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探蝶逍遥記

北ボルネオ・キナバル遠征記:(18)タテハチョウ亜科

 真性タテハチョウのご紹介です。最初はヒメキミスジ(Symbrenthia hypselis balunda)。
++画像はクリックで拡大されます++
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D70, ISO=200, F7.1-1/250、撮影時刻:2008年5月1日、11時23分

 撮影ポイントは、公園本部の高標高地です。海老トラップの腐汁が苔に染み出ていて、そこから開翅吸汁しているシーン。キミスジの仲間は極めて混同しやすく、管理人も悩みますが、ヒメキミスジは裏面が独特の石垣模様を呈すことから、同定は容易です。トラップから吸汁した後は、近くの梢でテリを張る場面も観察できました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F8-1/1000、-1.3EV、撮影時刻:2008年5月1日、12時39分

 所謂、「斜め45度逆光開翅」に近い、タテハが最も格好よく映るシーンですね。アンテナをピンと伸ばした、タテハのこのポーズ、管理人も大好きです。キミスジが止まった常緑樹の葉には苔が生えていて、キナバル独特の雨霧林環境がよく理解できる場面でもあります。
 お次はヤエヤマムラサキ(Hypolimnas anomala anomala)。
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D70, ISO=200, F9-1/500、内蔵ストロボ、撮影時刻:2008年5月2日、13時07分

 ひとしきり飛翔した後、葉陰で開翅して休息するシーンです。ヤエヤマのお次は定番のリュウキュウムラサキ(Hypolimnasa bolina philippensis)。
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D40-1855@55mm, ISO=200, F8-1/160、撮影時刻:2008年5月2日、9時49分

 朝9時30分頃からタテハの活動が活発になり始めます。↑の場面では、リュウムラの開翅を期待して暫く待機したのですが、閉じたままでした(^^;;

 さて、渓流沿いによく見かけるイシガケチョウの仲間も魅力的な種類が多いと思います。最初は、やや標高の高いポイントで、観察できるマエナリスイシガケチョウ(Cyrestis maenalis seminigra)。
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D70, ISO=200, F7.1-1/1600、-0.7EV、撮影時刻:2008年4月29日、12時09分

 国産のイシガケチョウ(C.thyodamas)に比較すると、黒褐色の筋線がくっきりとして、大変魅力的なタテハです。これまでの遠征先の渓流沿いで出会いを期待していた種類ですが、ようやく公園本部付近で巡り会えました(^^) お次は飛翔。
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D40-1855@18mm(トリミング), ISO=1600, F8-1/2500、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:2008年5月1日、13時30分

 滑空場面は緩やかなので、飛翔は楽勝と思われますが、意外とギクシャクした飛行曲線なので、苦戦しました。少し標高を下げたポーリン温泉付近で目立ったのが、ニベアイシガケチョウ(C.nivea borneensis)。
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D70, ISO=200, F8-1/800、-0.3EV、撮影時刻:2008年5月3日、10時56分

 ご覧のように、マエナリスとは対照的に、白を基調とした優美なイシガケです。こちらも飛翔に挑戦するも、接近戦に失敗(^^;;
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D40-1855@18mm(トリミング), ISO=800, F4.5-1/2500、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:2008年5月3日、10時31分

 次回はイナズマチョウ等、魅力的な種が含まれるイチモンジチョウ亜科のご紹介です。ご期待ください!
by fanseab | 2009-02-18 22:34 | | Comments(6)
Commented by maeda at 2009-02-19 05:59 x
キミスジの仲間もなかなか魅力的です。
イシガケはこれまた種類が多いので、慣れるまでが大変そうです。
Commented by fanseab at 2009-02-19 07:14 x
maedaさん、渓流沿いを好むキミスジの仲間は日本のサカハチチョウそっくりで可愛いらしいですね。イシガケは国産に比べると小さくて、とても可憐な感じで、ついついレンズを向けてしまいます。
Commented by chochoensis at 2009-02-19 21:31 x
=マエナリスイシガケチョウ=の美麗さに度肝を抜かれました・・・こんなに魅力的なのも居るんですね・・・驚きです。=ニベアイシガケチョウ=も清楚な感じが素敵です・・・。こういう場面に遭遇したら多分2-3時間は見て居るかもしれません・・・羨ましいです。
Commented by hirokou at 2009-02-19 23:41 x
イシガケチョウの仲間はほんとに綺麗でとても惹かれる蝶です。
僕は特にニベアイシガケチョウ 貴blogのトップに載せておられますがいいですねぇ!
白い翅にグレーの格子とオレンジの紋が素晴らしいです!

Commented by fanseab at 2009-02-20 07:13 x
chochoensisさん、コメント有難うございます。イシガケの仲間は滑空シーンが大好きで、飛翔をもう少しアップで撮影したかったです。マエナリスのクッキリした模様は見飽きることがないですね。
Commented by fanseab at 2009-02-20 07:23 x
hirokouさん、おはようございます。おっしゃる通り、イシガケの仲間はド派手な模様ではなく、落ち着いた班紋なので、日本の蝶屋さんにも、好評なのかもしれません。ニベアは後翅の尾状突起に配されたブルーが大変お洒落だと思います。
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