探蝶逍遥記

広島県東部遠征(8月13日~14日) その(2)山クロツ

 「ほにゃらら」とはクロツバメシジミです。ゴマを求めて探索していると、棚田に遭遇します。なだらかな丘陵が続くこの地では、傾斜地を上手く利用した棚田が目立つのです。その棚田の段差は古い石垣で作られていることが多く、蝶屋の目は当然、ツメレンゲが生えているか?に注がれます。ワレモコウ探しには苦労しましたが、ツメレンゲは偶然通りかかった農道脇の石垣で発見できました。雰囲気を見ただけで「ここにはおるで~」と確信しました。果たして小雨模様の空からようやく晴れ間が顔を覗かせた午後3時過ぎ、チラチラと見慣れた黒い影が飛び出しました。太陽を待っていたかのように、すぐに♂が開翅してくれました。           ++すべての画像はクリックで拡大されます++         
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D90、ISO=400, F10-/1250、-1.0EV、撮影時刻:8月13日、15時24分

 ボロから新鮮なものまで結構な個体数が飛び始めました。一応開翅をゲットできたので、翌日、再度このポイントを訪れることに。先ずは前日撮りきれなかったベタ閉翅を撮影。
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D90、ISO=200, F13-/100、-0.7EV、撮影時刻:8月14日、8時38分

 ♀でしょうか?若干スレ品なのが残念です。昼過ぎにもう一度訪れてみると、♀は産卵の真っ最中。ただ真夏の暑さを避ける工夫からか、石垣の隙間の日陰に生えたツメレンゲに産卵するため、撮影アングルに苦労させられます。この程度がやっとでした。
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D90、ISO=200, F9-/160、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8月14日、12時55分

 産卵の途中、吸水に訪れたシーンも撮影。
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D90、ISO=200, F9-/640、-0.7EV、撮影時刻:8月14日、13時03分

 管理人にとって、♀の吸水シーンは初めての観察。苔に染み込んだ水分を吸っているようです。クロツのストローも細いので、吸水しているのか?確認するのに結構難儀しますね。このシーンを縦広角でも撮影。
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GX100@5.1mm、ISO=80, F9.1-/200、-0.7EV、撮影時刻:8月14日、13時05分

 発生地の石垣、真夏の青空もバックに入り、お気に入りの絵になりました。また♀は産卵の合間に半開翅も披露。
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D40-24、ISO=200, F8-/125、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8月14日、13時34分

 強い日差しを避ける工夫なのでしょう。石垣の隙間に止まっての開翅です。クロツ独特のビロード状の表翅幻光も写しこめたお気に入りのショットですので、少し大きめの画像でのご紹介です。さて、おしまいは飛翔。これまでクロツの飛翔は大した画像が撮れていませんでしたが、今回もパッとしない出来でした(^^;;
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D40-24、ISO=400, F7.1-/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8月14日、14時02分
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D40-24、ISO=400, F6.3-/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8月14日、14時04分

 2枚目のようなシーンでは、クロツの色合いが背景の石垣と完璧に同化して、現地でカメラの液晶モニターでゴミコマを消去する時に判断ミスを起こしてしまいました。クロツの飛翔は意外と難物ですね。

 クロツと言えば、これまでコスモスの花でも愛でながら、秋口の穏やかな日差しで撮るイメージでしたけど、思いがけず真夏に出会ったことで、♀の吸水シーンやら、暑い時期ならではの画像が採集できたように思います。思い切って出かけた広島遠征。青ゴマや山クロツも何とか撮影できて楽しい遠征となりました。<了>
by fanseab | 2009-08-25 22:36 | | Comments(8)
Commented by maeda at 2009-08-26 06:03 x
この時期の広島、思い出します。
何を追いかけるにしても暑くて、汗かきな私はいつもびちょびちょになるので、着替えを沢山持って行きました。
それを持ち帰ると嫁にぶうぶう言われてました。この量なに!
Commented by fanseab at 2009-08-26 07:11 x
maedaさん、確かにお盆の時期は暑いです。ゴマの生息地はいずれも朝晩はとても涼しいけど、昼間はムチャ暑い環境ですね。小生もいつもより大目に替え下着を持参しましたよ!
Commented by kmkurobe at 2009-08-26 21:01
うーん雌も吸水するのですね。小生のレベルではフィールドで雌雄が鑑別できません・・・・・
Commented by fanseab at 2009-08-26 23:03 x
kmkurobeさん、少しご無沙汰しました。
フィールドでは、小生もクロツの♂♀判定は自信がありません。いきなり開翅している個体に出会って、それが♂かどうか?相当悩むでしょう。この時は産卵行動を取っている♀を追跡している過程で吸水したので、何とか♀の吸水行動としているまでです。翅形や斑紋で雌雄の区別が厳しい種ですよね。
Commented by kenken at 2009-08-27 12:19 x
体調戻られたとのこと、また、中国地方遠征も成果があられたようで、何よりです。
今年は夏があったのかなかったのかのようなメリハリのない気候で、逆に、人間も環境適応が難しかったのかもしれませんね。
私も、最近、夏の撮影疲れが出て、先週末はどこへも出かけず、体を癒しておりました。

青ゴマに続いて何がでるのかと思っていましたら、クロツでしたかっ!多化性の蝶は、8月にもなると、どんなステージなのか行ってみないと分からないところがありますが、ゴマ探索のついでに、この暑い季節に新鮮な個体が撮影できるとはえぇもんです。

ゴマ、えぇ色出てますね。
翅裏の亜外縁の紋も「クサビ形」になっていて、あの辺りのゴマの特徴もばっちりです。

当方、今シーズンは、ゴマは行けずじまいで、ムモン三昧してしまいました。(笑)
Commented by chochoensis at 2009-08-27 21:55
fanseabさん、アオゴマやヤマクロツ・・・経験がありませんが素敵ですね・・・中国地方には行ったことが無いですが一度行って見たくなりました・・・すばらしい写真、ありがとうございます!!!
Commented by fanseab at 2009-08-27 22:51 x
kenkenさん、コメント有難うございます。夏場のシーズンに体調を崩したので悔しい思いをしましたが、秋風が吹いてようやく体調が戻りました。不順な天候もさることながら、ちょっと無理をしたのが原因だと思っています。青ゴマ、クロツ共に、一日ちょいの探索ですぐに好ポイントが見つかるほど甘くないですけど、何とか更新できるネタを撮ることができました。
Commented by fanseab at 2009-08-27 22:56 x
chochoensisさん、いつも暖かいコメント有難うございます。中国地方の山地は標高が低い割りにカラッとした気候で、大陸的な要素があるように思います。ヒメヒカゲやヒョウモンモドキ、ウスイロヒョウモンモドキ、ヒロオビミドリシジミ等、魅力的な蝶を育む貴重な産地だと思っています。
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