探蝶逍遥記

カシワ林のゼフ探索(7月5日)

 今シーズン、山地性ゼフとしてハヤシミドリシジミを課題に掲げています。そろそろ♂の出始めと睨み、富士山麓のカシワ林を訪れました。現地5時30分着。朝露で濡れた下草にビッショリになりながら、カシワを叩いていきます。それらしき蝶影が飛び出しますが、茂みの影に逃げてなかなか成果が上がりません。10数本叩いてやっと大小2頭の個体が下草に舞い降りました。大きめの個体に狙いをつけ、慎重に探ると下草でもがいた後、ゆっくりと葉上に登り、静止してくれました。じっくりとベタ閉翅を撮影。                        ++いずれの画像もクリックで拡大されます++      
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D90, ISO=200, F3.8-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:6時03分

 開翅するまで時間がありそうなので、付近のカシワを更に探索。戻ってみるとまだ開翅しておりません。腰を落ち着け、携帯でメールチェック等して待機している途中、何気なく個体を見ていると、突然、何の前振りもなく、ガバッと開翅です。個体サイズからハヤシミドリの♀とばかり思っていたのですが、♂でした。ここは慎重に接近し、夢にまで見た真上からのベタ開翅を撮影。
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D90, ISO=200, F9-1/250、-1.0EV、撮影時刻:7時39分

 何と言う美しさでしょう。ウルトラマリンの種小名の由来がよくわかる、深みのある構造色に溜息が出ながらの撮影でした。この直後、サーッと飛び立ち、再びカシワの葉上に止まり、開翅です。 
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D70-VR84@400mm, ISO=400, F9-1/640、-1.0EV、撮影時刻:7時47分

 木陰から垣間見る濃いコバルトブルーも味わいがあります。続いて向きを変え、朝日に正対した姿を真正面から捉えました。
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D90-VR84@400mm, ISO=500, F9-1/800、-1.0EV、撮影時刻:7時55分

 前翅の輝きとは異なり、後翅に緑色が混じる色の変化も見ものです。これでかなり気分が楽になり、更にカシワを探索すると、今度は小ぶりの個体が下草にヨロヨロと舞い降り、すぐに開翅です。しかし、この個体、敏感でして、カメラを接近させるとすぐに翅を閉じてしまいます。暫く待って再び開いた瞬間をゲット。
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D70, ISO=200, F4.5-1/640、-0.7EV、撮影時刻:7時39分

 別途、撮影した閉翅画像から、管理人初撮影のエゾミドリシジミと判明。初物は素直に嬉しいですね。さて、エゾを撮影した付近で、ビュンビュン飛ぶ回るファボニウスを発見。ジョウザンかと思いきや、オオミドリシジミでした。テリ位置がそれなりに高いので400mmズームで狙っていたのですが、近場には降りません。時折激しく卍飛翔を繰り返すので、広角でいつもの乱射。何とか卍が解けて1頭が相手を追尾するシーンを切り撮れました。
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=400, F6.3-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時41分

 時間の経過と共に徐々にテリ張り位置が低くなり、手前のカシワの葉上に来た個体に狙いを定め、なんとかベタ閉翅もゲット。
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=400, F7.1-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時19分

 この個体、ストローを出して葉上の水分?を吸っている様子です。また別の個体が運良く下草に舞い降り、開翅してくれました。
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=200, F7.1-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時13分

 画面の後方にテリ張りの激戦場?となったカシワ林が見えます。ご覧のように対角魚眼を目一杯接近させても、ピクリともせず、大変助かりました。ここは千歳一隅のチャンスと考えて、真上からベタ開翅撮影に成功!
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D90, ISO=400, F5-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:10時13分

 今シーズン、既に諦めていたオオミドリのベタ開翅が得られて大満足です。
この日は心配されていた気温の上昇もさほど無く、ゼフの開翅画像に絶好の薄曇りだったのは幸いでした。ハヤシの開翅・閉翅のみならず、期待していなかった課題のオオミドリ開翅・閉翅画像も撮れ、充実感に満ちて帰宅したのでした。
by fanseab | 2009-07-07 00:27 | | Comments(22)
Commented by maeda at 2009-07-07 06:21 x
ゼフ、とっても綺麗ですね!
そろそろこちらでも出始めだろうと思うのですが、未確認です。
何時ものジョウザンポイントが草刈りされて真っ平らになっているので、こんな環境でどんなテリを張るのか興味津々です。
Commented by fanseab at 2009-07-07 07:07 x
maedaさん、やはり毎シーズン、金緑色の輝きを見ると興奮しますね。ハヤシは初撮影なのでドキドキしながらの撮影でした。今、北海道は一番密度の濃い時間で楽しみですね。確かジョウザンは御近所の広場のようなポイント画像を拝見した記憶があります。草刈の影響が心配です。
Commented by ダンダラ at 2009-07-07 12:14 x
素晴らしいゼフの開翅写真ですね。
テーマを決めてきっちり狙われた成果ですね。
当方、あちこちと浮気でろくな写真が撮れていません。
ハヤシ、オオミドリ素晴らしいです。おめでとうございました。
Commented by mii at 2009-07-07 17:33 x
すごく綺麗です!
特にベタ開翅がいいですね。ゼフの開翅はなかなか輝く部分すべてにピントを合わすのが難しいのですが…なるほどそうやって撮るといいんですね。
それから背景の処理もすばらしいです。すごく雰囲気がいいです。
Commented by banyan10 at 2009-07-07 20:08
富士山麓のカシワも良い環境がありそうですね。
ハヤシの雄は兵庫で夕方の活動時間に撮影しましたが、翅表は遠めからの半開翅しか撮れていません。
3枚目、4枚目の青が素晴らしい色ですね。
オオミドリも見事です。
Commented by kmkurobe at 2009-07-07 20:21
良い色が出ていますね。私にとってオオミドリの開翅は難関です。
だいたいが高いところを飛んできてなかなか止まってくれません。
Commented by fanseab at 2009-07-07 22:54 x
ダンダラさん、コメント有難うございます。課題で要求されているベタ開翅画像は難易度は高いけど、撮れた時の喜びは格別なものがあります。特にオオミドリが撮れた時は生態写真撮影の醍醐味みたいなものを感じました。
Commented by fanseab at 2009-07-07 22:59 x
milさん、今シーズン、ゼフについては開翅はおろか、閉翅の撮影もままならなかっただけに、この日は一気にストレスが吹き飛んだ感じがします。ベタ開翅は実はゼフの構造色として、本来の光り方ではないので、自然な色合いとしては斜め前方あたりから狙うのが良いと思います。ゼフの場合は翅全面にピントが来なくても十分雰囲気は出ると思いますので・・・。背景はたまたま良い感じになっただけです(^^;;
Commented by fanseab at 2009-07-07 23:03 x
BANYANさん、カシワ林はそもそも場所が限られているので、ポイントを探すのに結構苦労しました。♂開翅画像の撮影については、本来のハヤシの活動時間帯だと、活発過ぎるのと、暗い環境で撮影には厳しいかもしれませんね。最後のオオミドリ画像は小生にとって会心の作例です。
Commented by fanseab at 2009-07-07 23:07 x
kmkurobeさん、ブログ仲間の皆さんが集結した安曇野遠征も考えていましたが、今回は近場でハヤシ探索に絞りました。そちらもハヤシが出始めで、ウラジロもそろそろなのでしょうね。オオミドリ、「活動の終盤に粘っていると降りてくる・・・」とのブログ仲間の情報が参考になりました。お試しあれ!
Commented by cactuss at 2009-07-07 23:27
ハヤシ、エゾ、オオミドリとすばらしいですね。
特にハヤシの開翅は深い青ですばらしい輝きですね。
目的通りに撮影できるとはさすがです。
Commented by fanseab at 2009-07-07 23:45 x
cactussさん、今シーズン初めてゼフの構造色を写しこめてホッとしております。枝から叩き出しで落ちてきた時は殆ど構造色が見えなかったので、最初は♀と錯覚しました。開翅した瞬間、コバルトブルーに圧倒されました。本当に素晴らしい輝きだと思います。
Commented by chochoensis at 2009-07-08 21:06
fanseabさん、なんといっても=ハヤシミドリシジミ=の開翅写真に息を呑みました・・・あまりの美しさに今でも興奮しています、さぞかしドキドキしたでしょうね!!!おめでとうございます!
Commented by furu at 2009-07-08 21:33 x
ため息が出るような画像ばかりですね。ベタ開翅2種とオオミドリ広角が特に素晴らしいです。
4日に家から一番近いハヤシミドリのポイントに行きましたが、カシワが全部伐られてました。(ioi)
Commented by fanseab at 2009-07-09 07:32 x
chochoensisさん、おはようございます。ハヤシ♂開翅は最初、後方から眺めた時はそれほど光らなかったのですが、真上から見込んだ時、眩い群青色にドキドキしましたよ。この煌めきは今でも目に焼き付いています。
Commented by fanseab at 2009-07-09 07:45 x
furuさん、コメント有難うございます。ベタ開翅のアングルでの撮影は、相手に気付かれないか?ドキドキしながらの撮影になりますね。上手く撮れた時はヤッターと軽くガッツポーズが出ました。東京や神奈川あたりのカシワ林は常に伐採される可能性があり、積極的に保護しないとカシワ林と共にハヤシミドリが姿を消す運命になりそうです。
Commented by Lycaenidae at 2009-07-09 23:32
ハヤシ&オオミドリのベタ開翅撮影、おめでとうございます!
ハヤシの文字通りのウルトラマリン、ため息が出ますね。
それ以上に、オオミドリの真上からの開翅写真、これまで見たことがありません!すばらしいですね!
Commented by fanseab at 2009-07-10 07:37 x
Lycaenidaeさん、ハヤシミドリ♂は但馬でも上手く出会えなかった経験があるので、♂のウルトラマリン色をファインダー越しに眺めた時は嬉しかったです。オオミドリのベタ開翅は、もう絶対に無理だろうと思っていたので、撮影していて痺れましたよ!
Commented by kenken at 2009-07-10 22:01 x
このハヤシのベタ写真はえぇねぇ~
ウルトラブルーを完全に表現できています。
周囲の笹の葉上の朝露も泣かせます。
今シーズン、ヒロオビなんかでこんな絵を狙って出かけるも連敗ですわ。
私は、やっぱりゼフ撮影のセンスないかも・・・(爆)
Commented by fanseab at 2009-07-11 20:03 x
kenkenさん、コメント有難うございます。ゼフ♂のベタ画像なんてどうやって撮るのだろう?と心配しておりましたが、鈍感なタイミングなら何とかなるようです。ただハヤシの場合はシャッターチャンスはほんの2-3分で、バシャバシャ撮り巻くってのヒトコマでした。小生もヒロオビとは縁遠く、悔いが残っております。しかし、貴殿はゴイシツバメ撮影のセンスがおありで、羨ましい限りです(笑)。
Commented by thecla at 2009-07-12 20:46 x
ハヤシにオオミドリベタ開翅画像、素晴らしい色合いで着々と撮影されて素晴らしいですね。
私、性格が雑なもんでどうも上手くいっていません。まあ、そもそもゼフ♂の開翅を真上から見ることも滅多に無いような・・・・。
Commented by fanseab at 2009-07-13 07:09 x
theclaさん、ゼフの開翅画像はそもそも未撮影種が多く、ハヤシもその1種でした。90mmマクロの射程距離で撮影できると、鱗粉の質感まで描写できるので、臨場感がでますね。課題のアングルは確かに現実的な角度ではないと思いますが、これはこれで勉強だと思って課題をこなしております。
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