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探蝶逍遥記

阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他

 あれほど暑かった阿蘇山麓も、夕刻になるとさすがにヒンヤリしてきて、オオルリも活動を停止します。クララへの産卵で大忙しだった♀もクララの葉上で休み、夜を過ごす準備を始めます。     ++いずれの画像もクリックで拡大されます++ 
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_859989.jpg
D90, ISO=200, F9-1/200、-1.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:5月2日、16時31分

 一方、滞在3日目(5/4)は朝から冷たい雨が降る肌寒い一日でした。しかし、雨だからといって、部屋に篭っていたら蝶屋は務まりません。早朝からポイントに出撃し、透明ビニール傘を差して撮影を敢行。すると、いろいろと面白い生態が観察できました。一番印象的だったのは、オオルリの静止姿勢。普通、シジミチョウの休眠は頭を下にするか、上に向けていると思います。しかし、多くのオオルリが真横、つまり地面に水平に翅を位置させて休眠している姿でした。先ず、キンボウゲに止まっている個体。
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_8593549.jpg
GX100@5.1mm, ISO=80, F3.6-1/180、-0.7EV、撮影時刻:5月4日、6時58分
 
 見事に斜面に平行に止まっています。お次はクララの新芽上の個体。
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_90257.jpg
D90, ISO=400, F3.5-1/500、-0.7EV、撮影時刻:5月4日、7時20分

 雨滴は確実に翅を直撃しているはずです。わざわざ翅にダメージを与える姿勢を何故取るのか?不思議です。もちろん水平に位置取りするのではなく、まっとうな?姿勢の個体も観察できました。雨滴を強調するような構図でパチリ。
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_903265.jpg
D90, ISO=400, F3.5-1/800、-0.7EV、撮影時刻:5月4日、7時12分

 臨場感を出すため、少し大きめの画像でのご紹介です。休止している個体は恐らく♀でしょう。同じくノーマルな休止姿勢の♂。
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_905561.jpg
D90, ISO=200, F9-1/80、-1.0EV、撮影時刻:5月4日、7時45分

 冷たい雨降りの朝でしたが、耐寒性には個体差があるのか?↑の♂個体は前翅を立て気味にして、そろそろ飛び立てる姿勢を取っています。個体全般を眺めた印象では、♀の方が寒さに弱い感じですね。

 さて、ブルー系シジミを撮る時、忘れてはならないのが、縁毛幻光。同幻光を逆光で撮ることに無上の喜びを見出す管理人としては、オオルリの幻光を撮らずして、阿蘇から帰るわけには参りません(笑) しかし、意外とてこずりました。幻光を発する角度が相当に限定されていて簡単ではありません。さんざん苦労して、最終日にやっと撮れた一枚を貼りましょう。
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_912154.jpg
D90, ISO=400, F11-1/500、-2.0EV、撮影時刻:5月6日、6時35分

 キンボウゲに止まってくれたので、ブルーの幻光が映えていい感じです。ただ幻光が発する角度ではご覧のように複眼や翅全面にはピントが合いません(^^;

 さて、このシリーズの冒頭、速報版で羽化直画像を貼りましたが、縦位置広角でも貼っておきましょう。
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_915563.jpg
D40-10.5-X1.4TC, ISO=200, F11-1/800、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:5月3日、8時04分

 朝日を逆光で浴びる羽化直個体の後方に立つ人物は誰あろう、当地をご案内頂いたnomusanです。実はこの時、拙撮影風景を将にnomusanが撮影中でして、管理人の珍妙な撮影スタイルが nomusan のブログ に紹介されております。nomusan曰く、「寝大仏の構え」。恥ずかしながら上手い表現ですね!撮られてばかりでは悔しい?ので、こちらもnomusanの撮影風景を激写。
阿蘇山麓遠征(5月2日-6日): その(7)オオルリシジミその他_f0090680_19591255.jpg
GX100@5.1mm, ISO=80, F9.1-1/200、-0.7EV、撮影時刻:5月3日、7時40分

 殆ど地面スレスレにいる羽化直個体なので、どうしても撮影姿勢は不自然になりますね。しかし、貴重な九州産ブログ仲間の撮影風景画像をコレクションに加えることができました。掲載許可を頂いたnomusanに感謝です。さて、これにてオオルリ画像はおしまいです。次回はオオルリ以外の画像をご紹介しましょう。
by fanseab | 2009-05-30 09:05 | | Comments(10)
Commented by nomusan at 2009-05-31 05:31 x
おっとぉ! 出なかったな、と安心しておりましたのに(爆)。
オオルリシリーズの最後を飾って頂き、感謝の念にたえません・・・・が、確かに牛糞が・・・(笑)。

雨中の平行画像、驚きました。このような姿勢は見た記憶がありません。何せ、ここ十年くらいは雨が降ったら行っておりませんでしたし・・・。今回、いろいろな生態を拝見し、「自分は何を見てきたのだろう。」と何回も思わせられました。こちらこそ御礼を申しあげます。
Commented by fanseab at 2009-05-31 21:21 x
nomusan、いつ登場して頂くか?いろいろ悩みましたが、やはり
オオルリの最後を飾って頂こうかと・・・。牛糞を気にしてたら、
ここは撮影に集中できませんね(笑) 羽水平休止の件ですが、
H社の生態図鑑を読み直してみると、夜間、このような姿勢で
休む・・・との記述があります。気温が低い時は昼間でもこの姿勢
を取り続けるような気がします。
Commented by kenken at 2009-05-31 22:06 x
撮影シーンの撮影は、同行する際の醍醐味ですね。
そういうと、私も貴殿の撮影シーンを以前に・・・(笑)
草原性の蝶は、雨でも、透明ビニール傘があれば意外に綺麗に撮影できますよね。逆に、カンカン照りでは表せない美しさがあったりしますし。
nomusanさん、貫禄ですな。(爆)
Commented by Noreen05 at 2009-06-01 05:06
阿蘇山麓のオオルリシジミを堪能させていただきました。様々な角度からじっくりと観察撮影されて、蝶の撮影をしている者にとって大変参考になります。
そして・・・もう掲載はないのでは?と思わせながら。ここでnomusanさんの登場とは!!憎い構成ですね(爆)~♪
Commented by maeda at 2009-06-01 06:07 x
匍匐前進は地面近くの蝶に対して自然な姿です、私たちには。
普通の方には何を撮っているのか理解してもらいにくいですね。
Commented by fanseab at 2009-06-01 07:12 x
kenkenさん、ブログ仲間の撮影風景画像はこちらがある程度撮影に余裕がないと、撮り忘れたりしますね。阿蘇のオオルリ撮影も2日目までに一通りの絵を抑えていたのでnomusan画像もしっかりゲットしました。
Commented by fanseab at 2009-06-01 07:22 x
Noreen05さん、おはようございます。今回ほど単独種にじっくり向き合っての撮影はこれまでになかった経験です。オオルリはそれだけの価値がある魅力を秘めていると思います。是非阿蘇に一度足を運んで、オオルリとnomusan画像をゲットして下さい(笑)
Commented by fanseab at 2009-06-01 07:29 x
maedaさん、匍匐前進、確かに一般の方には珍奇な格好でしょうね。今回のオオルリは地表スレスレに止まっている個体が多かったので、匍匐スタイルが増えました。今度N社から出たバリアングルモニター付のD5000が欲しくなりますね。
Commented by chochoensis at 2009-06-01 20:18
fanseabさん、ブログの説明を読んでいて・・・「ハッ!」とすることがありました・・・=地面平行姿勢=についてです・・・先日、曇天の=オオルリ=撮影会に参加したときに=地面と平行になっているオオルリの交尾個体=を不思議な感覚で観察していました・・・これってもしかして、同じような仕草なのでしょうか???気になります・・・。
Commented by fanseab at 2009-06-01 22:19 x
chochoensisさん、そちらの撮影会での交尾個体での平行姿勢ですか?うーん、興味深い行動ですね。阿蘇では夜を過ごしたと思われる交尾ペアは普通の姿勢でしたし、朝方観察した数例も通常モードでした。もう少し、観察事例を増やさないと、低温時に取る行動様式なのか?はっきりと断言できませんね。
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