探蝶逍遥記

北ボルネオ・キナバル遠征記:(19)イチモンジチョウ亜科

 ミスジチョウ族は管理人のお気に入りのタテハチョウです。最初はキンミスジ(Pantoporia hordonia dora)。          ++画像はクリックで拡大されます++
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D70, ISO=500, F9-1/500、-0.3EV、撮影時刻:2008年5月3日、10時44分

 これは獣糞からの吸汁シーン。東南アジアでは、橙色のミスジチョウの種類が多く、同定に苦慮します。本種はその中でも代表的な広域分布種でインド~台湾まで観察できます。お次はこれまた管理人のお気に入り、ミナミイチモンジグループ(Athyma属)の中から、アッサミナミイチモンジ(Athyma assa pseudocama)の♂。
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D70, ISO=400, F7.1-1/500、-0.3EV、撮影時刻:2008年5月3日、9時37分

 前翅端の橙色がアクセントになって斑紋を引き締めていますね。さらには、ネフテミナミイチモンジ(A. nefte subrata)の♂
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D70S-VR84@310mm, ISO=400, F11-1/200、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:2008年5月2日、14時23分

 葉上のわずかな水分を吸水しているようです。そしてヤエヤマイチモンジ(A. selenophora )の♀に似たラリムナオニミスジ(Tacola larymna elis)♂。
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D70, ISO=200, F5-1/400、-0.3EV、撮影時刻:2008年5月3日、9時41分

 本種はAthyma属として扱うケースもありますが、ここは塚田図鑑に従って、別属扱いとしました。↑の場面を縦位置広角で。
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GX100@5.1mm, ISO=80, F6.5-1/90、-0.7EV、撮影時刻:2008年5月3日、9時42分
 
 ラストを飾るのはやはり雄大な飛翔が魅力のイナズマチョウグループです。最初はポーリン温泉で出会った、パルダリスオオイナズマ(Lexias pardalis borneensis)の♀。
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D70S-VR84@400mm, ISO=800, F10-1/500、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:2008年5月2日、11時38分

 暗い林縁部に佇むので、どうしてもストロボの助けが要ります。本種はシンガポールで撮影し逃していただけに、ヤレヤレと胸をなでおろした場面でした。いつもは接近戦に苦労するオオイナズマですが、(パイナップル+バナナ)トラップに執着してくれたお陰で、パルダリス♀(画面左)と同属のディルテアオオイナズマ(L. dirtea opicus)♂のツーショットをゲット。
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D40-1855@55mm, ISO=400, F7.1-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:2008年5月3日、10時56分

 ♂がボロなのがちと残念。パルダリスとディルテアの区別点は触角上部の色。上部も赤褐色になるのが、パルダリスと判定します。図らずも現地で両種が共棲している証拠画像となりました。この絵を撮った後、敏感なディルテア♀に超接近して撮影することができました。それがこの場面。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F2.9-1/30、内蔵ストロボ、撮影時刻:2008年5月3日、11時37分

 パイナップルトラップに恐る恐る接近していくと、何とレンズが触れんばかりの距離でもビクともしません。「何かおかしいな?」とよく翅を見ると、右後翅と前翅の一部が羽化不全でした。強靭な飛翔力で暗いジャングル内を飛び回る♀ですが、大事な翅を一部失った姿に同情しました。上手く交尾→産卵ができるのでしょうか?

 さて、ディルテアやパルダリスは東南アジアの島嶼のどこでも確認できますが、キナバルに来たからには写したかったのが、キナバル固有のキナバルコイナズマ(Tanaecia amisa)。公園本部付近の谷あいでキナバルミカドやキナバルオナガタイマイを狙っていたポイントで、偶然出現し、慌てて撮影したのがこの画像。
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D70S-VR84@400mm, ISO=400, F8-1/400、-0.7EV、撮影時刻:2008年4月29日、12時46分

 ご覧の通りの証拠画像で、恐らく♀でしょう。これ以上接近しようにも倒木が散乱する急斜面で、すぐに逃げられました。結局、このイナズマに出会ったのは、この一瞬だけ。撮り直しができれば、是非トライしたい種でもあります。<次回に続く>
by fanseab | 2009-02-25 21:45 | | Comments(8)
Commented by cactuss at 2009-02-25 23:32
この仲間は好きですね。
後半のイナズマチョウの仲間は見たことがないので、飛んでいる所を見てみたいですね。
Commented by maeda at 2009-02-26 06:15 x
私もこの仲間は好きです。
仰るとおりで鑑別がやっかいですね。
特に写真だけでとなると難しくなります。
Commented by fanseab at 2009-02-26 07:24 x
cactussさん、おはようございます。イナズマチョウの仲間は最北でも台湾に行かねば見られませんが、タテハファンなら一度はご覧になることをお勧めします。オオイナズマの♀が暗い林内を音も無く滑空する姿は異次元の世界で、感動をお約束いたします。
Commented by fanseab at 2009-02-26 07:33 x
maedaさん、橙色系ミスジはそれほど種類が多くないのですけど、白系班紋のNeptisはお手上げですね。特にコミスジに類似のグループは絶望的です。撮影した後、都度ネットインして交尾器を確認することもできませんし……
Commented at 2009-02-27 18:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fanseab at 2009-02-28 10:32 x
非公開コメントさん、ようこそ、いらっしゃいませ。
お役に立てれば幸いです。さきほど、そちらにもお邪魔して参りました。これからもお気軽にお立ち寄りください。
Commented by chochoensis at 2009-02-28 17:26
fanseabさん、パルダリスオオイナズマ・・・きれいですね・・・・なんとも風変わりな色彩に魅入られました。すてきです!
Commented by fanseab at 2009-03-01 10:19 x
chochoensisさん、パルダリス・ディルテア共に♀はオオムラサキ♀と同程度の体躯で、その滑空する姿は本当に迫力があります。ご指摘のように、全体に黄色い斑点を散りばめた濃茶色の配色パターンは日本の蝶にはない、魅力がありますね。
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