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探蝶逍遥記

キタキチョウ卵の拡大撮影

 首題卵は過去にAPS一眼拡大システムで撮影済です(外部リンク
今回、TG4で再撮影してみました。TG4専用ディフーザーFD1は大変良くできたアイテムです。カメラに向かって右上にある内蔵ストロボ発光部からの光を、レンズ全周に回し込み、円周方向ほぼ均一に照射できるよう工夫されています。ところが、光沢感のある対象を撮影し対象表面を観察すると、画面左上から、つまり内蔵ストロボ発光部方向からの照射量が顕著であることに気が付きます。この結果、撮影対象に程よい立体感を強調させる効果があります。ただキタキチョウのように表面構造が大変繊細で、軽微な凹凸しかない卵では、照明に一工夫要ります。そこで、今回は、カメラと卵の相対配置を4通りに変化させてストロボ発光部方向を変え、その効果確認をしてみました。

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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 #1はほぼ正面に卵を置き(カメラ水平面に対し、卵長軸を垂直に)、#2では卵を右45度に倒して撮影。#3,#4はカメラを上下逆に構えて、ストロボ照射光が卵の右下から当たるように変えております。#1~#4でどれがベストか?はここでは問題にしません。重要な点は照射方向を変えることで、卵の表情が一変すること。以前ご紹介したヒメアカタテハ(8月21日記事)、ムラサキツバメ(同19日記事)のように表面構造が明確な卵では、メインストロボ照射方向をさほど気にせずとも、構造描写が可能です。Papilio属やセセリのようにほぼ平滑な卵では、今回述べた照射方向の工夫が必須となります。今回マイクロフォーサーズ専用拡大システムでも再撮影しました。目的は過去に卵平面図(紡錘形の卵長軸に平行な方向から見込んだ画像)が未撮影だったからです。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段5コマ/下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F413-1/250、外部ストロボ+スレーブ2灯

 高さ1.3mm。最大直径0.48mm。キタキチョウの表面構造は大変繊細で、拡大率がTG4に勝る本システムを使用しても、未だ構造の全貌を描写しきれていません。スレーブストロボ2対の配置と照射強度を数通り変化させてベストの画像を選択しましたが、正面下部の表現が不十分ですし、平面図は手持ち深度合成の限界を感じる画像となりました。因みに縦条隆起は65本あります(2-3本の数え落としがあるかも)。同隆起はモンシロチョウで14本、スジグロシロチョウで16本ですから、遥かに細かい条溝が刻まれていることになります。
# by fanseab | 2016-08-24 21:57 | | Comments(0)

ヒメアカタテハの産卵(7月下旬)

 ムラツ産卵シーンを撮影した日は午前中から暑くて、熱中症になりそうな温・湿度でした。真夏の陽射しがジリジリ照りつけるシバ草原の遊歩道を歩いていると、道なりにヒメアカタテハが飛んでいます。遊歩道と芝の境目にヨモギの若葉が密集していて、どうやら産卵モード。先ずは一コマ目。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング),ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時21分

 ヒメアカ産卵は母蝶の個体数が増加する秋口に撮るのが通例。真夏の炎天下、平地で撮影するのは初体験。流石に地球上の広い場所に分布するだけあって、逞しい限り。酷暑に関係なく次々と産卵していきます。連射の途中、前脚連打行動も観察できました。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時24分32秒

 右前脚を振り上げようとした瞬間です。前脚連打行動は相当に素早く、シャッター速度1/500sec.では完全にブレていますね。母蝶が止まっている葉には既に2卵が確認できます。母蝶の狙いは、矢印で示した葉で、こちらにタッチしてホスト確認をしようとしております。↑の画像の8秒後に無事産卵。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時24分40秒

 卵は例によってお持ち帰りで拡大撮影。
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TG4@18mm(9コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:20時29分

 直径は0.6mm。拡大撮影中、同じ葉に産附されていた卵の色合いが黒化しているのに気が付きました。撮影してみると、何と孵化の瞬間でした!
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TG4@18mm(トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:20時31分

 動きが激しいので深度合成画像は撮影できません。その後、同じ葉上にあった別の3卵も無事孵化したので、短期間の飼育を実施し、2齢直後に多摩川縁のヨモギへ移してあげました。
# by fanseab | 2016-08-21 20:11 | | Comments(2)

ムラサキツバメの産卵(7月下旬)

 東京都下へ某タテハチョウ産卵シーン撮影狙いで出撃。しかし、母蝶の姿は皆無。ホストも全く発見できず、ポイント再探索が必要とわかり、ガッカリ。肩を落として駐車場に向かう途中、ムラツの産卵現場に出会いました。ムラツ産卵シーンは昨年最終化で初撮影に成功しております。ホストは定番のマテバシイ実生。しかし、実生の若葉が少なく成葉裏への産卵が殆ど。葉裏への産卵事例は初めて観察しました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
f0090680_1544616.jpg
D71K-34VR,ISO=500、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 しかし、・・・ご覧のような失敗画像を量産しました(^^; スジグロの産卵同様、葉軸に垂直に向いて産卵するため、カメラアングルを確保するのが非常に難しい!翅面にレンズを平行に向けると確実に葉被りするので、処置なし! 葉裏でも縁に近い場所に産んでくれれば、何とか対応策がありますが、真ん中近いとお手上げです。母蝶は数回産卵すると、樹冠に一旦引き上げて数分間の休憩を取る様子。5分程度待機していると、いつの間にか樹冠から舞い戻り産卵を再スタートさせます。何とか粘って、ようやく実生若葉への産卵シーンをゲット。
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D71K-34VR,ISO=500、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時20分

 産卵の途中、アブラムシと蟻が密集する茎近くの葉上で暫し吸汁。
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D71K-34VR,ISO=500、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時11分

 昨年もみかけた光景です。エネルギーを消耗する産卵行動を持続するため、アブラムシの排泄物を栄養源としているのでしょう。実生に産附された卵をお持ちかえりしてTG4で拡大撮影。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:20時22分

 ムラツ卵の直径は0.70mm。母蝶の図体に比較して極めて小さいサイズです。以前の記事(外部リンク)でご紹介した通り、ムラシ卵と直径・微構造がそっくりで肉眼・低倍ルーペでの種判定が難しい対象です。
# by fanseab | 2016-08-19 22:18 | | Comments(2)