探蝶逍遥記

ムラサキツバメの越冬集団探索(11月21日)

 毎年、この時期になると首題集団の探索に出かけています。例年ですと、有名な千葉の公園か、湘南地域の一角に繰り出すのですが、今シーズンは新規ポイントの開拓を目指して、神奈川県南部を彷徨ってみました。

 現地7時40分着。期待とは裏腹にどうも天気が芳しくなく、北風が結構肌寒い位。これまで見聞きした千葉での集団が形成される地形や樹相の特徴を応用しながら、常緑樹を見て回ります。ここは彼らが越冬によく利用するアオキやヤツデが豊富にあるので、候補樹には事欠きません。1時間ほど丹念に探していると、車道脇にあるアオキの葉に違和感を覚えました。近寄ってみると・・・、「ヤッター!」探し求めていたムラツ集団でした。                                                           ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-24、ISO=200、F9-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時54分

 実は管理人、自力単独で彼らの集団を発見したのはこれが初めて。こんなに嬉しいことはありません。横倒しになっている個体もいて見難いけれど、全8個体の集団でした。このポイントの全体像を示したのがこちら。
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D90-24、ISO=400、F9-1/60、-0.7EV、撮影時刻:9時12分

 黄色い円で囲った中心に集団があります。ほぼ南向きで、画面の上方が傾斜地になっていて、冷たい北風は完全に遮断されています。また東西からの風もシャットダウンされる地形に位置します。地上高は約160cm。地面にほぼ平行に迫り出した葉に固まっていて、その葉の上には雨除けの庇ならぬ葉がちゃんとあります。ここら辺の選び方はどの地域でもほぼ法則性があると思います。「雨除けの庇」がある関係上、接近戦で撮影する時、いつもストロボのデュフュージングに苦労します。デュフューザーが「庇」に触れて揺れてしまったり、庇にストロボ照射光が遮られて影ができたり、悩ましい限りです。ここは仕方がないので、脚立に乗り、300mmでストロボ光を葉面に平行照射することで、庇の影が出ない工夫をしてみました。
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D90-34、ISO=500、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時12分

 集団は寝そべっている個体と立っている個体が混在していて、ピントを全ての個体に合わせるのにまた一苦労(^^; 次回は魚露目でその辺の問題点を解消した絵を撮る予定です。

 さて、先ずは集団を発見できたので、欲張って次の鉱脈?狙いで暫くウロチョロ歩き回りました。南向きの風衝地帯に該当する地形は意外と少ないもので、ムラツの影はありません。ようやくアオキに潜む単独個体を発見。たぶん♂でしょう。
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D90-24、ISO=400、F9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時57分

 前翅は後翅に折りたたまれているけど、触覚は立っていて、それなりに活発なサインを示しています。案の定、もう少し個体に接近した絵を撮ろうとしたら、飛ばれてしまいました。少しガッカリしながら、更に探索を続けます。結局、第二集団を見つけることが叶わず、第一集団の付近に戻ってきました。仕方なくその周辺を探索すると、なんと第一集団の僅か10mほど西側のアオキ葉上に7頭からなる第二集団を発見することができました。
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D90-24、ISO=500、F10-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時47分

 こちらは第一集団よりやや奥まった位置にあり、しかも傾斜地なので、脚立が安定せず、撮影には一苦労。300mmで狙うも、どうもいいアングルが取れません。
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D90-34、ISO=640、F10-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時17分

 まだ赤く色づいていないアオキの実を背景に縦広角でも撮影。
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D90-24、ISO=500、F6.3-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時51分

 このアングルも極めて苦しい撮影ポジションなので、久しぶりにライブビュー機能を用いて撮影アングルを確保できました。

 半日ウロチョロ回って調べてみると、やはりムラツが集団を形成するポイントは「なるほど」と思わせる地形でした。できれば未だ観察したことのないヤツデ葉上集団を撮りたいので、もうちょっとこの地域を調べてみるつもりです。
by fanseab | 2010-11-23 21:01 | | Comments(16)
Commented by thecla at 2010-11-23 23:12 x
ムラツの越冬ポイント発見おめでとうございます。
自力で地形等から探し出すというのが凄いですね。私はまだ完全自力では見つけられていません。
Commented by fanseab at 2010-11-24 07:12 x
theclaさん、コメント有難うございます。何とか自力で発見できました。今度は近くの例の公園で探してみたいと思います。
Commented by clossiana at 2010-11-24 07:34
私の方は相変わらず、いつもの公園で観察しています。越冬集団が形成される場所の条件については従来、云われているものの他にも、もっと決定的なものがあるのではないか、それは何だろうと試行錯誤しています。そのうちアップしますので是非、反論をお願いします。
Commented by yoda-1 at 2010-11-24 12:19
自力での発見おめでとうございます。
同じ越冬する蝶のウラギンシジミがこのような集団を形成することはないように思うので、なんとも興味深い習性ですよね。
08年の「千葉公園」の画像も素晴らしいです。
今年もオフ会があったら、是非参加させて欲しいYODAです。
Commented by banyan10 at 2010-11-24 13:44
自力での発見はさすがですね。
落葉樹だと絵的には面白いですが、アオキなどの葉だと観察の継続としては適していますね。
僕も家の周辺で見つけたいのですが、成果なしが続いています。
Commented by furu at 2010-11-24 21:36 x
見当をつけた場所で実際に見つかると嬉しいですね。
南房総で見つけた事がありますが、江戸城周辺や姫路市では連敗続きです。高尾周辺では単独個体発見も至難の業です。
Commented by fanseab at 2010-11-25 07:19 x
clossianaさん、貴殿の継続的観察のご努力に敬服しております。小生には恐多くも未だ「反論材料」なんてありません。ただ同じ越冬樹・同じ条件(庇の有無等)下で、何故特定の葉が選ばれるのかは全く検討が付かないのです。是非ご意見開陳を願います。
Commented by fanseab at 2010-11-25 07:29 x
yoda-1さん、コメント有難うございます。ポイントの自力発見こそ、蝶探索の最大の醍醐味だと思っています。謎解きの楽しさとも言えましょうか?おっしゃるように、ウラギンが何故集団越冬をしないのか?も難解なテーマです。ウラギンが葉裏にぶら下がる越冬態勢と関係ありそうですけど……。2008年の千葉の観察は過去最大級の集団が観察されました。またあのレベルをいつか見たいと思ってます。
Commented by fanseab at 2010-11-25 07:36 x
BANYANさん、お陰様で自力発見できました。この種の集団探索苦節5年(笑)、ようやく念願叶いました。まるで宝くじの当選確率みたいですね。近所の公園にもtheclaさんがあると睨んだポイントがありそうで、こちらはtheclaさんに期待大です。
Commented by fanseab at 2010-11-25 07:47 x
furuさん、やっと念願が叶いました。小生も関西在住時代に、冬場に大阪府南部・兵庫県沿岸部を結構しつこく探索しましたが、全敗でした。今から振り返って見ると、越冬樹をマテバシイに絞り過ぎたことが敗因だと思っています。探索越冬樹の対象範囲を拡大することで、多少発見確率が上ったと思っています。
Commented by himeoo27 at 2010-11-25 21:04
24日、ムラツの羽化個体探しと併せて集団越冬場所を探してみました。私の方は、完敗でした。
北風で防げて、南向き、常緑樹ですか!諸先輩が開拓した場所を研究して、再チャレンジしてみようかな?
Commented by fanseab at 2010-11-26 07:49 x
himeooさん、ムラツはマテバシイで育ちますが、越冬ポイントでの越冬木は必ずしも食樹ではなく、マテバシイ群落からかなり離れた公園とかに集結することが多いです。通常、町中の街路樹で探索するのは得策でなく、池のある公園そばの常緑樹とかが探索の対象として適しています。気長に探してみて下さい。案外、身近な場所にいるかもしれませんよ!
Commented by ダンダラ at 2010-11-29 09:54 x
出遅れましたが、ムラツの集団越冬場所発見はすばらしいですね。
こちらではまず無理で、遠征が必要なのでついつい見るのが確実な同じ場所に行ってしまいます。
冬の時期にこういったフィールドを持ているといいですよね。
Commented by fanseab at 2010-11-29 23:15 x
ダンダラさん、拙宅からだと千葉のポイントは結構遠いので、何とか比較的近いポイントを探索して、うまい具合に発見できました。clossianaさんが色々と仮説を出されていますが、彼らの望む越冬環境はそれなりに理屈が立つ場所が多いように思います。もちろん例外はありますが。
Commented by maeda at 2010-12-02 17:11 x
撮影しやすそうな低い場所ですね。
これなら慎重に撮ればいい絵が出来そうです。
南から帰ったら真冬になり、日本は縦に長いと実感しました。
Commented by fanseab at 2010-12-02 22:58 x
maedaさん、確かに第一集団は比較的低い位置にあります。ただ、足元は傾斜していて脚立を水平に立てられないため、結構不安定で苦労しております。八重山からいきなり雪景色。極端な光景でしたでしょうね。
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