探蝶逍遥記

アカボシゴマダラ長角型越冬幼虫(1月17日)

 アカボシが近所で本格的に見られるようになった2007年秋頃から、越冬幼虫の観察を続けています。通常、越冬幼虫は短角型(頭部の突起が短く先端が丸まった形状)なのですが、一部に長角型(非越冬タイプ)の個体も見出されるため、特にこの長角型に注目して観察しております。
 既に2007年12月30日2009年3月15日の2個体を観察していますが、最初の個体は途中で行方不明(恐らく野鳥による捕食)、もう一方は樹上で干からびた状態で発見され、最後まで越冬を完遂した個体は未だ確認しておりません。この冬も川崎市郊外にある拙宅周辺をザーッと探索し、運良くエノキの樹上から1個体を発見できました。                                  ++画像はクリックで拡大されます++                  
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D5K-1855-gy8(トリミング)、ISO=400, F29-1/30、+0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時50分

 幼虫は南西向きで、地上高142cm、体長約30mmで典型的な樹上越冬タイプです。さらに探索すると同じ株に短角型の幼虫2頭が樹上についていました。
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D5K-1855-gy8(トリミング)、ISO=400, F29-1/25、+2.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時53分
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D5K-1855-gy8(トリミング)、ISO=400, F29-1/25、+2.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時54分

 それぞれ樹上高110cmと83cm、体長は25mmと20mmです。最初にご紹介した長角型個体が越冬を完遂し、蛹化もしくは羽化まで至るのか?じっくり見守りたいと思います。
by fanseab | 2010-01-17 20:40 | | Comments(16)
Commented by himeoo27 at 2010-01-18 19:30
アカボシと同じく樹上の幹で越冬するコムラサキ
の幼虫を昨日観察いたしました。
アカボシは写真で見る限り立派でとても存在感が
ありますね!
Commented by fanseab at 2010-01-18 22:49 x
ヒメオオさん、こんばんは。
コムラサキと比較すると越冬個体のサイズが比較にならない位大きいので、見た目は全く異なります。今回観察した個体はアカボシの越冬個体の中でも比較的大サイズのもので、特に長角型は巨大です。
Commented by Ganesha at 2010-01-21 03:58 x
こんにちわ!
私が昨年観察していた溝の口駅前のエノキ幼木では、今年は1頭も越冬していません。秋の発生期に、エノキが夏の間に葉をほとんど食べ尽くされたような状態になっていたので産卵されなかったようです。他に観察に適当な木を探してなかったので、今年は越冬観察中の個体0です…。

長角型が大きいのは、確か5齢越冬だったからじゃなかったでしたっけ?
Commented by ダンダラ at 2010-01-21 09:33 x
アカボシゴマダラはゴマダラに比べて長角型の割合が高いんでしょうか。
それにしてもシャープな画像ですね。
いま魚露目の画像についてちょっと調べているんですが、皆さん苦労されている中で、ダントツのシャープさですね。
素晴らしいです。
Commented by 愛野緑 at 2010-01-21 17:28 x
この冬の冷え込みは昨年よりも厳しいように感じますが、樹上越冬しているのですね!
こちらでは、・・・寒くてエノキを見回りに行ってません・・・。
Commented by fanseab at 2010-01-21 22:31 x
Ganeshaさん、こんばんは。
長角型は仰る通り、令数が短角型よりは多く、サイズがでかいのは当然なのでしょう。それでも越冬態勢に入ると少しサイズが縮むので、越冬前は40mm近くあったと推定されます。
Commented by fanseab at 2010-01-21 22:37 x
ダンダラさん、アカボシとゴマダラの長角型の割合比較は難しいですね。ただ、①アカボシは樹上越冬もあるのと、②そもそも観察可能な越冬幼虫の数がゴマダラより圧倒的に多いので、長角型を発見しやすい、③さらに化数がゴマダラよりは少なくとも1化分余計にあるので、長角型で越冬せざるを得ない幼虫が多いのかもしれません。
魚露目の画像の質は装着されるマスターレンズとの相性がポイントのようで、たまたま小生の使っているニコンのレンズと上手くマッチングしたようです。それとF18以上位に絞り込むのも大事だと思います。
Commented by fanseab at 2010-01-21 22:41 x
愛野緑さん、コメント有難うございます。
アカボシゴマダラの越冬幼虫は3シーズンほど、連続観察していますが、今シーズンはなぜか樹上越冬の個体を発見する率が高いように思います。通常はエノキの葉が落葉する頃、一旦樹上に留まり、その後、高度を下げて、最終的には根際に潜むか、落葉下に潜り込みます。今回、発見した長角型も異例に高い位置なのでビックリしました。
Commented by clossiana at 2010-01-23 13:05
長角型と短角型を決定する要素は「蝶と蛾」だったか「やどりが」だったか覚えていませんが非常にデリケートな問題のようですね。長日下か短日下だけでもなく気温だけでもなく、又ある時点での齢数だけでもなく。。はっきりしているのは母蝶は生存している限りは季節に関係なく卵を産み続けてことぐらいですよね。この先、この幼虫がどうなっていくのか続報を楽しみにしています。
Commented by fanseab at 2010-01-23 20:30 x
clossianaさん、コメント有難うございます。長角型を生むパラメーターは確かにたくさんありそうです。放蝶?されたと推定される中国南部産の遺伝子に刷り込まれた化数を正直にこなすと、時期は真冬で慌てて越冬した・・・なんてこともありそうです。春まで持ってくれればの心境です。
Commented by chochoensis at 2010-01-23 22:39 x
アカボシの短角と長角・・・面白いですね・・・こういう観察って一番好きな分野です・・・この続きの経過もいろいろ教えてください。=気温・日長・越冬=の関係が解明されると面白い!
Commented by fanseab at 2010-01-24 11:51 x
chochoensisさん、長角型を観察するのはこれが三回目になります。「三度目の正直」で上手く羽化に至るといいのですけど。「二度ああることは三度ある」で、やはり駄目かもしれません。とにかく観察を継続しますので、続報にご期待ください。
Commented by hirokou at 2010-01-29 19:28 x
ゴマダラチョウも含めたこの長角幼虫の越冬には、興味を持っております。MFではアカボシ幼虫がいたエノキの幼木の多くが伐採されほとんど見つかりませんでした。今後の観察期待しています!
私のギョロメ8号は、保湿庫に眠っております(+_+)
Commented by fanseab at 2010-01-29 22:56 x
hirokouさん、こんばんは。小生、まだゴマダラについては、長角型の越冬幼虫は観察したことがありません。この先、一番寒い2月を上手く乗り切れば生き残れるような気がしています。アカボシは満遍なくエノキに産卵していくので、現在幼虫が発見されなくても、どこかの株でしぶとく生き残って、来春、姿を見られることでしょう。この凄まじい生活力が問題なのですが・・・・
Commented by tsukikumo at 2010-01-31 15:50 x
去年もたしか書き込んだと思うのですが、画像個体は奄美産のと同じですね。こちら阪神間では公園や社寺境内林には極めて多数のエノキが生えていますが、幼木のなかには年が明けても葉を落とさないのも存在することに気付きました。極少数ですがなかには春の新芽立ちまで青いままの葉を維持した木もありました。そういう条件に恵まれた個体なら長角でも冬場を乗り切ることが可能かもしれませんね。
Commented by fanseab at 2010-01-31 20:33 x
tsukikumoさん、コメント有難うございます。
なるほど、そんなエノキもあるのですね。こちら関東では、そのようなエノキを見ることはありません。長角型の場合、休眠後に摂取する食草の量がきちんと確保できる程度に新芽が出る時期が早いほうが有利なのでしょうね。もっともそれまで無事に越冬できるかが鍵ですが。
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