしながら短時間の吸蜜を繰り返す本種は、その長い尾と複眼までの全貌をフォーカスする難しさに加えて、ホバリングの翅を止めて写す技術が要求されます。ここは敢えて絞り解放で雰囲気描写に徹しました。
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D5K-85VR、ISO=200、F3.8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時51分

 これまでの遠征で見向きもしなかったタイワンモンシロチョウ(Artogeia canidia canidia)♀もそれなりに丁寧に撮影。
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D90-34、ISO=400、F8-1/2500、-2.0EV、撮影時刻:10時11分

 ただ、真面目に撮影しようとすると、対象個体がスレていることが多いです(^^; この個体もちょっとくたびれていますね。タイワンモンシロを撮影した直ぐ傍に黄色いミスジを発見。キンミスジ(Pantoporia hordonia hordonia)でした。
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D5K-85VR、ISO=200、F3.8-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:10時13分

 このミスジを香港で撮影するのはこれが初めて。遠くから見てキミスジ(Symbrenthia liaea lunica)として見逃していた個体も多かったのかもしれません。もうちょっと絞り込めばよかったかな?次回は午後の部を中心にご紹介しましょう。<続く>
by fanseab | 2010-12-19 11:03 | | Comments(8)
Commented by himeoo27 at 2010-12-19 21:23
一見しただけでは蝶とは思えない「シロスソビキアゲハ」は面白い形状ですね!東南アジアや南米の蝶は奇抜で驚かされる種が多いので楽しく拝見いたしました。
Commented by yoda-1 at 2010-12-20 01:32
鳳園へはバスでも行けるのですね。(せっかちなYODAは往復タクシーでした。)
ルリモンジャノメが大きくてうらやましいです。この蝶は敏感に逃げますよね。
キミスジでないキンミスジも未見種だけに、感動ものです。筋が金色だなんて早く実物見たくて仕方ありません。
Commented by fanseab at 2010-12-20 07:17 x
himeooさん、シロスソビキアゲハの形は凄いでしょ?飛んでいる最中は、最初は恐らく蝶と認識できないと思います。
Commented by fanseab at 2010-12-20 07:27 x
yoda-1さん、香港の蝶観察ポイントは殆どMTRとバスを使えば辿り着けます。疲れた帰りは確かにタクシーが便利ですね。ルリモンは以前から接近戦で撮影したかった相手なので、撮影できてホッとしました。キンミスジはもっと南方では沢山いますので、撮影機会は多いですよ。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2010-12-21 21:40
以前にもコメントしたかと思いますが、香港の蝶、種類も多く意外でした。スソビキアゲハにやはり目がいきます。結構小さい種類ですよね。飛んでいる姿は蜂?
Commented by fanseab at 2010-12-22 07:21 x
ノゾピーさん、コメント有難うございます。香港ではおよそ250種程確認されていますが、遠征するシーズンで見られる蝶が異なっているのが面白いです。国内の飛行場からポイントまでのロスタイムを考慮すると、八重山あたりに行くよりは効率的に南の蝶が撮影できて便利です。シロスソビキはご指摘の通り、初見ではまさに蜂に見えます。強いて言えばオオスカシバに近いですが、地色が黒で目立たないため、感覚的には黒い蜂か蜻蛉のように思えるのです。
Commented by cactuss at 2010-12-22 22:57
香港はいろいろな蝶がいて、面白そうですね。
観光地なので飛行機の便数も多いし、近くに撮影地が多そうなので、行ってみたい所です。スソビキアゲハは一度、見てみたい蝶です。
Commented by fanseab at 2010-12-22 23:08 x
cactussさん、香港遠征の楽しみは蝶撮影のみならず、食べ物が豊富で、ご家族連れでも楽しめる点です。また北方と南方の蝶が微妙に交わっているのが特徴で、アカタテハとミツオシジミがほぼ同所で観察できるポイントは南アジアでどこにでもあるものではありません。スソビキアゲハは見る価値がありますよ!
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