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探蝶逍遥記

京都のホシミスジ等(6月5-6日)

 先週末は、一部観光も兼ねて京都市内の蝶探索に出かけていました。二条城・仁和寺・金閣寺あたりでは、修学旅行生のグループが目に付き、彼らの着ている白いカッターシャツが6月の強い日差しに眩しく映えていました。管理人も中学生の頃、京都に修学旅行に行ったのですが、丁度その頃、神奈川県内でカシワ林から採集したハヤシミドリ越冬卵からの飼育個体が蛹になっており、羽化を心配しながら旅行に出かけたことを思い出しました。帰宅してみると、手製ゲージの中で無事羽化したハヤシ♀個体を見て、ホッとしたものです。実は管理人、ゼフのフルステージ飼育はこの時が最初で最後?でした。

 さて、市内をウロチョロしてもなかなか成果が得られなかった今回遠征ですが、30分ほど立ち寄ったホシミスジポイントで綺麗な個体に出会うことができました。先ずは開翅シーン。            
++画像はクリックで拡大されます++
京都のホシミスジ等(6月5-6日)_f0090680_23162094.jpg
D5K-85VR、ISO=200, F9-1/400、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月6日、14時50分

 左前翅端が若干羽化不全で妙に丸みを帯びた翅型です。光線の加減で右前翅には鈍い緑色の幻光が出ており、幻光フェチの管理人好みの絵になりました。お次は♀の産卵シーン。
京都のホシミスジ等(6月5-6日)_f0090680_23163760.jpg
D90-34、ISO=500, F7.1-1/2500、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月6日、14時42分

 食樹は植栽のユキヤナギです。産卵シーンとしては、ほんのちょっとシャッターを押すのが遅れたのが残念でした。しかも直前に飛翔撮影中だったのでシャッター速度が1/2500のままで、絞り込めなかったのも悔いが残ります。結局この日、15時を過ぎると、高曇りになり、パタッとホシミスジの活動が停止し、撮影時間は極めて短いものとなりました。関西圏のホシミスジは関東では想定できないような低地に棲んでおり、白斑もはっきりしていて関東産とはかなり印象が異なります。また、韓国・台湾産も種pryeriから独立分離させる動きもあり、分類上、最近賑やかなNeptisでもあります。

 また、5日の土曜日には街中の公園をお散歩撮影です。かなりすばしこく飛ぶシジミを発見。一瞬、クロマダラソテツかと思いきや、ウラナミシジミでした。
京都のホシミスジ等(6月5-6日)_f0090680_23172091.jpg
D5K-85VR、ISO=200, F9-1/640、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月5日、14時06分

 この時期、ウラナミは結構珍なので、思わず撮影したのでした。花壇の植え込みには、オオスカシバが吸蜜に来ておりました。ホウジャク類については、いつもなら(広角+外部ストロボ)の組み合わせでの撮影になりますが、今回は最近拘っている300mmでの飛翔で撮ってみました。
京都のホシミスジ等(6月5-6日)_f0090680_23174788.jpg
D90-34、ISO=500, F5.6-1/2500、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月5日、14時27分
京都のホシミスジ等(6月5-6日)_f0090680_2318140.jpg
D90-34、ISO=500, F8-1/2500、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月5日、14時27分
京都のホシミスジ等(6月5-6日)_f0090680_23181385.jpg
D90-34、ISO=500, F6.3-1/2500、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月5日、14時27分

 先週は、ムチャ高速で飛ぶツバメの飛翔にトライしていたので、時々ホバリング飛行するオオスカシバの撮影はかなり楽に感じました。

 なお、今回遠征では、ホシミスジポイント含め、ブログ仲間の kenkenさん には多大なご教示を頂きました。ブログ上を借りて厚く御礼申し上げます。
by fanseab | 2010-06-09 23:21 | | Comments(18)
Commented by ヘムレン at 2010-06-10 20:28 x
ホシミスジの♀・・綺麗ですね。
大きくて丸くて・・なんか親しみがわきます(^^)
京都では、何化ですか?関西以西では3,4化なんてことも聞いたような・・。ちなみに、これは1化目・・ですか?(^^;)
Commented by yoda-1 at 2010-06-10 20:41
本当、ホシミスジの関西型は前翅外縁付近の白斑が関東よりも多く鮮やかに出る感じなのですね。
ほのかな緑発色、YODAも好きです。
ウラナミの質感、素晴らしく、これもYODAが目指す感じです。
Commented by himeoo27 at 2010-06-10 20:50
蝶の翅の裏面好きのヒメオオは2枚目の産卵シーンが大好きです。
Commented by kenken at 2010-06-10 22:21 x
お疲れさまでした~
なんの、産卵シーン、シャッタースピード速くて、ぴたっととまってよろしいのでは。
京都市内、以前はホシミスジはいなかったのですが、10年くらい前から見られるようになって、今では我が家(左京区)のユキヤナギにも飛来します。

ちなみに1化目です。<ヘムレンさん
Commented by fanseab at 2010-06-11 07:20 x
ヘムレンさん、ミスジチョウ類はお気に入りなんで、いつも優先度を上げて撮影しています。産卵シーンは今回が初めてで、♀らしい翅形が良く分かる絵になりました。kenkenさんがコメントされている通り第1化です。関西ではちょうどウラゴの発生時期と重なります。兵庫では3化が基本で、4化もあります。小生の最遅観察日は11月23日でした。
Commented by fanseab at 2010-06-11 07:28 x
yoda-1さん、コメント有難うございます。ミスジ類の緑色幻光は妖しい美しさがあって惹かれます。薄曇りだったので、翅の質感が上手くでたようです。ウラナミはこの時期見慣れないので、思わず撮影してしまいました。
Commented by fanseab at 2010-06-11 07:36 x
himeooさん、ミスジ類の裏面は独特の様式美があって、小生も大好きです。特にホシミスジは裏面基部の小黒点が特徴ですんで、裏面と表翅を同時に写し込みたい対象ですね。
Commented by fanseab at 2010-06-11 07:47 x
kenkenさん、今回はいろいろとお世話になりました。もう少しホシミスジで粘りたかったのが本音ですが、産卵シーンが撮れたので、良しとしましょう。彼らが活動を休止した後、姿を追いましたが、何処に隠れるのか、発見できませんでした。不思議ですね。またいつか京都を訪問して「本命」を撮影したいと思います。
Commented by saunterA at 2010-06-11 16:58
fanseabさん、こんにちは!
修学旅行中、ハヤシミドリの羽化を心配しながら行く中学生が日本で何人いるでしょう?いえ、いないのでは?(笑)
とてもステキなエピソードですね!

オオスカシバのシッポ、エビのようですね~。
Commented by Noreen05 at 2010-06-12 06:07
オオスカシバの飛翔写真、ピタッと決まっていますね!
広角+外部ストロボでの飛翔写真をお勉強中ですが、まだまだ練習不足です。実はお天気が良い日は300㎜での飛翔写真の方がお手軽で、高い木の上で飛ぶアゲハなども撮影出るので楽しいです~♪
Commented by clossiana at 2010-06-12 13:15
私は中学生の頃、ゼフの飼育は何種類かをまとめてやっていました。ハヤシとウラジロ、アイノ、ウラミスジ等です。もともとのいい加減な性格の私がまとめて飼育をするのですから結果はおのずと悲惨なものでした。その時期にはリンゴ初め、色々な蝶が出始めるのですから手が回りませんでした。ですから中学生なのにちゃんと羽化までさせられたのは立派でしたね。ところでホシミスジは何で関西では低地にも発生するのでしょうね?
Commented by fanseab at 2010-06-12 21:08 x
saunteAさん、こんばんは。中学生当時は一番「熱い」時期でもありました。ハヤシを仕上げて以来、飼育とはおさらばしたんですが、会社に入ってから、また復活した時期がありました。ただ相当に手間がかかるので、今はやってません。そう、オオスカシバの尻尾は海老の尾と同じで空中でバランスを取るのに利用しているように思います。
Commented by fanseab at 2010-06-12 21:11 x
Noreenさん、コメント有難うございます。
仰る通り、望遠での飛翔は遠目から狙う分、置きピン位置が変化しにくいので、ある意味歩留まりが上がって楽なんです。梢の上の滑空シーンは300mmクラスの望遠でないと狙えないと思います。是非オオイチモンジでトライしてみてください。
Commented by fanseab at 2010-06-12 21:15 x
clossianaさん、一まとめに5種類の飼育は凄いですね。小生は当時、越冬卵の産みつけ位置や形態から、ハヤシと同定はできず、カシワ林から採取したからハヤシかな~程度にしか理解できていませんでした。たまたま1卵の採取で寄生もされておらず、成虫まで飼育できたのでは、ビギナーズラックだったかもしれません。
Commented by otsuka at 2010-06-12 22:49 x
こちらでは、ホシミスジは市街地に普通で、小学校時代の夏休みの宿題の昆虫標本にも入れておりました。
飛び方が穏やかなのですが、それでも私の腕では飛翔写真は困難です・・・fanseabは34で飛翔狙いとはさすがです。
この時期のウラナミシジミは貴重な記録では。
Commented by maeda at 2010-06-13 18:25 x
ホシミスジ、綺麗ですね。
Neptisのなかでは実はこの蝶が一番好きです。
オオミスジみたいに大柄でないし、そこそこの大きさがあって独特の紋、良い感じです。
Commented by fanseab at 2010-06-13 18:56 x
otsukaさん、こちら小学生の夏休み時代は確か信州の高原で採集したホシミスジを入れた記憶があります。兵庫に赴任して、トラックの排気ガスで溢れた国道沿いに舞うこのミスジを見て唖然としましたね。34でも飛翔狙いをしたかったのですが、時間が無くて断念しました。
Commented by fanseab at 2010-06-13 18:58 x
maedaさん、そうホシミスジ位の大きさのNeptisは東南アジアでも沢山いますね。裏面の「星」を写すのに結構苦労します。今回物ーチャンスでした。
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