探蝶逍遥記

キベリにリベンジ(8月29日)

 この18日に八ヶ岳山麓で管理人は初めてキベリタテハを撮影することができました。しかし、出来栄えは到底満足できるものではなく、鮮度が落ちないうちにリベンジをするため、長野県のとある渓流沿いに足を運びました。ここは以前から1/25000地図で「美味しそう」だと狙いをつけていたポイント。7時35分に現地到着。渓流の傍らで出現を待ちました。8時30分過ぎ、待望の個体が現れました。管理人の回りを警戒しながら飛翔し、シラカンバの葉上に止まりました。                                                     ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=200、F9-400、-0.7EV、撮影時刻:8時35分

 実はこの後、撮影したキベリ画像は全て岩石上に止まっているシーンなので、このような緑をバックにした絵は大変貴重なものだと気が付きました。最初は2個体がチラホラ飛ぶ程度でしたが、次第に個体数が増えて、警戒心の少ない個体を選んで撮影できるようになりました。♂の吸水閉翅画像です。
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D5K-VR85、ISO=200、F11-320、-0.3EV、撮影時刻:9時43分

 前回、露出に失敗したので、今回は裏面の色再現性に注意して仕上げてみました。仕上がりには満足しております。続いて問題の♂開翅。
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D5K-VR85、ISO=200、F13-200、-0.7EV、撮影時刻:10時27分

 少し曇りがちになって、ようやく全開モードでの撮影でした。CMOSセンサーの飽和度を少しいじってラティチュードを拡げ、RAW現像でも比較的コントラストを弱めにする等、現時点での現像スキルを全て使って仕上げてみました。それでも小豆色の部分は、肉眼で観察している時は一様なベルベット状に見えるのですけど、撮影してみると、結構シャドウ部が潰れており、濃淡があるようです。この辺は、光線の当たる角度で濃淡を一様にできるのかもしれません。とにかく、前回の消化不良画像から何とかキベリらしい絵に前進できたと思っております。開翅画像が撮れたので、今度は広角にチャレンジ。最初はコンデジでの逆光横広角。
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GX100@5.1mm、ISO=80、F9.1-250、-1.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時52分

 少し露出設定をアンダーにしすぎたようですが、ここまでキべリに接近できて満足です。お次はデジ一での縦広角。
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D40-24、ISO=200、F13-200、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時15分

 渓流沿いに生息する雰囲気は出せたと思います。キべリの裏面はほぼ一様な黒色です。それを強調するように、敢えてモノトーンで斜め正面から逆光で狙ってみました。
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D90-34、ISO=200、F9-500、-0.7EV、撮影時刻:10時34分

 こうして見ると、キベリのストローは随分と太いですね。脚の太さを比較して頂けると、その太さが実感できると思います。また、キベリは花崗岩での吸水場面を多く観察できました。花崗岩は石英(SiO2)、長石(Na、K、Al、Siからなる酸化物)、黒雲母(Mg、Fe、Siからなる酸化物)から構成されています。管理人の推測では、花崗岩の表面が空気中の炭酸ガスで炭酸塩に変化し、上記成分の長石よりNa/Kの複合炭酸塩が花崗岩表面に形成され、この塩分を彼らが好んで吸水しているのだと思っています。周囲には結構暗色系の岩石があるのですけど、相当な確率で花崗岩から吸水していたように思います。また、明るい花崗岩での吸水は、暗めの色調のキベリ表翅を表現するのに大変難易度を上げているなぁ~としみじみ思いました。

 最後は飛翔です。最初は管理人の愛用するリュックの汗に引き寄せられた個体で、何とか小豆色の表翅を写しこめました。
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D40-24(トリミング)、ISO=400、F6.3-2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時10分

 お次は久しぶりにパスト連写で飛び立ちの場面を撮影。
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FC150@6.4mm(トリミング)、ISO=800、F3.6-8000、-0.7EV、撮影時刻:10時41分

 連続画像で確認すると、ホバリングするように垂直に一旦上昇してから水平飛行に移っています。お蔭様で、午前中一杯、キベリを堪能することができました。結構頑張って色再現性は改善されましたが、改めてその色調を正確に再現することの難しさを痛感した一日でもありました。
by fanseab | 2010-08-31 23:44 | | Comments(14)
Commented by yoda-1 at 2010-09-01 12:19
キベリ画像の精細さはさずがです。
でも、この場所は舗装上とか石垣上とかでなくて、
ナチュラルでいいですね。
いつか、産卵シーンとかも撮りたいYODAですが、難しいのですかね。
Commented by fanseab at 2010-09-01 22:23 x
yoda-1さん、コメント有難うございます。
ご指摘のように、なるべく人工物を排除した背景で
撮りたかったので、場所に拘っての撮影でした。
♀については、産卵と言わず、撮影が結構難しいと
思います。吸水に来るのは原則♂ですから、吸蜜とか、
食樹である、ダケカンバやシラカンバの周りを探索
する必要があるのではないでしょうか?
Commented by banyan10 at 2010-09-02 09:11
さすがに丁寧に撮影するfanseabさんならではの見事な写真が並んでいますね。
キベリの色を出すにはストロボは使った方がいいのでしょうか?
Commented by ダンダラ at 2010-09-02 15:43 x
納得のいくキベリ写真が撮れたとのこと、良かったですね。
撮影の時だけでなく、RAW現像の時にある程度の処理をしないと、デジタルの狭いラチチュードの範囲内ではキベリの納得のいく再現は難しいですね。
Commented by ma23 at 2010-09-02 22:23 x
さすがはfanseabさん、教科書のようなキベリ開翅ですね〜!色表現には現像力ももちろん要りますが、やはり現像前のオリジナルをきっちり撮っておくという姿勢が素晴らしいです。
Commented by 愛野緑 at 2010-09-02 23:07 x
静止画だけでなく飛翔も捉えられていて流石です。
キベリのとんでいる時の格好良さは動画でないと表現できないかも?です。
Commented by fanseab at 2010-09-02 23:22 x
BANYANさん、ある程度の個体数がいたので、比較的じっくりと撮影できました。日差しが少し陰り気味だったので、色調再現にも有利でしたし、やや活動が不活発なのも撮影に適していたと思います。ストロボの効果ですが、色調再現性に関してはそれほど効果がないかもしれません。逆に「黄縁」の部分が白飛びするリスクがありそうです。
Commented by fanseab at 2010-09-02 23:25 x
ダンダラさん、とにかくキベリに出会ったのが今回で2回目でしたので、最初は行動パターンを理解するのに時間がかかりました。テリ張りの意識が弱いので、同じ場所に舞い戻ることが少なくて、結構苦労しました。RAW現像でも普段ではあまり使わないパラメーターをいじってようやく好みの色が出せたように思います。
Commented by fanseab at 2010-09-02 23:30 x
ma23さん、ある程度余裕がある時は図鑑モードでも開翅画像にチャレンジしています。キベリの場合は斜めからのアングルですと、小豆色の部分が一様な明るさにならないようなので、図鑑モードが一番色再現性には有利なようにも思えます。撮影時にはN社での機能「アクティブDライティング」モードを強めにして、CMOSセンサーの飽和度を弱める工夫をしてみました。
Commented by fanseab at 2010-09-02 23:33 x
愛野緑さん、この日半日キベリとつきあって、彼らの行動パターンが少しわかったような気がします。比較的規則的な飛び方をするので、思った以上に飛翔は楽かもしれません。ただ、翅を閉じた状態での待機時間が長いので、翅表の写しこみは結構苦労しました。
Commented by chochoensis at 2010-09-03 18:18 x
今まで、地面の=キべりタテハ=を多く見てきたので、1枚目のシラカンバの緑の葉上の「キべりタテハ」に驚嘆しました・・・素晴らしい写真ですね・・・。色彩といい、構図といい最高の写真と思います。翅表の色彩も自然名色彩が出ていて素敵です!流石ですね・・・。
Commented by himeoo27 at 2010-09-03 20:14
3枚目のキベリタテハの開翅は良い色がでていますね!先日、キベリばかり50コマ近く撮影したので、rawデータいじってみたくなりました。
Commented by fanseab at 2010-09-03 21:53 x
chochoensisさん、コメント有難うございます。朝一番のタテハの活動は、普通、樹上の葉で開翅日光浴から始まりますよね?しかし、キベリは翅を閉じたままで、結構面食らいました。他の習性も一風変っていて撮影を楽しむことができました。
Commented by fanseab at 2010-09-03 23:56 x
himeooさん、コメント有難うございます。JPEG撮って出しの画像でも見られる場合も多いですけど、蝶の色調によっては、RAW現像で好みの調整をした方がいい感じで仕上がることが多いと思います。ブログにアップするまでの手間暇はRAWの方が大変ですが、それも慣れの問題で、小生も最近は当たり前に処理をこなせるようになりました。是非チャレンジしてみてください。
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