探蝶逍遥記

ミヤマカラスアゲハを堪能する(5月16日)

 先週末の金曜日は同僚女性の送別会。二次会でカラオケに行って、軽くシャウトしてストレス発散。翌土曜日は、上長のプレゼン用パワポ資料作り代行で休日出勤。こちらはストレスが溜まって、サラリーマンの辛いところです。

 で、ようやく日曜日、先週に引き続き黒系アゲハ狙いで同じ渓谷に出向きました。現地7時30分着。前回のロケハンで見出したツツジポイントに張り込んで、出現予想時刻8時30分まで待機しました。日差しは強く、期待が高まるのとは裏腹に、アゲハは姿を見せません。我慢できず、結局8時45分にその場を撤収、先週張りこんだウツギポイントに移動しました。時折、オナガアゲハ♂と思しき個体が梢を高速で飛翔しています。既に朝一番の吸蜜タイムは終わったようで、残念至極。ふと渓谷の対岸に目をやると、オナガより大型の黒系アゲハが舞っています。運良くこちら岸に飛来して、日光浴しているところをパチリ。                                                                                ++横位置画像はクリックで拡大されます++          
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D90-34(トリミング)、ISO=400, F8-1/800、-1.0EV、撮影時刻:8時58分

 ミヤカラではなく、カラスアゲハの♂でした。ピカピカの個体ですが、ロングショットなので、トリミングしての掲載。少し後ろ側から撮影しようと背後に回ったところで、気づかれて飛ばれ、ジ・エンド。カラスは次なる課題になりました。それにしても同じ春型なのに、ミヤマカラスとは別次元のデカい体躯ですね。それから暫くはアゲハが全く飛ばない時間帯が過ぎていきました。幸いにも前回と異なり、日差しも途切れず、気温も上昇して暑くなってきました。昼前後の吸水時間帯を期待してじっと待機です。すると、11時半過ぎ、小型の黒い影が目の前を横切りました。ブルーの地に白帯、待望のミヤカラ♂の登場でした。どうやら渓谷の水際で吸水したいのか、転石の上を巡回飛翔しています。ここは300mmで飛翔を狙い、割と高歩留まりで良い絵をゲットできました。
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D90-34(トリミング)、ISO=400, F4-1/4000、-1.0EV、撮影時刻:11時53分

 渓流上を飛翔するミヤカラの雰囲気タップリで、これまで管理人が撮影した望遠飛翔画像の中でもベストの仕上がりに満足です。そうこうするうち、ミヤカラは林道上に場所を移し、吸水場所を求めて道路上を徘徊するようになりました。暫く待機して、ようやく吸水を開始。待ちに待った瞬間です!
 先ずは慎重に300mmで遠い距離から狙いました。
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D90-34、ISO=400, F13-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時04分

 ファインダーから覗くミヤカラは本当に宝石を散りばめたような美しさです。必死にバシャバシャ、シャッターを切っていきますが、綺麗な翅に目を奪われて肝心の複眼にピントが外れるコマに苦しみました(^^; ある程度、管理人も心の余裕が出てきてからは、85mmマクロに持ち替えての撮影。後翅独特の青緑色はノンストロボでないと、上手く発色しないですね。
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D5K-85VR、ISO=400, F10-1/500、-0.3EV、撮影時刻:12時09分

 このミヤカラ、吸水中、時々翅を開閉させながら、ついに全開も披露してくれました!!
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D5K-85VR、ISO=200, F10-1/320、-0.3EV、撮影時刻:12時17分

 今年、「アゲハを集中的に狙う」と宣言した際、当然夢想したミヤカラ春型♂全開シーンが目の前に!と言うか、およそ蝶の生態写真をスタートさせて以来、常にこの絵を撮ることを夢見た来た管理人にとって、夢のような一時です。撮影者冥利に尽きる瞬間でもありました。東南アジアには多くの美麗アキリデスが棲んでいます。blumeicrinopalinuruschikaeparis・・・・いずれ劣らぬ逸品ですが、我国のmaackii春型もその中でも誇るべき種類と言えましょう。

 ミヤカラはその後、突然、思い立ったかのように、飛び去っていきました。代わりに登場したのが、オナガアゲハの♂。こちらもほぼ完品で、接近戦でモデルになってくれました。先ずは半開翅での吸水シーン。
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D5K-85VR、ISO=200, F10-1/200、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時41分

 同じ半開翅で逆光モード。
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D5K-85VR、ISO=200, F10-1/200、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時49分

 D5000だと内蔵ストロボ同調が1/200までなので、表現に制約があるのが辛いところです。オナガもミヤカラ同様に全開翅も披露してくれました。
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D5K-85VR、ISO=200, F10-1/320、-0.3EV、撮影時刻:12時47分

 左前翅基部に白い傷がある他はほぼ完品で絵になりますね。黒系アゲハと言ってもオナガの黒はナガサキとはかなり異なる色調です。吸水ポイントに執着するオナガを従来方法であるデジイチ広角で飛翔も撮りました。
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=400, F2.8-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:13時08分

 できれば、オナガ♂のシンボルである後翅前縁部の白紋を表現したかったのですが、閉じた状態でした。でもストローを緩めて、吸水準備に入っている状況は切り撮れたと思います。

 黒系アゲハ挑戦第1弾として選んだミヤカラについては、予想外の成果を上げることができました。また、オナガについても、前回の♀に引き続き♂もゲットできて何よりでした。思わぬ大漁に頬も緩んで帰宅したことは言うまでもありません。一風呂浴びて、ささやかにK社「淡麗生」で祝杯を上げたのでした。
by fanseab | 2010-05-17 23:31 | | Comments(28)
Commented by ダンダラ at 2010-05-18 12:56 x
ミヤマカラスはそろそろですよね。
昨年は一度も撮影にいけなかったので、今年こそはと思っているのですが、他にも誘惑が多く困ります。
でも、ここの写真を見たら、やっぱり撮影したくなりました。
裏面の白帯が大好きなので、ぜひ撮影したいものです。
それに輝くような翅表も素晴らしいです。
Commented by banyan10 at 2010-05-18 16:35
ミヤマカラスの全開は輝きを見事に表現していますね。
吸水していても飛び回ったり、翅を閉じるか開閉したりで、じっくり撮影できる機会は少ないですね。
吸水が狙える場所にも出かけたくなって困ります。
Commented by ainomidori443zeph at 2010-05-18 17:33
300の吸水シーンは水滴のキラキラボケとチラッと見えているミヤマカラスグリーンがとても綺麗ですね。
全開のシーンも春型らしい色が良く出ていてとても良いと思います。
今年は地元で黒系アゲハ類を撮影出来ていません。今年は少ないのですかね。
Commented by kmkurobe at 2010-05-18 20:30
うーん完璧な色表現ですね。特にミヤカラの飛翔はすばらしい。近くを飛んでいるように見える光沢が見事ですね。
Commented by yoda-1 at 2010-05-18 21:26
こんな画像が撮れたら、YODAの場合3ヶ月は上機嫌でおれます。
全く上下がきちっとしているのは、N氏図鑑の影響でしょうか?(笑)
今週日曜日は、オオルリ親子観察会に参加するので、その帰り道にミヤマカラスアゲハに遇えますように・・・。(晴れないと駄目なのでしょうが)
 質問ですが、最後の画像の広角従来方法は、置きピンなのでしょうか?
Commented by himeoo27 at 2010-05-18 21:59
ミヤマカラスアゲハの裏面の写真が一番好きです。とても綺麗で声が出ませんでした。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2010-05-18 22:37
春型ミヤカラの吸水全開写真、まあ何と美しいことか。まるで宝石箱やとお笑い芸人が言いそうですね。(笑)
Commented by fanseab at 2010-05-18 22:45 x
ダンダラさん、アゲハ類の撮影を今シーズンの個人的課題に設定していますが、やはり貴HPで沢山掲載されているアゲハ吸蜜シーンは憧れで、あんな風に撮りたいなぁ~との思いがきっかけでもあります。アゲハの吸水は東南アジアでもよく出会うシーンなのですが、吸蜜は別の難しさがあると思います。次はタイミングが合えばミヤカラ♀の吸蜜を狙いたいと思います。
Commented by fanseab at 2010-05-18 22:48 x
BANYANさん、コメント有難うございます。個人的にも全開シーンの仕上がりには満足しております。ご指摘の通り、開翅のタイミングは微妙で、殆どは半開シーンで、恐らく吸水ポンピング行動の周期と開翅のタイミングが連動していると思います。比較的この個体はじっとしてくれたのが幸いしました。
Commented by fanseab at 2010-05-18 22:50 x
愛野緑さん、こんばんは。300mmは深度が浅いのが幸いして背景ボケが大変綺麗に出ます。特に単焦点レンズならではの癖のないボケ味は気に入っております。これにVRがつけば鬼に金棒なんですが・・・・。黒系アゲハが今年多いか少ないか?小生、今年からアゲハを追跡しているので、その質問に回答するには役不足ですね。
Commented by fanseab at 2010-05-18 22:53 x
kmkurobeさん、300mmでの飛翔画像は小生もお気に入りです。水面の上をほぼ水平飛行するので、思ったより置きピン作戦が上手くいきました。晴れて光量も申し分なかったので、発色も良好でした。
Commented by fanseab at 2010-05-18 22:56 x
yoda-1さん、いつもコメント有難うございます。
開翅画像は多少N氏図鑑を意識しておりますが、このアゲハの美しさを表現するには、直球勝負の構図が必要と考え、図鑑的構図を選んだものです。オオルリ撮影会、成果が上がると良いですね。最後の画像はご指摘の通り、置きピンです。対角魚眼の置きピンは嵌まると凄い絵になりますが、失敗すると目も当てられないのが辛いところです。
Commented by fanseab at 2010-05-18 22:58 x
himeooさん、ミヤカラの美点は表翅もさることながら、後翅裏面の白帯とスパンコールのように散りばめられた白点でしょう。それを何とか綺麗に表現したいと思いました。実物は何度見ても綺麗でした。
Commented by fanseab at 2010-05-18 23:02 x
ノゾピーさん、♂はもうスレ始めているかな?と少し危惧しておりましたが、ほぼ完品で助かりました。「宝石箱」、本当にそのものズバリの表現だと思います。日本に美麗種は沢山いますが、煌びやかな点ではミヤカラで留めを差すと思います。とにかく、シャッターを押すのがもったいないくらいの美しさでした。
Commented by kenken at 2010-05-19 13:57 x
サラリーマン、上に立つ者は何かと気苦労がおありのようで・・・ストレスは撮影で、はらさねばなりませんね!

黒系のアゲハ、こりゃまたいっき撮りですなぁ。
石上の飛翔のミヤカラは300mmですか、実に綺麗な表現で、臨場感があふれています。
私が最もお気に入りなのは、オナガの吸水の翅裏を真横から撮った1枚目の写真です。前翅の縁毛が白っぽくて、その個体の新鮮さを表現してくれます。
しかし、♂の後翅前縁部の白斑は吸水や静止ではなかなか表現できませんね。はばたきながら吸蜜するようなシーンでのみ表現可能かとチャンスを伺っていますが、なかなかめぐり合えません。
Commented by cactuss at 2010-05-19 21:25
春型のアゲハの美しさを見事に表現していますね。
春型のアゲハを撮らなくてはと思いながら、毎年、撮影できないでいます。今週末は重点的に撮影したくなりました。
Commented by fanseab at 2010-05-19 21:57 x
kenkenさん、土曜出勤で溜まったストレスは日曜のミヤカラ撮影で吹き飛ばすことができました。今回は吸水時にオナガのほうが神経質で悩まされました。ご指摘の通り、縁毛もしっかり残っていて、全開でも観賞に堪えるレベルで何よりでした。オナガの白班は確かに吸蜜時以外には撮影が厳しそうですが、頑張ってみたいと思います。
Commented by fanseab at 2010-05-19 22:06 x
cactussさん、コメント有難うございます。春型も夏型も未だ殆ど未撮影なので、どのシーンもとても興奮して撮影できました。彼らの活動パターンなり時間の経過と共に微妙に変化する蝶道のルートを読み解く等、予測する楽しみもあります。何とか至近距離で吸蜜シーンをゲットしたいと思っています。
Commented by ma23 at 2010-05-19 22:26 x
ミヤマカラスの飛翔すごくいい感じで、これが撮れた瞬間はさぞ幸せだったように思います。私もこれからゼフィルスまでの間はミヤマカラスとウスバシロです。関東はすべて出現が早くていいお手本にさせて頂きました。ぺこり。
Commented by fanseab at 2010-05-20 00:11 x
ma23さん、クモツキ遠征お疲れ様でした。クモツキ撮影の誘惑は当然あるのですが、今年はアゲハの年・・・と割り切って、とことん拘っております。アゲハの飛翔も結構不規則に飛ぶので、難易度高いですが、300mm単焦点の切れ味のおかげで、ジャスピンのコマの質は大変高いものがあり、挑戦意欲を掻き立てるのです。この飛翔もPC上で見た瞬間、飛び上がるくらい嬉しかったです。関西のミヤカラ、期待しております。
Commented by clossiana at 2010-05-20 07:33
ミヤカラもオナガもともに横からの吸水シーンがとても綺麗です。こういう風に撮る為には地面に這いつくばらなければならないのでしょうが特に後から3枚目のオナガは身体がビショビショになりませんでしたか?実は私も似たような場面に遭遇しているのですが身体が濡れるのをビビったためにつまらない写真しか撮れませんでした。その点、気合いが全く違っていますね。
Commented by fanseab at 2010-05-20 08:05 x
clossianaさん、流石経験者の視点は鋭いですね。ご指摘の通り、体をびしょ濡れにしての撮影でした。撮った機材はびしょ濡れ状態を防止するため、バリアングルモニターがあるのですが、ついつい、これまでの習慣で腹ばいになってしまいます(笑)。
Commented by nomusan at 2010-05-20 19:34 x
思いっきり出遅れました(大汗)。
いや、こりゃ素晴らしいですね。
まさに”ミヤマカラスアゲハ”であり、”オナガアゲハ”ですね。
語彙が乏しくてうまく表現できませんが、すごいです。
こりゃ、ええもん見させていただきましたぁ~。
Commented by otsuka at 2010-05-20 22:00 x
ミヤカラ、綺麗ですね。吸水の翅表も翅裏も、こんな風に撮れればいいなと思っている画像ばっかりです。
オナガアゲハも綺麗ですねぇ。縦の画像で写されているのが新鮮に思えます。オナガはなかなかシャッターチャンスに巡り会えません。
遅ればせのコメントですが、皆さんのコメントもすごく参考になりました。
Commented by fanseab at 2010-05-20 23:56 x
nomusan、日曜日の遠征は翌週の勤務に差し支えるので原則しないのですが、上手く嵌まった絵が撮れれば、御の字です。帰宅後、個人的に「あ~こりゃこりゃ」をやりました(爆) ミヤカラもオナガも大変個性的だなぁ~と撮影していてつくづく思いました。
Commented by fanseab at 2010-05-20 23:58 x
otsukaさん、コメント有難うございます。ミヤカラは本当に綺麗だと思いました。なにせ、至近距離で撮影するのは15年振りでしたので、興奮しまくりでした。オナガは本当に尾が長いですね。縦位置画像に拘りすぎて、画面内に尾状突起が収まらない没画像が沢山出て焦りました。
Commented by 揚羽 at 2010-05-23 16:43 x
ミヤマカラスアゲハは、美麗で、逢う度に心がときめきます。
春型ミヤマカラスアゲハの雄は、瑠璃帯と朱色の斑紋のコラボが決まってるね。
夏型ミヤマカラスアゲハの雄は、モンキアゲハに遜色ない大型で、エメラルド~サファイアの金属光沢鱗粉が、春型にない美しさがある。

ミヤマカラスアゲハ達が乱舞する自然を大切にしたいものです。

深山烏揚羽
Commented by fanseab at 2010-05-23 20:06 x
揚羽さん、拙ブログへのコメント有難うございます。
春型を撮影することができたので、次回は夏型にもチャレンジしたいと思います。サイズがでかいことの表現は難しそうなので、金属光沢鱗粉の違いを何とか表現できればと思います。
仰る通り、アゲハが乱舞する環境は大切に守りたいと思います。
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