探蝶逍遥記

香港遠征速報(4月29日~5月2日)

 ゴールデンウイークの前半、4年振りに香港に行って参りました。今回の目的はキシタ類の撮影と、普通種もしくは、既撮影種の撮り直しです。詳細なレポートはシーズンオフにすることにして、取り急ぎ速報バージョンでエッセンスをご紹介しましょう。

 最大の目的であった、Troidesの撮影は今回も難儀しました。2日目の午後、その雄大な飛翔を目にするも、いつものように舞い降りることなく、ヒラヒラと高所を飛ぶばかり。それで、3、4日目は、ひたすら飛翔で狙いました。そのうちの一枚がこちら。                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D5K-85VR(トリミング)、ISO=500, F18-1/2500、-1.0EV、撮影月日・時刻:5月2日、9時00分

 キシタアゲハ(T.aeacus aeacus)の♂です。最終日の午前中は、ようやく低い場所を巡回飛行してくれたので、85mmでの飛翔が何とか実現できました。こうなると、問題は課題の吸蜜シーンですが、結局今回も吸蜜はおあずけでした(^^;;

 それでも、これまでになく接近戦をゲットできたのでご紹介しましょう。
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D90-34、ISO=500, F9-1/1000、-2.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月2日、9時40分

 飛翔中はかなり鮮度が良く見えても、近づくとご覧のように前翅はかなりくたびれています。ツマキチョウではないけれど、延々と飛び続けるので、痛みも早いのだと思います。それに今回は♂2頭、さらには3頭が絡む追尾シーンを何回となく目撃できて興奮いたしました。

 さて、今シーズン、管理人は、アゲハチョウをきっちり撮ることを課題にしております。そこで、今回もシロオビアゲハ(Papilio polytes polytes)、ベニモンアゲハ(Pachliopta aristlochiae goniopeltis)といった定番の吸蜜シーンに取り組んでみました。ベニモンの1ショットがこちら。
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D90-34、ISO=500, F11-1/1600、-2.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月1日、15時12分

 簡単そうに見えて、アゲハの吸蜜シーンはやはり難易度高いです。背景がスッキリとして、なおかつ蝶が横向き、かつ翅にそこそこピントがあって、さらに複眼はシャープに、ストローはきちんと伸びて・・・諸々の条件を満足する絵はなかなか撮れません。比較的緩慢に飛ぶベニモンでも難しいので、他のアゲハでは、チャレンジのし甲斐があるなぁ~とつくづく思い知らされました。

 アゲハ類のお次は、極普通種のマダラチョウ吸蜜シーン。ここでは、リュウキュウアサギマダラ(Ideopsis similis similis)の♀の1カット。
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D90-34、ISO=400, F6.3-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:4月30日、9時28分

 このマダラチョウはなにも香港に遠征せずとも国内の温室で撮影可能ですが、敢えて、きっちり撮るのもまた難しいです。リュウアサの♂後翅裏面には性標が存在しないので、♂♀判定がちょっと難しいですが、翅が幅広いので、♀と判定しました。

 ジャノメの仲間では、これまで接近戦で撮れていなかったルリモンジャノメ(Elymnias hypermnestra hainana)をゲット。
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D90-34、ISO=500, F8-1/500、-0.7EV、撮影月日・時刻:4月30日、9時00分

 この手の敏感なジャノメ類には300mmが有効でした。しかも♀だったので大満足。しかし、300mmは合焦範囲が狭いのと、やはりVR(手ブレ防止機能)が付いていないので、相当に苦労しますね。それでもブレが無い時の解像度はピカ一で満足できるものでした。

 最後はシジミ類です。やはり見栄えがするロヒタキマダラルリツバメ(Spindasis lohita formosana)♂をご紹介しておきましょう。
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D5K-85VR、ISO=200, F5.6-1/1250、-1.0EV、撮影月日・時刻:5月1日、13時31分

 国内でのキマルリ撮影の権威、ブログ仲間の kenkenさんは、よく「キマリンは双尾先端の白点を全て(4本分)表現することが基本・・・」と力説されております。今回も同氏の説に従い、頑張ってみましたが、2本分が重なって、合計3本に見えてしまう絵しか表現できませんでした。やはりkenkenさんには、香港に行って頂き、技を拝見させて頂きたいところです。

 さて、セセリ類は期待したほど成果が上がりませんでした。まぁそれでも、2-3種、管理人的新種をゲットできてヤレヤレでした。次回はシーズンオフをお楽しみに。。。

<追記>
今回の蝶撮影では現地、香港鱗翅学会の重鎮であるLさん、およびYさんに大変お世話になりました。この場を借りて暑く御礼申し上げます。
<Acknowledgment>
The author of this blog would like to say special thanks to Dr.L and Dr.Y for their helpfull guidance of butterflies in Hong Kong.
by fanseab | 2010-05-04 19:34 | | Comments(22)
Commented by himeoo27 at 2010-05-04 20:13
ロヒタキマダラルリツバメは、国産のキマルリと同じく繊細で綺麗ですね!後翅の表面がチラっと見えるメタリックな青がとても美しいです。
Commented by fanseab at 2010-05-05 18:14 x
himeooさん、今回、比較的新鮮なロヒタに出会えました。ただ撮影した個体は肛角部が一部欠損しており、鳥やその他の昆虫に食われた可能性があります。後翅のブルーが見えるとドキドキしますね。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2010-05-05 22:11
GWは香港でしたか。何と羨ましいことか。キシタ飛翔エエですね。大型美麗種はやはり絵になります。最後の蝶は本当にキマに似ていますね。なるほど4個の白点がくっきり写るのが最高ランクのようですね。でも最高の写真ですぞ。
Commented by fanseab at 2010-05-06 07:14 x
ノゾピーさん、ちょっと無理しての香港遠征でした。キシタ飛翔は前回よりチャンスが多かったので、ましな絵が撮れました。ロヒタは裏面の条紋が黒ではなく、小豆色であることを除けば、国内産にそっくりですね。
Commented by chochoensis at 2010-05-06 07:32
fanseabさん、香港に行ってらしたのですね・・・とても羨ましい写真にビックリです。=キシタアゲハ=の飛翔・・・素敵ですね。
東南アジアでこの仲間に出会った時には興奮したのを想いだしました・・・懐かしいです・・・。
Commented by kmkurobe at 2010-05-06 20:48
うーんこれは素晴らしい。いつもながらの決めうちですね。ロヒタこれだけ撮影できればまったく文句は内のでは???
Commented by nomusan at 2010-05-06 21:46 x
香港に遠征されていたのですかぁ~。
キシタも素晴らしいですが、ロヒタキマリン、ええですねぇ~。
チラリズムの青が何ともたまりまへん(笑)。
これはええもん見させて頂きましたぁ~。
Commented by yoda-1 at 2010-05-06 21:47
香港ですか。
キシタアゲハの撮影はかくも大変なのですか。
しかし、ロヒタの新鮮個体が素晴らしいですね。
微細な欠損は言われるまで判りませんでした。
シーズンオフでの画像紹介が楽しみです。
YODA的には、シジミタテハ科の6本脚の写った♀を期待しています。
Commented by cactuss at 2010-05-06 22:10
香港に行っていたんですね。
キシタアゲハの飛翔やロヒタキマダラルリツバメの写真は美しいですね。一度、行ってみたいです。
Commented by Noreen05 at 2010-05-06 22:32
香港へ遠征されていたのですね!
皆さんコメントされていますが、キシタアゲハの飛翔素晴らしいですネ!
ヒメギフで飛翔に挑戦していますが苦戦しています(汗)。
Commented by fanseab at 2010-05-06 22:42 x
chochoensisさん、いつもコメント有難うございます。貴殿は確かタイでキシタを観察されていたのかと思います。雄大な飛翔はいつも心がときめきますが、飛翔画像で雄大さを表現するのは至難の業ですね。
Commented by fanseab at 2010-05-06 22:44 x
kmkurobeさん、今年は安曇野のお邪魔するか?相当に迷いましたが、結局香港への誘惑に負けてしまいました。ロヒタは何とか満足すべき画像が撮れました。4本云々は少し欲張りな考えですが、撮れたら撮れたで欲が出てくるもので・・・・・。
Commented by fanseab at 2010-05-06 22:47 x
nomusan、貴殿と阿蘇でご一緒してから、早いもので、もう1年経ったのですね。今回は阿蘇より遥か南方でキシタ狙いで頑張ってみました。今回はロヒタ以外にシャマも撮っているのですが、絵としてはロヒタのほうがメリハリ感があって決まりますね。
Commented by fanseab at 2010-05-06 22:50 x
yoda-1さん、実は貴殿のブログを拝見したことで、「香港行きたい病」が再発してしまいました。キシタは相性なるものがあって、撮れる方は簡単に撮ってしまうようですが、小生はどうも縁がありません。ただ、今回はじっくり生態を眺める時間があったので、次回は吸蜜をゲットできそうな気がします。シジミタテハの♀・・・これは相当に難しい注文ですね。きっと無理でしょう(笑)
Commented by fanseab at 2010-05-06 22:53 x
cactussさん、赤城姫の活動お疲れ様です。今年も元気な姿を見られたようで何よりです。今回の香港は滞在時間が少ないこともあって、相当に目的意識を持っての遠征でした。まぁ、満足度80%と言った出来でしょうか?行けば行ったでまた課題が見つかります。
Commented by fanseab at 2010-05-06 22:56 x
Noreenさん、香港は3回目でしたが、GWの時期に訪問するのは初めてで、どんな蝶が実際に飛んでいるか?少し不安もありました。日本同様、香港の4月は異常に寒かったらしく、蝶の発生が全般に遅れ気味とのことで、一部本来見られるべき種類が未発生だったり、いろいろと難儀しました。キシタ飛翔、比較的ノンビリ飛ぶので、不規則な飛行をするギフやヒメギフに比較すれば楽だと思います。
Commented by ma23 at 2010-05-07 00:29 x
1枚目の飛翔写真、雰囲気あって素敵です。香港って蝶が多いんですよね。初めてお会いした時に頂いた報文を思い出しました。向こうのキマルリ、ばっちりですね!
Commented by fanseab at 2010-05-07 07:15 x
ma23さん、キシタは鳥が飛んでいるかと錯覚する雄大な飛翔をします。その雰囲気が何とか表現できたコマがありました。一口に香港と言ってもポイント毎に観察できる種は限定されますので、奥が深いです。ロヒタは翅裏の質感描写に拘って見ました。
Commented by kenken at 2010-05-07 07:41 x
うをっ、いきなりキシタの飛翔ですかっ!目を奪われました。

そう、キマリンの仲間は4本の尾状突起の先端の白を全て表現して「画竜点睛」って叫びたいもんですね。(笑)ロヒタは重量感のある翅裏の紋様で、撮りごたえがある感じです。ちらりとのぞく瑠璃色がそそりますが、こいつがばっちり開翅するとえぇもんでしょうね。

それにしても、いずれの絵もくっきりとして、南国を感じさせる描写です。やっぱり、太陽光線の当たり方が違うのでしょう。
Commented by fanseab at 2010-05-07 22:07 x
kenkenさん、お呼びたてたようですみません。
キシタの飛翔は雄大です。ただ見てるだけでもウットリしますが、
何とか物にしたいと必死でパチパチ連射していました。
キマリン、開翅するまでじっくり待つほど、残念ながら時間的余裕がありませんでした。しかしチラリズムの瑠璃色を見ると、次回は是非開翅を・・と思ってしまいますね。
Commented by thecla at 2010-05-09 22:54 x
大幅に出遅れてしまいました(汗)が、キシタの飛翔は本当に雄大ですね。是非一度お目にかかってみたいものです。
ロヒタキマダラルリツバメも裏面だけでも魅力的な蝶ですね。これの表はどんなんでしょう(^^;
Commented by fanseab at 2010-05-10 07:47 x
theclaさん、コメント有難うございます。キシタ類の飛翔は何遍見ても飽きません。今回は比較的冷静にカメラを向けることができました。ロヒタ表は日本国内産と変らない瑠璃色だと思います。
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