探蝶逍遥記

キチョウの変則求愛行動等(10月4日)

 この日は課題としているルリシジミ♂閉翅狙いで近くの丘陵地帯の公園へ出向きました。しかし、ルリの姿はなく、ヤマトシジミのベタ開翅に注力。♂♀両者をゲットできました。              
++すべての画像派クリックで拡大されます++          
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D90、ISO=400, F13-1/160、-1.0EV、撮影時刻:7時45分
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D90、ISO=400, F13-1/200、-1.0EV、撮影時刻:8時09分

 ♀はうっすらとブルーの鱗粉が載っています。♂より開翅角度が狭いのがちょっぴり不満ですが、課題のヤマトは♂♀開翅・閉翅のセットで一応完成です。

 このポイントにはハギの株が数本あって、キチョウの♂が緩やかに飛んでいました。そこで少し真面目に飛翔に取り組むことに。管理人は飛翔撮影にストロボを常用しておりますが、ストロボ併用で一番難易度が高いのがシロチョウの飛翔シーンです。キチョウもまた然り。とにかく翅が白飛びしやすい!露出補正をアンダー気味に抑えるのは当然の処置なのですけど、そうすると背景、特にシャドウ部がノイジーになりすいのです。この辺は飛翔用愛機D40に使用されているCCDの設計が古いので仕方ありません。高感度特性に優れた最新のCMOSセンサーを有するD90で撮影する手もありますが、小型軽量で1/4000まで高速ストロボ同調可能なD40を手放す訳には参りません。そこでRAW現像である種のテクニックを使って、何とか解決してみました。ハイライト部分(キチョウの翅)の諧調を広めに調整した上で、ガンマコントロールでシャドウ部を引き上げるやり方。これで仕上げた作例をご紹介しましょう。
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F3.5-1/2000、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時46分
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F3.2-1/2000、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時47分

 何せ、朝方の薄暗い環境で絞りは開放に近いので翅を拡げたシーン(2枚目)ではピントが一部甘いのは仕方ありませんが、何とか翅のディティールは出せたと思います。キチョウの♂を追いかけていると、1頭の♂がハギの株の根元近くに潜り込んで止まりました。「なんだろう?」と覗き込んでみると、羽化近い蛹にぶら下がっていました。
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D40-24、ISO=200, F7.1-1/30、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時02分

 オオミスジ同様、羽化間近な♀の蛹に寄り添って、羽化と同時に交尾する作戦なのでしょう。時々別の♂個体が接近すると翅を拡げて威嚇行動を取っていました。所用で一旦帰宅し、昼過ぎに現場に戻ると♂は蛹から離れていました。流石に諦めたのでしょう。蛹の腹部はまだ蛹殻からの分離が進行していないので蛹化は翌日(10月5日)なのかもしれません。ご覧のように蛹はハギの根元に近い部分(ヨモギ?)にありました。他の株を探索してみると、やはり地上近くに別の蛹殻2個体を発見しました。
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D40-24、ISO=200, F7.1-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時04分

 ほとんど外敵から見えないような環境で蛹化して、羽化時に外敵から襲われるリスクを回避しているのでしょう。この後、この公園近くのコスモス畠でビュンビュン飛び回る、イチモンジ・チャバネセセリの飛翔に挑戦。何とかチャバネをコスモスとツーショットで入れることができました。
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F3.5-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時16分

 やはり作画意図からすると、背景は青空であってほしいですね(^^;; パスト連射以外でこの手のセセリ飛翔は厳しいですが、これからもチャレンジするつもりです。最後に思いがけず登場したのが夏型の特徴が出たベニシジミ♂。訪花中の開翅をパチリ。
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D40、ISO=200, F11-1/60、-0.7EV、撮影時刻:14時00分

 ちょっとボロなのが残念。もうそろそろ黒ずんだベニシジミの撮影は時期的に限界かもしれません。
by fanseab | 2009-10-05 23:10 | | Comments(8)
Commented by cactuss at 2009-10-06 22:55
今まで内蔵ストロボしか使用していませんでしたが、ハイスピードシンクロができるストロボを購入しました。撮影条件を参考にさせてもらって、少しでも使いこなせるようにしたいと思います。
Commented by maeda at 2009-10-07 06:15 x
キチョウの蛹への求愛、聞いてはいましたが実際絵になるとは、素晴らしいです。普通種なのですがなかなか面白いですね。
Commented by fanseab at 2009-10-08 07:27 x
cactussさん、ハイスピードシンクロは飛翔以外にも応用が利くと思いです。貴殿ならではの素晴らしい画像を期待しております。
Commented by fanseab at 2009-10-08 07:35 x
maedaさん、小生はキチョウの蛹への求愛行動を知りませんでしたので、びっくりしました。いつもより異常に低い探雌飛翔におかしいと思っての発見でした。しかし草陰から蛹を見事に発見する♂の能力には驚かされます。
Commented by ダンダラ at 2009-10-09 09:04 x
シロチョウ類の翅に関してはおっしゃるように細かなディテールまで表現するとなると、測光などの点で難しいことが多いですね。
改めて拝見すると、微妙なディテールまで表現されていて素晴らしいです。
自分の写真のときにも大いに参考にさせてもらいます。
チャバネセセリの飛翔は、パスと連射ではないのにすごいですね。
Commented by kmkurobe at 2009-10-09 22:21
うーんこれ地味に見えますけど最高のテクニックを駆使されて表現されていますね。素晴らしい。これは十分手応えを感じられたと推察いたしました・・・・・
Commented by fanseab at 2009-10-10 23:34 x
ダンダラさん、シロチョウ類のディティール表現は国産種はもちろん、東南アジアで出会う多様なシロチョウ類の撮影にとっても課題となっていますので、取り組んでいます。主力機種をD70からD90に変更して、諧調表現はだいぶ楽になったのですが、飛翔撮影に使用しているD40はその幅が狭いのでRAW現像時に相当苦労しているのが実情です。チャバネ飛翔は比較的緩やかに飛ぶ個体で何とか撮影できました。
Commented by fanseab at 2009-10-10 23:37 x
kumurobeさん、コメント有難うございます。飛翔では、撮影時に手応えを感じる余裕はあまりなく、PC上で確認する時にやっとOK/NG判定が出るのが面白いですね。RAW現像方式に変えてから、JPEGオンリーの時代に比べると、多少は歩留まりが改善したように思います。
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