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探蝶逍遥記

八ヶ岳山麓の探索(8月18日)

 夏季休暇の最終日、18日は猛暑の下界を避けて、八ヶ岳山麓の高原で蝶と戯れました。さすがに平均標高1400mは別天地でとても涼しく、爽やかな空気を楽しむことができました。さて、今回のメインターゲットはヤマキチョウ。前回訪問したポイントに到着してウロチョロ探索しますが、ヤマキはおろか、スジボソヤマキもおりません。仕方なく、所々に咲いているアザミの前に来るタテハチョウを狙いました。時々ミドリヒョウモンが来るものの完品が少なく、パス。ようやく目にも鮮やかなクジャクチョウ♀がやってきたので必死に撮影。                                                                     ++画像はクリックで拡大されます++
八ヶ岳山麓の探索(8月18日)_f0090680_12342394.jpg
D90-34、ISO=400、F11-1/500、-1.0EV、撮影時刻:8時13分

 クジャクの♀は銀塩時代を通じて初撮影です。お次は図鑑モードで閉翅です。
八ヶ岳山麓の探索(8月18日)_f0090680_12343386.jpg
D90-34、ISO=400、F11-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時15分

 ここはコントラスト差を調整するため、ストロボを使用。一様だと思っていたクジャクの裏面も微妙な濃淡がありますね。タテハの活動が活発になってきた頃、アゲハも飛び始めました。1頭の新鮮なキアゲハ♀がいかにも産卵したそうに管理人の周囲を周回飛行。セリ科のヤブジラミ(間違っていたらご指摘願います)で産卵です。
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D90-34、ISO=400、F11-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時07分

 今シーズン、「アゲハを真面目に撮る」ことをテーマにしている管理人にとって、尾状突起が揃った♀の登場は大変有難かったです。産卵の途中で吸蜜シーンも撮れました。吸蜜源はリョウブだと思います。
八ヶ岳山麓の探索(8月18日)_f0090680_12352375.jpg
D90-34、ISO=400、F11-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時07分

 背景が暗いとRAW現像でも苦労します(^^; このポイントでキべリも目撃しましたが、直ぐに逃げられました。キべリが発生していることがわかったので、少し見晴しの良い場所に移動。すると目論見のキべリが吸水しておりました。
八ヶ岳山麓の探索(8月18日)_f0090680_12354178.jpg
D90-34、ISO=400、F8-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時20分

 キベリタテハは銀塩時代を通じて初撮影です。本当は順光で撮影したかったけれど、回り込んで逃げられるのを嫌っての逆光撮影です。でもちょっと露出設定を間違えて、カラーバランスが不自然になりました。吸水しながら時々開翅しているので、マクロに持ち替えて撮影。
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D5K-85VR、ISO=200、F10-1/200、-1.0EV、撮影時刻:10時23分

 ブログ仲間の記事で、このタテハ表翅の色再現性の難しさを聞き及んでいましたが、確かに難しいです。小豆色を出そうとすると、外縁の「黄縁」が白飛びしてしまいますね。このシーンのように背景が明るい地面だとより露出設定が厳しそうです。次回は湿った地面とか、背景が暗い場所で狙いたいと思います。

 キべリは途中で逃げられたので、ここは諦めてベニヒカゲポイントへ転戦。ここは数年振りに訪れましたが、今回は時期がよかったのか大乱舞状態で助かりました。ただ、真面目に撮ろうとすると敏感で逃げられたり大苦戦。最初はノコギリソウから吸蜜する♀です。
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D90-34、ISO=200、F9-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時44分

 ベニヒカゲも露出補正が大変難しい蝶です。比較的明るい花弁に訪れるので、花弁の色とベニヒカゲの地色を同時に表現するのに骨が折れます。普通、このようなコントラストが激しい状況ではストロボが必須ですけど、ベニヒカゲはストロボ光に大変敏感で、開翅している個体もすぐに翅を閉じたり、吸蜜から飛び立ったりで上手くいきません。↑の♀個体は例外的にストロボ光でじっとしていてくれたので助かりました。初秋の高原の花、マツムシソウも咲いていたので、何とか粘って、マツムシソウからの♂吸蜜シーンもゲットできました。こちらはノンストロボです。
八ヶ岳山麓の探索(8月18日)_f0090680_12362257.jpg
D90-34、ISO=200、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時59分

 いい雰囲気で撮れましたけど、後翅肛角部付近の欠けがちょっぴり残念でした。最後はマツムシソウを背景にした飛翔です。
八ヶ岳山麓の探索(8月18日)_f0090680_1236353.jpg
D40-24、ISO=400、F6.3-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:12時17分

 避暑がてらの八ヶ岳山麓の散策は、目論見通り、とても快適でした。今度はキベリをきちんと撮るべく、また近くのポイントを攻めてみようと思います。
by fanseab | 2010-08-21 12:42 | | Comments(10)
Commented by yoda-1 at 2010-08-21 21:16
八ヶ岳探蝶お疲れ様でした。
キベリは条件がよくないと、名人の手も煩わせるのですね。
撮影時の苦労話、いつもためにさせてもらっています。
アゲハが、都内の会社の側のミカン類に産卵していましたが、
山にはナミアゲハが少ないですよね。

Commented by fanseab at 2010-08-21 22:32 x
yoda-1さん、東京近辺に住んでいる蝶屋にとって、八ヶ岳周辺は文字通り宝の山で、いろいろな蝶を楽しめる場所だと思います。この時期はやはり涼しさが別格で、楽しい撮影行ができました。キベリは今回初めての撮影なので、いろいろと作戦を練らればなりません。
Commented by himeoo27 at 2010-08-22 13:14
キベリタテハ狙いで昨日浅間山系を巡ってみました。写す時はバッチリ!などと不遜な気持ちで溢れ返ったヒメオオですが、パソコンに取り込んで落ち込んでおります。
Commented by maeda at 2010-08-22 17:12 x
ストロボ、使い方次第で新しい発見が出来ますね。
最近、私もよく使っています。
キベリは今年は会わずに終わるかもしれません。年々、増えているようですが、北海道では。
Commented by fanseab at 2010-08-22 21:46 x
himeooさん、貴殿のキベリ画像、羨ましく拝見しました。ある程度の個体数がいないといい絵は得られませんね。まぁ、生涯ファーストショットだったので、諦めますが・・・。色再現性は結構撮っても悩みそうなタテハです。
Commented by fanseab at 2010-08-22 21:50 x
maedaさん、ストロボ技術は奥が深いです。使用していることを悟らせない絵がベストですけど、蝶に悟られたらお終いですね。開翅中のセセリ類は敏感で、反対にキベリやクジャクは鈍感なのが面白いです。
Commented by ainomidori443zeph at 2010-08-22 21:56
ストロボには、ヒカゲチョウも敏感で、光った瞬間パッと一瞬翅を開いて閉じたことが有りました。数枚撮影しましたが、そのたびに開閉していました(笑)。
キベリも撮影中一度ビクッとしてましたね。(昨日)
Commented by fanseab at 2010-08-23 07:11 x
愛野緑さん、キベリも明るい場所で吸水しているので、ストロボ焚いても光量差が少なくて、影響がないのかもしれません。反対にヒカゲチョウは暗い場所で吸汁するので、急激な光量差をもたらすストロボ光に敏感になるのかもしれませんね。
Commented by たにつち at 2010-08-31 23:40 x
お、こちらの記事ですね。
私は、キベリタテハには会えなかったのでうらやましいです。
ベニヒカゲと花との露出、とても綺麗に撮れてますよ。なるほど!
Commented by fanseab at 2010-09-01 00:00 x
たにつちさん、ご無沙汰しております。
キベリに出会った時はドキドキしましたが、先日の
日曜日、リベンジを果たしてきました。そちらもご笑
覧ください。ベニヒカゲもキベリ同様、露出が難しいですね。
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