探蝶逍遥記

夏型黒系アゲハを楽しむ(7月31日)

 安曇野遠征記はちょっとお休みして、土曜日の遠征結果からご紹介しましょう。今シーズン、管理人は「アゲハを真面目に撮る」ことをメインテーマにしておりまして、この時期、他の蝶探索を差し置いて、前から気になっていた静岡県の某林道に行って参りました。現地6時過ぎ着。途中凄い霧にびっくりしながら、霧が晴れるのを待っていると、足元から黒系アゲハが飛び出しました。オナガアゲハの♂で、まだ薄暗い(6時過ぎ)のにどうやら吸水していた様子。アゲハの活動時間の常識を狂わせる結果にビックリしました。少し明るくなった7時過ぎに吸水場面を撮影。                                                            ++画像はクリックで拡大されます++
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D90-85VR、ISO=400、F8-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時19分

 後翅裏面の赤班周辺に一部青鱗粉が乗っているのがお洒落です。この個体、吸水と開翅休息を繰り返しておりました。そのベタ開翅シーン。
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D5K-34、ISO=400、F6.3-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時09分

 比較的背景がスッキリした場所に止まってくれて助かりました。この後は未舗装の林道をゆっくりと車を転がしながら、吸水個体を狙っていきました。この日、一番多く観察されたのが、カラスアゲハ♂でした。その吸水場面です。
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D90-34、ISO=320、F7.1-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時29分

 幸運にもポンピング(吸水と排泄を繰り返す行動)の場面を捉えることができました。管理人もここまで上手く水滴落下の瞬間を撮影できているとは思いませんでした(帰宅してからPC画面上で気が付いた次第)。お次はこの日、最も鮮度が良かった♂個体です。綺麗な裏面ですので、少し大きめの画像でのご紹介です。
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D90-34、ISO=400、F11-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時36分

 こちらも偶然、腹端から水滴が零れ落ちる瞬間を捉えることができました。お腹まで金緑色に輝くアキリデスの魅力が感じられるシーンですね。アキリデスと言えば、表翅の金属的な輝点が特徴。そこで半開翅場面もアップしました。
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D90-34、ISO=320、F7.1-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時30分

 なかなか全開には至らず、開翅角度はこれが精一杯でした。飛翔は85mmで挑戦するものの、置きピン感覚が戻らず、極めて歩留りが悪いものでした。ようやく撮れたのが、このヒトコマ。
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D5K-85VR、ISO=500、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時21分

 何とか救われた・・・そんな感じでしょうか? カラスに混じって吸水していたのは、クロアゲハの♂。
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D90-34、ISO=400、F8-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時58分

 相当に図体が大きいので300mmだと翅全体にピンを廻すのが苦しいです(^^; なお、カラス・クロ・オナガ共に、ほぼ谷あいの日陰状態の場所で吸水し、暫く吸水した後、谷間から離れ、日当たりの良い場所で全開翅休止する行動が観察できました。全開シーンは相当に高い場所で、茂みに翅が隠されるため、残念ながら撮影は不可能で次回以降の宿題となりました。さて、黒系アゲハとは反対に日差しの強く当たる水場で元気良く飛びながら吸水していたのはアオスジアゲハでした。
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D90-34、ISO=400、F8-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時41分

 ちょっと露出に失敗したので、色再現が不自然な感じに仕上がってしまいました。アオスジの吸水場面はなかなか納得できる画像が少ないです。

 アゲハ以外でこの日、嬉しかったのが、ホソバセセリを見つけたこと。
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D5K-85VR、ISO=400、F8-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:7時29分

 神奈川周辺だと分布が局地的で、観察はそれほど容易ではありません。ご覧の通りのボロ個体でしたが、来季以降、新規観察ポイントが増えたのは喜ばしいことです。

 春先の黒系アゲハ撮影では、カラス撮影に失敗したので、今回は成果が上がったと思います。反面、ミヤマカラス♂夏型がものにできなかったことから、この夏、どこかでミヤカラに再挑戦するつもりです。
by fanseab | 2010-08-01 21:36 | | Comments(12)
Commented by 6422j-nozomu2 at 2010-08-01 22:57
やはり飛翔写真は難しいです。6枚目のカラスアゲハ、きまって良かったですね。
Commented by cactuss at 2010-08-02 06:54
アゲハ類の写真、ストロボをうまく使用されていて、みな素晴らしいですね。
アゲハはどうも後回しになってしまう感じがあります。
もっと真面目にアゲハを撮影に行かないと行けませんね。
Commented by fanseab at 2010-08-02 07:13 x
ノゾピーさん、飛翔は使うレンズ系で置きピン位置が異なるため、久し振りに使うレンズだと感覚が戻らず、苦戦します。85mmなら楽勝…と現地で気楽にバシャバシャ撮ってましたが、帰宅してから愕然としました。カラスが1枚何とか撮れていて、ホッとしました。
Commented by fanseab at 2010-08-02 07:23 x
cactussさん、コメント有難うございます。吸水場面はいずれも暗い場所なんで、ストロボが必須でした。アゲハって図体がデカいのでピントを全体に回すのに苦労します。小生もアゲハを「真面目に」撮影して、ようやくその事実に気がつきました。複眼にピンが来ない没画像の山に情けなくなりました。
Commented by himeoo27 at 2010-08-02 09:31
カラスアゲハ♂のポンピング(吸水と排泄を繰り返す行動)の画像素晴らしいですね!出てきた水滴もハッキリ分かりとても凄いです。
Commented by fanseab at 2010-08-03 07:33
himeooさん、おはようございます。アゲハのポンピング行動はスソビキアゲハで過去に撮影経験がありますが、国内産では初体験でした。とにかく構図とピントが合うように必死でシャッターを連射していたんで、水滴が落ちる瞬間が写ったようです。本来、動画でご紹介した方がよいかもしれませんね。
Commented by ダンダラ at 2010-08-03 12:14 x
綿とも黒系アゲハをきちんととりたいと思いながらなかなか思い通りにいきません。
データを拝見すると、小まめに絞りを調節されているのですね。
私は絞り優先の設定ながら、ほとんど一日同一の設定のまま過ごしてしまい、後で反省することが多いので、見習わなくチャと思いました。
Commented by fanseab at 2010-08-03 23:37 x
ダンダラさん、アゲハを撮ろうとすると、途端にタテハやシジミとのサイズ差で合焦範囲が狭いことを実感します。外部ストロボ使用の場合は、設定はM(マニュアル)モードで撮影しています。ピントが薄いことを考慮して、基本的に相当絞り込むこと、具体的にはF8以上に絞り込むことにしています。ただ吸水場面では、翅を震わせていることが多いので、シャッター速度を稼ぐことも必要で、この場合、結果的に絞りを開けることになります。こまめに絞りを調節していると言うよりは、こまめにシャッター速度を調整していると言うべきかもしれません。
Commented by yoda-1 at 2010-08-04 12:21
カラスアゲハの吸水時の水滴撮影、おみごとです。
なかなかここまで接写されてくれないことも多いし、貴重な画像かと思います。
ご説明にもあるオナガの後翅裏面の一条のブルーですが、
これまで認識したことありませんでした。
確かにチャーミングで、YODAも次回はこれも狙いたいです。
Commented by fanseab at 2010-08-05 08:49 x
yoda-1さん、アゲハの撮影で♂の吸水場面は比較的撮影しやすいと思いますが、ピントを何処を重点に合わすか?色々と悩みます。ポンピング行動は上手く撮影できてラッキーでした。また黒系アゲハ後翅裏面の赤い弦月紋はバラエティに富んでいて、魅力的ですね。
Commented by chochoensis at 2010-08-06 15:38 x
fanseabさん、=カラスアゲハ=のポンピング行動・・・綺麗に撮影されていますね・・・流石です、こういう瞬間はなかなか撮影できないので羨ましいです。
Commented by fanseab at 2010-08-08 12:08 x
chochoensisさん、アゲハを含めて給水場面はカメラ目線を蝶と同じレベルまで位置を低くして撮影することを心掛けています。そんなこともあって、ポンピングで零れ落ちた水滴がうまく写ったのだと思います。
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