探蝶逍遥記

北ボルネオ・キナバル遠征記:(13)裏波系シジミ類

 「XXXXウラナミシジミ」を和名に持つ種群も同定に困ります。アジアには大群となるJamidesNacaduba両属を中心に、ゴマンとこの仲間が生息しています。今回ご紹介するのは、いずれもポーリン温泉付近での撮影です。先ずは、どこでも目立つコシロウラナミシジミ(Jamides celeno lawasa)。吸水と飛翔シーンです。  ++画像はすべてクリックで拡大されます++  
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D70, ISO=200, F5.6-1/250、-0.7EV、撮影時刻:2008年5月3日、10時11分
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D70, ISO=640, F3.5-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:2008年5月3日、10時13分

 白系シジミは飛翔中、実態以上にでかく見えます。同じ川沿いでNacaduba属の裏面斑紋異常と思われる吸水個体に遭遇。
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D70, ISO=320, F9-1/250、-1.0EV、撮影時刻:2008年5月2日、12時44分

 図鑑で調べると、アングスタアマミウラナミシジミ(N. angusuta angusta)。どうやら個体数は少ないようで、今回遠征で撮影したシジミ類の中では最も珍品度が高いかもしれません。この独特な裏面線状紋のお陰で同定が容易にできました。

 一番個体数が多かったのが、ヒメウラナミシジミ(Prosotas nora superdates )。トラップ運搬用のゴミ袋に染み出した腐汁を吸汁するシーンです。
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D70, ISO=500, F4-1/320、-0.3EV、撮影時刻:2008年4月30日、11時25分

 このシジミ、北タイ・南ベトナムでもそこそこ見ていますが、キナバル山麓での個体数は飛び抜けて多く、それこそ蝿のように地面の上を飛んでいました。国内の南西諸島産亜種(ssp. kanoi)は無尾ですが、こちらでは立派な尾状突起が付いています。アップで見ると、毛むくじゃらの面相にビックリしますね! 個体数が多いので、撮影疲れで一休み時に手乗りに挑戦。何なく成功です(^^)
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GX100@5.1mm, ISO=80, F5.7-1/30、-0.7EV、撮影時刻:2008年5月2日、12時57分

 続いて飛翔。キナバルミカドを撮影した公園本部付近の渓谷での撮影です。
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D40-1855@18mm(トリミング), ISO=1600, F16-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:2008年4月29日、13時25分

 これは2頭がもつれ合っているシーンで、見難いですが、岩の上を飛ぶ1頭の左下(岩の手前側)に裏面を向けたもう1頭が確認できます。将に海老トラップ上空を飛ぶ蝿のようです。吸水に来たシジミでは、初物に出会いました。ニセウラナミシジミ(Catopyrops ancyra almora)。
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D70, ISO=200, F9-1/640、-0.7EV、撮影時刻:13時37分

 近縁のヒメウラナミシジミにも似ていますが、肛角部の赤班がこちらは2箇所にあります。この手のシジミは注意して面倒がらずに撮影を心がけないと、ついつい見逃してしまいます。それと、「ニセ・・・」と偽者であるかのような和名を付けられていますが、概して、「ニセ」を冠せられた種は本家本元より綺麗な蝶が多いように思います。<次回に続く>。
by fanseab | 2009-01-19 23:34 | | Comments(8)
Commented by maeda at 2009-01-20 06:46 x
この仲間の同定は私にはほぼ無理そうです。
標本を見ながらであれば、時間を掛けると慣れるのかもしれませんが、写真だけでは難しいでしょうね。
Commented by fanseab at 2009-01-20 07:27 x
maedaさん、この仲間は裏面の模様が同定の決め手になりますから、裏面をフラットに撮るように心がけています。それでも結局、帰国してから図鑑と睨めっこ状態になります。まだまだ新種が発見される確率が高いグループだとも言えます。
Commented by banyan10 at 2009-01-20 10:40
ヒメウラナミは尾状突起がない南西諸島の方が独特なのですか。
この仲間も魅力ありますね。
なかなか開かないものが多いので、飛翔で翅表を撮るのも楽しみですね。
Commented by カオヤイ at 2009-01-20 14:54 x
こんにちは、
いつも同定時に写真を参考にさせていただいておりますが、
やはり、この仲間、キチョウの仲間、ジャノメの仲間・セセリの仲間、
うーん、夕べもビール片手に孤軍奮闘。
結局よくわからないんですね。
仰られる様に、翅の表裏の模様がよく見えるように撮らないと。
でも、翅を中々開かない種類もいて、、半分お手上げ状態です。
Commented by fanseab at 2009-01-20 23:02 x
BANYANさん、概ね、分布の中心が南方にある蝶は、分布の北限では特異な形態になるようですね。ご指摘の通り、無尾型がむしろ独特と言えます。飛翔もヒメウラナミの場合は小さすぎて、目で追尾するのが結構困難です。カシオの例のカメラが必要ですね。
Commented by fanseab at 2009-01-20 23:05 x
カオヤイさん、こんばんは。そうですね。キチョウの仲間も殆ど同定
お手上げ状態に近いです。ヒメウラナミジャノメの仲間(Yptima)
も厳しい相手です。放花時でも狙えば、もう少し開翅が撮影でき
そうですが、これまたなかなかチャンスがありません。
Commented by saunterA at 2009-01-21 18:57
毛むくじゃらの面相でも、手に乗って下さった蝶ならかわいらしく思いますよね!撮影の疲れが吹き飛びましたか?(笑
ハエも綺麗ですね。(笑)


Commented by fanseab at 2009-01-21 22:39 x
saunterAさん、手乗り蝶の権威でしょうから、10頭くらい、手名づけるのも容易かもしれませんね。小生はまだまだ修行が必要です。ハエの美しさを感じられるようになったのですね。なんとコメントしたらいいかわかりません(^^;; しかし、トラップの回りに来る蝶を撮影していると、ハエの飛翔画像が急激に増えていってます(爆)
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