探蝶逍遥記

信州遠征(7月18-19日) (2)その他の蝶

 オオミスジ撮影の合間に探索した魅力的な蝶達をご紹介しましょう。なお、ご紹介する画像は全て7/18に撮影しました。現地で最初に出会ったのはヒメシジミ。既に発生末期と思われ、♀で最も鮮度が良くてもこの程度でした。                     ++全ての画像はクリックで拡大されます++
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D90、ISO=400, F4-1/800、-0.7EV、撮影時刻:8時41分

 ♂に至っては撮影するのが可哀想な状況。この地域では6月末が最盛期なのでしょう。高標高の高原なので、ヒョウモンチョウ類も結構飛んでいます。想定内だけど嬉しかったのがコヒョウモンモドキとの出会い。クガイソウで吸蜜する♀を逆光で狙いました。
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D90、ISO=400, F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時24分

 このモドキはデジタルでの初撮影。霧ヶ峰等、広大な草原の蝶のイメージが強いですが、ここでは畑地の脇とか僅かに残る草地が発生地になっている様子で、生息環境はかなり脆弱と推察します。ただモドキも発生後半で、このタテハの美点である断続的な縁毛も磨り減って見栄えがイマイチでした。15時過ぎ、少し日差しが強くなった時にオカトラノオに飛来した♂は♀よりもちょっぴり鮮度が良かったです。
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D90、ISO=200, F8-1/250、-0.7EV、撮影時刻:15時17分

 ウラギンも雨中では鮮やかなオレンジ色に見えましたが、接近すると結構スレが目立ってガッカリでした。
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D90、ISO=400, F9-1/400、外部ストロボ、撮影時刻:10時05分

 この日は14~15時頃、雲が少し薄くなって陽が差し始めたため、吸蜜に来る蝶の種類も増えました。オカトラノオに見かけない黒っぽいシジミが登場。ミヤマカラスシジミの♂でした。
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D90、ISO=200, F6.3-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:15時32分

 最初一瞬、同定できなかったのは、ご覧の通り、裏面の線条紋が全く消失していることでした。図鑑によれば、このような異常は滋賀県・伊吹山産で多く見出されるとの記述があります。因みに管理人にとってミヤマカラスは銀塩時代も含め、これが初撮影。初物が異常斑紋個体とは、文字通りビギナーズラックだったのかもしれません(^^) 

 さて、今回の遠征でオオミスジと並んで期待していたのがキバネセセリ。Burara属として唯一国内に進出しているセセリとして、是非ともデジタルできっちり捉えたかったセセリです。トイレ脇のコンクリート床に執心の個体を狙いました。吸い戻しの様子が伺えたので、その一瞬を何とかゲット。
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D90、ISO=200, F8-/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時08分

 今回遠征でも会心のショットになったので、少し大きめの画像でご紹介しています。ストローの先端および腹端部には水滴が観察されません。極微量の水分を出し入れしているのでしょうか?吸水に執着し、あまり吸水ポイントから離れないのを見込んで飛翔にトライ。何とか絞り開放に近い条件下、ジャスピンで捉えることができました。
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D40-24(ノートリ)、ISO=400、F2.5-/2000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:14時39分

 セセリと言えば、草原ではヒメキマダラセセリが目立ちました。定番のアザミで吸蜜する♂です。
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D90、ISO=200, F8-/100、-0.7EV、撮影時刻:14時56分

 コキマダラがいても良い環境なのですが、ヒメキマダラのみ観察できました。両者の生息条件は微妙に違うのですね。一泊二日での信州遠征。実は2日目はクリソゼフ撮影を画策して午前4時起きで頑張りましたが、やる気とは裏腹に俄か雨混じりの最悪の天候。上空の雲の動きを観察し、晴れる見込みなしと判断して午前7時に思い切って撤収しました。この日、期せずして関西のブログ仲間が近場の上高地を訪問されていたようですが、彼らも7時半には見切りをつけて下界で成果を挙げられたようです。

 今回は、結局初日だけの撮影に終わりましたが、当初の目的であるオオミスジとキバネ画像をゲットできて、それなりに満足して帰宅したのでした。<了>
by fanseab | 2009-07-24 22:39 | | Comments(10)
Commented by kenken at 2009-07-25 10:20 x
おおっ、めちゃくちゃえぇ写真の連発ですやんかっ!
クガイソウでの吸蜜逆光表現、貴殿ならではの雰囲気です。花の色がえぇもんです。
さらに、このミヤカラの新鮮さと白線消失には参りました。滋賀県ではこんな個体ばかり出るので、なんちゅうことはないのですが、信州でこの「顔」とは、凄いぞ、凄いぞ!吸蜜中の翅のすり合わせの感じも抜群の表現ですし、縁毛の揃い具合も超えぇです。
キバネ、この眼と翅全体にピンがいっているのもさすがですぅ。
Commented by clossiana at 2009-07-25 10:33
皆さん、この時期になると涼しいところを目指していますね。私も行きたくてたまらないのですが今年は無理のようです。でも皆さんのブログで楽しんでいます。クガイソウやオカトラノオのような長い花ってコヒョウモンモドキとよく合いますよね。いずれの写真もとても綺麗です。それとキバネセセリ、あの敏捷なセセリの飛翔をここまで撮られるのは神業ですね。凄いです。
Commented by banyan10 at 2009-07-25 18:21
ミヤマカラスシジミ白線が薄いのは見たことありますが、全くないと違和感ありますね。しかも新鮮な個体なのですごいです。
キバネセセリの吸い戻しも蝶だけシャープで素晴らしいです。
Commented by maeda at 2009-07-25 18:51 x
まさに例の個体のミヤマカラスシジミですね。
これは綺麗に消えています。実は北海道道南のミヤマカラスも同じような傾向があるのですが、遠くてなかなか行けません。2年前は失敗しましたし。
Commented by fanseab at 2009-07-25 20:12 x
kenkenさん、コメント有難うございます。クガイソウに止まった♀はかれこれ3時間位、この花弁に執着しておりました。傾斜地なので足の踏ん張り所がなくて苦労した一枚です。ミヤマカラス異常個体にはビックリしました。午後遅くになって吸蜜する生態をこれまで知らなかったので撮影できていなかったのかもしれません。
Commented by fanseab at 2009-07-25 20:16 x
clossianaさん、避暑がてらの撮影を目論んだのですが、雨にたたられた撮影行になりました。キバネは数年前、長野で撮影したのはボロ個体で、ようやく綺麗な個体に巡り合えてホッとしました。飛翔はこの場面に限って言えば飛翔速度も緩慢で何とかなりました。
Commented by fanseab at 2009-07-25 20:19 x
BANYANさん、ミヤマカラスは初撮影だったので、最初はウラキンか何か・・・何だろうと躊躇しました。別の角度からの画像では白線の痕跡がもう少しハッキリと見えます。キバネの吸い戻しは約10秒間隔で規則的にやっていたので、狙いやすかったです。
Commented by fanseab at 2009-07-25 20:25 x
maedaさん、ミヤカラの白線消失個体、図鑑によれば寒冷地でよく出現するようですね。北海道だと分布が偏っていて、道南まで遠征しなければならないのですね。確かに十勝からだと大変かも。
Commented by chochoensis at 2009-07-26 10:10
fanseabさん、=ミヤマカラスシジミ=の斑紋異常個体・・・素敵な写真ですね・・・ここまで完璧だと何のチョウなのかわかりませんね・・・すばらしい写真です!クガイソウのコヒョウモンモドキ・・・すてきな写真ですね・・・。
Commented by fanseab at 2009-07-26 19:50 x
chochoensisさん、小生もミヤマカラスにこのような斑紋異常が出ることは撮影するまで知りませんでした。別のアングルからの画像では線状紋の痕跡がもう少しハッキリと写っています。クガイソウにコヒョウモンモドキは定番のシーンですが、咲いているのが農道の脇だったのが意外で、へぇ~と思いながらの撮影でした。
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