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探蝶逍遥記

千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)

 今シーズン初めてのムラツ詣出です。管理人の課題であるベタ開翅・閉翅の撮影が主目的ですが、越冬集団の数がピークを迎えるこの時期の状況確認もしたかったのです。現地8時15分着。噂には聞いていたのですけど、公園の樹木の状況変化にビックリ! いつもチョコンとムラツが横倒しで休息しているサンゴジュの株も様変わりし、ムラシが沢山潜んでいた株も枝がムチャクチャに伐採されて、見る影もありません。昨年秋、大集団を形成したスダジイも同じ状況。ガッカリして探索するもウラギン3頭を見つけるのがやっと。。。ブログ仲間の clossianaさん が継続観察されていたハクモクレンも確認したのですが、どうやら落葉したようで集団の姿はありませんでした。そのうち、ようやくカクレミノに潜む6頭集団を発見してホッとしました。                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++            
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D90-VR84@400mm、ISO=500, F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時23分

 体を倒した個体が少ないのは、比較的気温が高いためでしょう。そのうち、♂と思しき個体が株の上で飛び始めました。カクレミノのすぐ脇に目を転じると、何と数頭のムラツが日光浴状態でした。最初はこれまで縁が無かった♂のベタ開翅。
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D90、ISO=200, F10-1/400、-1.3EV、撮影時刻:9時36分

 鈍く藍色に光る♂の幻光が何とか表現できたかな? この♂個体は群を抜くデカさで迫力があり、またフレンドリーで目線より下の高さで何度も開翅を披露してくれました。お次はベタ閉翅。
千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)_f0090680_1247355.jpg
D90、ISO=200, F7.1-1/1000、-1.3EV、撮影時刻:10時11分

 こうして眺めてみると、ムラツの裏面は大変複雑な模様であると思います。尾状突起先端の白紋もきっちり表現できてお気に入りの一枚になりました(^^) さて、♂の幻光は見るアングルで様々に変化します。管理人のお気に入りは斜め前方からのアングルですので、縦広角でパチリ。
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D40-24、ISO=200, F9-1/250、-0.7EV、撮影時刻:10時22分

 この角度からだと前翅が藍色に光り、後翅がゼフのような深緑色に鈍く輝いて独特な味わいになるからです。タテハフリークの管理人としては、このアングルからだと何故かムラツがタテハチョウと錯覚する風格を覚えるのです。 お次は♀のベタ開翅。
千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)_f0090680_12481283.jpg
D90、ISO=200, F11-1/500、-1.3EV、撮影時刻:9時55分

 思いの他沢山観察できた♂と異なり、♀は痛んだ個体が多かったです。↑の画像は、その中でも綺麗な部類。いつものことながら、前翅の紫色の表現には悩みます。RAW現像でいくら手を尽くしても記憶に残るムラツ♀の色になりません。D90でもD40でも白飛びを嫌ってアンダー気味で撮影すると赤みが勝った嫌な色合いに仕上がります。現像ソフトに用いているSilkypixで「フィルム調A」で仕上げると一番記憶色に近いのですけど、逆に常緑樹の葉の緑の表現が不自然になります。次はベタ閉翅。
千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)_f0090680_12483315.jpg
D90、ISO=200, F10-1/400、-1.3EV、撮影時刻:9時43分

 葉上からしきりに吸汁している場面。それにしても図体の割りにムラツのストローは細いですね!
撮影した株の近くはムラツの個体数が多かったので、♀のダブル開翅の撮影にも成功。
千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)_f0090680_2136428.jpg
D40-24、ISO=200, F9-1/250、-1.0EV、撮影時刻:9時52分

 どんな種類でもこうして並んで開翅すると見事な眺めになります。また、この株の周辺で吸汁と開翅を繰り返し、その途中はゆっくりと飛ぶため、飛翔撮影のチャンスでした。何とか♀をゲット。
千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)_f0090680_21361836.jpg
D40-24、ISO=400, F3.5-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時21分

 残念ながら♂は没画像の山でガックリ(^^;; さて、飛翔等を撮影中、後ろを振り返るとどこかで見かけた方がお二人。ブログ仲間のclossianaさんと papilaboさん でした。ご挨拶もそこそこに情報交換。その後、ハクモクレンの状況を3名で再確認した後、マテバシイに形成された越冬集団のポイントに案内して頂きました。ここはほぼ北向きで日中全く陽が差し込まず、今までの集団形成箇所とは異なる環境です。暗くて揺れる葉先なので、撮影に苦労。400mmではブレブレになるので、ズームを300mmにセットして撮影しました。
千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)_f0090680_12492532.jpg
D90-VR84@300mm、ISO=500, F9-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時19分

 体を寝せておらず、ビッシリ固まっているので個体数集計に苦労しますが、恐らく13頭集団だと思います。昨年の40頭集団に比べれば、数は少ないものの、やはりこれだけ集まると迫力があります。papillaboさんが五段脚立の最上段に乗って撮影中、突然弾けるように集団が飛び去りました。これには3名とも唖然。葉先にカメラが触れてショックを与えた訳ではありません。管理人は、カメラのオートフォーカス用の赤外光がムラツを刺激したのだと推定しています。散りじりバラバラになった個体の一部は近くのツツジの植え込みの近くで日光浴している姿を確認しました。夕暮れ時にはまた元の場所に戻っていると思いますが、どうでしょうか? この後、clossianaさん達と別れ、北向き集団を撮影したついでに北向きの植え込みを重点的にチェックすると、マテバシイに潜む単独個体を発見。
千葉のムラサキツバメ探索(11月28日)_f0090680_12494295.jpg
D40-24、ISO=200, F6.3-1/50、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時50分

 恐らく♀でしょう。他にも似たような環境で休止する単独個体を見出しました。いずれもちゃんと葉の上部には雨除けの庇となる葉があって、彼らも計算づくで越冬場所を見出しているようです。

 マテバシイ集団をご案内頂いたclossianaさん、papillaboさん、大変有難うございました。
by fanseab | 2009-11-29 12:50 | | Comments(14)
Commented by cactuss at 2009-11-29 18:48
集団の数は年によって大きく変わるのですね。
昨年が多すぎるのか、今年が少なすぎるのかよくわかりませんね。
でも、目的のムラツの開翅、閉翅写真が無事、撮影できて良かったですね。
Commented by fanseab at 2009-11-29 21:04 x
cactussさん、コメント有難うございます。昨年の大集団が異常に
多かったのかもしれません。少なくとも5年以上、継続観察して
いなければ、数の増減判定は難しそうですね。
仰る通り、一日で目的の画像が撮れてヤレヤレでした。フレンドリー
なムラツに感謝です。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2009-11-29 23:33
ムラツ集団越冬見事にゲットされましたね。この日関東は良い気象条件だったようですね。私は見事討ち死にでした。♀ダブル開翅はお見事です。
Commented by maeda at 2009-11-30 06:09 x
みなさん、あの公園で地道に観察されているのですね。
近くなら私も間違いなく行ってます。
Commented by fanseab at 2009-11-30 07:05 x
ノゾピーさん、おはようございます。この日は穏やかで暖かかったので、ムラツの開翅には好条件で助かりました。念願の♂撮影ができてホッとしました。関西でも、どこかで集団越冬が発見できるといいですね。
Commented by fanseab at 2009-11-30 07:16 x
maedaさん、昨年貴殿をお迎えしてのオフ会を思い出しました。1年たつのは速いですね。ここはclossianaさん達が地道に継続観察されているので、出撃タイミングが計算できるのです。公園の枝が切られて、観察ポイントの高さが上り、撮影がしずらくなりました。
Commented by clossiana at 2009-11-30 07:40
fanseabさん、先日はお疲れさまでした。あの日の分を未だアップしていませんが帰ってから写真を見てみたらハクモクレンについては集団がいた葉自体は残っていましたから周辺に散っていたのだと思われます。今度もう一度見てみます。マテバシイの方はfanseabさんの予言通り、帰り際に様子を見ましたらすでに3頭戻っていて、その近くに2頭いました。あの暗い場所でよくこんなに綺麗に撮れるものですね。さすがです。因みに我々の方は全部ボケでした。ですからfanseabさんの方に記録が残って嬉しいです。でもこの集団は今までの観察結果を否定する存在ですのでショックでした。うわべだけで何かを決めつけることが危険だと再認識しました。
Commented by ダンダラ at 2009-11-30 10:10 x
ニコンのRAWではムラサキツバメ♀の翅表の色再現は難しいですね。
ムラサキシジミでも、ルーミスでも問題ないのに不思議です。
たぶん赤紫色の要素があってそれがうまくいかないのではないかと思うのですが、jpegではきれいに再現できているのに不思議です。
私の場合は色合いのコントロールで、赤紫の色の部分をぎりぎりまで左にシフトすることで何とか見た目の感じに近づけています。(職場なので手元にSilkypixがなく、こんな分かりづらい表現ですみません)
キャプチャーNXではどうなるんでしょう。
Commented by fanseab at 2009-11-30 22:13 x
clossianaさん、先日はお世話になりました。
ハクモクレンの方は完全落葉も時間の問題なので、いずれあそこ
から集団は離れるのでしょうね。今日は冷え込んでいるので、
マテバシイ集団がどうなっているか?興味があります。
Commented by fanseab at 2009-11-30 22:15 x
ダンダラさん、貴殿も同様な悩みを抱えていたのですね。色合いコントロールの件、試してみました。しかし、撮影コマによっては、あまり劇的には変化しません。キャプチャーも試したいけど、RAW現像ソフトをあまり色々持つもの抵抗あって実現しそうにありません。悩みは尽きませんね。
Commented by kenken at 2009-12-01 22:22 x
うをっ、♂♀開翅に、ダブル♀開翅ですかっ!
♀のベタ開翅、こりゃ綺麗で、えぇ色出てますね。
う~ん、こっちも近所にこんな公園があれば・・・
また探索してみます。
Commented by fanseab at 2009-12-02 07:18 x
kenkenさん、小生も関西在住時はムラツの観察に苦戦しました。こちらの経験では越冬集団している株付近が開翅撮影の好ポイントになるようです。この日もカクレミノの集団近くの低い植込で一挙に6頭が一斉に開翅~閉翅を繰り返していたので、開翅撮影がはかどりました。♀の紫色はダンダラさんが指摘されているように、NIKONのRAWで苦労しています。CANONではどうなんでしょうか?
Commented by himeoo27 at 2009-12-28 21:02
ムラサキツバメの♀の表翅の発色綺麗ですね!
リンクを貼らせていただきました。
よろしくお願いします。
Commented by fanseab at 2009-12-28 23:39 x
himeooさん、ムラツ♀の発色は大変難しいです。
見たままを写す・・・、これが意外と大変な種類がいて、
さしずめ、ムラツ♀はその代表格なのです。
こちらもリンクを張らせて頂きました。
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